自分のペースで自由に働けるUber Eats の配達パートナー。面談もシフトもない気軽さがポイントですが、収入面はどうなっているのでしょう?Uber Eats 配達員はどのくらい稼げるのか、気になる報酬について解説します。
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員の報酬(給料)の仕組み
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナーは、どのように収入を得ているのでしょうか。
配達パートナー(配達員)は、Uber Eats や飲食店に雇われるのではなく、個人事業主として契約します。このため、収入を得る仕組みは、給料制ではなく、報酬制です。
配送1件あたりの報酬額は、次の図のように計算されます。
報酬の中身を具体的に見ていきましょう。
配送料とは
「配送料」とは、配達パートナーが得る報酬のベースとなる部分です。「基本金額」と「配達調整金額」からなります。
基本金額
「基本金額」は、配送料の基準となる金額です。
基本金額は、Uber Eats 独自のアルゴリズムによって決定します。商品の受け取りにかかる時間や距離、天候、稼働中の配達員の数、料理の値段など、基本金額が決まる要素はさまざまです。
配達調整金額
「配達調整金額」は、基本金額に追加して支払われる金額です。
たとえば
- 通常より交通状況が混雑している
- 通常より店舗での待ち時間が長い
- 通常より配達員の数が少なく、需要が高い
- 複数同時配達(ダブルピック、トリプルピック)
といった状況で発生します。
ピックアップ時に料理ができていなくて待ち時間ができても、その分いくらかは支払われるので、ストレスが少なくなります。
インセンティブとは
インセンティブ(アプリ上ではプロモーションという)は、Uber Eats の配達員が得られる追加報酬のことです。
以下の2つがあります。
ピーク料金
注文の多い時間帯(ランチ・ディナー)やエリアに発生する追加報酬です。さらに雨など悪天候の日も、通常より単価が上がる傾向にあります。
以前はアプリ上に「+100円」など追加の金額が表示されましたが、現在はされていません。需要の高いエリアを示すマークは表示されます。
クエスト
期間中に指定された回数の配達をこなすともらえるインセンティブが「クエスト」です。クエスト達成による報酬アップを励みとして日々の配達をしているUber Eats の配達員はたくさんいます。
クエストの発生するタイミングは、人やエリアにより異なります。
配達件数が多い配達員のほうが、少ない配達員よりもクエストの金額が高くなるようです。
チップとは
Uber Eats の配達員は、注文者からチップをもらえることがあります。注文者が注文するとき、または注文した後に、チップを支払えるシステムになっています。
チップの金額は注文金額の5%、10%、15%、20%から選ぶか、任意の金額を入力することも可能です。
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員 報酬額の相場は?
気になるUber Eats 配達員の報酬は、どのくらいなのでしょうか。
Uber Eats にはシングル、ダブルの配達がある
Uber Eats 配達員の報酬(単価)を考えるとき、Uber Eats にはシングルの配達とダブルの配達があることを理解しておく必要があります。
シングルの配達は1件のみの配達、ダブルの配達は2件同時配達です。当然シングルの配達よりも、ダブルの配達のほうが単価は高くなります。
シングルの配達の単価(新宿)
たとえば東京新宿のランチタイムで見た場合、Uber Eats シングルの配達の単価は、350円~600円程度。ときどき ‟マグロ案件” といって1,000円を超える高単価のリクエストもあります。
もちろん案件により配達距離が異なるので、額面上の単価だけでは割のよい案件か判断しきれないでしょう。Uber Eats の配達員は、リクエストがくると距離単価(1キロあたりの単価)を計算して受諾するか否かを決める人が多いです。
シングルの場合、距離単価にするとだいたい150円~250円が相場です。
ダブルの配達の単価(新宿)
一方、ダブルの配達だと、単価は450円~1,500程度。距離単価は200円~350円程度でしょう。
ちなみにUber Eats はダブル配達のリクエストは多いです。距離が遠い場合や単価が低いと感じたとき、ダブルの配達をシングルに ‟解体” することもあります。2件のうちどちらかをキャンセルするかたちです。
対して出前館やWoltはダブル配達のリクエストは少ないです。
参考:買い物代行の単価(新宿)
2024年6月から、Uber Eats で新たなサービス「ピック・パック・ペイ(PPP)」が始まりました。つまりは買い物代行のことで、「イオン」や「まいばすけっと」ですでに連携されています。
このピック・パック・ペイの単価は、同じく新宿のランチタイムで検証すると450円程度。距離単価は250円程度です。ピック・パック・ペイの注文はまだ少ないですが、今後広がっていくと予想されます。
マグロ案件とは?
上記でふれたように、Uber Eats にはときど1,000円台~3,000円台の高単価案件が発生します。これを配達員の間では ‟マグロ案件” と呼んでいます。
マグロ案件は、もともと低単価の案件が複数の配達員に拒否されて、まわりまわって高単価になったものといわれます。またはそもそもの商品単価が高い(高級料理系)こともあり得ます。そしてたいていは長距離のダブル配達です。
Uber Eats 配達員の中には、マグロ案件だけをねらって複数のエリアを回遊する人もいます。それも方法の一つですが、回遊中は収入がゼロになるので、細かなリクエストを継ぎ目なく引き受けてコツコツ報酬を増やすやり方の配達員も、もちろんいます。
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員 時給換算すると?
Uber Eats 配達員の仕事を時給換算すると、どのくらいになるでしょうか?
