「2年目になったのに、ずっと仕事が辛い」
「転職したいけど、できるかな?」
とお悩みではないですか。
看護師2年目になると、任される仕事も増えるため、新人の頃よりもプレッシャーを感じて、転職をしたいとお考えの方も多いでしょう。
結論から申し上げると、看護師2年目でも転職自体は可能です。
現在、看護師の人手不足は深刻化しており、今後もその傾向は続くと予想されています。看護師2年目であっても、転職するの不可能ではありません。
しかし、転職自体できたとしても、必ずしも希望通りの職場で働けるとは限りません。
初めての転職になると思いますので、看護師特有の転職事情を知らないまま行動してしまうと、「転職する前の方がむしろ良かったかも」という事態もあり得ます。
そこでこの記事では、看護師として転職経験のある私が、看護師2年目の転職を成功させるために必要な情報を、以下の流れでご紹介します。
最後まで読めば、看護師2年目ならではの転職を成功させるノウハウがわかるでしょう。
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看護師2年目が転職を考える理由5選&体験談
実は、看護師2年目でも転職を考える人は珍しくありません。
看護師を含めた医療・福祉の分野での2年目の離職率は、短大・専門卒で10.5%です。
看護師全体の離職率11.5%(参考:2020 年 病院看護実態調査 報告書)と同水準であり、要するに、2年目だから転職する人の割合が低いというわけではないようです。
厚生労働省:新規学卒者の離職状況をもとに作成
では、看護師2年目は、どのようなタイミングで転職を考えるのでしょうか。具体的には、以下の5つになります。
順を追って解説します。
仕事のできなさを痛感した
看護師2年目になると新人の頃と違い、基礎的なことはできて当たり前という目で見られますが、看護師としての経験はまだ浅いのでできないことも多く、「もう2年目なのに、自分は仕事ができない」と感じてしまう方は多いです。
2年目になり、後輩ができましたが、やっぱりできるようになるのが早い。いつか追い抜かれるんじゃないかとヒヤヒヤする毎日に、疲れを感じています。
この方々のように、身近な同期や後輩と比較をして「仕事ができない」と悩む方もいるでしょう。
成長には個人差があるので、他人と比べるものではありませんが、自分に自信が持てないと、どうしても比較してしまいますよね。日々、周囲と自分を比べていった結果、どんどんネガティブな思考に陥ってしまう方も多いです。
看護師が向いていないと感じた
「看護師に向いてない」というのも、2年目看護師によくある悩みです。
急変があれば、自分で予測して迅速に対応する必要があります。
ある時、急変対応でスムーズに動けず、師長さんから「もう新人じゃないんだよ!」と怒られたことがあります。
周りの先輩はフォローしてくれましたが、自分が情けなくて、隠れて泣いてしまいました。
うちの病棟は看護師も少ないので、2年目になってから夜勤の回数が増え、1カ月のほとんどが夜勤の月もあります。時間内に終われず、夜勤なのにお昼まで残ってることも多くなり、疲れがとれません。
看護師2年目になり、ある程度業務に慣れてくると、今まで任されなかった仕事を振られることもあるでしょう。先輩が新人指導にあたるため、代わりに重病患者を受け持つ機会が増えたり、急患対応を任されたり、夜勤に入る回数が増えた方も多いはずです。
それだけではなく、勉強会の開催や研修参加、委員会活動などに関わる機会も増え、これまで以上に忙しいと感じてしまいますよね。
真面目な人ほど、こうした状況でも手が抜けず、すべてをこなそうとして、だんだんと疲弊してしまい、「うまくできない」「看護師に向いてないのかな」と悩んでしまう方もいるのです。
負担が大きくなれば、前向きに考えることが難しくなってしまいます。「2年目になっただから、一人でがんばらなきゃ!」と思うあまり、先輩に頼れなくなってしまうことも、追い詰められる原因と言えます。
職場の人間関係に疲れた
理不尽なイジメやハラスメントが横行している職場にいると、居心地の悪さを感じますよね。
明らかなイジメやハラスメントは無くても、女性特有の人間関係の難しさを感じたり、牽制し合う先輩の姿を見て「仕事行きたくない」と感じる方は多いものです。
人間関係のストレスから、体調不良を引き起こしてしまう方もいます。
フォローしてくれる先輩もいますが、意地悪な先輩はベテランなので、誰も直接注意できない状況で辛いです。
2年目になったら収まるかな…と期待していましたが、私の下に後輩は入らず、今もイジメは続いています。他の先輩には申し訳ないですが、近々退職をしようかと思っています。
イジメやハラスメントは耐える必要はなく、たとえどんな原因があろうとも、許されるべきではありません。
