【訪問看護の転職】志望動機の書き方・答え方のポイントを例文付きで解説

訪問看護への転職するための書き方・答え方のアイキャッチ画像

訪問看護への転職活動をしていながらも、

「志望動機はどのように書いたらいいのだろう」
「正直に給料がいいからとか書けないし、何を書くべきかわからない」

と困っていませんか。

志望動機は、「あなたがなぜ応募先の施設で働きたいのか」や「なぜ訪問看護師として働きたいのか」を伝えるための重要な項目です。志望度の高さがきちんと伝われば、採用されやすくなります。

書くべきことがわからない方は、以下の手順に沿って考えれば、魅力的な志望動機を作り上げることができます。

  • ステップ1.訪問看護に興味を持ち、働きたいと思った理由を明確にする
  • ステップ2.応募先施設や医療機関の魅力に感じた点を言語化する
  • ステップ3.経験や実績を踏まえて、どのように活躍できるかを考える

この記事では、転職のプロとして数多くの選考書類を添削してきた私が、訪問看護へ転職するときの志望動機の書き方を例文付きで解説します。

すべて読めば、書類選考・面接を突破できる志望動機が書けるようになるでしょう。5分で読めるので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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※2025年11月17日更新
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目次

訪問看護へ転職するときの志望動機で面接官が見きわめているポイント

訪問看護への志望動機の説明

まずは志望動機を書くために、志望動機を書く目的・意味を理解しましょう。

施設の面接官は、応募者の志望動機から以下を知りたいと考えています。

口コミ・評判

面接官
「なぜウチの施設/病院に応募したのだろうか」
「なぜ他の施設/病院ではなくてウチなんだろうか」
「入職後はどんな仕事がしたいと思っているのだろうか」
「どんな価値観・考え方をする人なんだろうか」
「(未経験の場合は)なぜ訪問看護師に転職しようと思ったのだろうか」

そして、応募者の志望動機から、以下の点で選考通過の可否を判断しています。

  • 熱意や意欲は高いかどうか
  • 業務内容やサービスを正しく理解してくれているか
  • 応募者のやりたい仕事や理想の働き方が施設(医療機関)で実現できるか
  • 応募者の考え方や価値観が施設(医療機関)とマッチしているか

面接官は「なぜ転職したいと思ったのか」を把握して、双方にとってミスマッチが生じないかを見きわめています。

したがって、選考を通過するためには、以下を伝えるのがおすすめです。

志望動機で伝えるべきこと

  • 熱意や意欲の高さを伝える
  • 事業やサービスを正しく理解している
  • キャリアビジョンや理想の働き方を明確
  • 応募先とマッチしている

志望動機は、面接官が知りたいのは何を意識しましょう。

なぜ今、訪問看護が選ばれるのか?志望動機を固める3つの魅力

「訪問看護に興味はあるけれど、本当に自分に合っているのかな?」「面接で志望動機を聞かれたら、何と答えればいいんだろう?」

訪問看護への転職を考え始めた時、多くの看護師さんがこうした疑問を抱えています。病棟やクリニックとは異なる働き方に、期待と同時に不安を感じるのも当然です。

しかし実は、近年訪問看護を選ぶ看護師は着実に増えています。その背景には、単なる「働きやすさ」だけでなく、看護師としての深いやりがいや、社会的な意義があるからです。

ここでは、訪問看護が今、多くの看護師に選ばれている3つの魅力について、客観的なデータも交えながら詳しく解説します。このセクションを読めば、あなた自身の志望動機を言語化するヒントが見つかるはずです。

魅力①:「その人らしい生活」を支える、看護の原点に立ち返れる

病院とは違う、深い関わり

病棟やクリニックで働いていると、どうしても「疾患」や「治療」が中心になりがちです。検査や処置、記録に追われ、「もっと患者さん一人ひとりとじっくり向き合いたい」と思いながらも、時間に余裕がないというジレンマを感じている方も多いのではないでしょうか。

訪問看護では、利用者さんのご自宅という生活の場に入らせていただき、その方の価値観や生活習慣、ご家族との関係性まで含めて、その人の人生全体を支える看護ができます。

一人の利用者さんと、数ヶ月、時には数年にわたって継続的に関わることで、信頼関係が深まり、「あなたがいてくれて良かった」と心から感謝される瞬間があります。これこそが、訪問看護ならではの大きなやりがいです。

