クリニックで働く看護師の給料の手取り額は?病院勤務との違いなども解説

看護師 クリニック 給料 手取り

「クリニックの給料ってどのくらい?」「病院と比べてどうなんだろう」と考えていませんか。

結論から言うと、クリニック勤務看護師の月々の給料は、約32万円。手取りで25万円前後です。

病院勤務と比べると、給料は低くなるケースがほとんどです。

ただ、クリニックは土日祝日が休みだったり、夜勤や残業が少なかったりと、お金の面以外にも様々なメリットがあります。家事育児との両立もしやすくなるでしょう。

この記事では、元人事部で看護師の転職にも詳しい筆者が、クリニック勤務の看護師の給料事情について分かりやすく解説していきます。

  1. クリニック看護師の給料は平均24万7,000円
  2. クリニック看護師と病院看護師の違い
  3. 給料の高いクリニックに転職するための4つのポイント

この記事を読めば、クリニック勤務の看護師の給料事情について理解が深まり、クリニックで働く自分の姿をイメージできるようになるでしょう。

目次

1. クリニック看護師の給料は平均24万7,000円

クリニック(診療所)看護師の平均給与額は、24万7,000円です。(参考:2017年度看護職員実態調査

年収換算すると、約370万円ほどになります。

なお、看護師の給料の手取り額は、総支給額の80%が目安だと言われています。そのため、クリニック看護師の給料の手取り額は、ひと月あたり20万円ほどになります。

1-1. クリニック看護師の給与は、看護師全体と比較すると低い!

クリニック看護師の給料は、看護師全体の中では低めで、2万5,000円ほどの差があることが分かります。

平均給与
看護師全体27万3,690円
高卒+3 年課程新卒、単身・民間アパート居住26万4,307円
大卒、単身・民間アパート居住27万2,018円
看護系大学大学院卒、単身・民間アパート居住27万7,472円
クリニック勤務の看護師24万7,000円

(参考:2017年度看護職員実態調査
(参考:医師求人・転職紹介・アルバイトならMRT

病院や介護施設の看護師と比べると、夜勤手当が全くないので、その分給与額は低くなってしまうのです。

1-2.施設別にみても、クリニック看護師の給与は相対的に低い

看護師の就業施設別にみても、クリニック看護師の給与は低めです。

施設平均給与
保健所35万3,957円
企業29万9,500円
病院27万1,563円
健診センター25万8,205円
訪問看護ステーション25万5,543円
クリニック24万7,127円
介護老人保健施設24万5,905円

(参考:2017年度看護職員実態調査

病院や企業とは3万円以上低く、かろうじて介護施設より高いといった具合です。

「給与の優先順位が高い」人にとって、クリニックで働くのは不向きと言えるでしょう。

1-3.医療・福祉系職種の中ではやや高め

クリニック看護師の給料は、医療・福祉系職種と比較すれば高水準だと言えるでしょう。

医療・福祉系職種の給与を、年収換算して以下にまとめました。

職種名平均年収
薬剤師561万円
理学療法士など409万円
歯科衛生士374万円
クリニック勤務の看護師
370万円
保育士363万円
栄養士356万円
福祉施設介護員346万円
ホームヘルパー327万円

令和2年賃金構造基本統計調査をもとに作成)

クリニック看護師の平均年収は、薬剤師や理学療法士などと比べれば低いですが、歯科衛生士や保育士など他の医療・福祉系職種と比較すれば、やや高めの部類に入ります。

補足:手取り額は総支給額の約80%

手取り額は総支給額の約80%になります。手取りが総支給額よりも低くなってしまう理由は、主に以下の2つです。

  • 税金が引かれるため
  • 社会保険料が引かれるため
「手取り額 = 総支給額 - 税金 - 社会保険料」

税金は「所得税」と「住民税」の2つ。社会保険料は「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の3つです。(さらに40歳以上の場合は「介護保険料」)

総支給額から様々な税金・社会保険料が控除されるわけです。その結果、あくまでも目安ですが、総支給額の80%程度が手取り額になります。

2. クリニック看護師と病院看護師の違い

「クリニック看護師と病院看護師の違いを知りたい」「病院からクリニックに転職した場合、働き方はどのように変わるのだろうか」のように考えている看護師の方もいるでしょう。

この章では、クリニック看護師と病院看護師の違いを紹介します。具体的には、以下の4つです。

それぞれ簡単に解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

2-1. 診療科目が固定されている

クリニックでは、診療科目が固定されているケースが多いです。

ある程度規模の大きな病院の場合、内科・呼吸器科・循環器科・皮膚科・外科といった複数の診療科目を取り扱っています。

診療科ごとに看護師が配置され、数年単位で他の診療科への異動を繰り返していく、という「配置転換」が行われている病院もあるでしょう。

一方で、クリニックでは、内科クリニック・整形外科クリニック・耳鼻咽喉科クリニックなど、診療科目が固定されています。そのため、看護師の仕事内容も固定されやすいです。

