看護師の転職でハローワークは使うべき?メリット・デメリットや求人の探しやすさを徹底解説

ハローワーク 看護師

看護師の転職先探しにハローワークは使うべきだろうか」と考えていませんか。

結論からいうと、看護師転職でハローワークの利用はおすすめできません

ハローワークは多くの求人情報を得られる反面、質の悪い求人も紛れていることがあるからです。

失業保険の手続きでハローワークを訪れた際に、求人を探すことになると思いますが、ハローワークだけでの転職活動はリスクがあるので、できる限り他の求人探しの手段と並行しての利用をおすすめします。

この記事では、転職コンサルタントとして看護師転職をサポートしてきた私が、「ハローワークのメリット・デメリット」や「効率的な求人探しの手段」について解説していきます

  1. 看護師転職にハローワークをおすすめしない3つの理由
  2. ハローワークならではの4つのメリット
  3. 好条件の求人を見つけるなら看護師転職サイトがおすすめな理由
  4. ハローワークとの併用におすすめの看護師転職サイト
  5. 【FAQ】 看護師のハローワークの利用に関してよくある質問と回答

すべて読めば、ハローワークのメリット・デメリットや注意点を理解し、より良い転職サイトについても知ることができるでしょう。

[simple-author-box]
看護師723名が選んだ人気の転職サイト

編集部が実施した看護師723名へのアンケート調査に基づくサポート力や求人の数・質への満足度が高い転職サイトベスト3は、下記の3つ。

キャリア・転職に悩んでいたり、今の仕事・職場から離れようかなと考えていたりするすべての看護師におすすめの相談先です。

左右にスクロールできます。

おすすめ転職サイト口コミ満足度公開求人数おすすめポイント

1位:看護roo!
(看護ルー)

4.3点

約5.9万件

  • 利用者満足度No. 1(編集部調べ)
  • 面接対策・サポートも手厚い定番の転職サイト


2位:マイナビ看護師

4.2点

約4.6万件

  • 全国に拠点があり地方にも強い
  • 初めての転職から企業転職まで抜群の支援

レバウェル看護(旧・看護のお仕事) ロゴ3位:レバウェル看護
(旧・看護のお仕事)

4.0点

約14.1万件

  • 圧倒的公開求人数を誇る大手サイト
  • 取材に基づくリアルな施設情報を教えてくれる

〔求人数〕2023年1月5日時点

目次

1. 看護師転職にハローワークをおすすめしない3つの理由

結論として、ハローワークは看護師転職におすすめできません。理由は以下の3つです。

公的データをもとに詳しく説明します。

1-1. ブラックな求人が紛れ込んでいることが多い

ハローワークをおすすめしない理由の一つは、ブラックな求人が紛れ込んでいることが多いからです。

ハローワークは公的機関なので、病院や施設がハローワークに求人を載せる際、掲載費用はかかりません。

このため、以下のような病院・施設の求人が集まりやすくなっています。

ハローワークにはこんな病院・施設の求人が紛れているかも

  • スタッフの採用にお金をかけたくないと考えている
  • 採用にお金をかけられないほど経営状態が悪い
  • 待遇が悪く人が集まらないので、ずっと求人を出している
    (いつまで掲載しても無料なのでリスクはない)

人材への投資に消極的な職場ほど、給与が低かったり、待遇が悪かったりする可能性が高いので注意が必要です。

もちろん、上記のような病院ばかりではありませんが、質の良い求人がどうかを見分けるのは至難の業です。というより、確実に見抜くことはほぼ不可能でしょう。

なぜなら、ハローワーク求人には嘘の情報がかなり多いからです。

1-2. 求人情報に嘘が多い

実はハローワークに掲載されている求人情報には、嘘が書かれているケースが多くあります。

事実、求人票の内容と労働条件が異なるという報告が6,811件も寄せられています。(参考:平成30年度厚生労働省公表資料

虚偽報告の内容は以下の通りです。

申出等を内容別に分類すると、「賃金に関すること」(30%)が最も多く、「就業時間に関すること」(23%)、「職種・仕事の内容に関すること」(17%)が続いています。