「治す」から「支える」へ

病院では「病気を治す」ことが目的ですが、訪問看護では「その人らしく生きることを支える」ことが目的です。

例えば、病院では「安静が必要」と言われていた方でも、ご自宅では「少しでも自分のことは自分でやりたい」と希望されることがあります。訪問看護師は、その希望を尊重しながら、安全に生活できる方法を一緒に考えます。

医療者の都合ではなく、利用者さん自身の希望を最優先にできる。これは、看護の原点に立ち返る経験であり、多くの訪問看護師が「本当の看護はこれだ」と実感する瞬間です。

看護師としての成長

訪問看護では、医師がそばにいない環境で、自分自身で判断し、行動する力が求められます。これは最初は不安かもしれませんが、裏を返せば看護師としての自律性と専門性を高められるということです。

利用者さんの状態をアセスメントし、必要なケアを考え、医師に適切に報告し、ご家族に分かりやすく説明する。こうした一連のプロセスを通じて、看護師としての総合力が飛躍的に向上します。

厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」においても、訪問看護師は地域医療の要として位置づけられており、専門性の高い職種として評価されています。

魅力②:ワークライフバランスが実現できる、持続可能な働き方

夜勤がない、規則正しい生活

訪問看護の大きな魅力の一つが、夜勤がないことです。多くの訪問看護ステーションでは、日中の訪問業務が中心で、基本的に夜勤はありません(オンコール当番はありますが、月数回程度)。

病棟での夜勤は、体力的にも精神的にも大きな負担です。不規則な生活リズムは、健康を害するだけでなく、家庭生活にも影響を及ぼします。「夜勤がなくなって、人生が変わった」と語る看護師は少なくありません。

規則正しい生活リズムを取り戻すことで、心身ともに健康になり、プライベートの時間も充実します。子育て中の方、介護を抱えている方、自分の時間を大切にしたい方にとって、訪問看護は理想的な働き方と言えるでしょう。

柔軟な勤務形態

訪問看護ステーションの多くは、常勤だけでなく非常勤(パート)での勤務も可能です。週3日勤務、午前中だけ勤務など、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を選べます。

厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査」によると、育児や介護を理由に離職する看護師は少なくありませんが、訪問看護では柔軟な働き方ができるため、長く働き続けられるという利点があります。

また、訪問看護ステーションの数は年々増加しており、自宅近くで職場を見つけやすいのも魅力です。通勤時間が短ければ、その分プライベートの時間を確保できます。

オンコールはあるが、サポート体制も充実

「夜勤はないけど、オンコールがあるんでしょ?」と心配される方もいるかもしれません。確かに、多くのステーションではオンコール当番がありますが、月に数回程度で、実際に緊急訪問が必要になるケースは多くありません。

また、オンコール当番には手当(1回3,000円〜10,000円程度)が支給され、責任ある業務として評価されます。そして何より、わからないことがあれば、いつでも先輩看護師や医師に相談できる体制が整っています。

一人で抱え込まない仕組みがあるため、オンコールへの不安も徐々に解消されていきます。

土日休みも選べる

訪問看護ステーションの中には、土日休みを基本としているところもあります。病棟のようなシフト勤務がないため、家族との予定が立てやすいのも大きなメリットです。

子どもの学校行事に参加したい、週末は家族と過ごしたいといった希望が叶えやすく、仕事とプライベートの両立がしやすい環境です。

魅力③:社会から求められている、将来性のある仕事

高齢化社会で需要が急増

日本は世界でも類を見ない超高齢社会を迎えています。厚生労働省の「高齢社会白書」によると、65歳以上の高齢者人口は今後も増え続け、2040年には約3,900万人に達すると予測されています。

高齢者の増加に伴い、医療や介護を必要とする方も増えますが、病院のベッド数には限りがあります。そこで国が推進しているのが、**「病院から在宅へ」**という方針です。

住み慣れた自宅で医療・介護を受けながら、その人らしく生活できる「地域包括ケアシステム」の構築が進められており、その中核を担うのが訪問看護です。

訪問看護ステーションは増加中

厚生労働省の「訪問看護療養費実態調査」によると、訪問看護ステーションの数は年々増加しており、2023年には全国で約15,000施設を超えています。これは10年前と比べて約2倍の数です。

