「もう限界かも…」――この記事を読んでいるあなたは、今まさにそんな想いを抱えていませんか?
早朝から深夜まで続く業務、思うように取れない休憩、人手不足で増え続ける負担。そして何より、心をすり減らす人間関係の悩み。介護労働安定センターの最新調査によれば、介護の仕事を辞めた理由の第1位は「職場の人間関係に問題があったため」(24.7%)で、約半数が「上司や先輩からの指導や言動がきつかった」ことを挙げています。さらに、働く介護職の約半数(49.1%)が「人手が足りない」と回答し、35.3%が「仕事内容のわりに賃金が低い」と感じているのが現実です。
あなたが感じている「きつい」という気持ちは、決して甘えでも、あなただけの問題でもありません。それは、介護の現場が抱える構造的な課題が生み出している、極めて正当な感情なのです。
でも、ここで諦めないでください。この記事には、あなたの状況を変えるヒントがあります。
この記事を最後まで読むことで、あなたが得られる3つのこと:
①きつさの正体がわかる――漠然とした「辛い」という感情を、データと具体例で言語化します。人間関係、身体的負担、賃金、労働時間…あなたの「きつい」はどこから来ているのか、客観的に理解することで、解決の糸口が見えてきます。
②具体的な解決策が見つかる――状況を変えるための実践的な方法を、すぐに実行できる形でお伝えします。職場での働きかけ方、制度の活用法、転職を考える際の判断基準まで、あなたの選択肢を広げる情報が詰まっています。
③自分に合った働き方が見えてくる――「介護を続けるべきか、辞めるべきか」という二択ではなく、施設を変える、職種を変える、働き方を調整するなど、多様な選択肢があることに気づけます。離職率が最低水準(12.4%)を記録した今、働きやすい職場は確実に増えています。
一人で抱え込まないでください。あなたの悩みには、必ず出口があります。まずはこの記事を読んで、「次の一歩」を一緒に見つけていきましょう。
- 訪問看護がきつい!辞める理由5つ【転職失敗談】
- 訪問看護は特に「オンコール対応がきつい」との口コミが多数
- 運転が苦手・できなくても訪問看護の仕事はできる
- 訪問看護の給料・時給が高いと言われやすい理由
- きついだけじゃない。先輩たちが語る訪問看護の本当のやりがい
- 状況別に解説!訪問看護がきついと感じた時の具体的な解決策
- 訪問看護ステーションの選び方【きつさを左右するポイント】
- 病棟勤務と何が違う?給与・働き方・やりがいを徹底比較
- 訪問看護師の求人探しにおすすめの転職サイト3選
- 訪問看護の働き方に関するよくある質問
すべて読めば、訪問看護の仕事内容のきつい点が理解できます。訪問看護師へのキャリアチェンジを考えている方は、これらを知っておくことで、転職後のギャップを減らせるでしょう。
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※2025年10月10日更新
※弊社が実施した独自アンケートの結果に基づきます
※本記事は看護roo!、レバウェル看護、マイナビ看護師、看護師ワーカー、ナース専科 転職などのPRを含みます。
1.訪問看護がきつい!辞める理由5つ【転職失敗談】

訪問看護師は、病棟やクリニックとはまったく異なる働き方であり、以下のように独特なきつい・しんどい点があります。
- きつい理由1.一人で患者宅に訪問し、処置をおこなわなければならない
- きつい理由2.身体的な負担が大きい
- きつい理由3.利用者や家族とのコミュニケーションが難しい
- きつい理由4.オンコール対応の負担が大きい
- きつい理由5.訪問先の環境が過酷である
- きつい理由6.徹底した感染症対策が求められる
本章では訪問看護師を対象におこなわれた研究調査の内容をもとに、訪問看護の大変さを解説します。
きつい理由1.一人で患者宅に訪問して医療処置をおこなうのが怖い
訪問看護師が仕事に対してしんどいと思う大きな理由が、「一人で患者宅に訪問し、処置をおこなわなければならないこと」です。
病棟などは周囲に先輩や医師がいていつでも相談できる環境なのに対して、訪問看護は原則一人で患者宅を訪問し、以下の業務のようなあらゆる判断を自分で下す必要があります。

これらの仕事を一人でおこなう必要があり、「きつい」という声が多い
もちろん、訪問看護指示書には担当医の連絡先が書いていて指示を仰ぐこともできますが、必ずいつも連絡がつくとは限りません。
同僚との連携も同様で、基本的に上司も患者宅を訪問している状況になるため、すぐに連絡がつかないケースも多々あります。
教えてくれる人もおらず、つらいことだらけ

病棟とは違うスキルが必要

出典:Twitter
単独で患者宅を訪問するという業務形態上、スキルに自信がない方は、強い不安感が常につきまとうようです。
きつい理由2.身体的な負担が大きい
訪問看護は、身体を酷使する仕事であり、「体力的にしんどい」という声も散見されます。

病棟看護師にはない独特のきつさ
例えば訪問看護師の業務の一つに、入浴介助があります。入浴介助は病棟でもおこないますが、病棟の浴槽は介助がしやすいように工夫して設計されています。
しかし患者宅はそうではありません。介助用の手すりがなかったり浴槽がかなり深かったりするので、病棟での入浴介助とは身体的な負担も大きく異なります。
また訪問看護は移動の時間も長く、「雪の日も長時間運転しなければならない」「猛暑の中自転車で訪問する」など、天候によって負担が大きくなることもあるでしょう。
熱中症になる

出典:Twitter
業務環境や移動の面で、体力的な負担は大きい仕事といえます。
きつい理由3.利用者や家族とのコミュニケーションが難しい
利用者や家族ともコミュニケーションを取らなければならないのも、訪問看護がきついと思う点の一つです。

利用者や家族との密なコミュニケーションは、「精神的に疲弊する」という声も
例えば、患者の下着交換などをおこなう際、病棟の場合、家族は部屋の外にいること多いですが、訪問看護ではすぐそばにいることがほとんどです。
作業の一挙手一投足をみられるとプレッシャーになるので「家族には近くに来てほしくない」と、感じている方もいるようです。
家族の前でのケアは苦手


