「保健師派遣って、正直どうなんだろう?」
「時給はどうして高いのだろう?」
保健師派遣は時給の高い求人も多いですが、業務内容は求人ごとで異なります。したがってメリット・デメリットも理解したうえで、求人に応募するか決める必要があるでしょう。
本記事では転職コンサルタントで多くの保健師転職をアドバイスしてきた私が、知見と経験から保健師派遣に関して解説します。
この記事を読めば、保健師派遣の働き方やおすすめの派遣会社がわかります。5分で読めるので、最後まで目をとおしてみましょう。
1. 保健師派遣とは?正社員との違いも紹介
保健師派遣とは、派遣会社に登録した保健師が派遣先の職場で業務をおこなうことです。
健康診断などの繁忙期や長期休暇を取得した保健師がいる場合、人員補充が目的で派遣されます。
派遣の保健師が担当する業務は以下のとおりです。
- 健康診断や予防接種
- 訪問指導
- 従業員の健康や衛生の管理
- 怪我や急病の対応
派遣先は企業や公的機関のほか、下記条件を満たせば医療機関にも派遣されます。
- 紹介予定派遣である
- 派遣先の業務が産休や育休、介護休暇を取得した従業員と同じである
また、派遣と正社員の保健師の違いも確認しておきましょう。
正社員 | 保健師派遣 |
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2. 【狙い目!】保健師派遣の実態とは?
医療系派遣の求人サイトをみても、保健師派遣の求人が多く見られます。保健師派遣の特徴は以下の2つです。
順番にご説明します。
2-1.保健師派遣は平均時給1,700円と高時給
株式会社カカクコムが運営する求人ボックス給料ナビを見ると、保健師派遣の平均時給はパート・アルバイトに比べて高いのがわかります。理由は、即戦力を期待されているからです。
保健師派遣の求人は、以下の時期になると多くなります。
・ワクチン接種
・健康診断
・正規雇用の保健師の退職や長期急務
2-2.産業保健師の求人が多い
産業保健師とは、企業で働く人の健康を管理する職業です。従業員の健康診断、ストレスチェックなど業務内容が多岐にわたります。
産業保健師の求人の特徴は、以下の3つです。
- 事務系の仕事が多いため、未経験OKの募集が多い
- 派遣先が大手企業のため、時給が高い
- 紹介予定派遣の求人が多い
パソコンの作業が多いものの、時給が高く日勤だけ働けばいいことが魅力です。産業保健師に興味がある方は、下記記事を参考にしてみましょう。
3. 保健師派遣として働く4つのメリット
保健師派遣で働く場合、メリットは以下の4つです。
それぞれ、見ていきましょう。
3-1. 契約にもとづいた働き方ができ、残業代がきちんと支給される
保健師派遣は労働者派遣契約にもとづいて働きます。残業なしの契約であれば、定時での退社が可能です。
残業がある派遣先の場合、派遣会社が残業代を支払うためサービス残業がありません。
確実に残業代が支給されるのは、保健師派遣のメリットです。
3-2. 仕事の領域が決まっており、プライベートを優先しやすい
派遣の保健師は仕事の領域が決まっていて、プライベートを優先しやすいです。子育てや家族を優先するために、あえて派遣の保健師になった方もいます。
残業が多い職場や正規雇用の保健師では、定時で退社できず子育てとの両立が難しい場合もあるでしょう。
ライフスタイルに合った働き方を実現できるのが、保健師派遣のメリットです。
3-3. さまざまな職場を体験できる
さまざまな職場を体験できるのを魅力に感じて、保健師派遣を選択する方もいます。正規雇用の保健師は求人が少なく、離職すると正規雇用の再就職が難しいです。
したがって保健師の経験を積むために、派遣の保健師で働きたい人もいます。
正規雇用でなくとも、さまざまな職場を経験したい方におすすめです。
3-4. 人間関係が煩わしければ転職できる
人間関係で悩んでも転職しやすいのも、保健師派遣のメリットといえます。理由は、労働者派遣契約書に記載された期間だけ働けばいいからです。
契約期間の終了が近づくと、派遣会社から契約更新に関する連絡がきます。連絡が来たときに、同じ職場で働くか、別の職場で働くか選択が可能です。
人間関係で悩んで転職したい場合、契約期間を更新しないことを伝えれば問題ありません。別の派遣先で働きたいことを伝えると、新たな職場を紹介してくれます。