引用:厚生労働省

給料・労働時間・仕事内容は、転職先選びで特に重要な情報です。嘘の情報を真に受けて転職してしまい、後々「聞いていた情報と違う」と後悔する可能性もあります。

虚偽報告が後を絶たない理由

ハローワークは、求人掲載の審査がかなり甘いと言われています。事実、採用経験者からは以下のような声もありました。

過去に何度もハローワークで求人を出していますが、気が抜けるぐらい簡単に求人は出せます。はっきり言って審査された経験はありません。もちろん国がやっていることですから無料です。

求人を申し込む際に、実際は社会保険未加入であるにも関わらず、「社会保険に加入している」様に書類を虚偽記載して、申し込んでも受け付けてもらえます。なので、ハローワークの求人票の99%は嘘の記載があります。ちなみに、ハローワークは虚偽記載のある求人票を載せても、何ら罰せられる事はありません。

出典:Yahoo知恵袋

ハローワークで虚偽の求人を掲載した企業に、厳格な罰則はなく、問題が発覚しても「事実確認と是正指導」程度で終わってしまいます。このような背景から、ハローワークの情報は仕組み上あまり信用できません。

補足:虚偽報告件数は、医療・福祉業界が最多!病院・施設の求人は要注意

更に言うと、虚偽報告の件数は医療・福祉業界が最多です。

ハローワークに掲載されている医療施設の求人は、特に気を付けておかなければなりません。

ハローワーク虚偽報告

医療・福祉業界は、虚偽報告が一番多い

参考:平成 30 年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数

嘘の求人情報に惑わされたくない方には、他の民間サービスの利用をおすすめします

1-3. 看護師転職に特化した手厚いサポートを受けられない

サポートを十分に受けられないのも、ハローワークをおすすめしない理由の一つです。

ハローワークでは面接対策講座などのセミナーが開催されていることがありますが、これは看護師に特化した内容ではありません。

一般企業と病院では、転職の流れやコツが全く違います。例えば、企業転職の面接は複数が基本ですが、看護師はたいてい1回で終わりです。また、職務経歴書の書き方なども、企業向けと病院向けとでは、アピールすべき点なども異なります。

窓口対応も不評

ハローワークは窓口で転職相談もできますが、これは利用者からかなり不評です。

そもそも窓口の担当者は転職のプロというわけではなく、あくまで一つの公的機関の職員です。(その多くが臨時職員)

窓口担当者になるために必要な資格はなく、「産業カウンセラー」や「キャリアコンサルタント」などの職業専門資格についても「あれば尚可」程度となっています。

そのため、担当者が業界に無知なケースもあり、「的外れなアドバイスをしてくる」「担当者がその仕事のことを全然わかっていない」という意見も少なくありません。

ハローワークでの転職はオススメしません。あくまで行政機関なので相談員の質は担保されず…転職のプロは転職エージェントにいます。またエージェントは転職が決まらないと無報酬なので言わば求職者と運命共同体。良い人に当たれば頑張ってくれます。まずは転職エージェント5~6社登録してみて下さい。

出典:Twitter

希望条件が明確で、何度か転職経験があり慣れているという方は問題ないかもしれませんが、そうでない方は、「サポートの手薄さ」や「業界に詳しくない担当者とのやり取り」がデメリットになり得ます。

ここまでのまとめ

ハローワークをおすすめしない理由は、以下の通りでした。

  • ブラックな求人が紛れ込んでいることが多い
  • 求人情報に嘘が多い
  • 看護師転職に特化した手厚いサポートを受けられない

ただハローワークも悪い面ばかりではなく、正しく使えば転職先探しに役立ちます。次章は、ハローワークならではの利点について解説していきます。

2. ハローワークならではの4つのメリット

ハローワークは公的機関ならではの、以下のメリットがあります。

詳しく説明します。

2-1.中立な立場からの転職支援を受けられる

ハローワークの大きなメリットは、中立な立場からの転職支援・アドバイスを受けられることです。

ハローワークは公的機関であり、どの病院・施設とも利害関係がないからです。

窓口担当者も転職斡旋のノルマがあるわけではないので、無理に転職を勧めてきたりすることもありません。

ハローワーク以外の仕事探し手段として転職サイト(民間の人材紹介会社)がありますが、転職サイトは看護師の転職を斡旋し、その仲介料で収益を上げる仕組みなので、悪い情報を隠して応募を勧めたり、転職を半ば無理強いしてきたりすることもあるので注意が必要です。