これらは訪問看護ならでは特徴で、特に信頼関係が築けていないうちは精神的な負担となることも多いようです。
実際に小児訪問看護をおこなっている看護師に話を聞いたところ「かなりハード」という返答が得られました。
家族とのコミュニケーションに苦労する

業務に加えて看護計画や評価など記録物が多いのはもちろん、患者さんだけでなく家族も含めてケアを考えていかなければならないので、かなりキツイというのが正直なところです。
個人のおうちにお邪魔するので、病院以上に患者や家族の信念・価値観、場合によっては宗教観も踏まえて関わっていかなければならないんです
また、訪問看護の利用経験が長いご家庭(1年以上継続しているなど)で、担当変更の場合は、前任者と比較されてハラスメントまがいの発言を受けることもあります。
特に私が担当しているのが小児訪問看護ということもあり、ご家族の方もかなり精神的にナイーブになられている方も多いです。初めのうちにご家族からの信頼を得られなければ、かなりツラいと思います。
患者さんのお宅に訪問するため、家族とのコミュニケーションにも気を使わなければならず「かなりキツイ」と感じる方も多いようです。
きつい理由4.オンコール対応の負担が大きい
オンコール対応の負担も、訪問看護がきついと思う理由の一つです。
オンコール対応は、訪問看護師が当番制で専用の携帯電話を持ち、緊急の呼び出しがあった場合、患者のもとへ向かうという仕組みです。

当番の日には、いつでも呼び出しに対応できるように準備をしておかなければなりません。
そのため、ゆっくり気が休まらずにストレスを抱えてしまいやすくなるようです。
きつい理由5.訪問先の環境が過酷である
看護師の負担は、訪問先の環境次第でさらに過酷になることもあります。

訪問先の環境によって、きつさは大きく変わる
例えば、「猛暑の時期なのに訪問先の家庭にエアコンがない」ということもあるようです。
訪問先にエアコンがない

出典:Twitter
また訪問先の環境が著しく悪く、不衛生というケースも少なくありません。
予想以上に家が汚い

以上のように、患者宅の環境によっては、体力的・精神的なきつさが増幅することもあるでしょう。
きつい理由6.徹底した感染症対策が求められる
訪問看護の患者は高齢者が主であり、病院と違い衛生設備が整っていない環境のため、訪問看護師は徹底した感染症対策が求められます。
例えば入浴介助の際、蒸し暑い室内でもマスクを着用して患者の体を持ちあげるなどの重労働をおこなったり、業務以外の時間もなるべく外出しないように気を遣ったりと、「重症化リスクの高い高齢者に感染させないこと」をとにかく最優先に行動する必要があります。
徹底した対策を取っている

入浴介助は、フェイスシールドが湯気でくもり、目の前が見えない、介助どころではない。
出典:Twitter
補足:徹底した対策があっても感染報告例があとを絶たない
新型コロナウイルス感染症について、300以上の訪問看護ステーションを対象におこなった調査では、約4割の事業所で利用者の感染症(疑い含む)が確認されたと報告されています。(参考:第4弾 新型コロナウイルス感染症に関するアンケート)
また、認知症や精神疾患の利用者にはマスクの着用を徹底できないというケースも多く、看護師の感染リスクも高いという現状です。
本章のまとめ
訪問看護師の仕事には、以下のようなきつい部分があることがわかりました。
- 一人で患者宅に訪問し、処置をおこなわなければならないのがきつい
- 身体的な負担が大きいのがきつい
- 利用者の家族とのコミュニケーションが難しい
- オンコール対応の負担が大きい
- 訪問先の環境が過酷である
- 徹底した感染症対策が求められる
特に病棟やクリニックなどの業務と異なる部分が多く、戸惑いを感じる方も多いようです。以上のなかでも、訪問看護師特有の「オンコール対応」について、特に「きつい、疲れた」という声があがっていました。
2. 訪問看護は特に「オンコール対応がきつい」との口コミが多数

訪問看護がきついと感じる理由として最も多く挙げられたのは、オンコール対応に関するものでした。
当番の日には、いつでも呼び出しに対応できるように準備をしておかなければなりません。
そのため、ゆっくり気が休まらずにストレスを抱えてしまいやすくなるようです。
「オンコール対応がきつい」という訪問看護師の声
オンコール対応への負担は、現場で働く人にとってかなり大きいようです。
人手が足りないときのオンコール対応はきつい

オンコール対応は事前確認必須

持つ頻度、手当て、バックアップ体制など、自分の生活と照らし合わせ可能かどうかを判断する。やってみるとわかるけど、拘束感、半端ないよ。
出典:Twitter
病院勤務の夜勤のほうがあっていた

出典:Twitter
事前にオンコール対応の担当頻度や手当、振替休日はあるのか、などオンコール体制について調べておきましょう。
オンコールの着信音がトラウマ

出典:Twitter
緊急連絡を待つのは精神的に疲れる

出典:Twitter
電話の対応だけで済むことも多かったり、事業所によっては電話対応が頻繁にないところもあったりするようですが、「いつ連絡が来るかわからない状況」は精神的にしんどいと感じる人も多いです。
補足:オンコール代行を導入しているステーションもある
訪問看護ステーションのなかには、スタッフの負担軽減のためオンコールの応対を代行業者に委託するケースも増えてきました。「患者さんが不安になって電話をかけてきただけ」といった場合は、患者と代行業者間のやり取りで解決することもあります。
上記のような制度を導入しているステーションなら負担も少なくなるので、転職前に確認しておくとよいでしょう。
3.運転が苦手・できなくても訪問看護の仕事はできる
職場の選択肢は少なくなりますが、実は運転が苦手でも訪問看護師として働けます。
「車運転なし」という訴求をしている訪問看護ステーション求人もあり、患者宅を電動モーター付き自転車などで周ります。バスなどの公共機関を使うこともあるようです。