ただ、信頼できる先輩や師長に相談しても効果が期待できないことも多く、その場合仕事を続けることは難しくなってしまうこともあります。
ほかに興味のある分野が見つかった
看護師2年目になると、視野が広がり、今の仕事に疑問を感じている方もいるかもしれません。
例えば、既存のケアに疑問を感じたり、自分の看護観に反する仕事にジレンマを感じてしまう時もあるでしょう。
その結果、「もっと〇〇したい」「〇〇の分野に挑戦してみたい」という思いから、転職を検討する方もいます。
でも、毎日業務に追われ、患者さんと目を見て話す余裕がないことが嫌で、転職を考えています。
看護師として経験を積むなら、急性期は近道だと思いますが、僕には、患者さんとゆっくり関われる科のほうが合っているのかもしれません。
働いている内に、目標や看護観が変わることは、よくあることです。
こうした変化を、成長の一環として捉えることができれば、転職は前向きなステップアップといえるでしょう。
結婚や妊娠などのライフイベントが発生した
看護師2年目の方のなかには、キャリアを積むよりも、結婚をしたいとお考えの方もいるかもしれません。
看護師には資格があるので、結婚などのライフイベントがあったとしても、転職や復職は難しくありません。
しかし、「2年目なのに、結婚が理由で辞めていいのかな」と不安を感じ、転職を躊躇してしまう方もいるようです。
それ自体は嬉しかったのですが、結婚が理由で退職してしまうと、お世話になった先輩方に申し訳なく、返事に迷っています。
結婚・妊娠・出産などのライフイベントは、思いがけないタイミングで訪れます。
本来であれば、喜ばしいことでも、キャリア2年目となると苦しい決断になってしまうこともあるようです。
看護師2年目が転職する4つのメリット
ここからは看護師2年目が転職する4つのメリットを解説します。
転職活動を始めるかどうかの判断材料として、看護師2年目で転職するメリットを確認していきましょう。
中途ではなく第二新卒枠で転職できる
看護師2年目が転職する際は、即戦力としての中途採用ではなく、新人として見られている第二新卒枠で転職できるのが特徴です。この第二新卒枠であれば、新しい職場での研修や教育制度を受けられて看護師の基礎を培えるでしょう。
2年目の看護師は一定の業界経験はあるものの、まだまだ習得すべきスキルや能力があります。第二新卒として転職して看護師の基礎スキルを学べるのは、2年目で転職するメリットといえるでしょう。
採用面接ではポテンシャルを評価してもらえる
看護師2年目で第二新卒として転職する際は、これまでの実績やスキルも一部見られていますが、それよりも将来的な成長やポテンシャルが重視されています。具体的なスキルよりも、どれだけ成長意欲があって新しい環境や業務に適応していけそうかという点が面接官の評価ポイントです。
さらに、ポテンシャルが見られている第二新卒枠では、未経験の業界や分野への転職も可能。あなたが今の分野とは違う新しい仕事に就きたいと思っているなら、挑戦すれば実現する可能性もあるでしょう。
仕事の先入観がなく新しい職場に適応しやすい
看護師2年目ではまだ職場や仕事の固定概念が形成されにくい段階なので、新しい職場環境や仕事のスタイルに柔軟に適応しやすいです。
働き始めてから年数がたてばたつほど、「患者さんに対してはこのように接するべきだ」「先輩にはこう話しかけるべきだ」などと仕事の考え方が固まる傾向にあります。
まだ仕事の先入観がない2年目で転職すれば、次の職場のルールや雰囲気もスムーズに受け入れられるでしょう。
新人として扱われるので上司や同僚に質問しやすい
2年の看護師の経験があるものの、新しい職場では新人としてスタートするのが一般的です。つまり仕事でわからないことがあれば、上司や同僚に気兼ねなく質問できるということです。
中途採用枠で入社すると、周りから即戦力として見られているので業務の質問をすると「そんなことも知らないの?」と思われてしまうかもしれません。
一方、新人として扱われる看護師2年目なら、先輩や同僚に積極的に仕事の質問をおこなえます。この会話をきっかけに職場の良好な人間関係を築ける可能性もあるので、看護師2年目で転職したら新人として見られるのは大きなメリットといえます。
看護師2年目が転職する4つのデメリット
ここからは、看護師2年目が転職する4つのデメリットを解説します。
転職してから後悔しないためにも、看護師2年目で転職するデメリットを押さえておきましょう。
採用担当者が転職理由を気にする
転職理由は、ほとんどの採用担当者が気にするポイントの一つです。
面接でも、「なぜ、2年目で転職を決めましたか?」「前の職場を辞めた理由はなんですか?」など、転職に至った経緯をくわしく聞かれるでしょう。
