「看護師で年収600万円って稼げる?どのくらい大変?」とお考えですね。
結論から言うと、若いうちに年収600万円を超えるのは少々ハードルが高いです。ですが、着実にキャリアを積み上げていけば十分可能な金額です。
📊 この記事で分かる重要ポイント
✓ 客観的な現実
看護師の平均年収は約519万円(2024年最新統計)。年収600万円以上を実現している看護師は全体の約16.3%という限られた存在です。
✓ リアルな手取り
年収600万円の場合、税金・社会保険料を差し引いた手取りの目安は年間約460万〜480万円(月額約38万円)となります。
✓ 最短の達成ルート
現職での昇進・資格取得による昇給も可能ですが、最も確実で早期に実現できる方法は、専門性と経験を活かせる高給与の職場への戦略的転職です。
そこで本記事では、看護師が年収600万円を超えるにはどうすればよいか、具体的な方法を解説していきます。
- 看護師が年収600万円を稼ぐのは十分可能
- 看護師年収600万円超えの条件
- 年収600万円以上を目指す具体的な方法
- 【年収UPの秘訣】高収入の非公開求人に出会うための転職エージェント活用術
- 年収600万円以上を目指す看護師が登録すべき転職サイト
- 看護師が年収600万円以上得るために必要なマインドセット
- よくある質問
本記事を読めば、どうすれば年収600万円を稼げるようになるか、具体的に理解できます。
この記事を読むとわかること
- 看護師として年収600万円以上を稼ぐことは可能
- 年収600万円を目指すための看護師の条件
- 年収600万円を稼ぐための具体的な方法
- 年収600万円を稼ぐために登録すべき転職サイト
- 看護師が年収600万円を稼ぐために必要なマインドセット
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※2025年10月10日更新
※弊社が実施した独自アンケートの結果に基づきます
※本記事は看護roo!、レバウェル看護、マイナビ看護師、看護師ワーカー、ナース専科 転職などのPRを含みます。
1.看護師が年収600万円を稼ぐのは十分可能
結論から言うと、看護師が年収600万円を稼ぐのは十分可能です。
事実、「看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)の3割は、年収600万円以上」という調査データもあります。(参考:2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査)

看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)対象の調査
こちらは2012年とやや古い調査になりますが、看護職の給与水準は過去10年でほとんど変化がないため、2023年現在も割合としてはほとんど変わらないと予測できます。
以上の図から、年収600万は決して不可能なラインではないことがわかるでしょう。なお、看護師全体の年収は492万円なので、100万円ほど周囲より高い計算です。(看護師の年収について詳しくは『看護師の平均年収は?給与相場やボーナス額は本当に割に合うのか徹底調査』で解説しています)
年収600万円の手取りシミュレーション比較
ライフステージによって大きく変わる手取り額を、具体的なパターン別に詳しく解説します。扶養控除の有無により手取り額に差が生じるため、ご自身の状況に近いパターンを参考にしてください。
手取り額パターン別比較表
パターン | パターンA | パターンB |
---|---|---|
家族構成 | 独身・扶養家族なし | 配偶者・子1人を扶養 |
年間手取り額(目安) | 約464万円 | 約484万円 |
月々の手取り額(目安) | 約38.7万円 | 約40.3万円 |
年間差額 | − | +約20万円 |
詳細な税金・控除内訳
パターンA:独身・扶養家族なしの場合
控除項目
- 給与所得控除:164万円
- 基礎控除:48万円
- 課税所得:388万円
税金・社会保険料の内訳
- 所得税:約20.5万円
- 住民税:約31万円
- 健康保険料:約30万円
- 厚生年金保険料:約55万円
- 雇用保険料:約1.8万円
- 控除合計:約138万円
手取り計算 600万円 − 138万円 = 約462万円(月額約38.5万円)
パターンB:配偶者・子1人を扶養している場合
控除項目
- 給与所得控除:164万円
- 基礎控除:48万円