転職サイト「看護roo」の訪問看護師インタビューより引用
出典:看護roo
特に運転なしの求人は都市部に多いようで、実際に求人サイト『ジョブメドレー看護』で「”運転なし”の訪問看護ステーション求人」検索してみると、東京で約60件、大阪で約100件の求人が該当しました。
ただし、やはり地方の求人では「運転免許証必須(AT可)」といった条件が設けられていることが多いようです。
注意:自転車の訪問はかなり負担が大きい
「運転が苦手で電動自転車OKの訪問看護ステーションで働いている」という方は、夏場などはかなり体を酷使するようで、日々の訪問に苦労している様子がうかがえます。

出典:Twitter

訪問先でエアコンのリモコンを探す仕事が時折発生し、ケアの時間が削られて、もどかしを感じることも。
出典:Twitter
訪問看護ステーション選びの際は、まず「車運転不要かどうか」を第一の軸で検索し、面接の際には「電動アシストの自転車かどうか(普通の自転車と負担が格段に変わる)」を確認しておきましょう。
4. 訪問看護の給料・時給が高いと言われやすい理由

訪問看護の給料・時給が高いと言われやすい理由には以下の2点が挙げられます。
常に人で不足に陥っているから
1つ目に、訪問看護は常に人手不足に陥っており、高待遇で人材を募集することが挙げられます。
訪問看護師は人材ニーズが高く、常に人手不足の状況なのです。施設別の看護師の求人倍率をみると、3.10倍と、全施設平均2.34倍を大きく上回っています。

訪問看護ステーションの求人倍率は3.10倍と全施設のなかで最も採用ニーズが高い
参考:日本看護協会『ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人分析(2019年度)』
さらに求人倍率は、すべての施設のなかでもっとも高くなっており、医療施設のなかで一番人手が足りていないという状況です。
以上のようにニーズに対して、人材が不足しているため、好条件・好待遇で募集をしている施設が多いのです。
オンコール手当てが支給されるから
2つ目に、オンコール手当が支給されることが挙げられます。
オンコール手当の相場は、1回あたり2000~4000円で勤務が発生した場合は、勤務時間分の給料が支給される施設が多いです。
オンコール担当が多い施設や、夜間勤務が多い施設では支給される手当が大きくなるので、給料も高くなります。
ほかにも、インターネットなどで年収1000万をうたう事業所の存在も、大きな影響を与えているかもしれません。
訪問看護師の給料については『訪問看護師の給料は?平均年収・時給を徹底調査』で詳しく解説しているので参考にしてください。
5.きついだけじゃない。先輩たちが語る訪問看護の本当のやりがい

「訪問看護はきつい」――確かにその側面は否定できません。しかし、それでも多くの看護師が訪問看護を続け、中には「病棟には戻れない」と語る人さえいます。なぜ、きついはずの訪問看護を続けられるのか。実際に現場で働く看護師たちの声から、その答えが見えてきます。
訪問看護師の口コミを分析すると、訪問看護師には以下のようなメリットがあることがわかりました。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5-1. 夜勤がなく病棟よりは体力的にも楽に感じる
急性期病棟にいた看護師さんなどにとっては、かえって楽に感じることもあるでしょう。
訪問看護師は、夜勤がないため、規則的な生活を送りやすいです。また訪問件数も決まっているので、突発的な対応に追われることもあまりなく、常に慌ただしいわけでもありません。
もちろん、「夜勤の方が意外と暇な時間があって楽」という方もいますが、向いてない人もいます。生活が不規則になるのが負担な方にとっては、夜勤なしのほうが働きやすいでしょう。
ストレスなく働ける

そりゃ給料は安いし運営も厳しいけど、夜勤やヘンな委員会は無いし規則正しい生活送れるし基本的にカレンダーどおりの休みがもらえるし、ストレスも激減。病院勤めで自分の命を削るくらいなら、訪問看護したほうがずっと楽だよ。
出典:Twitter
業務が決まっているのが楽

出典:Twitter
5-2. 患者と一対一でじっくり向き合える
訪問看護師は患者と一対一で向き合うことができます。
一人ひとりとじっくり向き合い、看護活動ができる点は、やりがいに感じられるでしょう。
在宅療養を選ばれた利用者により良い人生を提案できるのが、まさに訪問看護師の醍醐味といえます。
家族に近い存在として寄り添うことができた

患者とじっくり向き合う時間の余裕がある

訪問看護が大変なのは、どの科の症状でも一人で対応しなければいけないところにあるそうで。それでも訪看の仕事を辞められないのは、一人一人にじっくり向き合える時間がとれるからだと。こういった方たちに、日々支えていただいております。この仕事に就いて良かった。
出典:Twitter
命を支えるやりがいのある仕事

訪問看護ステーションで看護師をしています。
「最期まで自宅で過ごしたい」という人を、技術的、精神的に支え、状態が改善したり、満足の行く看取りができ感謝された時、この仕事について本当に良かったと思います。
また、同じ志を持ち在宅医療に従事する医師やケアマネージャーさんたちと協力し、チームとして人を支える喜び、達成感も、何事にも代え難いものがあります。
まさしく、命を支える喜びなんです。
出典:Yahoo!知恵袋
工夫を凝らして、患者さんに喜んでもらえる

5-3.土日休みが中心で家庭と両立しやすい
訪問看護ステーションはたいていの場合、土日祝日が休みとなっています。(出勤しても土日祝日は手当がつくことが多い)
家庭と両立しやすい側面があり、子育て世代の看護師に人気です。
訪問看護のサービス自体は24時間365日提供しており、いつでも対応できる体制を整えているので、スタッフはオンコールで待機することもありますが、当番制かつ頻繁に呼び出しがあるわけではないので、負担は小さいでしょう。
子育て中の方や、夜勤が体質的に合わないという方に向いている働き方です。
6. 状況別に解説!訪問看護がきついと感じた時の具体的な解決策