公的機関であり、どことも利害関係のない立場だからこそ、公正な視点で接してもらえるのは大きなメリットでしょう。

2-2.掲載されている求人数が多い

ハローワークには掲載されている求人数が多く、条件に合う職場を見つけやすい利点もあります。

事実、看護師求人は51,000件以上扱っており、これは大手企業が運営する転職サイトと同等です。(2021年7月調査)

ハローワークは、特に地域に根差した病院・施設が多い傾向にあります。

ハローワークは「職業安定法」に基づき、地域密着型の医療機関や企業など仕事を紹介する機関と定められています。

(職業紹介の地域)

第十七条 公共職業安定所は、求職者に対し、できる限り、就職の際にその住所又は居所の変更を必要としない職業を紹介するよう努めなければならない

出典:e-Gov

もちろん全国の求人を見ることもできますが、基本的には現在の住まいから転居の必要がない職業を紹介してくれます。今住んでいる場所から近い職場を探しやすいでしょう。

2-3.ハローワークでの求職相談は、失業保険の受給要件になる

ハローワークでの求職相談は、失業保険の受給要件になります。

失業保険の受給は、「離職中でありながらも求職活動を行っていること」が条件として定められており、求職活動として認められることの中に「ハローワークが行う職業相談、職業紹介」も含まれています。

求職活動として認められること

  • ハローワークが行う職業相談、職業紹介、初回講習(雇用保険説明会)
  • 求人への応募(求人者との面接、応募書類の送付、筆記試験の受験など)
  • 事業所への募集に関する問い合わせ
  • 転職エージェントへの転職相談
  • 企業説明会等への参加
  • 就職支援講習・セミナーへの参加
  • 再就職に資する国家試験、検定等の資格試験の受験

原則として月に二回以上の求職活動が必要ですが、ハローワークで相談をするとそのうちの一回にカウントされます。

失業保険を受給するには、月に一度「失業認定」のためにハローワークに通うことになるので、その際同時に仕事探し・相談をすると、スムーズに失業保険を受け取りやすくなります。

2-4.子育てしながらの転職活動の専門サポートがある

ハローワークには「マザーズハローワーク」という専門コーナーがあり、ここでは子育てしながらの転職活動の相談ができます。

マザーズハローワーク

マザーズハローワークは子育てをしながら働く方に対して、個々の希望やニーズに合ったきめ細かい就職支援を行うためのサービスです。

マザーズハローワークのサポート

  • 子供連れでも通えるようにキッズコーナー完備(感染症対策のため現在は完全予約制)
  • 担当者性の就職支援(一人のナビゲーターがトータルサポート)
  • 子育てと両立しやすい仕事の紹介
  • 保育所や子育て支援サービスの情報提供

実際に利用した看護師さんにお話を伺うと、「親身になってくれた」と高評価でした。

口コミ・評判

Kさん
評価:★★★★☆4
マザーズハローワークは、キッズスペースや授乳室を完備していて、子供が泣いたら一度面談中断して「お子さん落ち着くまで待ちましょうか」と言ってくれました。
もちろん、託児ではないので、あくまで親の管理下で遊ばせる、という感じですが、おもちゃ等も結構あり、小さい子なら十分遊べます。
相談の電話するだけで、歓迎されてる感じがあって、スタッフさんは親身になってくれました。

子育て中の方は、「マザーズハローワーク」を優先的に利用するのがおすすめです。

マザーズハローワーク公式サイト:
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-mother/

ここまでのまとめ

ハローワークのメリットは以下の通りでした。

  • 中立な立場からの転職支援を受けられる
  • 掲載されている求人数が多い
  • ハローワークでの求職相談は、失業保険の受給要件になる
  • 子育てしながらの転職活動の専門サポートがある

特に求人数が多いため、転職先を見つけやすいのは大きなメリットです。

ただ一章で説明した通り、「情報が嘘の可能性がある」など致命的なデメリットがあるのは見逃せません。

そこで、転職成功率を高めるなら看護師転職サイトとの併用がおすすめです

次の章からは、転職サイトとの併用を推奨する理由を説明します。

3. 好条件の求人を見つけるなら看護師転職サイトがおすすめな理由

好条件の求人を見つけたい方には、以下の2つの理由から、看護師転職サイトも利用されることをおすすめします

  • 3-1.ハローワークと転職サイトの併用で選択肢が増える
  • 3-2.看護師転職に特化したサポートを受けられる

それぞれ見ていきましょう。

3-1. ハローワークと転職サイトの併用で選択肢が増える

ハローワークと転職サイトの併用で、就業先の選択肢を増やせます。

ハローワークも看護師求人は51,000件と多いですが、転職サイトの中にはそれ以上に求人を扱っているサービスもあります。

看護師 求人数の比較(2021/7)

