新規顧客の開拓につながるフードデリバリーの導入。複数あるサービスのうち、どのフードデリバリーに出店するのがよいでしょうか?
この記事では、
各フードデリバリーの違いは?
加盟店側の初期費用はどのくらい?
手数料の金額は違うの?
自分のお店にあうフードデリバリーは?
そんな疑問があるお店オーナーのために、さまざまな視点からUber Eats、出前館、Wolt、menu、ロケットナウ の各フードデリバリーを比較していきます。
フードデリバリー4社の概要を比較
フードデリバリーへの出店を考えるにあたり、まずはUber Eats(ウーバーイーツ)、出前館、Wolt(ウォルト)、menu(メニュー)、rockt now(ロケットナウ)各社の概要を比較してみましょう。
Uber Eats(ウーバーイーツ)

- 知名度が高く注文数が抜群に多い
- 登録料50,000円が無料(キャンペーン期間中)
- Uber One(サブスク)会員のリピート率が高い
- 売上は週1回入金される
- バーチャルレストランも開店可能
出前館

- シニア層、ファミリー層によく使われる
- 注文単価が高い傾向
- 登録料無料
- 開店時の撮影費用も無料
- タブレットレンタルあり(有料)
Wolt(ウォルト)

- チャット即レス!手厚いサポート
- 若者に人気、スイーツ系も好調
- 登録料無料
- 開店時の撮影費用も無料
- ブラントイメージがよい
menu(メニュー)

- Pontaパス会員からの安定注文
- 若者に人気、スイーツ系も好調
- 登録料無料(キャンペーン期間中)
- 手厚いサポートで初心者でも安心
- 親会社が有名IT系企業で安定感あり
rockt now(ロケットナウ)
フードデリバリー各社の
サービスエリアを比較

2025年9月現在、フードデリバリー各社がサービスを展開しているエリアは以下です。
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47都道府県 | 47都道府県 | 26都道府県 | 33都道府県 | 東京全域、 神奈川・千葉・埼玉の一部 |
同じ都道府県でも、各フードデリバリーがサービスを展開しているエリアとそうでないエリアがあります。
ご自身の店舗が出店を検討するフードデリバリーのサービスエリア内かどうかは、注文者アプリを開き、位置情報に店舗の住所を入力することで確認できます。
フードデリバリー出店の
条件について比較
Uber Eats、出前館、Wolt に出店するおもな条件は以下です。
Uber Eats | 〇 飲食店営業許可証がある 〇 5品以上のメニューを提供 〇 週4日以上、1日3時間以上の営業 |
出前館 | 〇 飲食店営業許可証がある 〇 5品以上のメニューを提供 |
Wolt | 〇 飲食店営業許可証がある 〇 5品以上のメニューを提供 |
menu | 〇 飲食店営業許可証がある 〇 6品以上のメニューを提供 |
ロケットナウ | 〇 飲食店営業許可証がある ※品数については確認中 |
フードデリバリー出店に必要な書類

各フードデリバリーで出店に必要な書類は、ほぼ共通しています。
- 飲食店営業許可証
- 酒類販売業免許(酒類を販売する場合)
- メニュー一覧
- 銀行情報の証明書類
フードデリバリーの登録料はいくら?
各フードデリバリーに店舗が最初に登録する(加盟店になる)にあたってかかる登録料。出前館とWoltはいつでも無料です。
Uber Eats の登録料
Uber Eats は50,000円(税込)の店舗登録料がかかりますが、2025年9月現在において無料キャンペーンを継続しています。この無料キャンペーンはいつ終了するかは不明なので、Uber Eats への出店を検討している人は、早めに登録申請することが賢明です。
出前館 の登録料
出前館の出店に際しての登録料は無料です。
menu の登録料
menu も、現在キャンペーンにより50,000円の登録料が無料になっています。ただし、menu については申込から3か月以内の公開(出店)が条件との旨、公式サイトに記載あります。
Wolt の登録料
Wolt の出店に際しての登録料は無料です。
ロケットナウ の登録料
ロケットナウ の出店に際しての登録料は無料です。
フードデリバリー各社の手数料を比較