- 配偶者控除:38万円
- 扶養控除(16歳未満の子):児童手当との調整により所得税控除なし
- 課税所得:350万円
税金・社会保険料の内訳
- 所得税:約17万円(配偶者控除により約3.5万円減額)
- 住民税:約28万円(配偶者控除により約3万円減額)
- 健康保険料:約30万円
- 厚生年金保険料:約55万円
- 雇用保険料:約1.8万円
- 控除合計:約132万円
手取り計算 600万円 − 132万円 = 約468万円(月額約39万円)
扶養による手取り増加のメカニズム
扶養家族がいることで手取りが増加する主な理由は以下の通りです:
配偶者控除の効果 年収103万円以下の配偶者を扶養している場合、所得税で38万円、住民税で33万円の控除を受けられます。これにより年間約6.5万円の税負担軽減効果があります。
子どもの扶養控除 16歳以上の子どもがいる場合は扶養控除の対象となり、さらなる税負担軽減が期待できます。ただし、15歳以下の子どもについては、児童手当制度との重複を避けるため扶養控除の対象外となっています。
実際の家計への影響
パターンA(独身)の場合 月の手取り38.5万円は、一人暮らしであれば十分にゆとりのある生活が可能です。家賃15万円の物件に住んでも、生活費・娯楽費・貯蓄に十分な余裕があります。
パターンB(家族持ち)の場合 月の手取り39万円で家族3人の生活を支える必要があります。世帯人数は増えていますが、配偶者控除により独身時より手取りが増加するため、家計運営においてプラスの影響があります。
手取り額を最大化するポイント
医療費控除の活用 年間の医療費が10万円を超える場合は医療費控除を利用できます。特に家族がいる場合は医療費がかさみやすいため、領収書の保管を忘れずに行いましょう。
ふるさと納税の活用
年収600万円の場合、ふるさと納税の上限額は約7.7万円です。この制度を活用することで実質負担2,000円で返礼品を受け取れるため、手取り収入の実質的な価値を高められます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用 月額2.3万円まで拠出でき、全額所得控除の対象となります。年収600万円の場合、年間約5.5万円の税負担軽減効果があり、将来の年金準備と節税を同時に実現できます。
では、どういう看護師が年収600万円を超えられるのでしょうか。次章では、年収600万超えの条件を解説していきます。
2.看護師年収600万円超えの条件
結論、以下いずれかを満たす場合、年収600万円を超える確率が高くなります。
それぞれ具体的に説明します。
条件①.正職員で勤続年数20年以上
正職員看護師で勤続年数が20年を超える頃になると、年収600万円は現実的になります。
なぜなら、看護師の給与は年功序列で決まることがほとんどだからです。
事実、8割以上の病院が「正職員の給与は年齢・勤続年数を基準にしている」と回答している調査もあります。(参考:2020年病院看護実態調査)
「一つの職場で長く働く」というのは、年収600万円超えの最も現実的な方法です。
勤続年数の目安
20年というのはあくまで目安ですが、40代以前だとややハードルは高いでしょう。
概算にはなりますが、勤続10年経過時(31~32歳・非管理職)の看護師の年収は、新卒時の年収より60万円ほど高くなります。看護師の初年度の年収は多くても400万円弱なので、年収600万円まで昇給するには、最低でも20年以上はかかる計算になります。
条件②.中間管理職以上の役職に就いている
役職に就いている看護師は、手当支給により年収が高くなります。
事実、前述の調査では「中間管理職の3人に2人が年収600万円以上」という結果です。
これに対し、「非管理職(役職なし)で年収600万円を超えているのは5人に1人だけ」となっています。
中間管理職は、具体的に以下のような役職が該当します。
- 主任
- 副看護師長
- 看護師長相当
役職に就けば、役職手当で年収が高くなりますが、やはり上記はある程度経験を重ねなければ難しいポジションです。
40代以降で年収600万超えになるのが順当な流れで、看護部長クラスになるとさらに高収入になります。
条件③.規模の大きい病院で働いている
看護師の年収は、働く病院の規模が大きくなるほど高くなります。
看護師の年収は病院によって異なり、特に病床数が増えるほど看護師の給与も高くなります。
以下は、勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職を想定)の平均月収と目安年収です。