契約期間の更新は1ヵ月や3ヵ月、6ヵ月ごとが多いです。働くうえで人間関係を大事だと考える方は、保健師派遣をおすすめします。
4. 保健師派遣として働く4つのデメリット
一方、保健師派遣の働き方にはデメリットがあります。具体的には、以下の4つです。
順番にご紹介します。
4-1. 即戦力を求められる
派遣の保健師は、即戦力を求められる傾向があります。なぜなら実務経験を要する求人が多く、パートやアルバイトよりも人件費が多くかかるからです。
人手不足を補充するのが目的だった場合、イチから教えてもらえない場合もあるでしょう。そのため派遣の保健師は、自ら動くことが重要です。
仕事を覚えられない期間が続くと、現場の職員から不満が出ることもあります。不安な方は実務経験を積んでから、派遣の保健師で働くのをおすすめします。
4-2.雇用契約外の仕事を求められるケースがある
保健師派遣は状況次第で、雇用契約外の業務を任せられる場合もあります。例えば人手が足りない場合や、時間外に緊急で依頼される場合です。
派遣の保健師とはいえ、現場で働く一員には変わりありません。したがって契約外の業務を緊急で担当して、現場をサポートするのは大切です。
ただし日常的に契約外の仕事を依頼されるのは、好ましくないでしょう。契約外の仕事を任されてきたら、派遣会社の担当者に相談してみるのをおすすめします。
4-3.スキルアップ・キャリアアップができない
保健師派遣は、スキルアップやキャリアアップにつながらない場合もあります。
理由は、以下の3つです。
- 仕事の成果を評価しにくい職業である
- キャリアアップにつながる業務を任せてもらえない
- 短期離職が可能な働き方である
責任がある仕事をしたい場合、派遣の保健師からのキャリアアップが大切です。キャリアに関しては、下記記事で紹介している転職エージェントに相談してみましょう。
4-4. 定期的な更新制度と同一就業先で働く年数に上限がある
前述したとおり、派遣の保健師は定期的な契約更新があり、同じ職場で3年しか働けません。なかには、3ヵ月〜6ヵ月で契約が満了する職場もあります。
契約期間が短いのは、いつでも正規雇用の保健師を採用できるようにするためです。雇用期間が短い派遣の保健師より、10年後も働きそうな正規雇用の保健師のほうが企業側にとってメリットです。
したがって契約更新の時期が近づくと、「更新されるだろうか」と不安な派遣の保健師もいるでしょう。
契約終了の告知に関しては、30日前までにおこなうと法律で定められています。保健師派遣の求人は多くないため、次の職場が見つかるように準備しておきましょう。
将来的に正規雇用を目指したいと考えている方は、紹介予定派遣がおすすめ
正規雇用の保健師を目指す方は、紹介予定派遣の求人を検討しましょう。
紹介予定派遣とは、最長で6ヵ月の契約期間が終了したあとに企業が合意すれば正規雇用される制度です。
契約更新がある派遣から正規雇用で就職したいと申し出ても、採用されるわけではありません。
派遣で入社してみて、働きやすい職場に感じて長く勤めたい方は、直接雇用に切り替わる紹介予定派遣がおすすめです。
5. 保健師派遣が向いている人
保健師派遣に向いているのは、以下のいずれかに当てはまる方です。
- 結婚、出産、育児などライフスタイルに変化があった女性保健師
- キャリアアップよりも家族やプライベートを優先したい方
- 実際に働いてみて直接雇用で入職したい方
- 職場との関係を割り切れるタイプの方
- 短期間(2〜3ヵ月)で一気に稼ぎたい方
興味がある方は、これから紹介する派遣会社の利用を検討してみましょう。
6. 保健師におすすめの派遣会社の選び方
保健師の派遣会社を選ぶとき、以下の5つを意識しましょう。
- 大手の派遣会社
- 保健師に特化している
- 求人数や派遣実績が多く、口コミ・評判が良い
- 希望する条件に近い求人がある
- 居住エリアに対応している
保健師に特化した派遣会社を複数登録すれば問題はありません。次章で紹介するおすすめの派遣会社を登録してみましょう。
7.【保健師の派遣に強い】おすすめの派遣会社5選
求人の質や量とエージェントの提案力やサポート力から、おすすめの派遣会社は以下の5つです。
それぞれ説明していきます。
7-1.MCナースネット
『MCナースネット』は看護師向けの転職・派遣支援サービスです。
求人数は多くありませんが、高時給の求人が多く掲載されています。週2回や時短の仕事もあるため、家庭と両立を考えている方は利用しやすいでしょう。
