「准看護師から看護師になりたい」
「看護師を目指すべきなの?」
とお考えですね。
准看護師から看護師になるためには、看護師学校養成所2年課程(以下、2年課程)を修了し、看護師国家試験に合格する必要があります。
2年課程の種類は3つあり、最短2年で看護師国家試験の受験資格が得られる学校もあります。
もちろん、働きながら通える学校もありますし、准看護師の実務経験年数によっては通信制の学校に通うこともできます。
ただ、学校によって看護師資格の取得にかかる期間や学費は異なるため、事前にしっかり調べたうえで学校選びをすることが大切です。
この記事では、元看護師の私が、准看護師から看護師になるための方法を以下の流れでご紹介します。
- 准看護師から看護師になるには
- 気になる学費はどのくらい?
- 准看護師から看護師になる5つのメリット
- 准看護師から看護師へキャリアチェンジを推奨する4つの理由
- 准看護師から看護師になる時に気を付けたい4つの注意点
この記事を読めば、准看護師になるための方法だけでなく、取得にかかる期間、費用などがわかり、キャリアアップに近付くことができるでしょう。
1.准看護師から看護師になるには
准看護師から看護師になるためには、2年課程を修了し、看護師国家試験の受験資格を得る必要があります。
引用:ジョブメドレー
2年課程は全国各地にあり、ご自身のライフスタイルに合った学校を
の3パターンから選べます。
1-1.全日制(2年)
全日制の2年課程は、2年間で看護師国家試験の受験資格が得られる学校です。
朝から夕方まで授業や実習が行われますが、最短で看護師国家試験の受験ができます。
受験資格 | ①中学校卒業後、准看護師の免許を取得し3年以上の実務経験がある人 ②高校卒業後 、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可) ③高認試験合格後、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可) |
取得にかかる期間 | 2年間 |
登校日数 | 講義や実習は平日の9時~16時くらいまで行っている学校が多い |
通信制が向いている人 |
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全日制の学校に通いながら仕事をするのは不可能ではありませんが、課題や実習に追われながら働くことは負担が大きいのでおすすめしません。
学費に不安が残る方は、2章でご紹介する給付金や奨学金を利用すると、経済的な負担を減らせるでしょう。
また、週末や長期休暇などの空いた時間に単発バイトや派遣で働くというのも一つの手です。
1-2.定時制(3年)
定時制の2年課程は、3年間で看護師国家試験の受験資格が得られる学校です。
昼間型と夜間型があり、学校によって講義スケジュールはさまざまですが、実習は日中に行われます。
2年課程の勉強内容を3年かけて学ぶことができるので、働いている方でも通いやすいのが特徴になります。
受験資格 | ①中学校卒業後、准看護師の免許を取得し3年以上の実務経験がある人 ②高校卒業後 、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可) ③高認試験合格後、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可) |
取得にかかる期間 | 3年間 |
通学の時間帯 | 講義の開催時間は学校によってさまざま。 実習は日中に行われるので注意が必要講義 【スケジュール例】
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定時制が向いている人 |
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全日制・定時制どちらも学校に通いながら学ぶスタイルなので、同じ境遇の友人に出会えたり、困ったことがあれば先生に相談しやすかったりといったメリットがあります。
仕事と勉強の両立に不安がある方やモチベーションを維持しながら勉強したい方は、こうしたメリットを踏まえて学校選びを行うと、良い結果に結びつきやすくなるでしょう。
1-3.通信制(2年)
通信制の2年課程は、2年間で看護師国家試験の受験資格が得られる自宅学習中心の学校です。
ただし、すべて自宅で必要な課程を履修できるわけではなく、通学や実習を行う期間もあります。
受験資格 | 准看護師免許取得後、7年以上の実務経験のある人 (最終学歴や常勤・非常勤は問わない) |
取得にかかる期間 | 2年間 |
登校日数 | 学校のカリキュラムによるが、2年間で55~80日程度の学校が多い。 |
通信制が向いている人 |
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通学制の最大のメリットは、現在のライフスタイルを変えずに看護師国家試験の受験資格が得られることです。
登校日が少ない分、教育相談会の実施や教員と直接電話できるようにサポート体制を強化している学校も多くあります。
具体的に学校探しをしたい方
厚生労働省「医療関係職種養成施設」をまとめた以下のサイトを活用してみましょう。地域を絞って、近くの学校を見つけられます。
- 全日制2年・定時制3年
≫看護師[2年課程(短大含む)] - 通信制
≫看護師[2年課程【通信制(短大含む)】]
2.気になる学費はどのくらい?