その目的は、すぐに仕事を辞めないかどうかを見極めるためです。
採用担当者は、採用にかかる費用や人材育成にかかる労力・時間などのコストの観点から、早期離職の可能性が高い人を採用するわけにはいきません。
特に、看護師2年目は、早期離職のリスクが高いと評価されやすく、採用担当者も慎重になります。
これらのことから、転職理由は、重視すべきポイントといえるでしょう。
経験の浅さがネックになる
看護師2年目の転職では、経験の浅さがネックになりやすいです。
一般的に、看護師が一人前になるには、基本的なケアの習得にくわえ、リーダー業務やプリセプターなどの経験が必要です。
しかし、看護師2年目だと、リーダー業務やプリセプターの経験はおろか、基本的なケアの習得が十分といえないケースもあるでしょう。
そのため、採用担当者は「どの程度のスキルがあるのか」「フォローや教育は必要か」といった質問をして、経験を確認しようとするのです。
また、訪問看護師のように、1人で判断しケアを行う仕事ではスキル不足と判断され、採用してもらえないこともあります。
厳しいようですが、経験年数によって、転職の選択肢が狭まるケースは、現実としてありえるのです。
正しいキャリアを選べるだけの経験がない
2年目というタイミングでは、正しいキャリアを選べない可能性があります。
例えば、仕事のできなさを理由に転職を考える場合でも、
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などの可能性があげられますが、これを2年目のキャリアで正しく判断するのは難しいでしょう。仮に診療科が合っていないとして、「じゃあ自分はどこが向いているか」を見極めるのも至難の業です。
このため、次の転職先もなんとなくで選んでしまい、キャリアにプラスにならない選択になってしまう可能性もあります。
転職後もハードな働き方になる可能性が高い
実際に看護師2年目で転職できた場合でも、すぐに理想通りの働き方ができるとは限りません。
例えば、以下のような状況が考えられます。
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また一から覚え直さなくてはいけない
当然のことですが、職場が変われば、1から覚え直さなくてはならないことが沢山あります。
たとえば、使用頻度の高い薬剤、物品の場所や使用方法、患者さんの疾患や治療方針、ケアの方法などに違いがあり、転職直後は戸惑いを隠せない方も多くいます。
また、看護師2年目が転職しても、新卒ではないのでプリセプターがつかないことも多いです。
そのため、自ら行動しないといつまでも仕事がわからないままになってしまうでしょう。
周りの反応が気になる
看護師2年目で転職すると、好奇の目で見られることがあります。
残念ですが、看護師2年目の転職を肯定的に捉える人は、少ないのです。
実際に、「また、すぐに辞めるんじゃないか」と噂されたり、「仕事できないのでは?」と根拠のないレッテルを貼られた方もいます。
もちろん、あなたの仕事ぶりを見れば、周囲の評価はすぐに変わるので、気にする必要はありません。ただ始めのうちは周囲の反応が気になりやすいことは知っておくべきでしょう。
即戦力を期待されて、プレッシャーになる
大規模の病院から転職したり、ICU・救急などの経験者が転職すると、即戦力を期待されやすいです。
そもそも、働きやすい環境を求めて転職をしたはずなのに、自らを追い込んでしまうのは本末転倒です。誰でも、仕事に慣れるまでは時間が必要なので、気負うことなく一から学んでいければ問題ありません。
しかし、期待に応えようとするあまり、プレッシャーを感じてしまうと、挫折した時に立ち上がれなくなってしまいます。
看護師2年目で退職する前に今の職場でできる5つのこと
転職を視野に入れつつも、「今の職場を続けたい」「転職以外の方法はないのかな?」と考えている方もいますよね。
この章では、今の職場を続けたいと希望する方に向け、5つの対処法のご提案をいたします。
まずは休息をとり睡眠と食事に気をつけてみる
なによりも優先していただきたいことが、休息をとることです。
慢性的な睡眠不足、食生活の乱れは、正常な判断力の妨げになってしまいます。まずは、1日7~8時間以上の睡眠、バランスの取れた温かい食事の摂取を心がけましょう。
眠たい時に寝る、食べたいものを食べるなど、基本的欲求を満たすことに、専念しましょう。
頼りになる先輩や同期に相談してみる
次に、頼りになる先輩や同期に、悩みを打ち明けたり、相談してみましょう。
同じ職場内に相談できる相手がいるだけで、精神的に楽になれるはずです。また、相談することで、具体的な解決策が浮かんでくるかもしれません。
悩みは一人で抱え込まず、相談する勇気を持ちましょう。