病床数 | 月収 (万円) | 目安年収 (万円) |
---|---|---|
~99 | 30.8 | 449.1 |
100~199 | 31.3 | 455.1 |
200~299 | 31.7 | 459.9 |
300~399 | 32.9 | 474.3 |
400~499 | 33.5 | 481.5 |
500~ | 34.6 | 494.7 |
※日本看護協会「2020 年 病院看護実態調査 」をもとに試算
上記は30代前半の金額なので、どの職場でも平均年収は600万円に届いてはいませんが、病床数に応じて、年収が高くなっていることがわかります。
よって、大病院であるほど年収600万円に近づきやすいと予測できます。
特に大規模病院は、看護師の勤続年数や経験、ラダーによるレベル達成度等を重んじる傾向があります。「大規模の病院で長期的なキャリアを築く」というのが、年収600万円の近道と言えるでしょう。
条件④.可能な限り夜勤シフトに入っている
夜勤シフトにできる限り入れば、年収も高くなり、年収600万円も可能です。
20~30代で年収600万円を目指すなら、体力が許す限り夜勤に入るのが現実的な方法です。
実際に、副看護師長経験者の方にお話を伺ったところ、「役職も重要だが、やはり最終的に年収に大きな影響を与えるのは夜勤」という回答が得られました。
なお、夜勤手当の平均額は以下の通りです。
シフト | 平均手当額(円) |
---|---|
三交代:準夜勤 | 4,141 |
三交代:深夜勤 | 5,033 |
二交代 | 11,026 |
※「日本看護協会調査研究報告」より
22時~翌5時までは割増賃金(1.25倍)が加算されるのでさらに給与は高くなります。
仮に三交代制の深夜勤に月8回(日本看護協会推奨の上限)入れば、月収あたり約4~5万円、年収換算で48~60万円分になります。
条件⑤.転職を経験している
一つの病院で長く働くと年功序列で給与が徐々に上がりますが、飛躍的に給与アップを目指すなら転職も一つの方法です。
経験年数や前職の役割・職位が評価されれば、今より高い基本給で働ける可能性もあります。
実際に中途採用の賃金は、以下の要素を基準として採用時に決定されます。
中途採用時の賃金決定基準
- 看護師の経験年数(46.0%)
- 以前の勤務先で経験した役割・職位(34.1%)
- 取得している資格(29.0%)
- 以前の勤務先の病院種別(機能)(24.6%)
- ブランクの長さ(23.8%)
※カッコ内は回答した病院の割合
※「病院勤務の看護職の賃金に関する調査」より
以上を踏まえると、以下に該当する数が多いほど、転職で給与がアップしやすいと言えます。
- 看護師経験が長い
- 中間管理職以上の役職経験がある
- 資格を持っている
- 高度なスキルが求められる病院での勤務経験がある(三次救急など)
- ブランクが短い
ただし、年収600万円を超える求人は多くはないので、根気強く探していく必要があります。
関連記事
≫【看護師転職】年収アップのカギは自分の市場価値にあった!転職のプロが教える知っておきたいお金の話
3.年収600万円以上を目指す具体的な方法
看護師の給料を上げる現実的かつ具体的な方法は、以下の4通りあります。
- 方法1. 単発・スポットの仕事をする
- 方法2. 上司と良好な関係を築き評価を得る
- 方法3.キャリアアップのための学習や研修への参加
- 方法4.管理職のポジションを目指す
- 方法5. 基本給の高い病院・施設に転職する
それぞれ詳しく説明します。
方法1. 単発・スポットの仕事をする
給料アップの最も現実的な方法は、単発・スポットの仕事をすることです。(※副業になるので、就業規則を確認は必須)
単発・スポットは、主に介護施設などの医療行為を行わない施設に、1日~数日だけ派遣され、看護師として施設スタッフのサポートを行います。
「1日だけ介護施設の夜勤をする」「3日間だけ訪問入浴の介助の仕事をする」などの柔軟な働き方が可能です。給料も高めに設定されており、日給2~3万円の求人も見られます。
単発・スポットの求人は、転職サイト・派遣サイトなどを使って探せます。
例えば、看護師転職・派遣支援サービスの『MCナースネット』では、スケジュールが空いている日を選ぶと、選択した日に募集している求人が一覧で表示されます。
「夜勤を増やしたいけど、今の病院ではなかなかできない」という方は、単発の仕事をしてみるのもおすすめです。
