「看護師ってなぜこんなに性格キツイ人や偉そうな人ばかりなの?」
「性格悪い看護師とはどう関わればいいの?」
看護師はいつも余裕がなく、時間に追われながら仕事をこなさないといけません。また、患者さんの生死と向き合うストレスも日々感じています。
そういった環境で働くなかで、性格がキツくなったり、悪くなったりしてしまう看護師も少なくありません。
一方で、性格に難がある看護師と一緒に仕事をするには、相当な忍耐力が必要になります。
人によっては、険悪な雰囲気に耐えられず、仕事を辞めてしまう人もいるでしょう。そうならないためには、自分の周りの環境の改善に取り組む必要があります。
本記事では、キツイ性格の看護師によくある特徴や、性格の悪い看護師とうまく付き合うコツを詳しく紹介します。
- 事実と感情を切り離し、事実にフォーカスする
- 性格が悪くなっている原因や背景を考えてみる
- あえてアドバイスを求める
- 頼りになる先輩や同期に悩みを打ち明ける
- 必要なコミュニケーション以外は関わらない
最後まで読めば、性格に難がある看護師との上手な関わり方や、人間関係の悩みを解決するヒントが見つかるでしょう。
この記事を読むとわかること
- キツイ性格の看護師によくある特徴
- 看護師にキツイ性格が多い理由
- 性格の悪い看護師との上手な付き合い方
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※2025年11月17日更新
※弊社が実施した独自アンケートの結果に基づきます
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キツイ性格の看護師によくある7つの特徴【体験談】

看護師も人間なので、優しい性格の人もいれば、キツイ性格の人もいます。
しかし、キツイ性格の看護師と仕事をすると、仕事がやりにくかったり、気が滅入りますよね。
この章では、キツイ性格の看護師によくある7つの特徴を、体験談と共にご紹介します。
- 威圧感があり話しかけにくい
- 状況に関係なく高圧的な口調で話してくる
- ミスをネチネチ指摘されたり、仕事以外の悪口を言われる
- プライドが高くいつも偉そうな態度をしている
- 場所を問わず常に誰かの悪口を言っている
- 相手の性別や立場によって態度を変える
- 自分には甘いが他人のミスに対しては厳しく追求してくる
威圧感があり話しかけにくい
威圧感がある人には話しかけにくく、キツイ印象を持ちますよね。
仕事中に話しかけても無視をされたり、そっけない態度をとられると、なおさら近寄りがたさを感じるでしょう。看護師は緊張感を持って仕事をしているため、ときには周囲を寄せ付けないオーラを放ってしまう人もいるようです。
威圧感があると、周囲は対応に困ってしまいます。とくに威圧感のある先輩には、恐怖を感じる後輩もいるようです。
状況に関係なく高圧的な口調で話してくる
口調がキツイ看護師には、萎縮してしまうこともありますよね。
急患搬送や急変などに伴い、強い口調になってしまうのは仕方ありませんが、なかには、状況に関係なく高圧的な口調の方もいるようです。

点滴準備でミキシング台が混んでいる時に「邪魔!」と言われたり、不慣れなケアで時間がかかると「遅い!」と怒られます。
その先輩がリーダーの時は、報告するたびに責められてる気がして、緊張してしまいミスが増えます。
最近は、先輩を見かけるだけで胃が痛いです。
キツイ口調で声を掛けられ続けた結果、仕事に支障をきたしてしまうこともあり、さらに苦手感が増してしまうようです。
ミスをネチネチ指摘されたり、仕事以外の悪口を言われたりする
女性特有の職場だと、嫌味っぽい看護師もいますよね。
仕事上のミスをネチネチ指摘されたり、仕事に関係のないことを悪く言われたりして、辟易している方も多いです。

仕事のことを指摘されるならまだしも、外見や私服のことまでネチネチ言われて、苦しかったです。
職場でもプライベートでも常に監視されているような気がして、結局2年目の途中で退職してしまいました。
人のプライベートに土足で入られると、いい気分はしませんよね。嫌味を言うことでストレス発散をしている人もおり、対応に困る方もいるようです
プライドが高くいつも偉そうな態度をしている
長年勤めている看護師のなかには、プライドが高い人もいます。責任をもって仕事するためにプライドは大切です。しかし、高すぎるプライドは、他者への寛容さを欠いてしまいます。

既卒の同期がそのタイプで、間違いを指摘されても認めず、相手が先輩だろうと言い返してました。自分の非を認めず、論破しようとする態度に、先輩方も困り果ててましたね。
経験があるからこそ、謙虚な姿勢は必要だと思います。
自分の仕事に誇りを持っている人ほど、他人にも完璧を求めがちになります。自分の信念を押し付けようとする人には、注意したほうが良いでしょう。
場所を問わず常に誰かの悪口を言っている
女性が多い職場だと、噂好きな人もいますよね。なかには、他人の悪口を言って憂さ晴らしをしている人もいるようです。

その場にいない人の悪口を言ってるのを聞くと、私のことも言ってるんだろうなって思います。
気にしたくないのに、常に誰かの悪口を聞かされるので、落ち込んでしまいます。
悪口を楽しんでいる人の場合、注意しても辞めることはありません。同じ職場にいれば、気にしないようにするにも限度があるでしょう。
相手の性別や立場によって態度を変える
先輩と後輩、男性と女性、医者と看護師など、相手の性別や立場によって態度を変える人もいます。そうした人の多くは、人間関係を損得勘定で見ている傾向があります。