初心を振り返り勉強してみる
初心にかえり、勉強をすることで、自信が持てるようになります。
この方法は、勉強不足のせいで自信が持てず、職場内で居心地の悪さを感じている方に有効です。
基礎看護技術、解剖生理、疾患、治療、ケアなどの勉強を行った結果、看護師としての自信に繋がることもあるでしょう。
長期的に続けられるように、自分に合った方法で学びを深めていきましょう。
興味のある分野の研修に参加してみる
興味のある分野があれば、研修に参加してみるのもおすすめです。
気になる研修に参加することで、知識が得られるだけでなく、人脈や見聞を広げられます。
看護師向けのスキルアップ研修は、実際に会場で行われるものだけでなく、オンラインで実施されるものもあります。
たとえば、日本看護協会主催でもさまざまな研修が行われているので、気になる方はこちらをチェックしてみてください。
働き方について師長や上司に相談してみる
結婚や家庭の事情で現在の働き方が難しいと感じている方は、師長や上司に相談をしてみましょう。
場合によっては、勤務形態の変更や、部署移動などの措置がとられ、転職せずに働き続けることができるかもしれません。
職場の状況によって、必ずしも希望通りの働き方ができるとは限りませんが、働き方で悩まれている方は、一度相談してみると良いでしょう。
看護師2年目で転職したほうがいい3つのタイプ
ここからは、看護師2年目で転職したほうがいい3つのタイプを解説します。
転職したほうがいいタイプに当てはまっていないか、一つずつチェックしてみてください。
職場の労働環境が悪い
職場の労働環境が悪いと感じているなら、早めに転職することをおすすめします。
たとえば、以下のような労働環境だと、体調不良や医療ミスを招く可能性が高いため、危険です。
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2020年以降、新型コロナウイルスの流行により、看護師の人手不足が社会問題となっています。
とくに、流行拡大している地域では、看護師の労働環境は過酷な状況が続いているでしょう。
働き続けることに限界を感じているなら、転職を検討したほうが、身のためといえます。
人間関係に改善の見込みがない
人間関係に改善の見込みがない場合も、転職を検討すべきです。
とくに、理不尽なイジメやハラスメントが横行している環境にいると、精神的に追い詰められてしまうため、環境を変えたほうが良いです。
毅然とした態度で立ち向かい、解決を図るのも一つの選択肢ですが、対応に苦慮する場合は、早めに転職したほうが、英断といえるでしょう。
心や身体の不調を感じている
心や身体の不調を感じているなら、なるべく早めに職場を離れたほうがよいです。
看護師は夜勤などによる変則勤務にくわえて、責任の重さ、時間管理能力、臨機応変な対応力など、求められるものが多いため、ストレスが強い職業です。
ストレス解消や気分転換ができないと、うつ病や精神疾患の発症リスクを高めてしまいます。
自覚症状のある方は、心療内科や精神科などの専門医に診察してもらい、休職や転職などの措置を検討しましょう。
また、自覚症状のない方も、『こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)』に掲載されているストレスチェックを実施し、客観的に評価をすることが大切です。
看護師2年目におすすめの転職先
ここでは、看護師2年目におすすめの転職先をお伝えします。
中規模以上の病院
まず、看護師の経験を積みたい方におすすめなのが、中規模以上の病院です。
大規模の病院と比べて、患者さんの重症度が高すぎず、ある程度の教育体制も整っているからです。
しかし、診療科や救急医療の受け入れ体制によっては忙しいため、気になる病院があれば、しっかり情報収集を行ったうえで、転職活動を進めましょう。
専門病院
次に、興味のある分野や、挑戦したい看護が明確な方におすすめなのが、専門病院です。
専門病院では、専門医が最先端の医療機器を用いて治療を行っているため、その分野の最新の技術や知識を学ぶことができます。
また、認定看護師や専門看護師などの資格取得を支援する制度が整っている場合も多いので、今後のキャリアプランが固まっている方は、ぜひ検討してみてください。
療養型の病院
患者さんとゆっくり関わりたい方や、時間に余裕を持って働きたい方には、療養型の病院をおすすめします。
療養型の病院(介護療養医療施設や療養型病院)では、介護度の高い高齢者に対して、医療ケア・介護ケア・リハビリテーションを提供します。
病院でありながら、比較的時間に余裕のある働き方が可能になります。なお、介護療養型医療施設は2023年度末をもって、廃止になることが決定しています。