需要が高まっているということは、求人も豊富で、転職しやすいということです。また、将来的にも安定して働き続けられる職種であると言えるでしょう。

国の政策で後押し

厚生労働省は「訪問看護の推進」を重点政策の一つとして掲げており、訪問看護ステーションの設置促進や、訪問看護師の育成・支援に力を入れています。

具体的には、訪問看護の診療報酬が引き上げられたり、訪問看護師向けの研修プログラムが充実したりと、国を挙げて訪問看護を支援する体制が整っています。

これは、訪問看護が社会的に非常に重要な役割を担っており、今後ますます発展していく分野であることを示しています。

キャリアの可能性が広がる

訪問看護の経験は、その後のキャリアにも大きく役立ちます。

  • 訪問看護ステーションの管理者や所長を目指す
  • ケアマネジャーの資格を取得し、ケアプラン作成に携わる
  • 認定看護師や専門看護師としてスペシャリストになる
  • 大学や専門学校で訪問看護の教育に携わる
  • 起業して自分の訪問看護ステーションを開設する

訪問看護は、看護師としてのキャリアを大きく広げる可能性を秘めた分野なのです。

社会貢献の実感

訪問看護師として働くことは、単なる「仕事」ではなく、超高齢社会を支える社会貢献でもあります。

「病院に入院したくない」「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」という方々の希望を叶え、ご家族の負担を軽減し、地域全体の医療・介護を支える。これは、社会から強く求められている、意義深い仕事です。

「自分の仕事が社会の役に立っている」という実感は、仕事へのモチベーションを高め、長く働き続ける原動力になります。

あなたの志望動機を見つけよう

ここまで、訪問看護が選ばれる3つの魅力について解説してきました。

  • 魅力①:看護の原点に立ち返り、その人らしい生活を支えられる
  • 魅力②:ワークライフバランスが実現でき、持続可能に働ける
  • 魅力③:社会から求められている、将来性のある仕事

これらの魅力のどれに最も共感しましたか?

もしあなたが「患者さん一人ひとりとじっくり向き合いたい」と思うなら、魅力①があなたの志望動機の軸になるでしょう。

「家庭との両立を大切にしたい」「長く働き続けたい」と考えるなら、魅力②があなたの背中を押してくれるはずです。

「社会に貢献できる仕事がしたい」「将来性のある分野で働きたい」と思うなら、魅力③があなたの志望動機を強固にしてくれます。

訪問看護への転職は、単なる「職場を変える」ことではなく、看護師としての新しい可能性を開く選択です。

あなた自身の価値観や人生の優先順位を見つめ直し、「なぜ訪問看護なのか」を言語化してみてください。その答えが、面接での説得力のある志望動機になり、そして何より、あなた自身が自信を持って新しい一歩を踏み出す力になるはずです。

次のセクションでは、実際に訪問看護への転職を成功させるための具体的なステップについて解説していきます。

訪問看護へ転職するときの志望動機の考え方3ステップ

訪問看護に転職するための志望動機の作り方

志望動機として何を書けばいいかわからない方は、以下の3ステップで書けるようになります。

志望動機で大切なのは情報収集です。それぞれ見ていきましょう。

ステップ1.訪問看護に興味を持ち、働きたいと思った理由を明確にする

はじめに、なぜ訪問看護に興味を持って働きたいと思ったのか、理由やきっかけを明確にしましょう。訪問看護ならではの理由があれば、長く働いてくれそうだと印象がよくなります。

以下のように、自身の経験と結びつけて伝えるのがおすすめです。

訪問看護の仕事を選んだきっかけ・理由の例

  • 家族が訪問看護を利用した経験から、訪問看護の仕事に興味を持った
  • 日本の訪問看護の問題を知るうちに、自分が力になりたいと思った
  • 病棟での経験を別の形で活かしたいと思った

ステップ2.応募先の施設や医療機関の魅力に感じた点を言語化する

次に、応募先の施設や医療機関の魅力に感じた点を言語化し、その職場だからこそ入職したい理由をアピールしましょう。

応募先の魅力を具体的に伝えることで、志望度の高さを伝えられます。

この企業だからこそ入社したい理由
貴施設であれば、自分が目指す■■という働き方ができると思いました。

応募先の魅力を見つけるには、以下の方法で情報収集するのがおすすめです。

情報収集の手段見極めポイント
求人情報を読み込む
  • 事業内容
  • 必要なスキル、経験
  • 求められる人物像
利用者向けの情報をインターネットで検索する
  • 対象利用者や提供サービス
  • ステーションの環境、具体的な仕事のイメージ
  • 事業所の規模、提供サービス