「手数料」とは1回の注文につき、店舗がフードデリバリー会社に支払う利用料金のことです。店舗が直接料金を振り込む必要はなく、売上から自動的に差し引かれます。
フードデリバリー会社も運営を継続するために利益を確保する必要があるため、手数料は発生します。
各フードデリバリーの手数料
Uber Eats | 35%+税 |
出前館 | 25%+税、10%+税 |
Wolt | 35%+税 |
menu | 35%+税 |
ロケットナウ | 22%+税 ※ |
※ロケットナウの手数料は最初の3か月が22%+税で、その後35%+税になります。
出前館の手数料について
出前館の手数料は
・配達代行手数料=25%
・サービス手数料=10%
に分かれています。
通常、出前館の配達代行を利用する場合は、合計35%の手数料がかかります。しかし、自社スタッフが配達を行う場合は、手数料は10%のみとなります。
また、出前館の場合、注文者がクレジット決済をした場合、別途クレジットカード会社への決済手数料(約3%)が発生します。
各社とも手数料には消費税がかかる
注意すべき点として、各社の手数料にはそれぞれ消費税が加算されます。フードデリバリーの手数料は「35%」と表記されていますが、実際の負担額は、 35×1.1=38.5% 程度になることを覚えておきましょう。

👆記事内でフードデリバリー4社の費用を比較しています👆
クレジット決済には手数料がかかる?
「クレジット決済手数料」とは、注文者がクレジット決済を選択した場合、クレジットカード会社へ支払わなくてはいけない手数料のことです。
出前館は、このクレジット決済手数料を店舗が負担します。金額は注文手数料(配達料を含む)の3%ほどです。
それ以外のフードデリバリーでは、決済手数料を店舗が負担する必要はありません。
フードデリバリーの初回登録キャンペーン
出店にあたり、初回登録キャンペーンを実施しているフードデリバリーは、
- Uber Eats(ウーバーイーツ)
- menu(メニュー)
で、どちらも
登録料無料キャンペーン
です。
すでにお話ししたとおり、ともにキャンペーンの終了時期は不明で、menu については原則として申し込み後3か月以内の公開(出店)が条件となっています。
なお、出前館、Wolt、ロケットナウ はもともと登録料が0円です。
フードデリバリーのキャンペーンは、それぞれの営業担当者によって異なる場合もあり得ます。とくに実際に店舗に出向いての営業の場合、キャンペーンの内容がまず本部か代理店かで違ったり、その中でも営業担当者によって違ったり、時期により変わることもあります。店舗がみずからWebで申し込む場合でも、そのあと営業担当者とつながることになります。営業担当者から、現在実施されているキャンペーンの詳細を聞いてみましょう。
タブレットのレンタルはある?ない?

フードデリバリーの注文を受けるには、タブレットが必要です。ご自身でタブレットを持っている場合はそれを使えますが、持っていない場合はレンタルまたは購入する必要があります。
Uber Eats と出前館はタブレットのレンタルサービスがあります。Woltもタブレットの提供はありますが、購入になります。
タブレットのレンタル料・購入料
Uber Eats(レンタル料) | 22,500円(税込)※登録料に含まれる |
出前館(レンタル料) | 月額 2,200円(税込) |
Wolt(購入料) | Wifiモデル: 19,000円+税 セルラーモデル: 23,000円+税 |
menu(レンタル料) | 【本体代】19,000円(税込) 【利用初期費用】1,650円(税込) 【月額費用】1,000円または売上の3%どちらか少ない方 |
ロケットナウ(レンタル料) | 確認中です |
Uber Eats は実質レンタル料0円
Uber Eats のタブレットレンタル料は22,500円(税込)ですが、こちらは登録料(50,000円)に含まれています。
このため、登録料無料キャンペーンが続いている限りは、Uber Eats のタブレットレンタル料は実質無料ということになります。
Wolt は最初の3か月は無料
Wolt ではセルラーモデルを購入する場合、週250円+税 のSIMカード代が発生します。
ただし、出店後、最初の3か月はお試し期間としてタブレット料金の支払いは不要です。タブレット料金の支払いがはじまるのは、4か月目からです。
menuは新規のタブレットが不要
menu は、すでに他のフードデリバリーを導入している場合、新しくタブレットを用意する必要がありません。既存のタブレットにmenu の店舗用アプリをダウンロードできます。

フードデリバリー各社の
写真撮影について比較

アプリに掲載される商品写真やお店トップの写真は、ご自身で撮影することもできますし、各フードデリバリーの撮影代行サービスを利用することもできます。
写真撮影にかかる費用
各フードデリバリーでかかる写真撮影の費用は以下のとおりです。
Uber Eats | 13,000円(税込) |
出前館 | なし |
Wolt | なし |
menu | 23,000円(税込) |
ロケットナウ | なし |
Uber Eats はタブレットのレンタル料は実質無料ですが、写真撮影には費用がかかります。この費用は、出店後に毎月の売上から差し引かれます。
menuも撮影費がかかります。Uber Eats より高いですが、時間をゆっくりとってもらえます。
撮影できる枚数は?
Uber Eats | 16枚 |
出前館 | 35枚 |
Wolt | 30枚 |
menu | 22枚 |
ロケットナウ | 確認中です |
各社の写真撮影代行サービスでは、アプリトップ画面に表示される写真1枚または2枚と、各商品の写真を撮影します。
カメラマンが到着するとどんどん撮影は進行するので、料理を完成形に仕上げておく、写真を撮る順番を確認しておくなど、事前の準備が大切です。

