一般的な温水は80〜90℃。機種によっては「再加熱(リヒート)」で約90〜97℃まで上げられます。カップ麺の“最適温度”は100℃(=熱湯)とされるため、できるだけ高温にできる機種や再加熱が早い機種が有利です。
アクアソムリエ久保さん本記事では、ウォーターサーバーのメンテナンス経験のある私が、お湯に関する疑問をすべて解説します。
本記事でわかること
- 主要機種の温度・再加熱時間・最高温度の最新比較
- 「ぬるい」と感じる原因と今すぐできる対処
- 仕組み(バンドヒーター/シーズヒーター)と“熱湯が出ない”理由
- 温度帯と電気代の関係(エコ/スリープが温度に与える影響)
タイプ別温度帯まとめ一覧(浄水/天然水/RO水)
浄水(給水型・直結型)
| メーカー / 機種 | 冷水 | 温水(通常) | 再加熱モード | 目安時間 |
|---|---|---|---|---|
| エブリィフレシャス トール(給水) | 5–10℃ | 80–85℃ | 約90℃ | 約2分 |
| ウォータースタンド アイコン(直結) | 5–8℃ | 70/80/90℃(選択) | ― | ― |
| ウォータースタンド ピュアライフ(給水) | 4–8℃ | 約92℃ | ― | ― |
| ハミングウォーター flows(給水) | 6–10℃ | 80–90℃ | 約90℃ | 約2分 |
| Locca litta(給水) | 約5℃ | 約87℃ | ― | ― |
天然水(宅配ボトル)
| メーカー / 機種 | 冷水 | 温水(通常) | 高温モード | 目安時間 |
|---|---|---|---|---|
| マーキュロップ シタカラ | 約4–9℃ | 約81–93℃ | 約91–97℃ | ― |
| フレシャス Slat | 4–10℃ | 80–85℃ | リヒート約90℃ | 約3–4分 |
| コスモウォーター smartプラス | 6–10℃ | 80–90℃ | ― | ― |
| コスモウォーター smartプラスNext | 5–10℃ | 60/70/80–90℃(3段階) | ― | ― |
| プレミアムウォーター amadana グランデ | 約6℃ | 約87℃ | ― | ― |
| プレミアムウォーター スリムサーバーⅢ | 約6℃ | 約85℃ | ― | ― |
RO水(宅配ボトル)
| メーカー / 機種 | 冷水 | 温水(通常) | 高温モード | 目安時間 |
|---|---|---|---|---|
| アクアクララ AQUA WITH | 5–11℃ | 85–95℃(省エネ70–75℃) | 再加熱 | ― |
| クリクラ Fit(再加熱付) | 約4–10℃ | 約85–90℃ | 90℃以上(再加熱) | 最短約30秒 |
ウォーターサーバーの「お湯」基礎知識(標準/エコ/再加熱)
結論から言うと、標準は80〜90℃、エコで70〜75℃、再加熱(リヒート)で90℃台まで上げられる機種が中心です。上の表の通り、たとえばマーキュロップは再加熱で約91〜97℃、フレシャスSlatは約90℃まで到達します。
なぜ「熱湯(100℃)ではない」のか?
理由はシンプルで、①電気代を抑える、②タンクの劣化を防ぐ、③安全(やけど事故)への配慮の3つ。
ウォーターサーバーは内部タンクを“上限温度に達したら加熱OFF→下限まで下がったら再加熱ON”で制御しています。つまり、常に1本の線ではなく“幅”で温度が揺れる設計なんです。
用途別の目安温度
- カップ麺:多くの商品がパッケージで「熱湯」を指定(=沸騰直後が推奨)。より仕上がりを重視するなら再加熱対応機種が有利です。
- コーヒー:SCA(スペシャルティコーヒー協会)推奨は90〜96℃。再加熱で90℃台に上げられると安定します。
- 煎茶:上級茶で約70℃、中級煎茶で**80〜90℃**が適温。エコ(70〜75℃)⇄通常(80〜85℃)の使い分けが便利。
- 粉ミルク:70℃以上のお湯での調乳が推奨(WHO/FAO指針に基づく国内案内)。再加熱せずエコ温度帯でも対応可能です。
もしぬるいと感じたら|典型シーン
- 朝いち/長時間不使用後:スリープで温度が下がりやすい → 再加熱→直後に注ぐ。
- 家族が連続で使った直後:タンクが温度回復中 → 30〜60秒待つ or 再加熱。
- 設置環境が寒い/エアコン直風:放熱・冷却が過剰 → 直風回避&壁からの離隔確保。
温度×最高温×再加熱の有無で比較
スペック一覧では最高温度の数字だけに目が行きがちですが、実際の満足度を決めるのは次の3点です。
- 最高温度が90℃以上に届くか(麺のほぐれ・粉末の溶け方が段違い)
- 下限温度が高いか(80℃以上を維持できる機種は“外しにくい”)
- 再加熱の“速さと手順の少なさ”(2分以内&ワンボタンが理想)
この3つが揃うほど、「ぬるい」ストレスが激減します。



特に下限温度は見落とされがち。80〜90℃帯の機種は“いつ注いでも最低80℃以上”をキープしやすく、再加熱直後を逃しても失敗しにくいのが強みです。
ウォーターサーバーのお湯が出る仕組みと熱湯が出ない理由


