「看護師1年目で転職ってアリ?ナシ?」「実務経験がほとんどないのに、そもそも転職できるの?」とお悩みではないですか。
結論から言うと、ポイントを押さえた転職活動を行えば、看護師1年目の転職も不可能ではありません。
ただし、1年目となると経験がほとんどない状態なので、難易度が高く、ある程度長期化することを理解しておく必要があります。
思いつきではなく、何度も思い悩んだ結果「この病院で働き続けるのはどうしても無理」という考えに至った方に向けて、この記事では看護師1年目の転職活動を成功させるポイントを具体的な事例を踏まえて解説していきます。
全て読めば、看護師1年目が転職する際どういう行動を取ればよいか分かります。
編集部が実施した看護師723名へのアンケート調査に基づくサポート力や求人の数・質への満足度が高い転職サイトベスト3は、下記の3つ。
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看護師1年目の転職事情とは
実は1年目で離職する看護師はそれほど珍しくありません。
公益社団法人日本看護協会がおこなった「2022年病院看護実態調査」によると、新卒看護師の離職率は10.3%で、10人に1人は新卒で入った病院を辞めているという結果がでています。
そのため「絶対に1年は仕事を続けなくてはいけない」と思い込む必要はないでしょう。
ただ、1年目の転職にはデメリットがあるのも事実。途中退職にはリスクが生じるので、できることなら年度末まで仕事を続けたほうがよいです。
とはいえ、無理に働いて体を壊しては元も子もありません。自分の状況にあわせて転職することをじっくり検討してみてください。
看護師が1年目で転職したい理由4選
看護師が1年目で転職したい4つの理由を解説します。
転職活動をスタートする前に、他の看護師がどのような理由で転職したいと考えているのか確認してみてください。
想像以上に仕事が大変だった
1年目の看護師は、思っていたよりも大変な仕事内容にギャップを感じるときが多いです。
1年目でよくある理想と現実のギャップ
- 先輩からキツイ言い方をされる
- 命預かる仕事なので、常に緊張感が必要
- 女性特有の人間関係のトラブルに発展しやすい
- 仕事中は業務に、プライベートは勉強に追われる
- 患者さんからの暴力、セクハラに遭遇すること多い
想像以上に動き回ったり、覚えなくてはいけない業務が多かったりと、理想の働き方とはほど遠い仕事内容に働く意欲を失うときもあるでしょう。
また、現場の仕事が学校の教科書で習った通りに進まないケースもあるので、イレギュラー対応の連続に驚く人もいるはずです。
結果的に、想像以上にハイレベルな業務に気持ちがついていかず、のんびり働ける職場に転職したいと考える1年目の看護師もいます。
人間関係がうまくいかない
上司や先輩看護師、医師との人間関係がうまくいかずに、転職したいと考える看護師1年目もいます。実際に、マイナビ看護師がおこなった「看護師の労働実態と就業・転職志向調査」の結果によると、看護師が退職を考え始めたきっかけは、人間関係に関する理由が37.9%と上位を占めていました。
「上司や先輩の看護師が怖い……」と感じてしまい、わからない業務があっても質問できずに余計に時間がかかるときもあるでしょう。
職場での人間関係の難しさは、学生時代や実習では体験しづらい部分なので、1年目の看護師にとっては思い描いていた職場環境とは異なると感じる人も多いはずです。
給料条件(年収や手当等)に不満がある
看護師は高度な専門職であるにも関わらず、給与が思ったより低いと感じるかもしれません。
特に、1年目の看護師は働いてみて初めて給与や待遇の実態を知ることになるため、そのギャップに失望するときもあるでしょう。「夜勤や残業があって拘束時間が長いのに給料が少ない……」と、職場によっては働き方に見合ってないと感じる人もいるかもしれません。
実際に、看護職を長く続けるためには何が必要かという調査(※)では、「給与など待遇面の充実」が上位を占めていました。多くの看護師がより良い給料条件を求めており、そのことが転職の理由になっているのでしょう。(※参考:看護師白書2020年度版)
なお、以下の記事では、看護師の給料が安いと感じる理由を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
責任の重さに押しつぶされる
看護師は人命を預かる重要な仕事なので、新人看護師とはいえ責任の重さを実感する機会が多々あります。ミスが許されない仕事の重圧に耐えられないと感じる方もいるでしょう。