訪問看護の現場で「きつい」と感じたとき、状況によって取るべき対策は変わってきます。
今の職場で働き続けたい方と、環境を変えたい方、それぞれに向けた実践的な解決策をご紹介します。
今の職場で働き続けたい人へ:明日からできる負担軽減テクニック
職場に愛着はあるけれど日々の業務負担が重い――そんなあなたに、すぐに実践できる具体的なテクニックをお伝えします。
オンコール負担を劇的に軽減する「事前準備3ステップ」
訪問看護師の月平均オンコール回数は1〜5回程度ですが、心理的負担は想像以上に大きいものです。夜間に鳴る電話のプレッシャー、緊急時の判断への不安――これらを軽減する鍵は、「判断に迷わない仕組み」を事前に作っておくことにあります。
まず取り組みたいのが、利用者情報の「緊急時カード」作成です。オンコール担当日の前日に、担当利用者全員の緊急時情報をコンパクトにまとめておきましょう。既往歴、バイタルサインの基準値、主治医や家族の連絡先、そして「どんな症状なら訪問が必要か」という判断基準を1枚のメモにまとめ、スマホに保存しておくだけで、いざというときに慌てて情報を探す時間を大幅に削減できます。
次に重要なのが、判断フローチャートをチーム全体で共有することです。「この症状なら訪問が必要」「この場合は電話指導で対応可能」といった判断基準を、個人の経験だけに頼らずステーション全体でマニュアル化しておけば、「判断を間違えたらどうしよう」という不安が大きく軽減されます。多くのステーションでは、グループチャットやオンラインストレージでこうした判断フローを共有しています。
そして最も大切なのが、「迷ったら相談」の体制を明確にしておくことです。オンコール対応で最もストレスになるのは「一人で判断しなければならない」という孤独感です。
事前に「判断に迷った場合は管理者や先輩看護師に連絡してOK」というルールを明確にしておきましょう。実際、訪問看護協会の調査では、相談体制が整っているステーションほど看護師の定着率が高いというデータが示されています。
利用者・家族との良好な関係を保つコミュニケーション術
訪問看護では、利用者や家族との関係がストレスの原因になることがあります。しかし、ほんの少しの工夫で、こうしたトラブルの多くは未然に防ぐことができます。
最も効果的なのは、初回訪問時の丁寧な説明です。訪問看護師ができることとできないこと(医療行為の範囲、家事援助との違いなど)、療養生活の進め方と目標、そして緊急時の連絡方法とオンコール体制――この3点を最初にしっかり伝えることで、「こんなはずじゃなかった」という期待値とのギャップを防げます。
日々の訪問では、「話すこと」よりも**「聞くこと」を優先**する姿勢が大切です。家族の不満や不安は、多くの場合「話を聞いてもらえない」ことから生まれます。たとえ時間が限られていても、まず相手の言葉に耳を傾け、共感の意を示すことで、信頼関係は驚くほど変わってきます。
また、状況報告をこまめに行うことも重要です。ただし単に「今日は〇〇の処置を行いました」と伝えるだけでなく、「〇〇の症状が改善してきたので、△△の処置に変更しました。これにより□□という効果が期待できます」というように、理由と目的をセットで伝えることで、家族の安心感と信頼が大きく高まります。
移動時間を「ただの移動」にしない記録のコツ
訪問看護では移動時間が1日の業務時間の約20%を占めます。この「隙間時間」を有効活用できるかどうかが、残業時間に直結します。
最近増えているのが、スマートフォンの音声入力機能やICT機器を活用した「移動中記録術」です。訪問直後の移動時間、5〜10分程度を使って車を安全な場所に停め、音声で要点を入力しておくだけで、帰社後の記録時間を半分以下に短縮できます。全国訪問看護事業協会の調査によれば、ICT機器を導入しているステーションは約49%に上り、業務効率化に大きく貢献しています。
記録のテンプレート化も効果的です。バイタルサイン測定、褥瘡処置、服薬指導など、定型的な記録はテンプレートを使うことで記録時間を30%程度短縮できます。もちろん、利用者個別の特記事項は必ず追記することを忘れずに。
さらに、訪問ルートの最適化も見逃せないポイントです。地図アプリや訪問スケジュール管理システムを活用してルートを見直すだけで、1日あたりの移動時間を平均30分短縮できたという事例があります。週5日勤務なら月10時間、年間で120時間もの時間が生まれる計算です。この時間を休憩や自己研鑽に使えれば、心身の負担は大きく軽減されます。
環境を変えたいあなたへ:「きつくない」職場を見極める5つのチェックポイント
今の職場環境を変えたい、もっと働きやすいステーションを探したい――そう考えるのは決して逃げではありません。実際、離職率が低下傾向にある今、働きやすい訪問看護ステーションは確実に増えています。問題は、求人票だけでは「本当に働きやすい職場」を見極めるのが難しいということです。ここでは、面接や職場見学で必ず確認すべき5つのポイントをお伝えします。
チェックポイント①:オンコール体制の具体的な運用方法
求人票に「オンコール月3〜4回」と書かれていても、その実態は職場によって天と地ほど異なります。ある職場では翌日の勤務時間を遅らせる配慮があり、別の職場では通常通りの出勤が求められる――こうした違いが、働きやすさを大きく左右します。
面接では必ず、オンコール担当の翌日に勤務時間の調整や業務軽減の配慮があるかを確認しましょう。また、実際に訪問した場合の手当(待機手当とは別)が支給されるか、判断に迷った場合に誰に相談できる体制になっているか、そして直近3ヶ月のオンコール実働回数(電話対応のみの回数と、実際に訪問が必要だった回数)も聞いておくべきです。
良い職場の特徴は、オンコール翌日の勤務開始時間を遅らせる、訪問件数を減らすなどの配慮があること。また、待機手当が1日3,000円以上で、実際の訪問には別途手当が支給される体制が整っていることです。
チェックポイント②:スタッフの勤続年数と離職率
「人間関係が良い職場」を求人票から判断するのは困難です。しかし、スタッフの平均勤続年数と離職率を聞くことで、ある程度は推測できます。
面接では、現在働いているスタッフの平均勤続年数、直近1年間で退職されたスタッフの人数とその理由、そして最も長く勤務されているスタッフの勤続年数を尋ねてみましょう。全国平均の訪問看護師離職率は約11〜13%です。これを大きく上回る職場(年間離職率20%以上)は要注意のサインです。
逆に、平均勤続年数が5年以上で、ベテランスタッフが複数在籍しているステーションは、働きやすい環境が整っている可能性が高いと言えます。人は居心地の良い場所に長く留まるものです。スタッフの定着率は、その職場の「本当の姿」を映し出す鏡なのです。
チェックポイント③:教育・研修体制とキャリアアップ支援
訪問看護未経験者や、ブランクがある方にとって、教育体制の充実度は働きやすさに直結します。また、長く働くためにはキャリアアップの道筋も重要です。
新人看護師にどのような研修プログラムがあるか、同行訪問の期間はどの程度か、外部研修の受講支援制度(研修費補助や勤務時間としての扱い)があるか、認定看護師や専門看護師の資格取得支援制度があるか、そして定期的な勉強会やカンファレンスが開催されているか――これらを具体的に確認しましょう。
全国訪問看護事業協会の調査によれば、教育・研修計画が策定されているステーションは約61%、外部研修への受講支援がある職場は約52%です。これらが整っているステーションは、スタッフの成長を本気で考えている証拠と言えます。
チェックポイント④:ワークライフバランスへの配慮
「有給休暇取得率」と「希望休の通りやすさ」は、働き続けられるかどうかの重要な指標です。求人票には「有給取得可能」と書かれていても、実際には取りにくい雰囲気がある職場も少なくありません。
面接では、スタッフの年間平均有給休暇取得日数、希望する日に休暇を取れているか、子育て中のスタッフがいるか、時短勤務や急な早退への対応は可能か、そして残業は月平均何時間程度かを確認しましょう。
良い職場の目安は、年間有給取得日数が10日以上(全国平均は年5日以上取得が約80%)、希望休が月2〜3回は通る、子育て中のスタッフが実際に在籍し長く働いている、といった点です。特に「子育て中のスタッフがいるか」は重要な指標です。実際に育児と両立しているスタッフがいる職場は、柔軟な働き方が根付いている何よりの証拠と言えます。
チェックポイント⑤:ICT機器・業務効率化ツールの導入状況
記録業務や情報共有の効率化は、日々の負担に大きく影響します。タブレットやスマートフォンなどのICT機器が導入されているか、電子カルテや記録システムは使いやすいか(可能なら実際に画面を見せてもらう)、スタッフ間の情報共有はどのように行っているか(グループチャット、クラウド共有など)、そして直行直帰が可能かどうかを確認しましょう。
ICT機器を導入しているステーションは約49%、直行直帰を実施しているステーションは約44%です(全国訪問看護事業協会調査)。これらを活用している職場では、記録時間の短縮や移動時間の削減が実現しており、スタッフの負担が大幅に軽減されています。
求人票では見えない「本音」を引き出す質問術
面接の最後、「最後に何か質問はありますか?」と聞かれる場面があります。ここで差がつくのが、求人票には書かれていない”生の情報”を引き出す質問力です。
たとえば「スタッフの皆さんが長く働き続けられている理由は何だと思いますか?」と尋ねれば、管理者が考える職場の強みが見えてきます。「逆に、退職された方が『ここが改善されたら良かった』と言っていたことはありますか?」という質問は、職場の課題を隠さず話してくれるかどうかで、相手の誠実さを判断できます。そして「実際に職場見学をさせていただき、働いているスタッフの方々にお話を伺うことは可能ですか?」と聞けば、現場のリアルな声を聞くチャンスが得られます。
これらの質問に対して誠実に答えてくれる職場は信頼できます。逆に、曖昧な回答をしたり話題を変えようとしたりする場合は、何か隠したいことがあるのかもしれません。
訪問介護員の求人は数多くあるので、自分にあった環境をよく考えて職場を選びましょう。
訪問看護ステーションの選び方は、次章で詳しく解説します。
7.訪問看護ステーションの選び方【きつさを左右するポイント】