フードデリバリー各社の
売上入金支払いのタイミングを比較
売上金が飲食店に入金されるタイミングは、各フードデリバリーによって異なります。Uber Eats は売上があれば毎週支払われるのに対し、それ以外のサービスはは月1回の支払いとなります。
Uber Eats | 週1回 |
出前館 | 月1回 |
Wolt | 月1回 |
menu | 月1回 |
ロケットナウ | 月1回 |
Uber Eats の支払い日

Uber Eats の売上金は前週(日曜まで)の売り上げが、月曜に銀行口座へ送金されます。(送金完了時に店舗にメールが届きます)
銀行の処理が完了し、実際に店舗側へ売上金が支払われるのは、通常、火曜または水曜です。
出前館の支払い日

出前館の売上金の支払いは、月に1回です。月末締めで集計され、翌月5日以内に金額が確定されます。(タブレットで確認可能)その5日後に、店舗の銀行口座に売上金が支払われます。
出前館では、銀行の振込手数料は店舗の負担になりますが、三井住友銀行なら振込手数料は0円です。
Woltの支払い日

Wolt の売上金の支払いも、月1回です。月末締めで集計され、6営業日以内に銀行口座に売上金が支払われます。
menu の入金日

menu の売上金の支払日も、月1回です。月末締めで集計され、翌月の25日に銀行口座に支払われます。
ロケットナウ の支払い日

ロケットナウの売上金の支払日も、月1回です。月末締めで集計され、翌月の10日に銀行口座に支払われます。
フードデリバリー各社の広告費について比較
どのフードデリバリーとも、店舗自身で予算を設定して広告を出すことが可能です。広告を出すと、アプリの検索上位に店が表示されるため、注文者に見つけられやすくなります。
広告費が発生するタイミング
広告を出している期間中、つねに費用がかかるわけではありません。あるタイミングで広告費が発生する仕組みです。そのタイミングは各社で異なります。
Uber Eats | クリック時 |
出前館 | 注文時 |
Wolt | 注文時 |
menu | 確認中です |
ロケットナウ | 確認中です |
Uber Eats の広告費
広告を出している店舗のトップページを注文者がクリックしたときに、広告費が発生します。フードデリバリーでは、数多くの店舗の中でまずクリックされることが第一歩なので、広告を活用する意味は大きいといえます。
出前館の広告費
以前、出前館の広告は、店舗が月額制で広告枠を購入するかたちでした。しかし2024年11月から、完全成果報酬型の広告に変更されました。
広告費は、注文が入ったタイミングで発生します。また、広告費の金額は、注文金額と広告料率の掛け合わせで算出されます。
Wolt の広告費
Wolt も完全成果報酬型の広告を採用しています。注文者が広告(店舗のトップページ)をクリックし、その後7日以内に注文をした場合に、広告費が発生します。


フードデリバリー各社の
店舗のキャンペーンを比較
各社とも、店舗は気軽にキャンペーンに参加できます。キャンペーンは、以下でご紹介するような定番のものに加えて、クリスマス、バレンタイン、連休などにあわせた期間限定のものもあります。
※ menu、ロケットナウについては確認中です。
- 配達手数料0円
- 対象商品が無料
- 1つ頼むと1つ無料
- 注文金額の割引
- ハッピーアワー
- 配達手数料0円
- 注文金額の割引
(クーポンとして発行可能) - タイムセール
- 配達手数料0円
- 1つ頼むと1つ無料
- 注文金額の割引
どのフードデリバリーもキャンペーンはタブレットから簡単に参加できます。キャンペーンの参加には費用がかかりますが、注文者へ自分のお店をしっかりアピールできるので、新しい顧客の獲得につながります。
フードデリバリーをはじめよう!
まとめ
フードデリバリーを始めようと考えている人にむけて、Uber Eats、出前館、Wolt、menu、ロケットナウを店舗側の立場で比較しました。登録料、手数料、キャンペーン、写真撮影やタブレットのことなど、それぞれ違いがありますが、共通しているのは、4社とも加盟店へのサポートが充実しているということ。店舗が新しい顧客を獲得し、売上を上げられるように伴走してくれるので、ぜひ、安心してフードデリバリーに挑戦してみてください。