この責任感を仕事のモチベーションに変えられたら前向きに働けますが、覚える仕事が多く心に余裕を作りにくい1年目の看護師は、それが難しい場合もあります。
現職の責任の重さから逃れたくて、もう少し責任の軽そうな職場を探す看護師は少なくないでしょう。
1年目の看護師が転職するメリット3選
ここからは、1年目の看護師が転職する3つのメリットを紹介します。
1年目に転職するからこその「いいこと」を知って、転職を決断する際の判断材料としてぜひお役立てください。
新人の立場で働ける
看護師1年目で転職した場合、次の職場でも新人の立場として働けるケースが多いです。新人扱いになれば、先輩に気軽に質問できますし、向こうも教育を丁寧にしてくれるでしょう。
また職場の中だけでなく、採用においても「新人枠」で扱ってもらえます。中途採用では即戦力として前職の実績やスキルが重視されますが、新卒採用ではあなたのポテンシャルが見られます。
豊富な実績やスキルがなくとも、新人のフレッシュさを売りに転職活動にのぞめるでしょう。
興味を持てる分野に就職できる可能性がある
看護師としての仕事は多岐にわたるので、最初の勤め先での分野に興味を持てない人もいるでしょう。転職を機に自分の興味にマッチした分野を見つけられるかもしれません。
看護分野の一例
- がん看護
- 小児看護
- 精神看護
- 老人看護
- 在宅看護
- 慢性疾患看護
分野が変わるだけで仕事に対するやりがいが大きく変わるケースは珍しくありせん。1年目で転職をして、若いうちから自分に合った分野に出会えるのはよい経験となるでしょう。
挫折のリスクを減らせる
1年目の看護師は新しい仕事を覚えたり人間関係で気を使ったりと、精神をすり減らしやすいです。頑張っても思ったような結果が出ずに、挫折してしまうかもしれません。
環境を変えるだけで楽になるケースもあるので、「看護師は私に向いていないのかな……」「看護師のキャリアはもう捨てよう……」とあきらめる前に、今の職場から離れてみるのも一つの手です。
せっかくの看護の道を挫折するのはもったいないので、転職をして視野を広げることも検討してみましょう。
1年目の看護師が転職するデメリット3選
ここからは、1年目の看護師が転職する3つのデメリットを紹介します。
転職活動は人生の大きな分岐点ですので、1年目で転職するデメリットも理解しておくことが大切です。一つずつ紹介するので、参考にしてみてください。
選考の段階で「すぐ辞めるのでは?」と懸念される
1年目で転職活動をする場合、書類選考の段階で「採用してもすぐ辞めるのではないか」と懸念されやすくなります。
病院の採用担当者は、候補者のスキルはもちろんですが、「この人はすぐに辞めたりしないだろうか」という点もじっくり見極めています。看護師の採用・教育には非常にお金がかかるからです。
すぐ退職されてしまうと病院にとって多大な損失となってしまうことから、若年層看護師の採用に慎重な姿勢を示す病院も少なくありません。
また、職歴の長い看護師さんからは、以下のような意見が得られました。
そのため、職歴が1年未満しかない履歴書を送付した時点で、あっさりと選考落ちになり、面接にすら進めないことも覚悟しておく必要があります。
転職先の選択肢は限られる
1年目の転職では、選択肢がかなり少ないことも理解しておきましょう。
そもそも中途採用は、即戦力の人材確保を目的として行われるものだからです。そのため、たいていの場合は臨床経験3年以上などの条件が設けられています。
「未経験歓迎=1年目OK」ではない
転職サイトを見てみると「未経験歓迎」という求人もありますが、これはあくまで「病棟で長年勤務した人が、未経験の分野に転職する」といった場合に該当するものです。基本的なスキルが身についていない看護師を受け入れているというわけではありません。
また、年度の途中での受け入れ体制がない病院もあります。
すでに経験が豊富な看護師であれば、即戦力として年度の途中で採用することができますが、1年目の看護師だと教育が必要と考えられるケースが多いです。
ですが規模の大きい病院でない限り、途中で入職した新人を、丁寧に教える仕組みが整っている現場は非常に稀です。
このような理由から、看護師1年目は転職先の選択肢が減ってしまうのです。
転職先の仕事についていけない可能性がある
1年目の転職は、新しい職場の仕事についていけない可能性が高いです。