待遇がいいことや家から近いのような条件よりも、事業内容や各行政の方針の魅力に感じた点を書くようにしましょう。

ステップ3.経験や実績を踏まえて、どのように活躍できるかを考える

経験や実績、キャリアビジョンから採用された場合のメリットを伝えましょう。

訪問看護師のキャリアビジョンを伝えると、将来を見据えているため評価が上がります。

訪問看護師の転職は「看護師としてのスキル」を伝えるのが重要

訪問看護師の転職は人間性だけでなく、看護師のスキルも重視されます。理由は患者の自宅に訪問して対処法を判断するなど、対応力が重要だからです。

したがって、人柄が良く看護師のスキルがあるかが重要です。評価されやすい人柄の例を一覧にしたので、ぜひ確認しておきましょう。

訪問看護業界の転職で評価されやすい「看護師としてのスキル」の例

  • 5年以上の臨床経験
  • 臨機応変に対応してきた診療科での経験
  • 総合診療内科や消化器内科など高齢者の複合疾患に対応した経験
  • 病棟勤務でのリーダー経験

人柄や人間性を示すエピソードを盛り込むと、魅力的な応募書類ができあがります。

訪問看護へ転職の志望動機【志望先別に紹介】

訪問看護の志望動機を志望別に紹介

第3章では、志望動機の例文を紹介します。例文を参考にすれば、熱意が伝わる志望動機を作れるでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。

訪問看護ステーション

患者さんと向き合って看護をしたい

口コミ・評判

ICUで2年間勤務していました。最先端の医療技術と共に多くの症例を診てきましたが、患者様が短期間で入れ替わることや時間をかけて向き合う対応が難しい点が悩みでした。
今回、貴社の訪問看護師として働きたいと感じたのは、患者様やご家族にしっかりと向き合い、心を込めたケアをすることを最優先にされている施設だと感じたためです。
多角的に瞬時の判断が求められていたICUでの経験も、患者さんに最適なケアをする上で活かせると考えています。

ステーションの立ち上げに貢献したい

口コミ・評判

これまでの様々な病院や施設での経験を活かし、訪問看護ステーションの立ち上げに携わりたく応募させていただきました。
昨今の病床不足の問題や、高齢化社会が進むにつれて、在宅での療養を希望する方やそのニーズはますます増えると考えています。
多くの経験を積む中で、在宅療養でその人らしさを大事にした看護をしながら、ご家族の負担や不安も減らせるような、訪問看護ステーションを目指し尽力していきます。

病院

患者さんがリラックスできる看護をしたい

口コミ・評判

看護師として5年間地元のクリニックに勤務していました。長期かつ定期的に通院されている患者様も多く、季節やその日によって体調が変わる患者様もいらっしゃいました。
長くクリニックにいらしている患者様は、私のことを憶えてくださり、声をかけられることもありましたが、どうしてもクリニック看護師という職業がら、1人の患者様にじっくり向き合う時間が取れないことが悩みでした。
訪問看護は、患者様がご自身の空間でリラックスしながら、長期的な看護に携われるため魅力に感じています。

地域に密着して高齢者を支えたい

口コミ・評判

慢性期病院で9年間働いていましたが、入院治療をおこなっていた多くの患者様が在宅での治療を希望されていました。
住み慣れた自宅に戻って生活がしたいと感じることは自然だなと感じ、在宅診療に興味を持つようになりました。
貴院は地域包括ケアの中心的役割を果たされており、患者様ご本人はもちろん、ご家族も安心できるサービスを提供できると感じています。
高齢化社会が進む中で、訪問看護師として愛着ある地元で在宅医療に貢献していきたいです。

採用通過率アップ!履歴書の志望動機を魅力的にする5つのポイント

採用率が上がる志望動機のポイント

未経験から訪問看護業界へのキャリアチェンジの場合、「なぜ訪問看護師に転職しようと思ったのだろう」と考えます。

採用の担当者が納得するには、5つのポイントを入れた志望動機を伝えましょう。

順番にご紹介します。

訪問看護を取り巻く現状や将来性を調べておく

訪問看護を取り巻く現状や将来性などを調べておきましょう。訪問看護の情報に詳しいのは、アピールポイントになるからです。

例えば訪問看護で問題となっていることや将来の課題などを把握していると、志望動機につながって面接で質問されても返答できます。

訪問看護師になった場合の目標を伝える

「どのような訪問看護師を目指すか」など、目標やキャリアビジョンを伝えましょう。訪問看護師として働く熱意・モチベーションがあって長く働ける人材と判断されるからです。

目標やキャリアビジョンの伝え方は以下のとおりです

具体例

  • 利用者・家族の立場に寄り添った訪問看護サービスを提供したい
  • さまざまな仕事を経験し、訪問看護の課題解決に貢献できる人材になりたい
  • 「あなたでよかった」と言ってもらえる訪問看護師になりたい
  • 訪問看護認定看護師の資格取得を目指したい