進学するとなると、どうしても気になるのは学費ですよね。2年課程の学費は学校によって大きな差があり、全体の傾向としては在学期間が短いほど学費が安く、全日制・定時制よりも通信制のほうが学費が安い傾向です。
進学にかかるお金は、主に以下の6つです。
- 受験料
- 入学金
- 授業料
- 教科書代
- 実習にかかわる経費(ユニフォーム代、感染症交代価検査料、傷害保険料、賠償保険料など)
- その他諸経費(設備整備費、看護師国家試験対策・受験料、クラス会費、自家用車で通学の場合駐車場使用料など)
学校によっては、実習のユニフォームは持参でも良い学校や施設整備費がかからない学校もあります。
通いたい学校があれば、給付金や奨学金を利用しながら進学するのも一つの手です。
使える補助金制度
2年課程に進学する場合、補助制度の活用ができることもあります。
(1)給付金
給付金は必要な条件を満たしている人が受給できます。返還義務はありません。
教育訓練給付制度
厚生労働大臣の指定を受けた教育機関で受講・修了した場合、支払った額に応じて費用の一部が支給されます。
看護師資格は専門実践教育訓練に該当しており、支給率も一般職より高くなっています。(参考:教育訓練給付制度)
以下のいずれかに該当していること
- ①現在働いており、雇用保険の加入期間が通算2年以上で教育訓練給付金の利用が初めての方
- ②現在働いており、教育訓練給付金の利用は初めてではないが、前回の利用から3年以上経過し、雇用保険の加入期間が通算3年以上の方
- ③現在働いておらず、 前の会社を辞めて1年以内で、雇用保険の加入期間が通算2年以上で教育訓練給付金の利用が初めての方
- ④現在働いておらず、 前の会社を辞めて1年以内で、教育訓練給付金の利用は初めてではないが、前回の利用から3年以上経過し雇用保険の加入期間が通算3年以上の方
<支給される金額>
最大で受講費用の70%(年間上限56万円・最長4年間)
<申請方法と支給の流れ>
引用:東京衛生学園専門学校|看護学科[通信制教育訓練 給付制度
母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業
母子家庭の母または父子家庭の父が、対象教育訓練を受講・修了した場合、支払った額に応じて費用の一部が支給されます。(参考:母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について )
①自立支援教育訓練給付金
<受給条件>
母子家庭の母または父子家庭の父で、二十歳未満の児童を扶養し、以下の2つの条件を満たす方
- 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあること
- 就業経験、 技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められること
<支給される額>
受講費用の60%(上限は修学年数×20万円で最大80万円まで)
②高等職業訓練促進給付金等事業
看護師や介護福祉士などの、資格取得に時間と費用がかかる場合に受給できる給付金です。
<受給条件>
母子家庭の母または父子家庭の父で、二十歳未満の児童を扶養し、以下の3つの条件を満たす方
- 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあること
- 養成機関において1年以上のカリキュラムを修修業し、対象資格の取得が見込まれること
- 仕事または育児と修業の両立が困難であること
<支給される額>
- 高等職業訓練促進給付金:修業期間の全期間支給される(上限4年)
月額約7万円(非課税世帯は月額10万円)
在学期間の最後の12カ月は月額約11万円(非課税世帯は14万円) - 高等職業訓練修了支援給付金: 修了後に支給される
2万5,000円(非課税世帯は5万円)
申請は、入学が決まった時点でハローワークか都道府県の窓口に事前相談します。審査には数週間以上かかることもあるので、なるべく早めの申請を心がけましょう。
(2)奨学金
奨学金は必要な条件を満たしている人が受給できるもので、公的なものから民間団体が運営しているものまで、種類はさまざまです。一般的な学生ローンや教育ローンよりも低利子で借りることができるため、多くの方が使用しています。
返還義務のある貸与型と返還しなくてよい給付型があります。
例)
- 日本看護協会|看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金
- 病院奨学金制度
- 学校奨学金制度
- 民間育英団体の奨学金
奨学金は進学先の学校やお住まいの自治体でも情報提供をしています。ただし、受給の条件は各奨学金によって異なり、成績によっては受給できないものもあります。