医者がいる時は、後輩にも優しくて丁寧に指導をしてくれるんですが、医者がいなくなると態度が激変。口調も荒くなり、大声で嫌味を言ってきます。
他人から聞いた話ですが、医者の前でいい顔をするのは結婚したいからだそうです。ベテランだからか、誰も注意できず、困っています。
このような人は、チームで協力しながら働く看護師にとって、輪を乱す存在といえます。態度がコロコロ変わる姿に、戸惑いを隠せない方もいるでしょう。
自分には甘いが他人のミスに対しては厳しく追求してくる
自分を棚上げして、他人に厳しい人もいます。仕事より自分の都合を優先することが多く、そういった人は信頼できないですよね。

仕事中も別のことを考えて上の空なことが多く、ミスが目立ちます。でも、後輩が少しでもミスしたら、スイッチが入ったように指導をしてくるので、ハッキリ言って尊敬できません。
自分に甘い人は、他人のミスに敏感です。自分に甘い人が先輩だと、後輩は不信感を抱いてしまいます。
さて、ここまでは性格がキツイ看護師によくある特徴を、体験談と共にご紹介してきました。
では、なぜ看護師にはキツイ性格の人が多いのでしょうか?その理由を、次の章でご紹介いたします。
なぜ?看護師にキツイ性格が多い3つの理由

看護師の多くは、過酷な労働環境や複雑な人間関係のなかで働いています。
この章では、キツイ性格の看護師が多い理由を、以下の3つに分けて解説していきます。
とにかくやることが多くて余裕がない
忙しい職場で働く看護師はやることが多く、他人への対応もきつくなりやすいです。とくに、時間に追われながら仕事をしていると余裕を持つのは難しいでしょう。
例えば、以下のようなシチュエーションでは、ある程度経験を積んだ看護師でも余裕がなくなり、部下に対してキツイ対応を取ってしまうこともあります。
通常業務で忙しさを感じる時
看護師の人数が不足している、重症の患者さんが多い、新人が配属されて間もないといった状況から、忙しさを感じてしまう看護師は多いです。
- 人手不足だと、受け持ち患者さんの数も多い。ときには数分刻みで仕事をこなすこともある
- ADLに介助が必要な患者さんが多いと、ケアにも時間がかかってしまう
- チーム内に新人さんがいればフォローに回らなくてはならず、自分の仕事が終わらない
夜勤や残業が続く時
夜勤や残業が負担になっている看護師は多く、体調不良などを引き起こすと余裕が持てなくなってしまいます。
- 夜勤は看護師の数が少なく、一人一人にかかる負担が大きい
- 生活リズムが不規則になるので、体調不良も起こしやすい
- 急変や急患などがあれば、定時で帰れない
- 記録ができるのは、定時が過ぎてから。それまでは座る暇もない
- 残業が続くと家に帰ったら寝るだけ。疲れが取れないまま、翌日も仕事に行かなければならない
通常業務以外の仕事がある時
通常業務以外の仕事がある看護師のなかには、プライベートを犠牲にしている方もいます。
- 研修、勉強会、看護研究、委員会活動など、通常業務以外でやることが多い
- キャリアラダーに合わせたレポート提出があり負担
- キャリアアップのために必要なのは理解できるが、プライベートを犠牲しなくてはならず辛い
上記のように、業務量の多さや労働環境がストレスに繋がり、他人に優しくなれなくなってしまうのです。
しかし、こうした問題は個人で解決するのが難しく、対応に苦慮している人も多いのが現状です。
命に関わる仕事なのであえてキツイ指導をすることもある
後輩指導にあたる看護師のなかには、意図的にキツイ指導を行っている人もいます。
その理由は、患者さんの命に関わる仕事だという自覚を持ってもらいたいからです。
たとえば、さまざまな薬剤や医療機器は取り扱いを間違うと、取り返しのつかない事態を招くこともあります。そのため、先輩看護師はあえて厳しい指導を行い、後輩の成長を促そうとするのです。
的確な指示ほどキツイ印象になる
また、実際の看護の現場は時間に追われながら仕事をしなくてはならず、先輩看護師にも余裕がありません。時間の限られた状況ではとにかく指示を簡潔に伝える必要がありますが、指示をシンプルにするほどキツイ印象になります。
例えば、もうすぐ手術予定の患者さんがいるのにオペ出しの準備ができていない場合、連絡が来てから用意するのでは遅すぎます。「〇〇と〇〇準備した?オペ出し前のチェック終わってる?そっち先にやって!」など、強い言い方をしてしまうこともあるでしょう。
この場合、先輩看護師は「今何をすべきか」「何を優先すべきか」をなるべく端的に伝えようとしているのであって、後輩を否定するつもりはありません。しかし、後輩看護師からすると「どうしよう、順番間違えた」「急がなきゃ、先輩怒ってるかも」と焦りを感じ、追い詰められてしまうのです。
このように、後輩の成長のために指導を行う看護師は多いですが、双方の認識がすれ違うと逆効果になってしまうこともしばしばあります。
性格の悪い看護師ばかりの職場が出来上がる仕組みがある
病院によっては、性格の悪い看護師ばかりの環境が出来上がる仕組みになってしまっていることもあります。
具体例
- 職場内に性格が悪く立場が上の(いわゆる職場のボス・お局と言われるような)看護師Aがいる
- 気に入られようとして媚びを売ったりする人はAと上手くやっていける
- 性格の良い看護師が環境を変えようと努力すると、目を付けられていじめられ、辞めてしまう
→その結果、性格が悪い看護師や、見てみぬふりをする看護師ばかりの集団になってしまう
このような環境では、本来の業務に支障が出てしまうこともあります。なぜか性格の悪い人しかいない職場は、上記のような構造で出来上がっていることもあるのです。