業務量が多い職場もあるため、すぐ辞めるのではと考える方もいます。

実際に日本看護協会が過去に調査した「訪問看護の伸び悩みに関するデータ」を見てみると、訪問看護師の離職率は、病院に勤める看護師よりも離職率が高いです。

モチベーションとビジョンがあって、訪問看護師に転職しても長く働けることをアピールしましょう。

看護師職種の経験を活かし、向上心や学ぶ姿勢を伝える

看護師から訪問看護師に転職する場合、経験を活かして謙虚に学べる点を伝えましょう。看護師の経験は、採用試験で評価される可能性があります。

しかし訪問看護は未経験から始めるため、人間性やコミュニケーションスキルに問題がないことをアピールしましょう。

志望動機に書く経験・エピソードは具体的に

訪問看護師の方が別の職場で働きたい場合は、経験だけでなくエピソードも伝えましょう。理由はどのような考えや気持ちで仕事に取り組んでいたのか、仕事観や人柄がわかるからです。

NG例
訪問看護ステーションで働き、自分なりにいろいろと考えて仕事に取り組みました。
OK例
訪問看護ステーションで5年間働いてきました。
老年期の患者様は精神的なケアも欠かせないことが多く、対応に悩むことも多々ありましたが、利用者様の若い頃や、家族の写真を部屋に飾るなど、必要な処置をするだけでなく、利用者様の元気が出るための工夫をするよう心がけました。

また前職が医療業界でない場合や看護師の場合などで志望動機の書き方が異なります。

以下の表で、前職で伝えたほうがいい点をまとめたのでぜひ参考にしましょう。

前職アピールポイント
医療業界が未経験前職と訪問看護師の結びつき・仕事で得たこと
病院に勤務する看護師患者とコミュニケーションを取れるための工夫
訪問看護師経験・仕事に取り組んでいたときの気持ち

志望動機と転職理由を混同しない

志望動機と転職理由を混同しないようにしましょう。

志望動機転職理由
その施設に応募(志望)した理由や背景転職を決めた理由や、前職を辞めた理由

もちろん、以下のように志望動機のなかに転職理由を含めることは可能です。

具体例

外来看護師として働く中で、その場で必要な看護をするだけでなく、多角的に利用者のケアに携わりたいと思いました。(転職理由)

そこで、医師や看護師、理学療法士、作業療法士との連携が強い貴施設であれば、望む働き方ができると考えこの度応募いたしました。(志望動機)

志望動機や転職理由が理にかなっているか不安になったら、このあと紹介する転職エージェントに相談してみましょう。

内容と読みやすさを意識する

志望動機は、以下のポイントを参考に読みやすさも意識しましょう。

読みやすくするポイント

  • 行間をほどよく空ける
  • 文字は小さすぎないようにする
  • 改行を入れる
  • きれいな字で記入する

志望動機の内容が良くても、読みにくいと思われると印象が悪くなります。

採用の担当者は多くの書類に目を通すため、見た目がいい書類になるように意識しましょう。

文字の量は記入欄の8割が目安

履歴書の志望動機の文字量は200~300文字、もしくは記入欄の8割を目指しましょう。理由は文字量が少なすぎる・多すぎるのは、印象が良くないからです。

少なすぎるのは熱意が伝わらない一方で、多すぎるのは読みにくい印象を与えます。志望動機を書いたら、内容だけでなく量も適切か転職エージェントに添削してもらいましょう。