利用を検討している方は、問い合わせてみると良いでしょう。
<補足:教育ローンは金利に注意>
給付金や奨学金の受給にはさまざまな条件があるのに対し、教育ローンは貸与条件が甘く、誰でも借りやすくなっています。
しかし、金利が奨学金よりも高く、知らない間に返済額が膨れ上がってしまうリスクがあります。
貸与を検討している場合は、金利や返済期間を確認し、複数社の教育ローンを比べたうえで利用するかどうかを決めましょう。
3.准看護師から看護師になる5つのメリット
ここまで、准看護師から看護師になるために必要な2年課程の看護学校にちてご紹介してきましたが、なかには「准看護師から看護師になるべき?」と進学を迷っている方もいるでしょう。
そこで、この章では准看護師から看護師になるメリットを、体験談と共に5つご紹介します。
順番に見ていきましょう。
3-1.自分で判断しケアができる
看護師になると、自分で判断してケアができるようになります。
ご存じのとおり、准看護師はケアを行う前に医師や看護師の指示を仰がなくてはなりません。
そのため、どれだけ経験を積んだ准看護師でも、患者さんの要望にスピーディに応えられず、ジレンマを感じてしまうこともあるのです。
引用:東亜看護学院|卒業生の声
看護師の資格があれば、業務が制限されることもなくなるので、仕事にやりがいを見出すことができるでしょう。
また、看護師になれば看護計画の立案もできるので、これまで以上にケアの重要性が学べ、患者さんと深いコミュニケーションがとれるようになるはずです。
3-2.看護スキルが深められる
看護師になるための勉強を通して、看護スキルを高めることができます。
看護学や医学の専門的知識を学ぶことで、日々行っているケアに自信が持てるようになったり、根拠に基づいたアプローチができるようになるのです。
(「正看護師になってどうですか?」の問いに対して)
特に変わったことはありませんが、数十年ぶりに学業を行い、そこから習ったことが患者様を通して「なぜ?どうして、どうすれば?」という事を考えるようになったことが一番大きいと思います。
引用:医療法人大和会 介護老人保健施設 ミドルホーム富岡|いっしょに働きませんか
現場で働く准看護師と看護師の仕事内容の差は大きくありませんが、根拠を踏まえた上でケアを行うことができるのは、自信に繋がります。
また、准看護師の経験をもとに勉強ができるので、わからなかったことがわかるようになる喜びを感じられるでしょう。
3-3.給料アップに繋がる
看護師になると、給料アップにも繋がりやすくなります。
実際に、准看護師の平均年収と正看護師の平均年収を比較すると、年間で約70万円程度の差があります。
正看護師 | 准看護師 | |
全体 | 478万2,700円 | 405万6,800円 |
男性 | 489万4,200円 | 431万6,900円 |
女性 | 477万800円 | 402万9,500円 |
准看護師から看護師にキャリアアップできれば、必然的に給料にも反映されます。
長年准看護師として働いていく中で、役割、待遇の面でも差を感じながら、もっと勉強しなければならないと常に感じ、看護協会の卒後教育など受講し、看護師の資格を取りたいという思いは胸の奥に常に思っていました。
(中略) 念願の看護師の資格を取得することができました。あきらめないでよかったとつくづく思っています。56歳にして看護師として新たなスタートです。
引用:東亜看護学院|卒業生の声
准看護師と看護師の業務量は同じなのに、給料の差に不満を感じている方も多いでしょう。
看護師になることができれば、こうした不満の解消にも繋がるのです。
補足:看護師になると給料が減るケースもある
長い准看護師経験をもつ方が看護師にキャリアアップした際に、病院の給与規定で看護師1年目(新卒者)と同じ水準の給料が支給され、結果的に手取りの給料が減額されるというケースがあります。極めて珍しい例ですが、決してゼロではありません。
今まで働いていた職場で新たに看護師として処遇するにあたって、「看護師としての職務経験がない」ことを理由として「職務経験のない(新卒の)看護師」と同等とみなされ、結果として准看護師として働いていた時より低い給与を提示されることがあり得ます。
当然このような賃金改定は、労働者の同意がないまま一方的に行えません。同じ職場で看護師として働く場合は、こうした不当な待遇を見過ごさず、しっかり職場と話し合いましょう。
准看護師の時とは違う職場で働く方は、前職の給料はあくまで参考程度に扱われるため、入職前に給料の確認を忘れず行いましょう。
3-4.キャリアプランの選択肢が増える
看護師になると、看護師資格を活かしてキャリアプランを広げることができます。