さて、ここまでは看護師にキツイ性格が多い理由を3つに分けて解説してきました。キツイ対応の背景を知ることで、ある程度納得できた方もいるでしょう。
しかし、なかにはこうした背景が無くても、理不尽な対応をする人もいますよね。
そこで次の章では、性格悪い看護師と上手く付き合うためのコツをご紹介します。
性格が悪い・キツイ看護師と上手く付き合う5つのコツ

過酷な労働環境や人間関係が原因で、職場内にピリピリした空気が張り詰めていると、仕事が楽しいとは思えないですよね。
長年いることで適応できるケースもありますが、それまで耐え続けるには相当な忍耐力が必要になってしまいます。
そこで、これから紹介する5つのコツを試し、自分の周りの環境の改善に取り組みましょう。
- 事実と感情を切り離し事実のみに注目する
- 性格が悪い看護師がなぜそうなってしまっているのかを自分なりに考える
- 厳しすぎる態度をとってくる人に対してはあえてアドバイスを求める
- 一人で抱え込まず頼りになる先輩や同僚に相談する
- 性格が悪い人とは必要なコミュニケーション以外関わらないようにする
事実と感情を切り離し事実のみに注目する
事実と感情を切り離し、事実にフォーカスすると、相手の感情に左右されることなく冷静に問題点と向き合えます。
具体的な例を見ていきましょう。
食前の血糖値測定を忘れ、患者さんに配膳をしてしまい、先輩に怒られた場合
事実
- 食前の血糖値測定を忘れる
- 忘れたまま配膳した
感情
- 先輩が怒っている(先輩の感情)
- ミスをしてしまい後悔や焦りを感じている(自分の感情)
点滴のミキシングに時間がかかり、予定の時間に点滴ができず、先輩に強い口調で注意された場合
事実
- 点滴のミキシングに時間がかかった
- 予定の時間に点滴が投与できなかった
感情
- 先輩が強い口調だった(先輩の感情)
- 予定通りに点滴ができず、焦っている(自分の感情)
どちらの例も、「先輩の怒り」や「自分の焦り・後悔」などの感情を切り離すと、問題点がよりシンプルに見えるでしょう。
キツイ言い方をされた時はそう上手く考えられないかもしれませんが、そういう場合も「先輩はミスが起きないように改善してほしいだけ」だと思うようにしましょう。
先輩看護師はあなたを否定するつもりはありません。言い方がキツイだけで、本当は成長してほしいと願っているものです。事実と感情の切り離しを習慣化し、ご自身の失敗を活かしましょう。
性格が悪い看護師がなぜそうなってしまっているのかを自分なりに考える
看護師の性格が悪くなる原因を考えると、違った見方ができるはずです。
そもそも、最初から性格が悪い人は少ないです。2章でも紹介しましたが、環境が原因でキツイ性格になってしまうケースのほうが、圧倒的に多いのです。
たとえば、いつも悪口ばかり言う同僚は、仕事が忙しくストレスが溜まっているのかもしれません。また、キツイ口調で怒っている先輩は、あなたに成長してほしくてキツイ指導をしている可能性もあります。
このように、性格が悪くなる原因や背景を考えてみると、今までとは違った視点が持てます。その結果、理不尽な対応をされても「すべて自分が悪い」という心境にならずに済みます。
「原因があるならキツイ対応をしていい」という訳ではありませんが、あなた自身の心の折り合いをつけるためには、こうした方法も有効なのです。
厳しすぎる態度をとってくる人に対してはあえてアドバイスを求める
必要以上に注意や指導をする人に対しては、あえてアドバイスを求めてみましょう。
承認欲求を満たすために干渉してくる人は、思いがけない反応をすると怯むはずです。あなたの成長を願って指導している人は、指導内容の本質を伝えようとしてくれるので、プラスになる話しが聞けるでしょう。
例)先輩にキツイ口調で指導された時の返し方
- ×「すみません、気を付けます」「申し訳ありません」
…謝るのみで、改善策がない - ×「じゃあ、先輩は新人の頃どうやってケアしてたんですか?」
…アドバイスを求めているが、やや好戦的 - 〇「ご指導いただきありがとうございます。ただ、どう改善したらよいのかわからないので、コツを教えてもらえませんか?」
…指導を受け止めた上で、アドバイスを求めている
上記のように、最初に相手の話しを受け止めることで話しが発展しやすくなります。ぜひ試してみてください。
一人で抱え込まず頼りになる先輩や同僚に相談する
頼りになる先輩や同期に、悩みを打ち明けたり、相談してみましょう。同じ職場内に相談できる相手がいるだけで、精神的に楽になれるはずです。
また、性格が悪い看護師との付き合い方を悩んでいる人は他にもいる可能性があります。そうした人と悩みを共有することで、具体的な解決策が浮かんでくるかもしれません。
悩みは一人で抱えこまず、相談する勇気を持ちましょう。
性格が悪い人とは必要なコミュニケーション以外関わらないようにする
性格が悪い看護師のなかには、人格を否定するような言い方をしてくる人もいるでしょう。
そうした人に対して「もう関わりたくない」「顔を見るのも嫌」と思っているなら、何を言われても相手にしないのが一番です。同じ職場内だと顔を合わせないのは難しいですが、必要なコミュニケーション以外は関わらないようにしましょう。
また、悪口は聞き流す、プライベートの話しはしないといった行動を示すことで、自分を守ることができます。
ここまで紹介したコツ以外にも、心理学にもとづく改善策もあります。詳しくは『看護師の人間関係の悩みに効果抜群!心理学にもとづく6つの改善策』をご覧ください。
自分の性格に合った診療科で働くという選択肢

キツイ性格の看護師が多いと「私の性格でもやっていけないかもしれない」「キツイ看護師がいない職場ってないの?」と考える方もいるでしょう。