訪問看護師の仕事がきついかどうかは、職場選びによってかなり左右されます。
以下のポイントを押さえて求人内容を事前にしっかり見極めましょう。
- 選び方1.オンコール対応の頻度・負担
- 選び方2. 1日あたりの訪問件数
- 選び方3.利用者の看護重症度
- 選び方4.土地勘のあるエリアで働く
- 選び方5.転職サイトを使って、訪問看護ステーションの内部事情を教えてもらう
それぞれ詳しく説明します。
選び方1.オンコール対応の頻度・負担
「オンコール対応の頻度や負担」は、きつさに直結する部分なので、具体的に確認しておきましょう。
オンコール対応の確認ポイント
- 月にどれくらい当番になるか
- 何人体制で担当するか
- オンコールはどれくらいの頻度で鳴るか
- オンコールの電話のうち実際にどれくらい訪問するか(電話だけで解決するケースも多い)
- 待機手当の金額
- 緊急訪問した場合の手当の金額
- 夜間に緊急訪問した場合の代休の有無(代休有のステーションは全体の3割)
- 緊急訪問が重なった場合の支援体制
特に「月にどれくらい当番になるか」は重要です。ちなみに、訪問看護師のオンコールの平均出勤回数は1.6回と言われています。(参考:日本看護協会 「2014 年 訪問看護実態調査 報告書 」)
やや古い調査となりますが、訪問看護師をとりまく働き方事情は実施年とさほど変わっていないので、現状も1.6回くらいが妥当と考えられます。
オンコール対応の体制は施設によって異なり、1日の待機人数はたいてい1人ですが、なかには第二担当・第三担当と、複数人体制で待機している施設も多いようです。利用者数が多い施設ほど、複数人でオンコール対応をおこなう傾向にあります。
他には、オンコール手当(待機当番のシフトが入っているときに支給される)の金額も把握しておきましょう。
オンコール手当は「1,000~3,000円」がおおよその相場のようです。
※「訪問看護ステーションにおける24時間対応体制に関する調査研究事業」
また、9割以上の施設では、待機手当以外にも緊急訪問時の報酬(手当)が支払われるようです。
選び方2. 1日あたりの訪問件数
1日にどれくらいの患者宅を訪問するか、目安も事前に確認しておくとよいでしょう。
看護師1人の訪問件数の平均は、およそ4~6件程度で、事業所の規模が大きくなるごとに訪問件数も増える傾向にあります。
訪問件数は1件あたりの在宅時間にもよりますが、30~60分で看護処置をおこなうケースが一般的です。
選び方3.利用者の看護重症度
「どのような症状を抱える患者さんが利用しているか」も確認しておきましょう。
重症度が高いほど、高度な看護技術や判断能力が必要とされるからです。経験の浅い看護師にとっては、かなりハイレベルな職場となる可能性があります。
例えば、小児看護では以下のように重症度がスコアリングされており、10~25点:準超重症児、25 点以上:超重症児、と判定されます。
出典:厚生労働省
他にも「人工呼吸器装着」「末期の悪性腫瘍」の患者さんが多い施設でも、ハイレベルな対応力が必要となるでしょう。
どのような働き方がしたいかだけでなく、「どのような患者さんを看護するのか」という視点も職場選びでは欠かせません。
選び方4.土地勘のあるエリアで働く
ある程度土地勘のあるエリアで、施設を選ぶのもおすすめです。
都市部では自転車、地方では車で患者宅をまわることが多いですが、いずれの場合でも利用者の住所やルートを把握できているほうが、スムーズに仕事に慣れやすいです。
ただし、自分の生活圏と被り過ぎないほうが好ましいでしょう。買い物中にバッタリ患者家族に遭遇したりするケースが考えられるからです。
選び方5.転職サイトを使って、訪問看護ステーションの内部事情を教えてもらう
「実際どのような働き方なのか」を事前に知る方法としておすすめなのが転職サイトを使うことです。
実際のところ、訪問看護がきついかどうかは、働くステーションによって全然違います。
例えば「働くスタッフの数」や「普通の自転車or電動自転車」などの要素で、体力的な負担は変わりますし、職場の人間関係・利用者の看護重症度などで働きやすさは左右されます。
いい加減な情報収集で安易に転職を決めてしまうと「この職場も自分に合わなかった」と、すぐ辞める事態になりかねません。
転職サイトは登録すると転職相談に乗ってくれて、求人探しから面接対策まで、幅広いサポートをしてくれる『人材紹介サービス』のことです。
求人を紹介してくれるだけでなく、「職場の人間関係はいいか」「残業は実際のところどれくらいあるのか」などを教えてくれます。決してハローワークなどで求人を見るだけではわからない情報です。
もし「訪問看護に興味があるけど、あまりにきつい職場は避けたい」と考えているなら、転職サイトに相談するところから始めてみるのがおすすめです。
8. 病棟勤務と何が違う?給与・働き方・やりがいを徹底比較
「訪問看護に興味はあるけれど、病棟との違いがよくわからない」「自分に向いているのはどちらだろう?」――そんな疑問を抱えている看護師の方は少なくありません。訪問看護と病棟勤務は、同じ看護師という職種でありながら、働き方や求められるスキル、やりがいの感じ方に大きな違いがあります。ここでは、給与水準から日常業務まで、両者を多角的に比較していきます。
一目でわかる!訪問看護と病棟勤務の比較表
まずは、主要な違いを表で確認してみましょう。
| 比較項目 | 訪問看護 | 病棟勤務 |
|---|---|---|
| 給与水準 | オンコール手当や訪問件数に応じた手当で高めの傾向 月給25万〜35万円程度(経験による) | 夜勤手当込みで安定した収入 月給26万〜34万円程度(経験による) |
| 勤務形態 | 日勤中心(9:00〜17:00など) 土日休みが多い オンコール当番あり | シフト制(日勤・準夜勤・夜勤) 不規則な勤務時間 休日は不定期 |
| 裁量権・責任 | 個人での判断が多く、責任も大きい その場での判断力が求められる | チームでの判断、指示系統が明確 医師やリーダーへの相談がしやすい |
| 患者との関係 | 長期的・密接な関係を築ける 一人ひとりとじっくり向き合える | 短期的・多人数との関わりが中心 入退院の回転が早い |
| 家族との関わり | 非常に多い 家族への指導や精神的サポートも重要 | 比較的少ない 面会時の対応が中心 |
| 看護設備・環境 | 限られた医療資源での対応 利用者宅という不完全な環境 | 充実した医療機器・設備 清潔で整った環境 |
| 他スタッフとの連携 | 一人での訪問が基本 電話やオンラインでの情報共有 | 常にチームで動く 対面での連携が密 |
| 必要なスキル | 幅広い疾患への対応力 総合的なアセスメント力 コミュニケーション能力 応用力と臨機応変さ | 専門領域の深い知識 迅速で正確な処置能力 チームワーク マニュアルに沿った確実な対応 |
| 夜勤 | なし (ただしオンコール対応はあり) | あり (月4〜8回程度が一般的) |
| やりがい | 患者の生活全体を支える実感 個別性の高いケアの提供 自律的な判断による達成感 | 急性期の回復を支える実感 専門的な医療技術の習得 チームでの達成感 |
訪問看護ならではの特徴:幅広い領域をカバーする「総合力」
訪問看護師の業務は、基本的には病棟と同じ看護処置が中心ですが、最も大きな違いは担当する診療科の幅広さにあります。
病棟勤務では、消化器外科、循環器内科、整形外科など、特定の診療科に配属され、その領域を深く学んでいくのが一般的です。しかし訪問看護では、1日の訪問先で消化器のストーマ管理、糖尿病患者のインスリン管理、ターミナル患者のメンタルケア、整形外科術後のリハビリ支援と、まったく異なる疾患・病態の患者を次々と担当することになります。
さらに、病棟ではあまりおこなわない皮下点滴や在宅酸素療法の管理、褥瘡の高度なケア、認知症や精神疾患への対応など、在宅ならではの看護技術も求められます。基本的には病棟でおこなう看護処置の基本が身についていればできる仕事ですが、実際のところは幅広い領域の看護知識が必要となるため、病棟経験がある程度ある方でも、最初は戸惑うことが多いようです。
訪問看護師の主な担当業務
訪問看護師が実際におこなう業務の範囲は、以下のように多岐にわたります。
医療処置・観察
病状の観察(体温、血圧、血糖値、脈拍の測定)、カテーテル交換、インシュリン注射、点滴管理、医療機器の管理など
身体介護・生活支援
身体介護、食事や排泄の介助、清潔な環境の維持、栄養摂取の指導、嚥下訓練、在宅でのリハビリテーション
精神的サポート・指導
本人や家族への助言や相談、内服管理指導、ターミナルケア、認知症・精神疾患のケア
これらの医療処置は、担当医の指示書に基づいておこなわれます。また、訪問看護師がチェックした患者の健康状態をもとに、担当医は適切な治療方針を検討します。つまり訪問看護師は、医師と患者をつなぐ重要な橋渡し役でもあるのです。
病棟勤務ならではの強み:専門性の深化とチーム医療
一方、病棟勤務の強みは、特定の領域における専門性を深められることと、充実した医療環境で確実な処置ができることにあります。
病棟では、最新の医療機器が整い、医師や他の看護師、薬剤師、理学療法士などの多職種とすぐに連携できる環境が整っています。判断に迷ったときにはすぐに相談でき、緊急時には複数のスタッフで対応できる安心感があります。また、救急対応や手術後の集中管理など、高度な医療技術を身につけられるのも病棟勤務の大きな魅力です。
さらに、夜勤手当によって収入が安定している点、キャリアパスが明確で認定看護師や専門看護師への道が開かれている点も、病棟勤務ならではのメリットと言えます。
給与面での違い:どちらが稼げる?
給与面では、訪問看護と病棟勤務のどちらが「稼げる」とは一概に言えません。病棟勤務は夜勤手当により安定した収入が得られる一方、訪問看護はオンコール手当や訪問件数に応じたインセンティブにより、働き方次第で収入を増やせる可能性があります。
ただし、訪問看護は日勤中心で土日休みが多いため、ワークライフバランスを重視しながら一定の収入を得たい方には適しています。逆に、夜勤を含めてしっかり稼ぎたい、不規則な勤務も苦にならないという方は、病棟勤務の方が収入面では有利かもしれません。
あなたに向いているのはどっち?適性チェック
最後に、それぞれの働き方に向いている人の特徴をまとめます。
訪問看護に向いている人
規則的な生活リズムで働きたい方、一人ひとりの患者とじっくり向き合いたい方、自分で判断して動くことが好きな方、幅広い疾患に対応する総合力を磨きたい方、家族を含めた包括的な支援に興味がある方
病棟勤務に向いている人
特定の専門領域を深めたい方、チームで協力して働くのが好きな方、急性期の緊張感ある現場が好きな方、最新の医療技術を学びたい方、夜勤を含めた不規則な勤務でも問題ない方
どちらが「良い」「悪い」ということではなく、あなたの価値観や目指すキャリアに合った選択をすることが大切です。この比較を参考に、自分にとって最適な働き方を見つけてください。
9.訪問看護師の求人探しにおすすめの転職サイト3選

