集団AHPとは
AHP(Analytic Hierarchy Process:階層化分析法)は、消費者が商品を選んだり、魅力を評価したりする際の感覚的な判断基準を定量的に捉える手法です。消費者はどのような視点を重視してプロダクトを選ぶのかといった顧客分析や、それぞれのプロダクトはどのような強みや特徴があるのかといったプロダクト分析ができます。
通常のAHPは「個人」ごとに分析を行いますが、集団AHPを用いるとによって、消費者群といった集団全体の判断基準の重要度やプロダクトの選好度を分析することが可能になります。
AHPでは、商品の評価や選定といった問題を、下の図のように「課題」「評価基準」「代替案」の階層構造に分解して考えます。各「評価基準」の重要度や、各「評価基準」からみたときの「代替案」の好ましさを順に評価していきます。
何ができるか/ご利用想定シーン
- 消費者の選好の要因分析
上記の例、「購入する車の選択」という課題では、まず、消費者が「機能性」「デザイン」「経済性」といった評価基準の中でどの視点をどの程度重視しているか、数値で得ることができます。また、評価基準ごとに個々の車の評価点が算出されるため、それぞれ車の強み・弱みといったプロダクト分析も可能となります。
- 最良のデザイン案の選定
AHPは多面的にプロダクトを評価し、最も好ましいものを選定する際に適した手法です。ある商品のデザインについて、イメージの方向性(コンセプト)が確定し、それにもっとも合致したデザインを選定したい場合、コンセプトを評価基準とし、複数のデザイン案を評価することにより、最良のデザイン案を取捨選択することができます。
- 課題や資源配分の優先順位の決定
限られた資源の中で取り組むべき課題が多数存在する場合、AHPを用いて課題の優先順位や、資源配分の割合についての判断を下すことができます。必要な評価基準を明確にし課題の構造化を行うことにより、合理的で説得力のある意思決定を行うことができます。
アウトプット例
- 評価基準の重視度と総合評価値