たしかに、看護師にはキツイ性格の人が多いですが、実は診療科によって傾向は異なります。つまり、キツイ性格の看護師が多い科もあれば、そうでない科もあるのです。
この章では、性格別におすすめの診療科をご紹介します。必ず当てはまるとは限りませんが、ご自身の性格や希望の働き方と照らし合わせながら、ご参考になさってください。
- のんびりした性格の人は「緩和ケア病棟、リハビリ病棟、介護系施設」へ
- 几帳面な性格の人は「手術室(オペ室)」へ
- ずぼらな性格な人は「外科系の診療科」へ
- こだわりがある性格の人は「内科系の診療科」へ
- 向上心がある人は「救命救急部門、急性期病棟」へ
- 根気強い性格の人は「精神科、小児科」へ
では、見ていきましょう。
のんびりした性格の人は「緩和ケア病棟、リハビリ病棟、介護系施設」へ
のんびりな方におすすめなのが『緩和ケア、リハビリ病棟、介護系施設』です。
どの職場も時間に余裕がもてるので、落ち着いた働き方が可能です。「いつも忙しくて辛い」「時間に追われて休まらない」といったストレスを感じずに済みます。
また、のんびりな方に対して「話しかけやすい」と感じる患者さんもおり、ご自身の性格を活かすこともできるでしょう。
各職場の概要は、以下の通りです。
- 緩和ケア…
主に悪性腫瘍や後天性免疫不全症候群などが原因で身体的・精神的苦痛を感じている患者さんにケアを提供します。緩和ケア病棟以外にも、緩和ケア施設、在宅緩和ケアなど、患者さんと家族の希望によりケアの提供場所は異なります。 - リハビリ病棟…
主に脳血管疾患や骨折などの患者さんを対象に、リハビリテーションを提供します。退院に向けた他職種と連携しながらリハビリテーションを行うため、患者さんの生活を踏まえた関わりが求められます。 - 介護系施設…
主に高齢者や介護を必要とする方を対象に、医療的ケアや介護ケアを行います。介護系施設には、公的施設と民間施設があり、看護師の求人が多いのは老健や特養などです。
緩和ケアでは看取りや家族ケア、リハビリ病棟では退院支援、介護系施設では生活支援と、それぞれ特色が異なりますので、気になる職場があればぜひチェックしてみてください。
几帳面な性格の人は「手術室(オペ室)」へ
几帳面な方におすすめなのが『手術室(オペ室)』です。
手術室では、器械だしと外回りに分かれて手術が安全に終了できるようにサポートしていきます。緊迫した状況で清潔を徹底したサポートを行うためには、几帳面であることが必須です。
また、几帳面な方ほど普段との違いを敏感に察知することができるため、緊急事態にいちはやく気付くことができるでしょう。
手術室(オペ室)…
直接介助(器械だし)と間接介助(外回り)にわかれて、手術が安全に終了できるようにサポートをします。医師をアシストするだけでなく、患者さんが安心できるように術前オリエンテーションや述語ケアを行います。そのため、術式や医療機器、器械、疾患、解剖学や生理学などの幅広い知識が必要です。
関連記事
≫オペ室看護師ってどんな仕事?手術室での業務内容や役割を徹底解説
ずぼらな性格な人は「外科系の診療科」へ
意外かもしれませんが、ずぼらな方におすすめしたいのが『外科系の診療科』です。
看護師として働いていると、正解のない場面に出くわすこともありますよね。さまざまな事柄に寛容な一方で、決断が苦手な方はこうした議論が苦手な方も多いです。
しかし、外科系の診療科では、ある程度仕事のパターンが決まっているため、悩む必要はありません。クリニカルパスに沿って看護を展開し、患者さんの多くが目に見えて回復していくのが確認できるので、メリハリのある働き方ができるはずです。
外科系の診療科…
ケガや病気により外科的治療が必要な患者さんに対して、治療やケアを行います。ほとんどの患者さんが手術を行うため、疾患や手術に関する看護の知識が必要です。外科系の診療科は部位によって細分化されており、診療科別の専門的な知識も重要です。
こだわりがある性格の人は「内科系の診療科」へ
こだわりがある方におすすめなのが『内科系の診療科』です。
先ほどもお伝えしましたが、看護師は正解のない問題に直面することもあります。
たとえば、余命いくばくもない患者さんへ治療を勧めるべきか、家族にはどんな選択肢を提示するか…など、看護観に基づいたケアが求められる時もあるのです。
このような関わりにやりがいを持てるのは、こだわりがある方です。ご自身の考えを軸に、患者さんに耳を傾けることができるので、持ち味を活かせるでしょう。
内科系の診療科…
ケガや病気により内科的治療が必要な患者さんに対して、治療やケアを行います。その領域は多岐にわたるため、部位ごとに細分化され、専門性の高い医療を提供します。ときには他の診療科と連携して治療にあたるため、看護師にも幅広い知識やスキルが求められます。
向上心がある人は「救命救急部門、急性期病棟」へ
向上心のある方におすすめなのが『救命救急、急性期病棟』です。
救命救急や急性期病棟は、患者さんの生死と隣り合わせの現場なので、向き不向きが分かれます。
人によっては、無力感や焦燥感を抱えてしまうこともあるので、誰にでもおすすめはできる職場ではありません。しかし、向上心や覚悟を持って働いている方なら、ステップアップに最も適した職場といえるでしょう。
的確な判断力、細やかな観察力、迅速な対応力が培われるため、どの診療科でも通じるスキルが身に付きます。また、病院の規模によっては災害支援やフライトナースなどの新たな分野への挑戦も可能です。
救命救急部門…
救急搬送された患者さんの初療を行います。なかには心肺停止状態で搬送されてくる患者さんもおり、一刻の猶予もないなかで、適切な治療やケアを行います。救急外来や初療室だけでなく、ICUや一般病床を併設し、継続治療を行っている病院もあります。