代わりの施設として2018年から新設されたのが、『介護医療院』です。
介護医療院は、医療ケアだけでなく、生活の場としての機能を有した施設であり、従来の療養型病院とは異なる機能を持っています。
病院の外来勤務
最後に、時間内で仕事を終わらせたい、規則的な生活リズムを保ちたい方には、病院の外来勤務をおすすめします。
病院の外来勤務は、患者さんの診療をスムーズに行うことが重要なので、時間内に終わりやすいです。
また、外来で診療できない重症の患者さんは、入院病棟に搬送するため、重症患者のケアにあたる機会が少なく、精神的負担も軽減できます。
外来勤務は、復職を考えている看護師さんにもおすすめの勤務先なので、ぜひ選択肢の一つに入れてみてください。
看護師2年目におすすめしない転職先
ここからは、看護師2年目におすすめしない転職先を紹介します。
おすすめではない転職先を確認して、職場選びの参考にしてみてください。
クリニック(診療所)
クリニックは受付業務や電話対応など事務的要因があって人気がある職場です。しかし、緊急性のある対応が少なく、技術面の習得に欠ける環境でもあります。
看護師2年目の時期は、仕事の基礎を学ぶ大切な時期。将来、「あのときに専門的な知識をもっと学べる職場に就けばよかった……」と後悔しないためにも、職場選びを慎重に進めていきましょう。
美容クリニック
美容クリニックの看護師は、病院と違って治療をサポートせずに、患者さんのカウンセリングや器具の管理などを担当することが多いです。そのため、基本的な看護スキルを身につけたい看護師2年目には、おすすめの職場とはいえません。
また、一部の美容クリニックでは給与にインセンティブ制度が高く設定されており、成果を出さないといけないというプレッシャーに苦しむ可能性も…。
美容クリニックで働きたいなら、病棟などで数年間働いて基礎的な看護業務を覚えてからのほうがキャリアの幅が広がるかもしれません。
介護施設
介護施設の看護師は、利用者である高齢の方の体調管理や緊急時対応などを担当します。しかし、施設によっては看護師の人数が少なくさまざまな業務を任されるときもあります。
看護と介護の境界が曖昧になることが多く、看護師としてのスキルを活かすよりも日常のケアが中心となりかねません。
そのため、看護技術を身につけるのに時間がかかってしまうので、看護師2年目には介護施設はおすすめしにくいです。
介護施設で働きたいなら、まずは病棟で基本的な仕事を覚えてから介護施設に移るほうが活躍できるでしょう。
看護師2年目が転職を成功させるための7つのコツ
看護師2年目の転職は難易度が高いことをお伝えしましたが、以下のコツを押さえて行動すれば、転職成功率を高められます。
- 転職する理由を明確にしておく
- 自分の看護スキルを整理する
- 周囲に転職することをすぐ伝えない
- 看護観を見つめなおす
- 転職の軸を決めておく
- 教育体制が整っている職場を選ぶ
- 気になる病院があればホームページや口コミサイトでチェックする
それでは、詳しく解説していきますね。
転職する理由を明確にしておく
まず、転職を決意したら、転職理由を明確にしましょう。
なぜなら、転職理由をハッキリさせると、仕事をする上で大切にしたいことが明確になるからです。
例
- ①「人間関係が悪くて、仕事に集中できない。転職したい」と考え、転職を決意するケース
仕事上で大切にしたいこと:周囲との連携、意思疎通、チームワーク など - ②「忙しくて大変、もっと患者さんとゆっくり関わりたい」と考え、転職を決意するケース
仕事上で大切にしたいこと:患者さんとの関わり、時間に余裕のある環境、業務量が適度であること など
上記のように、転職理由を俯瞰して考えることができれば、仕事上の価値観や信念が明確になるので、転職先も探しやすくなります。
同時に、面接対策にも繋がりますので、ここはしっかり行いましょう。
自分の看護スキルを整理する
次に、自分の看護スキルを整理し、できること・できないこと・未経験のことを明確にしましょう。
病院によって教育体制が異なるため、看護師2年目でも、看護スキルには個人差があります。
採血・点滴などの一般的な看護技術や、診療科ごとの専門的スキルなどから、できること・できないことをハッキリさせておくと、面接の時にも伝えやすくなります。
看護師2年目、大学病院の小児科経験がある場合
- できること:
バイタルサインチェック、薬剤の準備・投与、経管栄養の準備・実施、カテーテル検査の準備・介助、看護計画の立案など - できないこと:
採血や点滴の穿刺、呼吸器患者のケア、リーダー業務、プリセプター業務など
看護スキルの整理は、ご自分の強みを発見するのにも役立ちます。