1年目は、様々な看護業務を経験することで、今後の成長の土台を作るために重要な時期ですが、その時期に転職してしまうことで、スキルが不十分なまま新しい職場で働くことになるからです。
前述の通り、中途採用はすでに経験がある人を採用するのが基本であり、受け入れ側も万全の教育体制を整えているわけではありません。
そのため、ただでさえ一通りのスキルが身についていないのに、いきなりたくさんの仕事を任されるという可能性もあります。
以下は、実際に1年目で転職し、「失敗した」と感じている方のコメントです。
また、「現職が辛くて今すぐ辞めたい」「現職が忙しくて転職活動の時間が取れない」といった理由から、退職してから転職活動を行うこともありますが、離職期間が長くなるとわずかな現場感覚でさえ鈍り、仮に転職できても「全然ついていけない」となってしまいやすいです。
看護師1年目で転職したほうがいい3つのタイプ
ここからは、看護師1年目で転職したほうがいい3つのタイプを解説します。
あなたが転職したほうがいいタイプに当てはまっていないか確認して、転職活動を始めるか判断材料にしましょう。
勤務体系がどうしても合わない
看護師は、職場によっては24時間体制でのシフト制勤務のため、不規則な勤務体系が続きます。この働き方が合わずに、生活リズムが乱れて体調を崩してしまう1年目の看護師もいるでしょう。
マイナビ看護師がおこなった「看護師の労働実態と就業・転職志向調査」で看護師の勤務体系に関する情報を見てみると、「日勤と夜勤」で約5割を占めるものの、42.8%もの看護師は「日勤のみ」で働いていることがわかっています。
もし「夜勤」の働き方が自分に合わない場合は、「日勤のみ」の職場に転職してみるのもいいでしょう。
不規則なシフトは身体を壊す要因にもなります。今の勤め先の勤務体系になかなか適応できないなら、あなたが希望する働き方を実現できる職場を探してみましょう。
看護師奨学金制度(いわゆる”お礼奉公”)で看護学校に通いそのまま就職した方は、指定された年数より早く転職する場合、原則として奨学金の残りを一括で返金しなければなりません。
もし離職する場合は、返金額によりますが「そもそも一括返済が可能かどうか」「今すぐお金を返した場合、その後の生活に支障はないか」を試算しておく必要があります。
残業が多く私生活に支障をきたす
残業が多く私生活に支障をきたす場合も、転職を検討するきっかけにするといいでしょう。
過度な残業のせいで、家族との時間を削ったり体調を崩したりしていると、職場に対するストレスが少しずつ溜まっていき、いずれ辞めたくなる可能性が高いです。あとから転職するなら、今行動して新しい職場の業務に早いうちに慣れたほうがよいでしょう。
実際に看護師の仕事は、患者さんの容体が急に変わったり救急患者を受け入れたりするので、計画通りに業務が進まないケースが多いです。
以下はマイナビ看護師の「看護師の労働実態と就業・転職志向調査」でわかった、看護師が勤務時間外でおこなう主な業務です。
看護師が勤務時間外でおこなう主な業務
- 看護記録
- 患者対応・診療補助
- 患者情報収集・申し送り
- 書類作成・事務作業
- 研修・勉強会・委員会参加
私生活に支障をきたすまで働くのは体にも良くないので、時間外労働が少ない職場に転職するのを視野に入れてみましょう。
ストレスでうつ状態になりそう
うつ病はメンタルの弱さの問題ではなく心の病気です。無理して働くと身体が思うように動かなくなり、仕事自体休まなくてはいけない可能性もあります。
実際にうつ病になると完治までに時間がかかるので、職場復帰にかなりの期間を要するかもしれません。仕事のせいで大事な看護師1年目という期間を休む時間に充てないといけなくなるのは、もったいないです。
大きなストレスがかかって心に異変を感じたら、今の職場を離れるのをおすすめします。
なお、以下の記事では「もしかしてうつ病かもしれない……」と感じた際に取るべき行動を解説しているので、参考にしてみてください。
看護師1年目で転職を考え直したほうがいい2つのタイプ
ここからは、看護師1年目で転職を考え直したほうがいい2つのタイプを紹介します。
転職してから「前の職場のほうが良かった……」とならないために、転職を考え直したほうがいいタイプに当てはまっていないか確認してみてください。
ワークライフバランスが充実している
残業がそれほどなくきちんと休日をもらえているように、ワークライフバランスが充実しているなら看護師1年目の転職を考え直してみるのもいいでしょう。