※2021年7月時点

さらに転職サイトは、非公開・独占求人と呼ばれる「そのサイトに登録している人しか応募できない求人」があります。

非公開・独占求人は、応募が殺到するような好条件であることが多いですが、ハローワークしか使わないと、この求人情報を知ることはできません。

転職の選択肢を増やして好条件の求人を見つけたい方は、ハローワークと転職サイトの併用をおすすめします。

3-2. 看護師転職に特化したサポートを受けられる

転職サイトを使えば、看護師転職に特化したサポートを受けられます。

以下のように二人三脚で転職活動を進めていくイメージです。

転職サイトのサポート

  1. 面倒な手続きをすべて代行してくれる
  2. あなたに合った非公開求人を探してきてくれる
  3. 過去データから万全な面接対策をしてくれる
  4. 年収交渉を引き受けてくれる
  5. 退職トラブルの相談相手になってくれる

そして、これらのサポートを転職支援のプロにしてもらえるというのも利点です。これらのサポートは全て無料で受けられます。

ハローワークであれば「転職の相談に乗ってくれる」くらいで、病院との交渉などは一切対応してもらえません。

このことから、特に初めての転職活動の方ほど、ハローワーク以外にも転職サイトの利用をおすすめします。

4. ハローワークとの併用におすすめの看護師転職サイト

数ある転職サイトのなかから、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。

転職サイト選定基準

  1. 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
  2. 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる

利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下のとおりとなりました。

転職サイト求人数|総合満足度
1位
看護roo!
55,907件|◎4.3
利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。
2位
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)
135,763件|○3.8
総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる
3位
マイナビ看護師
60,875件|◎4.1
求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい

※求人数2022年8月更新

この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。

1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1

看護roo

5. 【FAQ】 看護師のハローワークの利用に関してよくある質問と回答

Q-1. どこのハローワークを利用すればいいですか?

ハローワークは全国各地にありますが基本的には自宅から最も近いハローワークの窓口を利用することになります。以下のサイトに全国のハローワークの所在地が載っていますのでご確認ください。

ハローワーク所在地:
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

Q-2. ハローワークの営業時間を教えてください

ハローワークの営業時間は基本的には平日(月~金)の8:30~17:15です。しかし、窓口によって営業時間は異なり、新型コロナウイルスの影響で営業時間の短縮を行っている場合もありますので、実際に利用する際には必ず営業時間を確認してから行くようにしましょう。

ハローワーク営業時間:
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

Q-3. ネットからも求人を探すことはできますか?

ハローワークではインターネット上で求人検索を行えるサイトがあります自分の希望職種、業種、その他条件などを打ち込んで検索できるので興味を持った方は以下のURLよりご利用ください。

ハローワーク求人検索:
https://www.hellowork.mhlw.go.jp

Q-4. パートやアルバイトの求人もありますか?

2021年12月現在、パートで求人検索をすると364677件、アルバイトで求人検索をすると16028件ありました。また、看護師のパート・アルバイトでも21888件ありました。

看護師のパートやアルバイトについて興味がある方は以下の記事をご覧ください。

6. さいごに

ここまで看護師転職でハローワークを利用するメリット・デメリット、注意点について説明してきましたが、いかがでしたか。

ハローワークにもメリットはありますが、求人の質やサポート、提案力の3軸から評価すると基本的には民間の転職サイトを使う方がおすすめです

まずは以下の転職サイトからいくつか気になったものを登録することをおすすめします。

あなたの転職活動がうまく行くことを、心より願っております。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1989年、北海道生まれ。北海道美唄聖華高等学校を経て、看護師として札幌医科大学附属病院へ入職。約5年間の小児科病棟勤務ののち、クリニック勤務を経て、妊娠・出産を機に派遣看護師へ転向。コロナ禍の社会情勢や子育て上の理由から、より柔軟な働き方を求め、2021年より看護師ライターとして活躍中。現在2児の母。

目次