ここからはウォーターサーバーのお湯が出る仕組みを解説します。
ウォーターサーバーには2つのお湯(温水)が出る仕組みがあります。
・金属棒(内部)
・バンド式(外部)
まず、一般的なのが温水タンク内の金属棒を熱することでお水を加熱する方法です。
大手宅配水メーカーのクリクラはこの方式を採用しています。
一方、バンド式は温水タンクの周囲に巻いたバンドを加熱して内部のお水を温める方法です。
内部から加熱するか外部から加熱するかの違いで、温度にあまり差はありません。
ただし、電気代はバンド式の方が安くなることが多いです。
アツアツのお湯(熱湯)が出ない理由は2つ
なぜ、どこのメーカーもアツアツのお湯(100℃以上)が使えないのでしょうか。
その理由は2つあります。
・電気代を抑えるため
・タンクの劣化を防ぐため
100℃近い熱湯が出るとするなら、電気代は高くなりタンクの劣化も早まります。
マニアックな話になりますが、ウォーターサーバーはタンク内で温度調節をしています。
たとえば、70℃~85℃のお湯が使えるサーバーの場合、温度が上限の85℃に到達すると加熱が停止します。
加熱が停止すると温度が下限の70℃まで下降するので、再び85℃まで加熱を始めます。
このように下限と上限を行ったり来たりするのは、サーバー本体の寿命を長くするためや保温にかかる電気代を抑えるためです。
ウォーターサーバーのお湯の温度は80℃前後が一般的


改めて、一般的なウォーターサーバーの温度は以下です。
・冷水 : 5℃~12℃前後
・お湯 :80℃~85℃前後
お湯はアツアツとは言えないので、SNSには以下のような口コミやコメントが多数あります。
①使い道によってはぬるい
②カップ麺は作れるか
③お湯は電気代が心配
ウォーターサーバーの温度に関する疑問を順番に解説していきます。
1.使い道によってはぬるい
使い道によってはぬるいと感じることがあります。
日本茶は80℃前後のお湯で淹れると一番おいしく飲めると言われています。
もちろん個人差はありますが、アツアツのお茶が好きな方は90℃以上が出るウォーターサーバーを選びましょう。
2.ウォーターサーバーでカップ麺はうまく作れるのか?
ウォーターサーバーのお湯でカップ麺を作ることは可能です。
ただし、お湯が85℃前後までのサーバーでは麺のほぐれ具合に物足りなさを感じることもあるでしょう。
他にもコーヒーやお味噌汁、コーンスープなども作ることができるので朝の時間に余裕が無いときに助かります。
各メーカーがカップ麺などのインスタント食品を手軽に作れることをメリットに挙げています。
3.ウォーターサーバーのお湯は電気代が心配
ウォーターサーバーのお湯って電気代がかかるイメージですよね。
ですが、基本的にウォーターサーバーの電気代は電気ポットやケトルより安いです。
その理由は2つです。
・電気ポットのように保温に電気を消費しないので安い
・ケトルのように瞬間的に沸かさないので安い
| 電気ポット・ケトル | 1,000円/月 |
|---|---|
| スラット | 330円/月 |
| アクアウィズ | 475円/月 |
ポットやケトルの1ヶ月の電気代が約1,000円に対して、ウォーターサーバーは330円~です。
お湯をよく使う人は電気ポットやケトルをやめてウォーターサーバーに乗り換えれば節電することもできますね。
失敗談!ウォーターサーバーがぬるい原因&カップ麺を作るならコレだ


ほとんどのウォーターサーバー公式サイトには「カップ麺が簡単に作れる」と書いてありますが熱湯は出ません。
確かにに簡単に作ることはできるのですが、温度は80℃ちょっとなのでぬるいというのが正直な感想です。
実はウォーターサーバーは80℃前後になるよう設計されています。
ウォーターサーバーのお湯の温度表記に注意
温度の表記の仕方にも注目しなければなりません。
公式サイトの温度の表記例
・83℃前後
・80℃~90℃
・約85℃
かなりアバウトで幅のある書き方をしていることが分かります。
これらは実際に各メーカーの公式ホームページで使われている表記です。
なぜ、このようなざっくりとした書き方をしているのかと言うと、ウォーターサーバーのお湯を温める仕組みが関係しています。
ウォーターサーバーはお湯の温度が最高地点に達すると下降するように設計されています。
理由はウォーターサーバーの寿命を長くする為だったり、保温にかかる電気代を抑える為であったりします。
たとえば、80℃~90℃と表記されている場合はこの区間で温度が上昇と下降を繰り返すことを意味します。
このことから以下に注意しなければなりません。
\お湯に関する注意点/
①温度は下限値に要注意
②カップ麺を作るタイミングによってはぬるい
たとえば、75℃~85℃のウォーターサーバーよりも80℃~90℃のウォーターサーバーの方が下限値は高いので、最悪でも80℃のお湯は使えることになります。
もしも最高温度90℃という同じパフォーマンスを発揮するウォーターサーバーがあるなら「下限値を比較して高い方」を選びましょう。
また、温度は常に上昇と下降を繰り返しているのでタイミングによっては下降時に使用することもあります。その際のお湯の温度は低いので留意しておきましょう。
ウォーターサーバーでカップ麺を作る時の注意点
私はフレシャスのスラットを使っています。
そして、カップ麺も美味しく食べられて満足しています。
これまで様々なウォーターサーバーでカップ麺を作ってきて気付いたことをまとめました。
\カップ麺を作るときのポイント/
・お湯を入れる時は目線を低くする
・注水口から容器を離し過ぎると汁が飛び散るので注意
・粉末スープは容器の中央に粉をかける
くだらないことですが、ささやかな私の気付きです。
お湯を入れる時に目線を低くしないとお湯を入れ過ぎてしまいます。
できる限り、お湯の目安ラインと目線を平行にするのがベストです。
また、容器を離し過ぎるとスープが飛び散るのでサーバーを汚したくなければ容器を注水口に近づけましょう。
最後に、粉末スープはお湯が直接当たるように注水口の真下にかけましょう。



美味しいカップ麺を作るならこの3つはマストです。是非、試してみてくださいね。
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