方法2. 上司と良好な関係を築き評価を得る
現職の給料アップを目指しているなら、普段から上司と良好な関係を築いておくことも重要です。
看護師の給料は、在籍年数の長さが評価基準となりますが、給料以外にも「師長の評価」も関係します。
わかりやすく言うと、師長が認めている看護師ほど給料が上がりやすいです。
看護師の仕事の成果は、売上などで客観的に測れるわけではないので、どうしても「上司の主観的な印象」が大きく影響してきます。
実際に、スタッフのうち何人かをプラス評価(収入アップなど)する時には、良い印象を持っている部下を推薦することもあるようです。
普段から良好な関係を築いておき、高評価を受けやすくする姿勢も、給料アップには必要と言えるでしょう。
方法3.キャリアアップのための学習や研修への参加
看護師として働くうえで、自分が所属する分野や専門性を深めたい分野に特化した研修や勉強会に参加することが大切です。
例えば、透析や手術看護、救急医療など、専門性の高い分野に関する研修に参加することで、自己啓発を図ることができます。
また、常に最新の医療技術や治療法に関する情報を収集することが求められます。
専門書や論文、インターネット上の情報などを活用しながら最新の情報を取得し、自己啓発を図りましょう。
他にも、経営管理やリーダーシップに関する研修への参加も有効です。
経営学やマネジメント、チームビルディングなどの知識を身につけ、リーダーとしてのスキルを磨きましょう。
方法4.管理職のポジションを目指す
時間はかかりますが、主任・師長などの管理職に就いて給与アップを目指すのも現実的な方法です。
実際にフルタイム勤務の看護師の平均年収が519万2,417 円であったのに対して、中間管理職は648万3,444円と、100万円以上の給与アップを期待できます。(日本看護協会の調査)
看護師の管理職として、具体的には以下の役職があります。
看護師の管理職
- 看護部長
…看護部の責任者として、病棟の看護師長・スタッフナースをまとめ、病院全体の経営にも関わる仕事。 - 看護師長
…スタッフナースを統括する役割があり、主任看護師と一緒に業務の円滑化と質向上を目指す仕事。 - 看護主任
…スタッフナースの上位にあたる役職で、業務が円滑に進むように看護師長を補佐する仕事。
端的にいうと、看護師の管理職は「看護の現場のまとめ役」です。複数人のスタッフをまとめ上げるマネジメント力や忍耐力が求められます。
一般的に、管理職の資質があると認めた看護師を看護師長が推薦し、まずは看護主任を目指します。
大病院などの規模が大きく看護師の多い病院だと、競争が激しく管理職に就くのには最低でも10年以上かかりますが、中・小規模の病院であれば、看護師経験10年未満で管理職に就けるケースもめずらしくありません。
ちなみに、筆者が以前勤務していた大学病院では、特別な条件・手続がなくても、10年以上勤めていれば主任看護師として認定を受けていました。(そもそも10年以上勤続する看護師が少なく、自動的に主任に昇格するようになっていました)
時間はかかりますが、着実にステップアップしながら給料を上げる方法と言えます。
方法5. 基本給の高い病院・施設に転職する
基本給が高い他の職場に転職するのも一つの方法です。
病院の経営母体や規模によって昇給率が異なるため、業務内容は変わらなくても年収が上がることは多々あります。
今のまま働き続けても大幅な給与アップが見込めないなら、給与水準が高い他の職場への転職がおすすめです。
病院によってですが、以下のような明確な昇給基準を定めていることもあります。
- クリニカルラダーをもとにしたレベル達成度
- 病院独自の試験・面接による評価制度
- ポイント制度を導入し、ポイントとレベルに見合った評価制度
特に規模の大きな病院ほど、昇給の基準を明確に定めているケースが多いです。
給料が高い病院の特徴については『【看護師必見】給料が高い病院の特徴と給料を上げるための全知識』で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
転職を検討中の方は転職サイトへの登録がおすすめ
転職を視野に入れて検討している方は、転職サイトに登録し、キャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。
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大手サイトだと『看護roo!』が有名です。