ワークライフバランスが保たれていると、プライベートで家族や友人との時間を確保でき、身体的・精神的な健康問題にもつながりにくいです。
仕事内容や人間関係に関する悩みの原因は、看護師1年目でまだ職場に慣れていないからということも関係しているかもしれません。ワークライフバランスが整っているなら、とりあえずもう少し続けてみて、時間が解決してくれるのを待ってみるのも一つの手でしょう。
転職すれば完全なストレスフリーで働けると考えている
完全なストレスフリーの職場は、理想的ですが現実には難しいです。
マイナビ看護師の「看護師白書2020年度版」によると、9割以上の看護師が頻度は異なるものの仕事にストレスを抱えています。
よくあるストレスの原因
- 仕事の内容
- 仕事量の多さ
- 患者や利用者との関係
- 上司や同僚との人間関係
- 給与や雇用形態などの労働条件
- 長時間労働や休日の少なさなどの労働環境
「今の職場を辞めたらすべての悩みから解放される」という認識での転職はしないほうがいいでしょう。そのような考えでいると、自分が納得する職場が見つからずに仕事を転々としてしまうかもしれません。
看護師1年目の転職理由のベストな答え方
転職活動ではほぼ確実に「前職を辞めた理由」を聞かれるはずです。以下の点を押さえて的確に回答することで、「すぐに辞めそう」という印象を薄められます。
それぞれ詳しく解説します。
前職の病院は悪く言わない
退職理由を聞かれた場合、前職の病院の悪いところを言うのはやめておきましょう。
もちろん、退職理由は「人間関係」や「職場の労働環境」など本人の力ではどうしようもないものかと思いますが、不平・不満を直接口にすると、採用担当者に悪い印象を与えます。
以下のようにできるだけ前向きな理由に言い換える工夫が必要です。
前職では、月の残業時間が50時間を超え、急なシフト変更や夜勤追加も多い環境でした。このため業務の効率化をはかったり、自己研磨を重ねたりといった、スキルアップにあてる時間が取れない状況が続いていました。
ただ仕事をこなすのではなく、余暇時間なども利用して自らを高め、貴院や患者様に貢献できるような看護師になりたいと考え、退職を決意いたしました。
今できることを正確に伝える
「今できることを正確に伝える」ことも1年目の転職で大切です。
「どのような看護技術を習得しているのか、どのような経験があるのか」が分かれば、採用側はあなたを採用後にかかる教育コストを把握できるからです。
若年層の看護師を積極的に採用している病院であれば、ある程度教育コストがかかることは想定しています。(プリセプター制度、勉強会など)
なので、過剰に見栄を張ったり、逆に卑屈になったりする必要はありません。面接で「○○はできますか?」と聞かれた場合は、数字や事実を踏まえて正確に答えるようにしましょう。
ポテンシャルをアピールする
1年目の看護師は、経験・スキルをアピールポイントとして伝えるのは難しいので、ポテンシャル・熱意をアピールするのがおすすめです。
ポテンシャル・熱意をアピールする際に効果的なのが、「将来を見据えていること=具体的なキャリアビジョン」を伝えることです。
例えば、「ゆくゆくは○○の資格を取り、活躍の場を広げたい」のような具体的な将来像がある人ほど、志望動機などに説得力が生まれます。
応募先病院の研修制度やクリニカルラダーとの関連性があるとなお良いでしょう。
看護師1年目の転職を成功させるための6つのポイント
1年目の看護師が転職をする時の注意点について解説します。
この注意点を知っておかないと「転職先がなかなか見つからない…」「転職できたのはいいが、前の職場と同じ問題が起こりそう…」といった状況に陥る可能性があります。
そうならないためにも、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 辞めたいと思った原因を正しく分析する
- 転職先が決まってから今の職場を辞める
- 職場の人には相談しない
- 入ってから苦労する職場は避ける
- クリニック転職は病院以上に対策が必要
- 看護師1年目の転職は「転職サイト」を使った求人探しがおすすめ
順に解説していきます。
辞めたいと思った原因を正しく分析する
転職活動において、あまり深く考えずに転職サイトの待遇の良い求人に手当たり次第に応募する方がいます。
しかし、転職活動を始める前に、なぜ今回辞めたくなったか、どういった環境なら辞めずに続けられたかを徹底的に分析すべきです。
理由は以下の2点です。