どう整理していいかわからない場合は、日本看護協会ホームページの『新人看護師研修における到達目標』を参考にチェックしてみることをおすすめします。これは新人研修用のガイドラインですが、自身のキャリア到達度を測るものとして役立ちます。
周囲に転職することをすぐ伝えない
転職を決意しても、すぐに周囲に伝えないようにしましょう。
転職を伝えるのは、転職先が決まったタイミングで問題ありません。
先に「転職しようと思っている」と伝わってしまうと、様々なトラブルを生み出します。
筆者の体験談になりますが、業務や受け持ち患者さんの引継ぎのため、転職を半年前に伝えた結果、
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という問題を経験しました。
このことから、転職を決意したら、先に転職活動を始めることをおすすめしています。
ただし、就業規則で「退職する3カ月前に、退職の意思を伝えること」と明記されている場合は、規則通りにしたほうが、トラブルを避けられます。
その場合は、師長などの一部の上司に伝えるだけに留めておくと良いでしょう。
看護観を見つめなおす
転職を機に、看護観を見つめなおしましょう。
看護観とは、看護師として働くうえでの価値観や信念のことで、個人によって正解は違ってきます。
筆者の例ですが、患者さん一人一人に誠意を持って仕事をすることが重要と考えております。
筆者が最初に勤めた病院には、ガンや難病の患者さんが多く、若くして命を落とされる方もいました。
ターミナル期の患者さんや家族の看護にあたっている時は、自分の無力さを感じてしまうこともありましたが、だからこそ、看護師としてではなく、人として誠意を持って接したいと思い、現在も看護師を続けております。
皆さんにも、看護師として仕事するうえでの価値観があるはずです。転職をきっかけに、看護観を見つめなおすと、理想の働き方のヒントが得られるでしょう。
この機会に、ぜひ看護観を見つめ直してみてください。
転職の軸を決めておく
転職先選びでまずやるべきは、先に「転職の軸」を決めておくことです。
転職の軸とは、「今回の転職で一番実現したい譲れない点」のことです。以下のような流れで考えていきます。
転職の軸の考え方
- 理想の将来像をイメージする
…5年後、10年後、どのような仕事・生活をしていたいか - 現在の病院との差分を明らかにする
…今の病院で5年、10年働いてその仕事・生活が実現できるか。できないなら、「なぜできないか」「どういう環境ならできるのか」を考える - 理想を叶えるために一番大事な優先事項をピックアップする(※)
…これが転職の軸になる
※例:年収、やりがい、ワークライフバランス、勤務地、規模、スキル、仕事の範囲、福利厚生、残業時間、チャレンジできる環境
求人を探し始める前に、まず「これだけは必ず実現したい条件No1」を決めておきましょう。
給与、勤務形態、夜勤の有無、立地、福利厚生、各種手当など、働くうえで譲れない条件を明らかにしておくと、転職後のギャップを最小限に留められます。
在職中の職場の条件と比較したり、譲れない条件に優先順位をつけておくと、より転職先を探しやすくなるでしょう。
教育体制が整っている職場を選ぶ
看護師2年目が転職するなら、教育体制の整っている職場がおすすめです。
たとえば、以下のような制度が整っていると、教育体制に力を入れている職場と言えるでしょう。
- 中途採用者向けの研修が実施されている
- 中途採用者向けにマニュアルがある
- 中途採用者にもプリセプターがつく
- PNS(パートナーシップ・ナーシング・システムのことで、2人の看護師がペアを組み、複数の患者のケアを行う制度)を導入し、サポートする体制がある
すでに、看護師2年目の転職は「経験が浅い」と評価されやすいとお伝えていますが、職場によっては、「変な癖がついていない」「伸びしろがある」と、ポジティブな評価するところもあります。
とくに、教育体制が整っている職場だと、第二新卒を積極的に採用している職場もあるので、ぜひチェックしてみてください。
気になる病院があればホームページや口コミサイトでチェックする
内部の事情や人間関係は、実際に働いてみないとわからないことも多いです。
そんな時は、ナスコミやカンゴトーク などの口コミサイトや、ホームページなどを使って、病院の雰囲気などをしっかり情報収集しましょう。
もちろん匿名なので全てを鵜呑みにする必要はありませんが(ネガティブな内容ほど書き込まれやすい)、働きやすそうかを判断する基準の一つにはなります。
しっかりと情報収集しておくと、転職後のイメージがつきやすくなるはずです。
初めての転職なら「転職サイト」の活用がおすすめ
看護師求人探しの方法は、ハローワークや知人の紹介など様々ですが、2年目の転職はプロのサポートが受けられる「転職サイト」がおすすめです。