評判の良いサイトを詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
補足:給料アップに資格取得はおすすめしない
インターネット上の情報には、認定看護師や認定看護師資格の取得を給料アップの方法として紹介していることも多いですが、おすすめできません。
費用対効果が悪すぎるからです。
例えば認定看護師の資格取得には、授業料・実習費などを合わせると100万円以上のコストがかかります。
加えて、専門の教育機関で6ヵ月以上、計615時間の教育課程をクリアしなければなりません。
資格取得における苦労が給料に還元されれば良いですが、実際は看護師の資格を取得しても、昇給・手当がつくとは限らないです。
看護協会の資料によると、「病院の約6割は、認定看護師・専門看護師の資格手当や昇給がない」ようです。
専門看護師・認定看護師の資格は、半分以上の病院で給料に加算されない
出典:日本看護協会
仮に給与に反映されても、月およそ5,000円アップするくらいが相場なので、給料アップの目的だけで資格を取得するのは現実的ではありません。
職場を変えるほうが、手軽かつ現実的と言えるでしょう。
💬 看護師のリアルな体験談BOX
私が年収600万円を達成したワケ
プロフィール:Aさん(32歳)/美容クリニック勤務
転職前の年収:480万円 → 現在の年収:620万円
「病棟勤務7年目で体力的な限界を感じ、転職を決意しました。夜勤月5回に加えて日々の業務量が増加する一方で、給与はほとんど上がらない状況に疑問を抱いていました。
美容クリニックを選んだ理由は、夜勤がないのに高収入という条件に魅力を感じたからです。現在は日勤のみで土日祝日休み、朝もゆっくり10時出勤という規則正しい生活を送れています。
年収アップの大きな要因はインセンティブ制度です。月の基本給は病棟時代とほぼ同額の32万円ですが、化粧品販売や施術提案の実績に応じて月3~8万円のインセンティブが加算されます。患者さんからの指名も励みになり、接遇スキルを磨くことでさらなる収入増を実現できています。
ただし、病棟とは全く違うスキルが求められます。医療技術だけでなく営業的な要素も必要で、月間売上目標に対するプレッシャーは正直あります。また、患者さんは「お客様」なので、より丁寧な接客対応が必須です。最初は戸惑いましたが、今では美容に関する専門知識が身につき、自分自身も施術を受けられる職員割引も嬉しい特典です。」
年収600万円への4つのルート比較表
看護師が年収600万円を実現するための選択肢を、実現可能性と具体的な条件を含めて比較検討できるよう整理しました。
比較項目 | ① 役職に就く | ② 資格を取得する | ③ 副業をする | ④ 転職する |
---|---|---|---|---|
年収UP期待値 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
実現難易度 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ |
必要な期間(目安) | 8~15年 | 3~7年 | 即日~1年 | 3~6ヶ月 |
初期投資 | なし | 50~300万円 | 5~30万円 | なし |
メリット | ・現職のまま安定 ・組織での発言力向上 ・マネジメント経験獲得 | ・専門性の向上 ・転職時の強いアピール ・長期的なキャリア価値 | ・リスクが低い ・スキルの多様化 ・すぐに始められる | ・最も確実で早期実現 ・環境改善も同時達成 ・年収大幅UP可能 |
デメリット | ・ポストに空きがないと不可 ・責任とプレッシャー増大 ・時間が長期間必要 | ・資格手当が少額の場合あり ・学習時間の確保が困難 ・費用負担が大きい | ・本業との両立が困難 ・収入が不安定 ・体力的負担が増加 | ・環境適応が必要 ・転職活動の労力 ・失敗リスクあり |
年収UP幅 | 100~200万円 | 10~50万円 | 50~150万円 | 50~300万円 |
向いている人 | ・リーダーシップがある ・長期キャリア志向 ・現職に満足している | ・学習意欲が高い ・専門性を深めたい ・時間に余裕がある | ・多様なスキルがある ・時間管理が得意 ・リスク許容度が高い | ・現状に不満がある ・早期の変化を求める ・適応力がある |
4. 【年収UPの秘訣】高収入の非公開求人に出会うための転職エージェント活用術