- 転職活動時に退職理由は必ず聞かれるから
- 正しく分析をしないと、職場選びで同じ失敗をする恐れがあるから
1年目で看護師を辞めて、次の職場選びでも失敗してしまうと以下のリスクがあります。
1年目で転職して職場選びで失敗するリスク
- また辛くなって辞めてしまうとやめ癖がついてしまう
- 仮に辞めたとしたら、すぐに辞める人と認識され、社会的信用が落ちる
- 新しい職場でも仕事がうまくいかないと、同世代と比べて、スキルや経験に差が出てしまう
以上のことから、1年目で転職を考える場合は職場選びに細心の注意を払うべきです。
転職先が決まってから今の職場を辞める
看護師の転職は、「転職先の病院が決まってから、今の職場を辞める」という流れがベストです。
先に退職してしまうと、次の転職先が決まるまでの間、無収入になってしまいます。
さらに言うと、1年目は失業保険受給資格の「離職日以前の2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること」の要件を満たしません。つまり、失業保険をもらいながらゆっくり転職活動をするというのはできないのです。
金銭的な余裕がなくなると精神的にも追い詰められて「どこでもいいから早く転職先を見つけないと…」と焦りが生じて、ミスマッチのリスクが高まります。
転職を成功させるためにも、できるだけ転職先を見つけてから、退職することをおすすめします。
ただし、「激務で退職しないと転職活動の時間が取れない」「今すぐに辞めないと、健康障害やうつ病を発症しそう」といったケースであれば、例外的に先に退職しても構いません。
職場の人には相談しない
職場の人には絶対に内緒で転職活動をしましょう。
「転職活動をしている」と噂になると、転職活動を進めるのが気まずくなります。
また、転職をやめて今の職場で続けると判断した際に、職場に居づらくなるのもデメリットです。
仲のいい同僚でも、ボロっと話してしまうと取り返しのつかないことになるため、絶対に言わないようにしましょう。
職場で「あの人、転職活動をしている」という噂はすぐに広がります。
転職を決意し、内定を承諾してから、まずは直属の上司から順に伝えましょう。
入ってから苦労する職場は避ける
高いスキルや経験が必要で、教育制度が整っていない職場は避けるべきです。
というのも、万が一転職できたとしても、働き始めてから苦労することになるからです。
具体的に、以下のような職場は避けましょう。
1年目転職で避けるべき職場
- 教育制度が用意されていない
- プリセプターをつけるような人員の余裕がない
1年目の転職先は、「教育制度の整った比較的大きめの病院」がおすすめです。
クリニック転職は病院以上に対策が必要
クリニックへの転職は、人気の就業先で転職難易度が高いため、病院以上に入念な対策が必要です。
夜勤がなく、休日に休みが取れることの多いため、転職を考える看護師の26.7%、約4人に1人がクリニックへの転職を希望しています。(参考:ナースセンター)
人気が高く、ベテラン看護師やクリニック勤務経験者も応募してくるため、新人看護師の転職難易度はより高くなります。
実際に、クリニックへの転職難易度の高さは、看護師1人あたりが応募できる求人数を示した求人倍率にも現れています。
全体の求人倍率が2.32倍であるのに対し、クリニックの求人倍率は0.8倍と大きく下回る結果となっています。
就業先 | 求人数 |
全体平均 | 2.32倍 |
クリニック(無床) | 0.8倍 |
(参考:ナースセンター)
クリニックの求人倍率は1を下回っており、看護師1人あたりに応募できるクリニックは1以下である、つまり「仕事がかなり見つかりづらい」と言えるのです。
クリニックへの転職を希望している人は、複数サイトに登録して求人の選択肢を増やす、転職サイトの担当者に選考対策をお願いするなど、より入念に選考対策を行いましょう。
関連記事:クリニックに転職したい看護師が事前に知っておくべき全知識|おすすめ転職サイト
看護師1年目の転職は「転職サイト」を使った求人探しがおすすめ
看護師求人探しの方法は複数種類がありますが、結論から言うと、1年目の転職はプロのサポートが受けられる「転職サイト」がおすすめです。
転職サイトは、希望に合った施設の求人を紹介してくれる転職支援サービスです。
転職サイトに登録すると、求職者一人ひとりに担当者(キャリアアドバイザー)がつき、求人探しから選考対策までサポートしてくれます。
転職サイトのサポート
- キャリア相談