数ある転職サイトの中から、訪問看護師の転職におすすめのものを以下の基準で厳選しました。
転職サイト選定の基準
- 求人の量・質 | 訪問看護師の求人は見つかりやすいか
- 提案力|ニーズに合った提案をしてくれるかどうか
- サポート力|キャリアコンサルタントのサポートは手厚いか
以上を踏まえたうえで、訪問看護師の転職におすすめのサイトは以下のとおりです。
| 転職サイト | 訪問看護師の求人数|満足度 |
| 1位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 約14万件|★★★★☆ 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
| 2位 看護roo! | 約5,500件|★★★★☆ 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
| 3位 マイナビ看護師 | 約9,400件|★★★☆☆ 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国25箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
(※2025年4月20日時点)
※この記事では求人数上位サイト3つに厳選して紹介しています。看護師さんからの満足度の高いサイトは『【訪問看護師】求人探しにおすすめの転職サイト』に詳しくまとめているので参考にしてください。
1位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事)
『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材を行っており、現場のリアルな情報を提供しています。
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の特徴
- 累計利用者数40万人以上
- 友だちに勧めたい転職サイトランキングNo.1
- 総求人数は約14万件と転職サイトトップレベル(※2025年4月20日時点)
「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえるのもポイントです。
また、LINEで「新着求人情報が届く」「担当のキャリアアドバイザーに相談できる」など、気軽に転職活動ができる点も魅力的といえます。
こんな看護師さんにおすすめ
- できるだけたくさん求人が見たい
- 職場の雰囲気や内部情報を知りたい
- 気軽に求人探しがしたい
2位.看護roo!
『看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。
登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。
看護roo!の特徴
- 利用者満足度96.3%
- 公開求人22万件以上(2025年7月15日時点)+非公開求人も多数
- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるため、希望にぴったりの求人を見つけやすくなるでしょう。
『看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。
信頼と実績も十分で、面接時に希望者には専任の女性スタッフが同行してくれるなど、きめ細かいサポートが魅力といえます。
こんな看護師さんにおすすめ
- みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- はじめての転職で不安なのでプロに相談したい
3位.マイナビ看護師
『マイナビ看護師』は、大手人材企業マイナビが運営する定番の転職サイトです。
数週間で内定を目指す「スピード転職」や、数ヶ月に渡ってゆっくりと職場を探す「じっくり転職」など、求職者の都合に合わせたスピード感でのサポートをしてくれます。
マイナビ看護師の特徴
- 看護師認知度5年連続No1の定番転職サイト
- 求人数は約7.9万件(※2025年4月20日時点)
- 大手マイナビならではの情報ネットワークも強み
加えて、面接の日程調整なども、キャリアアドバイザーが代行してくれるサービスも提供しています。自分のペースで転職活動を進めるのに最適な転職サイトといえるでしょう。
こんな看護師さんにおすすめ
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい
9.訪問看護の働き方に関するよくある質問