上記と同じく東京新宿のランチタイムで検証すると、
単価 : 500円 所要時間: 20分
の案件では、
500円÷20分=25円(1分の単価)
なので
25円×60分=1,500円(1時間の単価)
時給換算すると1,500円となります。※自転車での配達
注文リクエストがくる際、アプリ上に報酬金額と距離、それから配達にかかる時間も表示されます。そのため、1分あたりの単価をその場で計算し、受諾するか否かを決められます。
Uber Eats の「配達時間」は
Uber Eats のよいところは、配達にかかる時間が
現在地 → お店 → 注文者
すべての範囲を含めていること(距離も同じく)。
たとえば出前館の場合は、アプリに表示される時間と距離に、現在地→お店の範囲が含まれておらず、その分は報酬が発生しないので注意が必要です。
繁忙期と閑散期 Uber Eats の収入はどのくらい違う?
ところで、Uber Eats の繁忙期と閑散期では、収入の差はどのくらいあるのでしょうか?
まず、Uber Eats で稼げる時期と稼げない時期を確認します。
繁忙期:7月~8月、12月~2月
閑散期:3月~5月、9月~11月
リアル配達員の声を聞くと、繁忙期を10とすると閑散期は4くらいの収入の違いがあるようです。
ただ、Uber Eats 初心者で、のんびりはじめてみたいという人は、閑散期のほうが気持ちが楽かもしれません。
Uber Eats(ウーバーイーツ)報酬(給料)振込みの時期と方法
次に、Uber Eats 配達員が報酬を受け取る日、会社員でいうところの “給料日” について説明します。
Uber Eats の “給料日” は週に1回
Uber Eats(ウーバーイーツ)の報酬は、週払いです。つまり、週に1回、報酬が支払われます。
締め日は毎週月曜の午前4時です。その後、登録済みの金融機関に送金されます。
振込日は金融機関により異なる
着金(実際に口座に振り込まれる)がいつになるかは、金融機関により異なります。気になる人は、金融機関に問い合わせてみましょう。
海外からの送金ということもあり、国内よりは時間がかかる傾向にあるようです。
Uber Eatsに「給料明細」はある?
報酬の明細はダウンロード可能
業務委託の配達パートナーの仕事で「給与」は支払われないため、いわゆる「給料明細(給与明細)」はありません。
獲得した報酬についての明細は、ドライバーアプリ上で確認できます。また、サイトにログインしてデーターをダウンロードすることも可能です。
データは消えてしまうおそれもあるので、こまめにローカル保存しておくといいでしょう。日頃から売上を管理しておくと、2月~3月にある確定申告もスムーズにできます。
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員が高収入を得る方法
Uber Eats 配達パートナーの仕事で高収入を得るには、回数を重ねて慣れることのほかに、コツをつかんで効率的に動くこともポイントです。
たとえば
・土日・祝日をねらう
・ピークタイムをねらう
・雨の日をねらう
・得意なエリアをつくる
・交通事情を把握しておく
・都心で稼働する
・繁忙期はせまく、閑散期は広く
・高単価の案件を見逃さない
・クエストを達成する
・商品価格の高い店をねらう
・チップをねらう
などの方法があげられます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員は確定申告が必要?
最後に、確定申告についてお話しします。
くり返しになりますが、Uber Eats 配達パートナーは個人事業主です。そのため、Uber Eats で得た収入は、確定申告をする必要があります。
確定申告は年度末におこなう
所得税は、毎年2月16日~3月15日の間におこないます。
必要書類を税務署でもらったり国税庁のHPからダウンロードして、自分でおこないます。電子申請(e-Tax)も可能です。
個人事業主は確定申告が必要
会社員とは違い、個人事業主の場合は年度末に確定申告をして、所得税を納めます。Uber Eats 配達員も個人事業主なので原則、確定申告が必要です。
基準を超えた人が確定申告をする
Uber Eats の配達員は確定申告が必要ですが、基準があります。
Uber Eats での年間所得が48万円以上
Uber Eats での年間所得が20万円以上
以上に当てはまる人は、年末に確定申告をしてください。
「所得」=「収入」ではない
ちなみに、「所得」とは、収入から経費を差し引いたものです。
- 自転車やヘルメットの購入費
- スマホの通信費
- 配達エリアまでの交通費
- レンタサイクル代
などを経費にできます。
自転車やスマホなど、Uber Eats の業務以外でも使うものについては、業務で使う割合分のみを経費として計上します。
「事業所得」か「雑所得」か?
確定申告が必要な場合、「事業所得」または「雑所得」のどちらかで申告します。
配達パートナーを専業としている人は「事業所得」、副業の人は「雑所得」で申告するのが通常です。ただし、副業の場合でも、実働時間や事業の規模により「事業所得」になることがあります。迷うときは管轄の税務署に直接問い合わせてみましょう。
白色申告と青色申告
Uber Eats を本業でやっていて、事業所得として確定申告する場合、「白色申告」と「青色申告」の選択肢があります。
「青色申告」は、最大65万円の特別控除を受けられたり、バイクなど30万円未満で購入したものを全額その年に経費計上できる(白色だと何年かに分けて計上)などのメリットがあります。
ただし、青色申告は手続きが複雑という難点があります。初心者だと大変ですが、最近は会計ソフトのスペックが上がっているので、自力で青色申告をする人も増えています。
まとめ
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達パートナーの報酬(給料)について、テーマごとに説明しました。フリー契約であることから、自分の工夫や頑張りしだいで収入アップも見込めます。とはいえ、心身ともに元気でなければ元も子もありません。自分のからだや生活スタイルと向き合いながら、無理なく配達パートナーの仕事に取り組みましょう。