急性期病棟…疾患により急性期治療が必要な患者さんに対して、治療やケアを行います。疾患や感染症などにより、集中的な治療が必要であり、急変や急患対応の頻度は他病棟よりも高いです。
根気強い性格の人は「精神科、小児科」へ
根気強い方におすすめなのが『精神科、小児科』です。
どちらの科も、患者さんのペースに寄り添ったケアが求められます。そのため、根気強い関わりができる方にはピッタリの職場です。
また、精神科や小児科の看護師は、患者さんや保護者へメンタルケアを行うのも仕事です。根気強い方の多くは芯が強いので、心に寄り添った対応ができ、信頼を集めることもできるでしょう。
時間をかけて寄り添えるからこそ、ゆるぎない信頼関係を構築できます。
- 精神科…
何らかの原因により心の治療が必要な患者さんへケアを提供します。症状や疾患にもよりますが、回復し社会復帰するまでにはある程度の時間が必要だといわれています。 - 小児科…
主に18歳未満のこどもを対象に治療やケアを提供します。こどもであればどんな方も対象になり、必要に合わせて他科と連携しながら治療にあたります。こどもの成長に合わせた対応力が求められます。
関連記事
≫小児科看護師の仕事内容ってどんなの?元小児科看護師がやりがい・悩みを徹底解説!
辛い経験をバネに、さらに成長できる助産師になるための3つの視点
助産師として働く中で直面する困難や辛い経験は、決して無駄にはなりません。むしろ、それらの経験こそが、あなたを一人前の助産師へと成長させる貴重な糧となります。ここでは、ネガティブに感じられる経験をポジティブな成長の機会に変える3つの視点を紹介します。多くの先輩助産師たちが、辛い時期を乗り越えて今の自分を築いてきた道筋を参考にしてください。
①反面教師から学ぶ「後輩指導力」と「伝わる指示の出し方」
新人時代に厳しい指導を受けたり、理不尽な叱られ方をしたりした経験は、その瞬間は非常に辛いものです。しかし、こうした経験は「自分が指導する立場になったとき、絶対に同じことはしない」という強い決意の原動力になります。
例えば、忙しい分娩対応の最中に「なんでこんなこともできないの!」と感情的に叱責された経験があるなら、自分が先輩になったときには「今は余裕がないけど、後で一緒に振り返ろう」と声をかけられる助産師になれます。具体的な説明なしに「これくらい自分で考えて」と突き放された経験があるなら、後輩には「こういう理由でこの手順が大切なんだよ」と背景まで丁寧に説明できる指導者になれます。
実際に、「後輩指導が上手い」と評価される助産師の多くは、新人時代に苦労した経験を持っています。自分が困ったポイント、理解に時間がかかったポイントを覚えているからこそ、後輩がつまずきやすい場面を先回りしてフォローできるのです。
分娩介助の手順を教える際も、ただ「こうやってやるんだよ」と見せるだけでなく、「この時期の子宮口の開き具合を確認するときは、こういう感触があるから、指先の感覚に集中してね」と具体的に伝えることができます。また、「最初は誰でも緊張するから、まずは私が横についてるから安心して」と心理的な安心感を与えることもできます。
さらに、反面教師の経験は「伝わる指示の出し方」のスキル向上にもつながります。緊急時に曖昧な指示を出されて混乱した経験があれば、自分が指示を出すときには「○○さん、NSTの準備をお願いします。△△さんは分娩セットを開けてください」と、誰に何をしてほしいのかを明確に伝えられるようになります。
あなたが今感じている「こういう指導の仕方は嫌だ」「こんな職場環境は辛い」という気持ちは、将来のあなたが理想的な助産師や指導者になるための設計図です。その経験を記憶にとどめ、いつか後輩を指導する立場になったときに活かすことで、辛かった経験が大きな価値を持つようになります。
②ストレス耐性をキャリアの強みに変える「自己PR術」
夜勤が続く過酷な勤務、予測不可能な緊急分娩への対応、患者さんやご家族からのクレーム対応など、助産師として経験するストレスフルな状況は、見方を変えれば「高いストレス耐性」という市場価値の高いスキルを身につけるチャンスです。
例えば、転職活動の際の面接で「前職ではどのような困難がありましたか?」と質問されたとき、ただ「夜勤が多くて大変でした」と答えるのではなく、「月に8回の夜勤をこなしながら、緊急帝王切開が重なる夜も冷静に優先順位をつけて対応してきました。その経験を通じて、プレッシャーの中でも的確な判断ができるスキルが身につきました」と答えることができます。
また、複数の妊婦さんが同時に陣痛を迎えた際に、限られたスタッフで分娩管理を行った経験は、「マルチタスク能力」と「優先順位の判断力」という強みとしてアピールできます。「3つの分娩が重なった夜勤で、それぞれの進行状況を把握しながら、最も緊急性の高いケースに医師を呼び、他のケースは自分で対応するという判断を瞬時に行いました」といった具体的なエピソードは、面接官に強い印象を与えます。
さらに、死産や新生児死亡といった悲しいケースに向き合った経験は、「感情のコントロール能力」と「共感力」という、助産師にとって非常に重要な資質を証明するものです。「悲しい結果になったご家族に寄り添い、グリーフケアを提供した経験を通じて、どんな状況でも相手の気持ちに寄り添う姿勢を学びました」と伝えることで、人間的な深みと専門性の両方をアピールできます。
医師との意見の相違があった場面も、「コミュニケーション能力」と「調整力」の証明になります。「分娩進行について医師と異なる見解があった際、エビデンスを示しながら自分の考えを伝え、最終的には母子にとって最善の方針を一緒に決定できました」という経験は、チーム医療における協働能力の高さを示します。