年収600万円を確実に実現するためには、転職エージェントの戦略的な活用が不可欠です。一人で転職活動を行うよりも、なぜエージェントを使うと年収アップしやすいのか、その理由と具体的な活用術を詳しく解説します。
なぜ転職エージェントで年収が上がりやすいのか
転職エージェントを利用することで年収アップが実現しやすい理由には、明確な仕組みがあります。
非公開求人への特別なアクセス権
転職エージェントが保有する求人の約70%は非公開求人です。これらの求人は一般の転職サイトには掲載されず、エージェント経由でのみ応募可能な特別な案件です。なぜ非公開にするのかというと、企業が「高い給与を提示してでも優秀な人材を確保したい」と考えているからです。
高収入求人を非公開にする企業側の理由は以下の通りです:
- 現職スタッフに給与水準を知られたくない
- 競合他社に採用戦略を知られたくない
- 応募者の質を担保したい(エージェントの事前スクリーニングを活用)
- 採用にかける時間を短縮したい
プロによる年収交渉代行
転職エージェントの担当者は、あなたの代わりに企業と年収交渉を行います。個人で交渉するよりも、以下の理由で有利に進められます:
- 業界の年収相場を熟知している
- 企業の予算感や過去の採用実績を把握している
- 客観的な根拠に基づいた交渉ができる
- 企業との継続的な関係性を活かした交渉力
実際に、転職エージェント利用者の約35%が年収アップを実現しており、平均で年収50万円~100万円のアップを達成しています。
企業の内部情報による最適なマッチング
転職エージェントは企業の採用担当者と直接やり取りしているため、求人票には書かれていない貴重な情報を把握しています:
- 実際の職場環境や人間関係
- 昇進・昇格の可能性
- 今後の事業展開と求められる人材像
- 面接官の特徴や重視するポイント
この情報により、あなたの経験とスキルを最も高く評価してくれる企業とマッチングできるのです。
面談で希望条件を効果的に伝える3つのコツ
転職エージェントとの面談では、希望条件の伝え方次第で紹介される求人の質が大きく変わります。
コツ1:具体的な数値で現状と希望を明示する
曖昧な表現ではなく、具体的な数値で現状と希望を伝えましょう。
良い例: 「現在の年収は480万円(基本給32万円、夜勤手当等込み)です。転職後は年収600万円以上を希望します。これは家族の将来設計を考慮した目標で、特に子どもの教育費を賄える水準として設定しています」
悪い例: 「今より給料が良いところを希望します」
具体的な数値を示すことで、エージェントがあなたに最適な求人を絞り込みやすくなります。
コツ2:希望条件に優先順位をつけて伝える
すべての希望を満たす求人は稀です。優先順位を明確にすることで、より現実的で満足度の高い提案を受けられます。
効果的な伝え方:
- 最優先:年収600万円以上
- 重要:日勤中心の勤務(夜勤月2回以下)
- 希望:通勤時間30分以内
- あれば良い:研修制度の充実
「年収を最優先に考えていますが、ワークライフバランスも重視したいです。夜勤が少ない職場であれば、通勤時間は多少長くても構いません」
コツ3:転職理由をポジティブな成長意欲として表現する
ネガティブな転職理由をポジティブな表現に変換することで、エージェントもより良い提案をしやすくなります。
変換例:
- ×「人間関係が悪い」→ ○「チームワークを活かした看護を実践したい」
- ×「給料が安い」→ ○「スキルに見合った評価を受けたい」
- ×「夜勤がきつい」→ ○「ライフステージに合った働き方を実現したい」
非公開求人を最大限に活用する戦略
複数のエージェントを同時活用する
優良な非公開求人は各エージェントが独占的に保有している場合があります。2~3社のエージェントに同時登録することで、より多くの選択肢にアクセスできます。
おすすめの組み合わせ:
- 大手総合型エージェント:求人数の多さと企業との強いパイプ
- 看護師専門エージェント:医療業界特化の深い知識と専門求人
- 地域特化型エージェント:地元企業との強いネットワーク
定期的なコミュニケーションを維持する
良い非公開求人は突然現れます。エージェントとの定期的な連絡により、タイムリーな情報提供を受けられます。
- 月1回程度の現状報告
- 希望条件の変化があれば即座に共有
- 面接結果や内定状況の詳細な報告
スカウト機能を積極的に活用する
多くの転職エージェントにはスカウト機能があります。詳細なプロフィールを登録することで、企業からの直接スカウトを受けられます。