転職サイトは、希望に合った施設の求人を紹介してくれる転職支援サービスです。
転職サイトに登録すると、求職者一人ひとりに担当者(キャリアアドバイザー)がつき、求人探しから選考対策までサポートしてくれます。
転職サイトのサポート
- キャリア相談
- 求人紹介・提案
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 面接対策
- 面接日の調整
- 給与交渉
- 内定後のサポート(入社日の調整、年収の交渉、現職場への退職に関する相談)
希望に合った病院求人をプロ目線で探して提案してくれる点は、非常に魅力的です。
特に2年目の転職となると、そもそも応募可能な求人が見つからないことが多いです。また仮に求人があったとしても、書類・面接の段階で不採用になってしまうことも少なくないでしょう。
ですが、転職サイトを利用すれば、キャリアアドバイザーに希望を伝えるだけで、あなたのニーズにマッチした求人を提案してくれ、さらに応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削や、面接対策(どのように受け答えすれば良いかのアドバイス)などのサポートもしてくれます。
病院側の納得できる2年目での転職理由や、自身のアピールポイントなども教えてくれるので、1年目での転職に関する不安を取り除くことができます。
補足:連絡手段はメール・電話・LINEがメイン
キャリアアドバイザーとの連絡手段は、メール・電話・LINEがメインです。対面でのやりとりは、2021年現在ほとんど行われていません。
転職サイト利用者に話を伺うと、「メールやLINEなどテキストでのやり取りが楽で良い」という意見が多数派でした。「電話で話をするのが苦手」「休みの日に連絡してほしくない」という方は、メールやLINEでのやり取りが可能なサイトか事前に確認しておきましょう。
なお、看護師さんからの評価の高い大手サイト(看護roo!、レバウェル看護(旧 看護のお仕事)、マイナビ看護師)は、いずれも電話・メール・LINEから、希望の連絡方法を選べるようです。
転職サイトは、特にはじめて転職活動を行う2年目の方におすすめです。
看護師求人の探し方は他にも「ハローワーク」や「ナースセンター」などの方法があります。詳しくは『看護師転職の方法をイチから解説!』の記事で解説しているので参考にしてください。
看護師2年目で転職するなら要登録 | おすすめ看護師転職サイト
数ある転職サイトのなかから、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
- 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下のとおりとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
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1位 看護roo! | 55,907件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 135,763件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 60,875件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
※求人数2022年8月更新
この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1
『看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。
登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。
看護roo!の特徴
- 利用者満足度96.3%
- 公開求人55,907件+非公開求人も多数
- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるため、希望にぴったりの求人を見つけやすくなるでしょう。
『看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。
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こんな看護師さんにおすすめ
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2位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 求人多数で選択肢の幅が広い!