職務経歴書や面接での自己PRでは、「辛かったこと」をそのまま述べるのではなく、「その経験から何を学び、どんなスキルを身につけたか」にフォーカスすることが重要です。ストレスフルな環境で働いた経験は、あなたの「打たれ強さ」「適応力」「問題解決能力」を証明する具体的な証拠となります。
特に、管理職を目指す場合や、ハイリスク妊娠を多く扱う施設への転職を考える場合、こうしたストレス耐性の高さは大きな武器になります。「大変な環境でも乗り越えてきた実績」は、採用側にとって「この人なら困難な状況でも頼りになる」という安心材料になるのです。
今あなたが経験している困難は、将来のキャリアアップの場面で必ず活きてきます。辛い状況を耐え抜いているという事実そのものが、すでにあなたの強みになっています。
③多様な職場経験が広げる「助産師としての視野と選択肢」
一つの職場で辛い経験をしたとしても、それは助産師という職業全体を否定するものではありません。むしろ、複数の職場を経験することで、助産師の働き方の多様性を知り、自分に本当に合った環境を見つけられるようになります。
例えば、大規模な総合病院で激務に疲弊した経験があるなら、その後に個人クリニックやゆったりとした雰囲気の助産院に移ることで、「同じ助産師でもこんなに働き方が違うのか」という発見があります。逆に、小規模な診療所で症例経験の少なさに物足りなさを感じたなら、総合周産期母子医療センターに転職することで、専門性を高める機会を得られます。
それぞれの職場で得た経験は、すべてあなたの財産になります。大規模病院では、ハイリスク妊娠への対応力や医療チームとの連携力を学べます。個人クリニックでは、妊婦さん一人ひとりに寄り添う丁寧なケアの方法や、アットホームなコミュニケーションスキルが身につきます。助産院では、自然な出産環境での分娩介助や、開業のノウハウを学ぶことができます。
こうした多様な経験を持つ助産師は、将来的に自分が理想とする働き方を実現しやすくなります。「大病院で高度医療を学んだ後、地域密着型のクリニックで妊婦さんに寄り添うケアを提供する」「複数の施設での経験を活かして、自分の助産院を開業する」「様々な職場の良いところを取り入れた、理想的な産科病棟の管理者になる」など、キャリアの選択肢が大きく広がります。
また、異なる職場の文化や価値観に触れることで、「絶対にこうあるべき」という固定観念から解放されます。ある職場では当たり前だった慣習が、別の職場では全く異なるアプローチで行われていることを知ると、「どちらが正しいか」ではなく「それぞれのメリット・デメリットは何か」を冷静に判断できるようになります。この柔軟な思考は、将来的に後輩指導や職場改善に取り組む際に非常に役立ちます。
さらに、転職経験そのものが「環境適応能力」の証明になります。新しい職場のルールやシステムに素早く適応し、異なる医師やスタッフとも良好な関係を築ける能力は、どこへ行っても重宝される資質です。
今の職場が辛いと感じているなら、それは「この職場が自分に合っていない」というサインかもしれません。でも、それは助産師という仕事自体が合っていないということではありません。助産師の活躍の場は非常に多様で、病院以外にも、診療所、助産院、産後ケア施設、自治体の母子保健事業、不妊治療クリニック、企業の健康管理部門など、様々な選択肢があります。
一つの職場での経験が辛かったとしても、それは「次はどんな環境で働きたいか」を明確にするための貴重な情報です。「もっと患者さんとじっくり関わりたい」「最先端の医療に携わりたい」「ワークライフバランスを重視したい」など、自分の優先順位がはっきりしてくると、次の職場選びはより的確になります。
助産師としてのキャリアは長い道のりです。今の辛い経験は、その道のりの中の一つの通過点に過ぎません。多様な経験を積み重ねることで、あなたは他の誰にもない独自の強みを持った助産師へと成長していきます。
【よくある質問】助産師に関するQ&A
助産師を目指す方や、助産師としてのキャリアに悩む方から寄せられる質問の中には、記事の本文では触れきれなかった疑問も数多くあります。ここでは、資格取得から実際の業務、キャリア形成まで、読者の皆さんが抱きやすい具体的な疑問に答えていきます。
Q1. 助産師資格を取得するには、看護師として何年の実務経験が必要ですか?
A. 助産師養成課程への入学時点では、看護師としての実務経験は原則として必須ではありません。看護師国家資格を取得していれば、すぐに助産師養成課程(大学院、専攻科、別科など)に進学できます。
ただし、実際には看護師として数年間の臨床経験を積んでから助産師を目指す人も多くいます。看護師としての基礎的な医療知識や患者対応スキルを身につけてから助産師養成課程に進むことで、実習や国家試験対策がスムーズに進む傾向があります。
一方で、看護系大学の4年間で看護師と助産師の両方の国家試験受験資格を同時に取得するルートを選ぶ学生もいます。この場合、看護師としての実務経験なしに助産師資格を取得することになりますが、卒業後は新人助産師として研修を受けながら成長していくことができます。
どちらのルートを選ぶかは、個人のライフプランや学習スタイルによって異なります。看護師経験を積んでから助産師を目指すメリットは、医療現場の実態を理解した上で専門性を高められることです。一方、ストレートに助産師を目指すメリットは、若いうちから専門職としてのキャリアをスタートできることです。
Q2. 男性は助産師になれますか?法律上の制限はありますか?