- 求人紹介・提案
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 面接対策
- 面接日の調整
- 給与交渉
- 内定後のサポート(入社日の調整、年収の交渉、現職場への退職に関する相談)
希望に合った病院求人をプロ目線で探して提案してくれる点は、非常に魅力的です。
特に1年目の転職となると、そもそも応募可能な求人が見つからないことが多いです。また仮に求人があったとしても、書類・面接の段階で不採用になってしまうことも少なくないでしょう。
ですが、転職サイトを利用すれば、キャリアアドバイザーに希望を伝えるだけで、あなたのニーズにマッチした求人を提案してくれ、さらに応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削や、面接対策(どのように受け答えすれば良いかのアドバイス)などのサポートもしてくれます。
病院側の納得できる1年目での転職理由や、自身のアピールポイントなども教えてくれるので、1年目での転職に関する不安を取り除くことができます。
連絡手段はメール・電話・LINEがメイン
キャリアアドバイザーとの連絡手段は、メール・電話・LINEがメインです。対面でのやりとりは、2021年現在ほとんど行われていません。
転職サイト利用者に話を伺うと、「メールやLINEなどテキストでのやり取りが楽で良い」という意見が多数派でした。「電話で話をするのが苦手」「休みの日に連絡してほしくない」という方は、メールやLINEでのやり取りが可能なサイトか事前に確認しておきましょう。
なお、看護師さんからの評価の高い大手サイト(看護roo!、レバウェル看護(旧 看護のお仕事)、マイナビ看護師)は、いずれも電話・メール・LINEから、希望の連絡方法を選べるようです。
転職サイトは、特にはじめて転職活動を行う1年目の方におすすめです。
看護師求人の探し方は他にも「ハローワーク」や「ナースセンター」などの方法があります。詳しくは『看護師転職の方法をイチから解説!必ず踏むべき正しい手順&求人探しの手段』の記事で解説しているので参考にしてください。
看護師1年目におすすめの転職サイト3選
数ある転職サイトのなかから、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
- 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下のとおりとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
---|---|
1位 看護roo! | 55,907件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 135,763件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 60,875件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
※求人数2022年8月更新
この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1
『看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。
登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。
看護roo!の特徴
- 利用者満足度96.3%
- 公開求人55,907件+非公開求人も多数
- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるため、希望にぴったりの求人を見つけやすくなるでしょう。
『看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。
信頼と実績も十分で、面接時に希望者には専任の女性スタッフが同行してくれるなど、きめ細かいサポートが魅力といえます。
こんな看護師さんにおすすめ
- みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- はじめての転職で不安なのでプロに相談したい
2位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 求人多数で選択肢の幅が広い!