思いつかないときは転職サイトのコンサルタントに相談する

訪問看護師になるために、志望動機や面接対策をしたい方は看護師専門の転職サイトに登録しましょう。

コンサルタントは多くの志望動機や面接対策をしてきたので、利用者にあった志望動機や職務経歴書を添削してくれます。

利用は無料なので、ぜひコンサルタントから添削を受けてみてください。

【訪問看護へ転職】面接で志望動機を伝えるコツ

安心できる面接で志望動機を伝えるコツ

志望動機は履歴書に記載しますが、採用面接のときも尋ねられます。

したがって、以下の点を意識して面接に臨みましょう。

それぞれ詳しく解説します。

履歴書の内容を具体的に話す

面接で志望動機を伝えるときは、履歴書に書かれた内容よりも具体的にしましょう。履歴書の記入欄は量が限られているので、志望動機の深いところまでは書けません。

したがって、履歴書は要点を書いて面接で詳細を伝えるのがおすすめです。

もし履歴書と違う内容を話すと、「本当の志望動機は何か?」と採用の担当者を困惑させます。転職エージェントも交えて、履歴書の作成と面接対策に力を入れましょう。

丸暗記せず、面接官の意図を汲みながら答える

面接で聞かれた質問に対しては、暗記せずその場で考えて答えましょう。理由は、質問に対する返答の内容に食い違いが生じるからです。

面接は、面接官との対話をする場所だと心得ておきましょう。

訪問看護へ転職するときの志望動機【NGパターン】

訪問看護への転職でダメな志望動機

志望動機を書くときの注意点も確認しておくことで、内容の質が高まるでしょう。

注意点は以下の3点です。

それぞれ詳しく解説します。

志望動機が漠然

漠然とした志望動機は避けましょう。理由は、他の企業への履歴書を使い回していると認識されるからです。

NG例

  • 貴施設の施設理念・運営方針に共感しました。
  • 貴施設の事業内容に興味を持ちました

例えば応募先で共感した点があるなら、具体的に書きましょう。

具体的で説得力のある例

「心豊かな生活と尊厳をもった生活支援」という施設理念に共感し、利用者一人ひとりが自由に表現できる生活を支援という考え方が、自身の訪問看護観と一致していると感じたため、この度志望いたしました。

学びたいだけのアピールをする

熱意を伝えたいために、学びたいとアピールをするのも避けましょう。理由は、受け身な印象になりやすく主体性がない人だと思われるからです。

NG例

  • 貴施設で成長させてほしい
  • 自分を育ててほしい
  • 研修制度が充実している
  • 未経験OKだったので

患者のために貢献できること、前向きな姿勢を伝えましょう。

具体的で説得力のある例

  • 前職で培った、コミュニケーションスキル経験を生かして業務に貢献したい
  • 経験に固執せず、積極的に吸収していきたい
  • 自分の経験やスキル、知識を積極的に共有してステーション全体の作業効率の向上に貢献したい

給料や福利厚生ばかり言及する

給料や福利厚生を志望動機にするのも避けましょう。理由は条件さえ良ければすぐに転職する、仕事への意欲が低いと思われるからです。

NG例

  • 貴施設の福利厚生が充実している
  • プライベートの時間が確保しやすい
  • 給料が良くて残業も少ない

給料や福利厚生は、志望動機ではなく退職理由を聞かれたら話しましょう。

【訪問看護へ転職】よくある3つの質問

訪問看護への転職でよくある質問を紹介

最後に、訪問看護師の志望動機の書き方や答え方でよくある質問に回答します。ぜひ、参考にしましょう。

それぞれ詳しく解説します。

臨床経験が浅くても、訪問看護に転職できるか

志望動機や訪問看護師へのビジョンが応募先とマッチングすれば、臨床経験が浅くても転職できます。

また公益社団法人日本看護協会の「2020年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」 結果」によると、病院勤務の看護師よりも訪問看護師の有効求人倍率が高いため、売り手市場の職種です。

職種別看護師の求人率のグラフ

ぜひ、本記事を参考に転職の準備をしましょう。

看護師の現場から空白期間があっても、訪問看護に転職できるか

転職できます。空白期間があった状態で訪問看護師に転職した事例を紹介するため、ぜひ参考にしましょう。

前職急性期の脳外科と呼吸器外科の病棟で7年勤務
空白期間出産と子育てによる9年
空白期間にやったこと車の運転スキルを身に付ける
訪問看護師に転職した理由
  • 転職して数カ月は関係を築きやすい利用者を担当
  • 前職の経験から仕事に早く慣れることができた
  • 訪問看護は明るい人が多い

 

前職
  • 中規模病院と大学病院のHCUに計4年
  • 保健師を2年
  • 外来透析室に2年
空白期間出産と家族の海外転勤で5年
空白期間にやったこと訪問看護師の採用説明会に参加するなど、情報収集
訪問看護師に転職した理由
  • 最初はブランクを感じてたいへんだった
  • ブランクがあり、かつ新人でもあるので学ぶ姿勢が大事
  • 技術と知識はあとから付いてくる

正社員とパートでの訪問看護師の違いは

施設で異なるものの、正社員とパートの訪問看護師の違いは以下のとおりです。

正社員パート
平均時給1,400円前後1,492円
ボーナスありあり
労働時間フルタイム半日や夜勤、指定する時間など
オンコール当番ありなし
その他業務で書類の作成が多くなる複数のパートで同じ患者を診る

また Career Theoryでは、正社員の訪問看護師を解説したページもあるためぜひ一読してみましょう。

急変時の対応やオンコールが未経験で不安です。どう乗り越えればいいですか?