A. 現在の日本の法律では、男性が助産師になることはできません。保健師助産師看護師法第3条において、助産師は「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子」と明確に定義されています。
この規定が設けられている背景には、出産という極めてプライベートな場面において、妊産婦さんの心理的負担を軽減するという配慮があります。分娩時には身体的にも精神的にも非常にデリケートな状態になるため、女性の助産師によるケアを受けたいという妊産婦さんのニーズが尊重されています。
ただし、男性看護師が産科病棟や産婦人科クリニックで働くことは可能です。分娩介助そのものは助産師資格が必要なため男性看護師には行えませんが、妊婦健診の補助、産後の母体ケア、新生児のケア、帝王切開の手術介助など、助産師と協力しながら周産期医療に貢献することはできます。
国際的には男性助産師(Male Midwife)を認めている国もあり、日本でも時折議論になることがありますが、現時点では法改正の具体的な動きはありません。産科領域で働きたい男性の場合は、看護師として産科病棟や産婦人科に配属される道や、産婦人科医を目指すという選択肢があります。
Q3. 助産師の夜勤は看護師の夜勤と何が違いますか?オンコール対応とは?
A. 助産師の夜勤は、看護師の一般的な夜勤とは大きく異なる特徴があります。最も大きな違いは、いつ分娩が始まるか予測できないという点です。
病棟勤務の助産師の場合、夜勤帯であっても通常の看護業務(妊婦さんや産後のお母さんのバイタルチェック、新生児のケア、授乳指導など)に加えて、陣痛が始まった妊婦さんの分娩介助を行う必要があります。予定された手術とは異なり、自然分娩は予測不可能なタイミングで始まり、数時間から十数時間続くこともあるため、夜勤中にほとんど休憩が取れないこともあります。
また、分娩が重なった場合は、複数の分娩を同時進行で管理する必要があり、高度な判断力と体力が求められます。特に満月の夜や気圧が変動する日には分娩が集中しやすいという経験則もあり、夜勤の負担が予測しづらいという特徴があります。
一方、オンコール対応は、主に診療所や助産院で働く助産師に多い勤務形態です。オンコールとは、勤務時間外でも呼び出しに応じられる状態で待機することを指します。
例えば、日中は通常勤務をして夕方に帰宅した後も、夜間に陣痛が始まった妊婦さんがいれば電話連絡を受けて急いで職場に戻り、分娩介助を行います。オンコール当番の日は、いつ呼び出されるかわからないため、遠出や飲酒を控え、常に連絡が取れる状態を保つ必要があります。
オンコール対応には専用の手当(1回あたり数千円程度)がつきますが、実際に呼び出されて分娩介助を行った場合は、別途時間外勤務手当や分娩手当が加算されます。オンコールは心理的な負担が大きい一方、開業助産師や地域の小規模な助産院では、妊婦さんと密接な関係を築きながら出産に立ち会えるという大きなやりがいがあります。
勤務先によって夜勤やオンコールの頻度は異なるため、ワークライフバランスを重視する場合は、就職前に夜勤体制やオンコール頻度をしっかり確認することが大切です。
Q4. 助産師として働く中で、医師との関係で難しいと感じることはありますか?
A. 助産師と産婦人科医は、妊産婦さんのケアにおいて協力関係にありますが、それぞれの役割や判断が異なる場面では、コミュニケーションに難しさを感じることもあります。
助産師には「正常分娩の介助を独立して行える」という独立開業権がありますが、これは裏を返せば、異常の兆候を早期に発見し、医師に引き継ぐべきタイミングを的確に判断する責任があるということです。分娩の進行中に「まだ様子を見るべきか」「医師に報告すべきか」の判断は、助産師の経験と知識が試される重要な場面です。
例えば、分娩監視装置で赤ちゃんの心拍に軽度の変化が見られた場合、助産師が「もう少し経過を見守りたい」と考えていても、医師が「すぐに帝王切開に切り替えるべき」と判断することがあります。逆に、助産師が早めに医師に報告したにもかかわらず、「まだ大丈夫だから様子を見て」と指示されることもあります。こうした判断の違いが生じたとき、お互いの専門性を尊重しながらも、最終的には母子の安全を最優先にした意思決定をする必要があります。
また、施設によっては医師が多忙で、助産師が感じた懸念を十分に共有できない環境もあります。夜間や休日の当直医が産婦人科専門医ではない場合、助産師が実質的に分娩管理の中心的役割を担うこともあり、その責任の重さがプレッシャーになることもあります。
良好な医師-助産師関係を築くためには、日頃から積極的にコミュニケーションを取り、お互いの考え方や判断基準を理解しておくことが大切です。カンファレンスや症例検討会を通じて、過去の事例を振り返りながら学び合う文化がある職場では、チームとしての連携がスムーズになります。
助産師としての専門性を高め、エビデンスに基づいた判断を示すことができれば、医師からの信頼も得やすくなります。逆に、わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに医師に相談する姿勢も重要です。
Q5. 出産に立ち会って悲しい結果になった場合、助産師はどうやって心のケアをしていますか?