『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材を行っており、現場のリアルな情報を提供しています。レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の特徴
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「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえるのもポイントです。
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こんな看護師さんにおすすめ
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3位.マイナビ看護師|ペースに合わせて転職できる
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看護師2年目の転職で円満退職する3つのコツ
ここからは、看護師2年目の転職で円満退職する3つのコツを解説します。
退職するときに上司と揉めたり同僚との関係性が悪くなったりするのは気持ちの良いものではありません。ここでは、円満退職するコツを詳しく紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
上司に退職の意思表示を事前におこなう
上司に退職日の直前に「この日に退職する予定です」と伝えると、上司は混乱してしまうため、辞める意思表示は早めにおこなうのが大切です。
その際は、退職理由も必ず伝えましょう。
退職理由の一例
- 結婚することになった
- 他にやりたい仕事が見つかった
- 家族の介護をしなければならない
退職する理由がないと上司もモヤモヤして退職を引き止めたくなるかもしれませんが、具体的な辞める理由がわかれば上司も納得しやすくなります。
退職の意思表示は早めにおこなって、円満退職につなげましょう。
退職する時期を慎重に考える
退職のタイミングを繁忙期や人手不足の時期にしてしまうと、職場の人に負担が増えてしまいます。そうなると先輩や同僚から嫌な印象を持たれる可能性もあるので、退職時期は慎重に考えましょう。
看護業界で忙しい時期は4月・8月・12月と言われており、その理由は以下のとおりです。
看護業界で忙しい時期
- 4月…新卒者の教育で忙しい時期
- 8月・12月…スタッフの長期休暇が重なる時期
これら以外の時期ならスムーズに転職できる可能性があります。ただし、基本的には年度末に退職すれば現場の混乱も少ないでしょう。
業務の周期や職場の状況を踏まえて、できるだけ影響が出ないような時期を選択するのがトラブルなく退職するためのポイントです。
スケジュールに余裕をもって業務を引き継ぐ
退職する前には余裕をもったスケジュールで引き継ぎをおこない、あなたがいなくても後任が仕事を回せるようにしましょう。
引き継ぎで大切なのは、誰でもわかるような引継書を作成すること。あなたの後任に引継書をもとに口頭で説明すれば、円滑に引き継ぎをおこなえるでしょう。
なお、退職前は有給を消化したり、次の職場での雇用手続きをおこなったりと、出勤日が少なくなるかもしれません。退職日から逆算して、いつまでに引き継ぎを完了させればよいのかを見積もっておきましょう。
あなたが退職しても職場の人を困らせないために、スケジュールに余裕をもたせて業務を引き継ぐことが円満退職のコツです。
なお、以下の記事では円満退職する際の具体的なステップや退職理由なども解説しているので、確認しておきましょう。
看護師2年目の転職まとめ
看護師2年目で転職をお考えの方は、リアルな転職事情を踏まえた上で、転職活動を進めることが大切です。
この記事でご紹介したコツやポイントを活用しつつ、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談すると、転職の成功率を上げることができます。
転職に迷っている方や、今の職場で続けたいとお考えの方は、この記事でご紹介した対処法を試してみることをおすすめします。
あなたの人生が、豊かになることを祈っています。
新人の時は、「怒られても、負けるもんか!」と頑張ってこれたんですが、最近、後輩の目の前で先輩に怒られてしまい、心が折れてしまいました。
同期は皆、先輩といい関係を築けているのに、なぜ僕だけ…と理不尽に感じてしまうこともあります。