A. 急変対応には経験が必要ですが、段階的に学べる環境があります。オンコールも最初から一人で担当することはありません。

訪問看護への転職で最も不安に感じるのが、「急変時の対応」と「オンコール当番」ではないでしょうか。確かに在宅では、病院のようにすぐに医師が駆けつける環境ではないため、看護師の判断力と対応力が重要になります。

急変時対応の実際

訪問看護での急変対応とは、主に以下のようなケースです:

  • 呼吸状態の急激な悪化
  • 意識レベルの低下
  • 発熱や感染症の兆候
  • 転倒や外傷
  • ターミナル期の容態変化

これらの状況に遭遇した時、看護師は利用者さんの状態を観察・アセスメントし、医師への報告、救急搬送の判断、ご家族への説明などを行います。

あなたの経験はこう活きる

病棟で急変対応を経験してきた方:
病棟での急変対応経験は、訪問看護で大いに活きます。バイタルサインの変化から重症度を判断する力、優先順位をつけて対応する力、医師に的確に報告する力は、そのまま在宅医療でも必要とされるスキルです。

例えば、「SpO2が低下している時、どのような観察が必要か」「意識レベルが下がった時、まず何を確認すべきか」といった判断は、病棟での経験があれば自然と体が動きます。

ICUや救急外来での経験がある方:
より高度な急変対応を経験してきた方は、訪問看護でも非常に頼りにされます。在宅でのターミナルケアや、医療依存度の高い利用者さんの担当を任されることも多いでしょう。

外来やクリニックでの経験が中心の方:
急変対応の経験が少ない場合でも、心配しすぎる必要はありません。訪問看護では、状態が安定している利用者さんも多く、急変に遭遇する頻度は想像よりも少ないです。また、急変リスクの高い利用者さんは、最初から担当せず、経験を積んでから担当するという配慮もあります。

オンコール対応の実際

オンコール当番とは、夜間や休日に利用者さんやご家族から電話があった際に対応する当番のことです。多くのステーションでは、月に数回程度の当番制になっています。

オンコールでの主な対応:

  • 電話での相談対応(体調変化、薬の飲み忘れ、不安の傾斜など)
  • 緊急訪問が必要かどうかの判断
  • 実際に緊急訪問を行う(必要な場合)
  • 医師への連絡・相談

実は、オンコールの電話のほとんどは「ちょっとした相談」や「不安の傾聴」で済むケースが多く、実際に緊急訪問が必要になるのは月に1〜2回程度です。

乗り越えるためのポイント

①段階的に学べる環境を選ぶ
多くのステーションでは、入職後すぐにオンコール当番を任されることはありません。半年〜1年程度は日中の訪問業務で経験を積み、ステーションの方針や利用者さんの特性を理解してから、オンコール当番に入ります。

面接時に「オンコールはいつ頃から担当しますか?」「オンコール時のサポート体制はどうなっていますか?」と確認しましょう。

②先輩とのペアオンコールから始める
最初は先輩看護師とペアでオンコール当番に入り、電話対応の仕方や判断基準を学べるステーションもあります。一人で抱え込まない体制があるか確認すると安心です。

③緊急時の対応マニュアルを整備する
多くのステーションでは、利用者さんごとに「緊急時対応マニュアル」が作成されています。「どのような症状が出たら医師に連絡」「どの程度なら様子を見る」といった基準が明確になっているため、それに沿って判断できます。

④BLS(一次救命処置)の研修を受ける
多くのステーションでは、定期的にBLS研修が行われています。急変時の対応手順を復習しておくことで、いざという時の不安が軽減されます。

⑤オンコール手当がある
オンコール当番には、別途手当(1回3,000円〜10,000円程度)が支給されます。また、実際に緊急訪問した場合は、訪問手当も加算されます。責任ある業務ですが、しっかり評価される仕組みがあります。

厚生労働省の「訪問看護の推進」に関する資料でも、オンコール体制の整備とスタッフへの教育・サポートの重要性が指摘されています。不安を感じるのは当然ですが、段階的に学べる環境があることを知っておいてください。

ご利用者やご家族とのコミュニケーションで、病院とは違う難しさはありますか?