A. 助産師という仕事は、新しい命の誕生という最高に幸せな瞬間に立ち会える一方で、時には死産や新生児死亡といった非常に悲しい現実にも直面します。こうした辛い経験をした後、助産師自身が心のケアを必要とすることは決して珍しくありません。
悲しい結果になった場合、まず大切なのは一人で抱え込まないことです。多くの医療機関では、こうしたケースが発生した後に、関わったスタッフ全員で振り返りのミーティング(デブリーフィング)を行います。医師、助産師、看護師がそれぞれの視点から経緯を共有し、医学的に適切な対応だったかを検証するとともに、スタッフの感情面のサポートも行います。
同僚の助産師と気持ちを話し合うことも、心の回復には非常に重要です。同じ経験をしてきた仲間だからこそ、言葉にならない辛さを理解し合えることがあります。先輩助産師から「自分も同じような経験をして辛かったけれど、その経験が今の自分を作っている」といった言葉をもらうことで、少しずつ前を向けるようになります。
施設によっては、外部の専門家によるカウンセリング制度を設けているところもあります。産科医療は緊急性が高く、生死に関わる判断を迫られる場面も多いため、医療従事者のメンタルヘルスケアは重要な課題として認識されています。
また、悲しい経験をしたご家族へのグリーフケア(悲嘆のケア)に携わることが、助産師自身の心の整理にもつながることがあります。赤ちゃんとのお別れの時間を大切に過ごせるよう支援したり、退院後も継続してご家族に寄り添ったりすることで、「自分にできることを精一杯やった」という実感が得られます。
それでも、どうしても辛い気持ちが消えない場合は、一時的に産科以外の部署への異動を希望したり、休職して心身を休めたりすることも選択肢の一つです。助産師という仕事を続けるためには、自分自身のメンタルヘルスを大切にすることが何よりも重要です。
命に関わる現場で働くからこそ、喜びも悲しみも深く、それを支え合える仲間やサポート体制が不可欠です。
Q6. 地方と都市部で、助産師の働き方や待遇に違いはありますか?
A. 地方と都市部では、助産師の働き方や待遇に一定の違いがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分のライフスタイルやキャリア志向に合わせて選択することが大切です。
都市部の特徴: 都市部には総合病院や大学病院、周産期医療センターが集中しており、ハイリスク分娩や最先端の周産期医療を経験できる機会が豊富です。多くの症例に関わることで、短期間で高度な専門知識と技術を身につけることができます。
また、都市部では助産院や産後ケア専門施設、不妊治療クリニックなど、多様な働き方の選択肢があります。転職市場も活発で、自分に合った職場を見つけやすい環境です。
給与面では、都市部の大規模病院は比較的高めの水準を提示していることが多く、特に東京・大阪・名古屋などの大都市圏では、平均年収が全国平均を上回る傾向があります。ただし、生活費(家賃など)も高いため、実質的な可処分所得は地方とそれほど変わらない場合もあります。
一方で、都市部の大規模病院では分娩件数が非常に多く、夜勤の頻度が高い、休日出勤が多いといった過酷な労働環境になりやすいというデメリットもあります。
地方の特徴: 地方では、産科医不足や産科施設の減少が深刻な問題となっている地域もあり、助産師の役割がより重要になっています。地域の中核病院では、助産師が主体的に分娩管理を行う場面が多く、責任は大きいものの、やりがいも大きい環境です。
地方の自治体によっては、助産師確保のために奨学金返済支援制度や住宅手当の充実、引っ越し費用の補助などの優遇措置を設けているところもあります。また、地域密着型の医療機関では、妊婦さんやご家族と長期的な信頼関係を築きやすく、アットホームな雰囲気の中で働けることが魅力です。
生活費が都市部より安く、ゆとりのある生活を送りやすい点もメリットです。通勤時間が短く、自然環境に恵まれた中で子育てができるなど、ワークライフバランスを重視する助産師にとっては理想的な環境と言えます。
一方で、地方では分娩件数が少ない施設もあり、多様な症例経験を積みにくい場合があります。また、勉強会や研修の機会が都市部より限られていることもあるため、自己研鑽には工夫が必要です。
どちらを選ぶべきか: キャリアの初期段階では、症例経験を豊富に積める都市部の大規模病院で修行し、その後、ライフステージに応じて地方でゆったりと働くという選択をする助産師も多くいます。また、地方で地域医療に貢献しながら、オンライン研修や学会参加を通じて専門性を高めていく道もあります。
重要なのは、自分が何を大切にしたいのか(スキルアップ、収入、ワークライフバランス、地域貢献など)を明確にすることです。
【最終手段】辛い職場から抜け出すための具体的なアクションプラン

キツイ性格の看護師は一定数いますが、その多くは過酷な労働環境のせいで余裕を持てず、周囲に当たってしまうようです。
キツイ性格の看護師や、性格の悪い看護師と無理して付き合う必要はありませんが、仕事上どうしても関わらなくてはいけない時もあるでしょう。
そんな時は、事実と感情を切り離して考える、あえてアドバイスを求める、適切な距離感を保つなどの対応をとることで、ご自身の周辺から居心地を良くすることができます。
性格がキツイ・悪い人ばかりの環境なら、異動などの手段も検討の余地があります。異動については『看護師の部署異動の背景|希望は通る?慣れるまで大変?疑問を解説』を参考にしてください。
あなたが充実感を感じながら仕事ができることを祈っております。
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物品がどこにあるかわからず質問しても無視されたり、「そこ」と指差しで教えてくれるだけで、目を合わせてもらえません。
とくに、一対一の申し送りでは、相槌もなにもなく無言なので、ビクビクしてしまいます。
私に何か悪いことがあるなら、言葉で教えてほしいです。