『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材を行っており、現場のリアルな情報を提供しています。レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の特徴
- 累計利用者数40万人以上
- 友だちに勧めたい転職サイトランキングNo.1
- 総求人数は135,763件と転職サイトトップレベル
「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえるのもポイントです。
また、LINEで「新着求人情報が届く」「担当のキャリアアドバイザーに相談できる」など、気軽に転職活動ができる点も魅力的といえます。
こんな看護師さんにおすすめ
- できるだけたくさん求人が見たい
- 職場の雰囲気や内部情報を知りたい
- 気軽に求人探しがしたい
3位.マイナビ看護師|ペースに合わせて転職できる
『マイナビ看護師』は、大手人材企業マイナビが運営する定番の転職サイトです。数週間で内定を目指す「スピード転職」や、数ヶ月に渡ってゆっくりと職場を探す「じっくり転職」など、求職者の都合に合わせたスピード感でのサポートをしてくれます。
マイナビ看護師の特徴
- 看護師認知度5年連続No1の定番転職サイト
- 求人数は6万件以上
- 大手マイナビならではの情報ネットワークも強み
加えて、面接の日程調整なども、キャリアアドバイザーが代行してくれるサービスも提供しています。自分のペースで転職活動を進めるのに最適な転職サイトといえるでしょう。
こんな看護師さんにおすすめ
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい
看護師1年目の転職に関するよくある質問6選
ここで、1年目の転職したい看護師さんからよくある質問へ回答していきたいと思います。
- Q1. 看護師1年目はお給料どのくらいでしょうか?
- Q2. 卒業した学校に頼るのはありですか?
- Q3. 転職は2年〜3年働いた方が有利なのですか?
- Q4. 既卒看護師なんですが1年目の転職は可能ですか?
- Q5. ハローワークは使えますか?
- Q6. 退職の切り出しがうまくできるか心配です。
Q1. 看護師1年目はお給料どのくらいですか?
看護師の初任給平均額は以下の通りです。(参考:2020年病院看護実態調査)
平均基本給与額 | 平均税込給与総額※ | |
高卒+3年過程 | 202,289 円 | 262,277 円 |
大卒 | 208,918 円 | 270,292 円 |
※平均税込給与総額=通勤手当、住宅手当、家族手当、夜勤手当(8回で計算)、当直手当を含んだ額です。
年収に換算すると、平均年収は民間350万円、国公立で400万円程度と言われています。
もちろん、地域によっても変わってきますし、病院ごとによっても変わってきます。
あくまでも目安ですが、今の給料に不満がある方は、転職サイトに登録し、どれくらい給料を増やせる求人があるのかをチェックしてみましょう。
Q2. 卒業した学校に頼るのはありですか?
卒業した学校を訪問し、相談することもいい選択肢です。学校には、各施設から大量の求人が集まっているはずなので、信頼できる先生がいれば相談に行ってみてもいいでしょう。
あなたのことをよく知っている先生であれば、いいアドバイスや紹介を受けられるかもしれません。
Q3. 転職は2年〜3年働いた方が有利なのですか?
スキルや経験をアピールできる分、1年目で転職するよりも有利と言えます。実際に、求人によっては「臨床経験(現場経験)3年以上」の方しか応募できないなど応募すらできない求人もあるので長く働くに越したことはありません。
しかし、2年目・3年目になるにつれて病院が戦力としてより強く認識するので、引き留めも強くなる傾向にあります。
Q4. 既卒看護学生なんですが1年目の転職は可能ですか?
既卒看護学生でも十分転職できますが、状況によっては苦労するかもしれません。というのも、既卒で看護師に就職し、1年目で転職をする場合、「別の職場で社会人としての経験があるはずなのに、1年も持たなかったこと」がマイナスに評価されやすいからです。
看護師として既に経験がある既卒1年目であれば、スキルを評価してもらいやすいですが、看護師として未経験であれば苦戦する可能性が高いです。
Q5. ハローワークは使えますか?