A. はい、病院とは異なる難しさがあります。しかし、あなたが培ってきた患者対応の経験が、ここでも大いに活きます。

訪問看護では、利用者さんのご自宅という「プライベート空間」に入らせていただき、利用者さんだけでなく、ご家族とも深く関わります。病院とは異なるコミュニケーションの難しさや配慮が求められるのは事実です。

病院と在宅の違い

①主導権の違い
病院では、医療者側が主導権を持ち、患者さんは病院のルールに従います。一方、在宅では利用者さんとご家族が主導権を持ち、看護師は「お客様のお宅に伺う」立場になります。

②関係性の深さ
病院では入院期間が限られていますが、訪問看護では数年、時には10年以上にわたって同じ利用者さんと関わります。そのため、より深い信頼関係が求められます。

③家族の介入度
病院では患者さん本人との関わりが中心ですが、在宅ではご家族(特に主介護者)との関係性も非常に重要です。ご家族の介護負担や不安にも寄り添う必要があります。

具体的な難しさと対応方法

難しさ①:価値観の違いを受け入れる
利用者さんやご家族の価値観が、医療者の考えと異なることがあります。例えば、「薬は飲みたくない」「リハビリは嫌だ」といった希望を持つ方もいます。

対応方法:
病院では「治療優先」でしたが、在宅では「本人の希望を尊重する」ことが最優先です。なぜそう思うのか丁寧に聞き、理解しようとする姿勢が大切です。その上で、医療的な視点から提案はしますが、最終的には本人とご家族の選択を尊重します。

難しさ②:生活環境の違いへの対応
各ご家庭の生活環境は様々です。清潔度、経済状況、家族構成など、すべてが異なります。時には、医療的に理想とは言えない環境で生活されている方もいます。

対応方法:
「理想」を押し付けるのではなく、「その環境の中でできる最善」を一緒に考える姿勢が求められます。例えば、経済的に余裕がない場合は、コストのかからない方法を提案するなど、柔軟な対応が必要です。

難しさ③:家族間の意見の相違
利用者さん本人と、ご家族の意見が食い違うこともあります。「本人は自宅で最期を迎えたいが、家族は入院を希望している」といったケースです。

対応方法:
どちらか一方の味方になるのではなく、中立的な立場で両者の気持ちを聞き、調整役を果たします。時には、ケアマネジャーや医師も交えて、家族会議を開くこともあります。

あなたの経験はこう活きる

病棟で患者・家族対応をしてきた方:
病棟でも、患者さんやご家族とのコミュニケーションは看護の基本でした。入院時の不安に寄り添ったり、退院指導で分かりやすく説明したりした経験は、訪問看護でも同じように活かせます。

特に、ターミナル期の患者さんやご家族と関わった経験がある方は、在宅での看取りの場面でもその経験が大いに役立ちます。

外来やクリニックで患者指導をしてきた方:
限られた時間で、患者さんに分かりやすく説明し、納得してもらう力は、訪問看護でも重要なスキルです。在宅では、利用者さんやご家族が主体的にケアに参加できるよう、丁寧に指導する場面が多くあります。

精神科や小児科など、コミュニケーションが特に重要な領域での経験がある方:
言葉にならない気持ちを汲み取る力、時間をかけて信頼関係を築く力は、訪問看護で非常に高く評価されます。

乗り越えるためのポイント

①「教える」ではなく「一緒に考える」姿勢
上から目線で指導するのではなく、「一緒に考えましょう」という対等な姿勢を持つことが大切です。

②傾聴の姿勢を大切にする
利用者さんやご家族の話をじっくり聞く時間を取りましょう。悩みや不安を聞くだけでも、信頼関係は深まります。

③「正解」を押し付けない
医療的に最善の方法が、その家庭にとって最善とは限りません。その人らしい生活を尊重する柔軟性を持ちましょう。

④チームで共有し、一人で抱え込まない
対応に困った時は、カンファレンスで共有し、チーム全体で考えます。ケアマネジャーや医師と連携することも重要です。

訪問看護では、医療技術だけでなく、人間性やコミュニケーション能力が大きく問われます。しかし、これまであなたが患者さんと向き合ってきた経験は、必ず在宅医療でも活きるはずです。

さいごに

【まとめ】経験やきっかけから志望動機を作る

訪問看護師転職の志望動機は、以下の手順を理解すると質が高くなります。

履歴書の志望動機の正しい書き方

  • ステップ1.訪問看護に興味を持ち、働きたいと思った理由を明確にする
  • ステップ2.応募先施設や医療機関の魅力に感じた点を言語化する
  • ステップ3.経験や実績を踏まえて、どのように活躍できるかを考える

ポイントは自身の経験やきっかけから訪問看護師を目指した理由と、なぜこの職場で働きたいのかを伝えることです。

あなたの転職の成功を願っています。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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