健診・ツアーナースなどの単発求人も多く、短期間で稼ぎたい方におすすめです。
おすすめな人
- 常勤以外(単発、短期、パート派遣、時短勤務)で働きたい
- 高時給の案件が見たい
- 地方で求人を探している
7-2.テンプスタッフ
『テンプスタッフ』は、パーソルテンプスタッフ株式会社が運営する人材派遣会社です。
業界トップクラスの求人数と細かいサポートで、人材ビジネス業績ランキングでNo.1を獲得しました。
スキルアップできる体制があるため、ポジティブな評判が多いです。
おすすめな人
- 実績豊富で人気の派遣会社を利用したい
- 担当者の評判がいい派遣会社を使いたい
- 高時給で働きたい
7-3.パソナ
『パソナ(PASONA)』は、株式会社パソナが運営する人材派遣会社です。
月間人材ビジネスの「派遣スタッフ満足度調査」でNo.1を獲得したことから、満足度の高い派遣会社として知られています。
高時給の求人も多く、女性の再就職支援に力を入れているのも特徴です。
おすすめな人
- 優良案件を紹介してほしい
- 担当コーディネーターの手厚いフォローがほしい
- 女性に優しい派遣会社を使いたい
7-4.スタッフサービス・メディカル
『スタッフサービス・メディカル』は、株式会社スタッフサービスが運営する医療分野専門の派遣会社です。
正社員になりたい方のサポートがあるため、キャリアプランを広げやすいのが特徴です。
国内の拠点が多いため、地方在住の方も使いやすいでしょう。
おすすめな人
- 地方在住である
- 常勤以外(週2~3回など)で仕事がしたい
- ゆくゆくは正社員を目指したい
7-5.ナースパワー
『ナースパワー』は、看護師転職・派遣に特化した転職支援サービスです。
全国の派遣求人だけでなく、「応援ナース」と呼ばれる単発や短期の案件もあります。
オリコン満足度調査で第1位を獲得したこともあり、満足度とサポート力で支持を得ています。
派遣会社のサポートを利用して、期間限定で働きたい方におすすめです。
おすすめな人
- 単発や短期で働きたい
- 高給の案件を探している
- 満足度が高い派遣会社を選びたい
8. 【FAQ】保健師派遣に関するよくある質問
最後に、保健師派遣に関するよくある質問を紹介します。
それでは、順番にご紹介します。
Q1. 保健師の派遣でも扶養の範囲内で働くことは可能ですか?
保健師派遣でも、収入によっては扶養の範囲内で働けます。
扶養に入った場合と入らなかった場合の年収は、ニフティライフスタイル株式会社の「一目で分かる扶養控除額の早見表」を参考にしてみましょう。
週の働く日数・1日に働きたい時間・時給から扶養の範囲内になるかどうかを判断できます。
【引用】:ニフティライフスタイル株式会社「一目で分かる扶養控除額の早見表」
Q2. 保健師の派遣にも福利厚生はありますか?
派遣の保健師は派遣元で雇用されているため、福利厚生があります。
気になる方は、派遣会社を選択したときに確認してみましょう。
Q3. 保健師の派遣でも産休育休・有給休暇を取得できますか?
派遣の保健師も、有給休暇や産休・育休を取得可能です。
有給休暇は、就業してから6ヵ月以上勤務すると10日間付与されます。また2019年4月からすべての派遣元で、年5日間の有給休暇を取得が義務付けられました。
一方で産休や育休の取得は全員に認められていますが、派遣社員の場合は以下を満たす必要があります。
- 子どもが1歳6ヵ月になる日までに労働契約の満了が明らかでないこと
- 週に3日以上働いていること
有給休暇や産休・育休に関しても、ぜひ派遣会社に相談してみてください。
Q4. 保健師の派遣は各種保険に入れますか?
加入可能な保険は、以下の5つです。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 保健師賠償保険
気になる方は、派遣会社を選ぶ時に確認してみましょう。
9.さいごに
保健師派遣のメリット・デメリットや、おすすめの派遣会社などを紹介してきました。
保健師派遣の求人には未経験OKの募集もあり、キャリアアップのために選択する方がいます。
なかには家族の時間を優先するため、あえて派遣の保健師で働いている方もいるでしょう。正規雇用の保健師は求人が少なく、競争率が激しい職業です。
しかし保健師派遣を経験すれば、経験者として面接でアピールもできます。
この記事で紹介した内容を参考に、理想とする保健師のキャリアを築いていきましょう。