2-2. 土日祝日が休みのクリニックも多い

クリニックに勤務する看護師は、土日祝日が休みになることが多いです。

病院勤務の場合、土日祝日が休みになる可能性は低いでしょう。基本的にシフト制で働くため、休日は固定されないのが一般的です。

一方で、クリニックの休日はカレンダー通りであることがほとんどです。

特に個人経営のクリニックでは、夏季休暇や年末年始休暇など休みが充実しているケースが多く、プライベートの予定も立てやすいでしょう。

ただし、近年は夜遅くまで開院しているクリニックも多く、場合によっては22時頃までシフトが入る可能性もあります。

2-3. 夜勤や残業が少ない

基本的に、クリニック看護師の場合は夜勤がありません。また、残業も比較的少なめです。

事実、残業が月6h以下の病院は全体の19.9%なのに対し、クリニックは33.3%とおよそ2倍ほど高い水準です。

病院19.9%
クリニック33.3%
(診療所の1/3は、残業6h以下)

規模の大きい病院では、2交代制や3交代制といったシフト制で働くことが多く、夜勤の頻度も高くなります。また、来院する患者の数が多いため、毎日のように残業が続くことも珍しくありません。

一方で、クリニックの場合、診療時間内での勤務が原則となります。産婦人科のような入院設備のあるクリニックを除き、基本的に夜勤はありません。病院と比べれば残業も少なめで、家事や育児との両立もしやすいでしょう。

2-4. 社会保険完備でないケースもある

クリニックによっては、社会保険完備でないケースもあるので注意が必要です。

従業員数が5人以上の事業所では、社会保険の加入が義務付けられています。しかし、従業員数が5人未満の事業所においては、社会保険の加入義務はありません。

この場合、国民健康保険・国民年金に自分で加入する必要があります。

そのため、病院や規模の大きいクリニックは社会保険完備ですが、規模の小さなクリニックの場合、社会保険完備でない可能性があります。

3. 給料の高いクリニックに転職するための4つのポイント

「給料の高いクリニックの探し方を教えてほしい」「転職のコツを知りたい」このように考えている看護師の方も多いと思います。

そこでこの章では、給料の高いクリニックに転職するためのポイントを4つ紹介します。

クリニックへの転職を成功させたい方は、ぜひ参考にしてください。

3-1. 複数のクリニックを比較検討する

クリニック看護師へ転職する際は、必ず複数のクリニックを比較検討するようにしましょう。

当然ですが、クリニックごとに給与体系や労働条件などは異なります。想定月収や想定残業時間などを比較しながら、より条件の良いクリニックを探してください。

また、職場の雰囲気を確認することも大切です。実際に複数のクリニックに足を運び、自分に合いそうな職場を見つけましょう。

3-2. 専門分野に特化したクリニックを狙う

給料の高いクリニックで働きたい場合は、専門分野に特化したクリニックを狙ってみるのもおすすめです。

専門分野に特化したクリニックは、一般内科のような総合的な診療を行うクリニックよりも、給与が高い傾向にあります。

例えば、以下のようなクリニックです。

  • 内視鏡内科クリニック
  • 透析専門クリニック
  • リウマチ専門クリニック

求人数はそこまで多くありませんが、ぜひ積極的に探してみてください。

3-3. 自由診療を行っているクリニックを狙う

自由診療を行っているクリニックも、比較的給料が高い傾向にあります。

保険が適用されない治療を行う自由診療クリニックは、クリニック側で治療費を自由に設定できるという特徴があります。そのため、看護師の給料も高めに設定されていることが多いです。

代表的な自由診療クリニックとしては、以下が挙げられるでしょう。

  • 美容外科、美容皮膚科クリニック
  • レーシック専門眼科クリニック
  • 不妊治療専門クリニック

給料をアップさせたい方は、ぜひ自由診療クリニックへの転職もご検討ください。

4.クリニックの求人探しにおすすめの転職サイト

数ある転職サイトのなかから、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。

転職サイト選定基準

  1. 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
  2. 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる

利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下のとおりとなりました。

転職サイト求人数|総合満足度
1位
看護roo!
55,907件|◎4.3
利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。
2位
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)
135,763件|○3.8
総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる
3位
マイナビ看護師
60,875件|◎4.1
求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい

※求人数2022年8月更新

この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。

1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1

看護roo

看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。

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看護roo!の詳しい情報は、下記の記事でもご覧になれます。
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2位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 求人多数で選択肢の幅が広い!

レバウェル看護

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なお、マイナビ看護師の詳細は、下記の記事でも確認できます。またおすすめの転職サイトについて、より詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
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さいごに

元人事部で看護師の転職にも詳しい筆者が、クリニック看護師の給料事情について分かりやすく解説しました。

クリニック看護師の給料は、病院などに勤務する場合と比べて安いケースがほとんどです。しかし、土日祝日が休みになる、夜勤や残業が少ないなどのメリットもあります。

病院勤務よりもゆとりを持って働きたい方は、ぜひクリニックへの転職を視野に入れてみてください。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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