たとえば、特定分野の経験を積んで認定看護師を目指すことも可能ですし、後輩指導やプリセプターなどの経験を経て管理職を目指すことも可能になります。
看護師資格を活かすことで、多様なキャリアプランを形成できるだけでなく、ライフステージの変化に合わせて、柔軟な働き方もできるようになります。
看護師のキャリアプランについては日本看護協会が提供するサイト『ナースストリート』でも詳しく紹介しているので、参考にしてみるのもよいでしょう。
3-5.転職するうえで市場価値が上がる
看護師の資格は、転職するうえで有利にはたらきます。と言うよりも、准看護師のままでは転職にかなり苦労することになるでしょう。准看護師を一切採用していない職場も珍しくないからです。
引用:東亜看護学院|卒業生の声
この方は、上記のできごとをきっかけに通信制の2年課程に進学し、みごと看護師として新たなキャリアを歩み始めたそうです。
看護師になることでやりたい仕事ができるようになれば、自分の理想通りの職場で働けて、仕事が楽しいと感じられるでしょう。
4.准看護師から看護師へキャリアチェンジを推奨する4つの理由
ここまで看護師になる方法やメリットをお伝えしてきましたが、「周りには准看護師の人がたくさんいる」「今の職場でずっと働くつもりだし、私には関係ない」とお考えの方もいるでしょう。
たしかに、准看護師のまま働ける職場はあるので、キャリアアップが必要ない方もいるかもしれません。しかし、筆者はできることなら看護師へのキャリアアップを推奨しています。
なぜなら、将来的に准看護師と正看護師が一本化される可能性があるからです。
事実、日本看護協会は、長らくの間「准看護師の新規要請は停止し、看護師に一本化すべき」という主張を行っています。
准看護師教育制度については、1996年に当時の厚生省「准看護婦問題調査検討会報告書」において「21世紀の初頭の早い段階をめどに看護婦養成制度の統合に努める」と提言されていますが、いまだ実現に至っていません。
疾病構造の変化や少子高齢化の進展により、医療・看護をめぐる状況は大きく変化しています。高齢化によって、複数の疾病を抱えるなど看護の対象者は複雑化・多様化し、加えて在院日数の短縮化で、医療依存度の高い在宅療養者が増加しています。こうした社会の変化・患者や利用者のニーズに応えるためには、准看護師養成は、教育内容・時間ともに不足しています。
そのため、本会では、引き続き、准看護師養成の停止を目指し、准看護師養成所から看護師養成所への転換を促進するとともに、現在活動している准看護師の研修や進学支援に取り組みます。
上記のとおり、准看護師廃止に向けた流れは確実に進行しています。
ご自身が「准看護師のままでいい」と思っていても、長い目で見れば将来性が明るいとは言い難い状況なのです。
こうした准看護師を取り巻く背景を踏まえ、本章では准看護師から看護師にキャリアチェンジを推奨する理由を、4つ解説します。
4-1.いつ准看護師制度が廃止されるかわからない
先にお伝えしたように、准看護師制度廃止の流れは進行しており、いつ廃止が決定されるかわからない状況です。
たとえば、日本看護協会の主張を受けて以下のような制度改革が行われていることも、准看護師廃止に向けた動きが活発化していることの裏付けといえます。
- 2016年に2年課程(通信制)の入学要件のうち、「実務経験10年以上」だったのが「実務経験7年以上」に変更され、准看護師が進学しやすくなった。
- 准看護師養成所の数が年々減少しており、入学者は過去20年間で4分の1にまで減っている。
准看護師から看護師にキャリアチェンジしやすい環境整備が進んでおり、准看護師になる人は年々減っているのは明らかです。
こうした流れに対して、日本医師会は「准看護師は廃止すべきじゃない。准看護師の数が減れば、地域医療の人材確保ができなくなる」と主張し、日本看護協会と真っ向から対立する考えを示しています。
今後の動向がどうなるかわかりませんが、先行き不透明な状況で准看護師を続けるのは、不安が大きいと言えます。
4-2.看護師との待遇差が大きい
准看護師と看護師は業務内容が同じにもかかわらず、大きな待遇差があります。
以下の資料によれば、准看護師の給与は看護師よりも月に6~9万円ほど低く、生涯賃金に換算すると4,100万円ほどの差が生まれることがわかっています。
これほどまでの待遇差があるのに、仕事内容や業務量が変わらないと、不満を感じずにはいられませんよね。
准看護師であっても、持ち前の経験やスキルは正当に評価されるべきですが、残念ながら資格による待遇の差は埋められないのが現実です。
4-3.働ける場所が減っていく
准看護師の有効求人数は、看護師と比べると圧倒的に少ないので、希望する職場への就職が難しくなっています。
せっかく准看護師資格を持っていても、働きたいと思える職場に就職できないとモチベーションが低下してしまいますよね。