看護師でも使うことはできます。ただし、求人の質が良くないためおすすめしません。
実際に、紹介された求人がブラック企業だったという声もあります。
詳しくは『看護師の転職でハローワークは使うべき?メリット・デメリットや求人の探しやすさを徹底解説』で解説しているので参考にしてください。
Q6. 退職の切り出しがうまくできるか心配です。
転職サイト経由で転職をしていた場合、退職の切り出しから交渉まであなたにあったアドバイスをくれるので安心です。しかし、使わないという方は下記のポイントを守れば失敗しにくいです。
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特に3つ目のポイントが大切で、人によっては引き留められて心変わりしてしまうケースもあります。
しかし、一度辞めたいと言った以上、そのあと腫れ物扱いされたり、今後本当に転職したいときに切り出しにくくなります。
絶対に転職すると決めた時以外は退職を口にしてはいけません。
(2021/4追記)看護師1年目の転職っておすすめできる?先輩看護師100人に徹底取材
当サイトでは、看護師1年目の転職という選択がおすすめできるかどうか、ベテラン看護師100人を対象に調査を行いました。
結論から先に言うと、全体の6割以上はやはり「極力おすすめしない」という回答でした。
回答の内訳を見てみると、「1年目は分からないことが多く、技術も十分に身についていないため、あらゆる面で不利になる」というのが主な理由でした。
また、人間関係や職場環境のネガティブな悩みなどであれば、「転職はしない方がいい」という意見も多数見られます。
ですが見方を変えると、4割近くは「転職してみても良いのではないか」という意見であり、中には「実際に1年目で転職して良かった」という内容のコメントもありました。
1年目の転職はおすすめしないという看護師さんの意見
まずはおすすめしないという意見を抜粋して紹介します。
1年目で転職するのもアリという看護師さんの意見
看護師さんの中には、1年目で転職してみるのも一つの手段として良いのでは、という意見を持っている方もいらっしゃいました。
理由としていくつかありますが、まずこの資格は日本全国何処に行っても働く事が出来ます。また、転職をするならその職場に染まる前にした方が絶対にいいと思っているのもあります。染まってしまうとその病院の変なクセや考え方が染み付いてしまうからです。最後は、合わない職場で過ごしていると必ず自分自身が精神面・肉体面・又は両方が傷つきます。最悪立ち直れない程の傷が出来る事になると考えます。大事なのは自分の体です。
【1年目で転職を決めた理由】
特に、他のナースへの引き継ぎが大変でした。自分が担当した内容や患者さんの容態を全て引き継いでもらわないといけない、申し送り時間ギリギリ前まで患者対応をしたあと引継ぎをして、残った業務や記録などで、毎日残業という感じでした。残業してもあまり残業代はつかず、負担ばかり募っていき、同期や先輩後輩もどんどんやめていきました。
転職サイト(人材紹介会社)を利用しました。転職活動は1ヶ月くらいでした。昔から自分が通っていた病院だったこともあり、病院の雰囲気や、医師、看護師の雰囲気がいいのが分かっていたので、すぐに選びました。
満足です。患者さんに「全然いたくなかったよ、すごいね」「気にかけてくれてありがとう」と声を掛けてもらった時にやりがいを感じています。患者さんとやりとりをしてこその仕事なので、なるべく気持ちに寄り添ったり、思いに共感したりしていきたいです。
いまは転職してスキルアップしていく時代ですし、1年目の転職も良い選択だと思います。
看護師さん意見のまとめ
看護師さんのアドバイスをもとに、転職すべき人・そうでない人を悩みの理由で分類しました。
転職を検討しても良い人 |
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転職すべきでない人 |
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転職の難易度は高くなりますが、「メンタル的に限界」「仕事が心底辛い」という方は、積極的に環境を変えてみることをおすすめします。
看護師1年目の転職まとめ
ここまで1年目看護師の転職について解説しましたが、いかがでしたか?
看護師1年目の転職はデメリットが多いため慎重になるべきです。
それでも、転職したいという気持ちが変わらない方は、本記事で紹介した成功のポイントやおすすめの転職サイトを活用してみてください。
あなたの今後の人生がより明るいものであることを心から願っています。