訪問看護師の働き方について、よくある質問をまとめました。
気になる点は解消しておきましょう。
- アットリハという訪問看護ステーションも有名みたいですが、看護師の口コミはどうですか?
- 訪問看護師の面接ではどのようなことを聞かれますか?
- 新卒で訪問看護師になるのはやめておいたほうがいいですか?
- 訪問看護について勉強したいのですが、何かいい方法はありますか?
- 訪問看護師に向いてる人はどのような人ですか?
アットリハという訪問看護ステーションも有名みたいですが、看護師の口コミはどうですか?
アットリハは株式会社ATが運営する訪問看護ステーションです。
企業の社員による口コミサイト『openwork』の評価は「5段階中2.91」と標準やや低めとなっています。(2021/9時点)
ただ残業時間は10h以内、有休消化率は78.9%と高めなので労働環境自体は悪くないといえます。詳しくはopenwork公式サイトを確認してみてください。
訪問看護師の面接ではどのようなことを聞かれますか?
訪問看護師の面接で聞かれやすい質問の例を、以下に掲載します。
- これまでの経験を教えてください
- あなたの長所(短所)を教えてください
- 志望動機を教えてください
- 訪問看護師を目指す理由(きっかけ)は何ですか
- 前職の退職理由を教えてください
特に訪問看護師を採用する場合、担当者は面接で以下のような点を見極めようとしています。
採用担当者が見ているポイント
- 対話力はあるか(適切にコミュニケーションが取れるか)
- 責任感はありそうか
- 学習意欲は高いか
- 状況判断能力はあるか
- 挨拶やマナーなどはしっかりと身についているか
面接の際は上記を意識した回答をおこなうことで、選考通過率を高められるでしょう。
転職活動に慣れていない方や、面接に苦手意識のある方は、うまく答えられないこともあるかもしれないので、面接が不安な方は、サポート力に強みのある転職サイトの利用をおすすめします。
新卒で訪問看護師になるのはやめておいたほうがいいですか?
結論からいうと、いきなり訪問看護師になるのではなく、2~3年の病棟勤務を経て、訪問看護師にキャリアチェンジするというのが現実的といえるでしょう。
患者や家族のなかには、「ベテランの看護師さんに診てもらいたい」という方も多く、スキル面はもちろん、コミュニケーションの面でも苦労すると考えられるからです。
またそもそも小規模の訪問看護ステーションでは、新卒を採用していないケースがほとんどです。
訪問看護について勉強したいのですが、何かいい方法はありますか?
インターネットを利用して訪問看護師の研修カリキュラムを受講できるサービス『訪問看護eラーニング』がおすすめです。
訪問看護人材養成基礎カリキュラムに準じた最新の研修内容を、自宅のパソコン・タブレットを使って手軽に学べるサービスになっています。
こんな人におすすめ
- 訪問看護の基礎を学びたい看護師の方
- 再就職のために時間を有効利用したい離職中の看護師の方
- 知識の幅を広げたい看護師の方
| 受講料 |
|
|---|---|
| 学べること |
|
※申し込みは「訪問看護eラーニングの公式サイト」からおこないます。