准看護師も看護師も同じ看護職ですが、求人状況を見る限り、厳しい現実が待ち受けているようです。
4-4.准看護師養成所で学んでいないことは自力で勉強しなくてはならない
准看護師養成所で学んでいないことは、自力で勉強しなくてはなりません。
そもそも、准看護師と看護師は、養成の段階で学ぶ目的が異なります。
- 准看護師の養成:指示を受けて看護処置を行う能力を身につける
- 看護師の養成:患者をアセスメントし、判断し適切なケアを行う能力を身につける
准看護師の養成課程は「医師または看護師の下で安全にケアを実施できる能力を養う」のが目的になっています。
しかし、実際の医療現場では指示を受けてから行う業務は、看護師と全く同じです。
そのため、准看護師養成所で学んでいないようなことを現場で求められることもあり、不足しているスキルを自分で学ぶしかありません。
働きながら学ぶことが前提の環境は、現場の准看護師にはかなり負担が大きいといえるでしょう。
こうした負担を考えると、看護師にキャリアチェンジしたほうが働きやすくなるはずです。
5.准看護師から看護師になる時に気を付けたい4つの注意点
准看護師から看護師になるために、注意すべきポイントを4つご紹介します。
順番に見ていきましょう。
5-1.自分のライフスタイルに合った学校を選ぶ
2年課程の学校に進学する時は、自分のライフスタイルに合っている学校を選びましょう。
准看護師から看護師にキャリアチェンジを成功させるためには、家庭や仕事、プライベートと両立できるかを事前に見極めることが大切です。
たとえば「学費を安く済ませたいから」と思って全日制を選んでも、職場や家族の協力が得られなければ通い続けるのは難しくなってしまいますよね。
また「働きながら看護師を目指そう」と思って通学スタイルの学校を選んでも、職場や自宅から学校が遠ければ、通学することに負担を感じてしまうでしょう。
こうした失敗をしないためには、1章でご紹介した各学校の特徴を参考にしながら、ご自身に合った学校を選ぶことをおすすめします。
学生生活と家庭や仕事、プライベートが両立しやすい環境が整っていれば、楽しく学びを深めることもできますよ。
5-2.現職の上司への報告は早めに行う
現在働いている方は、早めに現職の上司に相談をしておきましょう。具体的には、進学を決めた時点で報告するのが望ましいタイミングといえます。
当然のことですが、進学にあたり退職・休職をするのであれば早めに報告することで職場に迷惑がかからずに済みますし、仕事を続けながら進学したいならシフト調整をお願いしなくてはなりません。後々のトラブルを避けるためにも、報告はできるだけ早く行いましょう。
5-3.給付金や奨学金の申請は早めに行う
給付金や奨学金の利用を考えている方は、早めに情報収集を行い締め切りに間に合うように申請をしましょう。
給付金や奨学金のほとんどは、入学前に申請を行わないと支給してもらえないからです。こちらも、進学を決めた時点で情報収集を行えば、スケジュールに余裕をもって申請ができるはずです。
学費を気にして勉強に身が入らないといったことがないように、必要な手続きや申請を忘れず行いましょう。
5-4.体調管理に気を付ける
あえてお伝えすることでもありませんが、体調管理には充分注意しましょう。
2年課程に進学することになれば、2~3年の間勉強を続けることになります。
学生時代と異なり、社会人になってからの勉強は多くの役割を兼務しながら行うことになるので、無理をしてしまうと体調不良を招く可能性が高いです。
体調不良が長引けば、勉強に支障が出たり、留年したりと、悪い方向に向かってしまうこともあるのです。
そうした事態を防ぐためにも、日頃から体調管理を万全にしておきましょう。
まとめ
准看護師から看護師になるための方法やメリット、キャリアチェンジを推奨する理由などをご紹介しました。
准看護師のまま働きながらでもスキルアップは可能ですが、看護師にキャリアチェンジすることで生涯をかけて看護に携わり続けることができるでしょう。
また、看護師を目指すのに遅すぎるということはありません。
どんな時も、キャリアチェンジを決断した「いま」がベストタイミングだと信じて、進学に向けた準備を始めましょう。
あなたが看護師として輝く未来が来るよう、祈っております。
准看護師のまま時を過ごすのか、経験ばかりで知識を深めなくて良いのか、資格の壁に阻まれ業務が制限されてしまう今の立場のままでよいのかと疑問を抱いている准看護師の方々は少なくないと思います。私自身も歳月を重ねるにつれ、普段の業務に身を任せるだけ、准看護師の資格に甘んじていてこの先通用するのかと意識し、知識をより深め、能力と資格双方に対応力を強める必要性を感じました。(中略)「自分もやれるかもしれない、やるなら今しかない」と思い切って入学を決断しました。