出典:Twitter
訪問看護師に向いてる人はどのような人ですか?
訪問看護師に向いている人の性格的な特徴は以下のとおりです。
- 責任感が強い
- 行動力があり、体力的にも自信がある
- 他人とコミュニケーションをとるのが苦ではない
- 向上心や学習意欲がある
- 患者一人ひとりとじっくり向き合いたい
- ルーティンワークが苦である、日常に変化を求めている
適性を判断するにあたり、自身のコミュニケーション能力を見極めることは欠かせません。
見知らぬ人や高齢者と難なく快適なやり取りができるかどうかは重要なポイントです。
また自らの意思・考えで主体的に行動できる方は、訪問看護師の適性があるといえるでしょう。
反対に、訪問看護師に向いていない人の性格的な特徴は以下のとおりです。
- 高度な医療処置をおこなう現場に携わりたい
- 誰かの指示で動くほうが楽
- オン/オフを明確に分けたい
- 年収が何より重要である
訪問看護師は、自らの判断で行動をしなければならないため、「誰かの指示で動くほうが楽」という方は特に不向きといえます。
またオンコール対応は必要なので、仕事のオンオフをきっちり分けたいという方にもおすすめできません。
また、極度に潔癖な性格であったり、体質的にアレルギーがあったりするなど、他人の家に入ることに抵抗があるという方も不向きといえるでしょう。訪問するお宅によっては、いわゆるごみ屋敷のような状態であることもあるからです。
さいごに

訪問看護師の働き方の実態について解説しました。
訪問看護師には以下のようなきつい点があることがわかりました。
- 一人で患者宅に訪問し、処置をおこなわなければならないのがきつい
- 身体的な負担が大きいのがきつい
- 利用者の家族とのコミュニケーションが難しい
- オンコール対応の負担が大きい
- 訪問先の環境が過酷である
- 徹底した感染症対策が求められる
病棟と違って戸惑う部分も多く、経験の浅い看護師にとっては、精神的なきつさの大きい仕事といえるでしょう。
ただやりがいも大きく、将来性のある仕事なので、キャリアアップを目指したいという看護師にとってはおすすめの転職先です。
訪問看護師の転職活動については、『訪問看護ステーションの看護師として転職するには?』の記事で網羅的に解説しているので、ぜひ参考にしてください。
![転職 – LiPro[ライプロ]| あなたの「暮らし」の提案をする情報メディア](https://www.iid.co.jp/contents-career/wp-content/uploads/2024/10/LiPro_logo_career.jpg)


