プロフィール充実のポイント:
- 具体的な臨床経験年数と分野
- 取得資格と専門スキル
- これまでの成果や実績
- 今後のキャリアビジョン
年収交渉を成功させるプロのテクニック
市場価値の客観的な根拠を準備する
年収交渉では感情論ではなく、客観的なデータに基づいた根拠が重要です。
準備すべき資料:
- 同職種・同経験年数の年収相場データ
- 現職での成果や実績(数値化可能なもの)
- 保有資格や専門スキルの一覧
- 他社からの内定条件(複数あれば比較材料に)
交渉のタイミングを見極める
年収交渉には最適なタイミングがあります。エージェントと相談しながら、以下のタイミングを狙いましょう:
- 最終面接通過後、内定前
- 企業側があなたを強く求めている状況
- 他社からも内定が出ている場合
- 入社承諾の判断を求められた時
段階的な交渉戦略
一度に大幅な年収アップを求めるよりも、段階的なアプローチが効果的です:
- まず企業の提示額を確認
- 市場相場との比較を提示
- あなたの付加価値を説明
- 具体的な希望額を提示
- 入社後の昇進・昇格の可能性を確認
転職成功後のフォローアップ活用術
転職エージェントとの関係は入社後も続きます。この関係を活用することで、さらなるキャリアアップの機会を掴めます。
入社後のフォローアップを受ける
多くのエージェントは入社後3ヶ月、6ヶ月、1年のタイミングでフォローアップを行います。この機会を活用して:
- 職場環境への適応状況を相談
- 今後のキャリアプランを再検討
- 次回転職に向けたスキル強化のアドバイスを受ける
長期的な関係性を構築する
優秀なエージェントとの関係は一生の財産になります。定期的な情報交換により、将来的により良い機会に出会える可能性が高まります。
転職エージェントの戦略的活用により、年収600万円の実現は決して困難な目標ではありません。この活用術を実践して、理想のキャリアと収入を手に入れましょう。
5.年収600万円以上を目指すなら登録すべき転職サイト
では、実際に年収600万円以上を目指す場合に、看護師が登録しておくべきサイトは何がおすすめなのでしょうか?
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ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)|求人数・実績・サポートが充実している!
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6.看護師が年収600万円以上得るために必要なマインドセット
看護師として、年収600万円以上を得るためには、仕事に対する考え方も重要です。
意識しておきたいマインドセットは以下の5つです。
年収600万円以上を目指すうえで大切な指標になるので、参考にしましょう。
主体性を持つ姿勢
主体性を持って、自らの成長や目標達成のために積極的に行動することが大切です。
まずは自分自身の強みや弱みを把握し、どういう目標を達成したいのかを明確にしましょう。
例えば、研修や勉強会に参加する、新しい取り組みを提案する、問題点を自ら発見して改善策を考えるなど、自発的な行動が大切になります。
粘り強い姿勢
挫折や失敗があっても諦めず、継続的な努力が大切です。
目標達成に向けて何度も試行錯誤し、成功体験を積み重ねることで自信をつけましょう。
例えば、難しい患者や治療法に対しても諦めずに最善のアプローチを模索する、失敗を機に改善策を考えるなど、挑戦し続けることが重要です。
責任感の強さ
自分自身が担うべき役割や業務に責任を持ち、最善を尽くすことも重要です。
責任を全うするには、業務内容や知識、技術などをしっかりと身につける必要があります。
例えば、患者やチームメンバーの安全や満足度を最優先に考え、自ら率先して業務にあたることが大切になります。
チームワークの意識
看護師は医師や他の医療スタッフと協力して患者を治療するため、個人の能力だけでは限界があります。
仕事の進め方や問題の解決などに向けて、周囲のスタッフと協力して取り組むことも大切です。
例えば、他のスタッフにも意見を聞く姿勢を持ち、情報共有を徹底して協力し合うことが重要になります。
感謝の気持ち
自分を支える周りの人たちへの感謝の気持ちを示すことも大切です。
ただ感謝するだけでなく、周囲の人々の支援に役立てることで、より良いチームや組織の構築にもつながります。
感謝の気持ちを忘れずに、周りの人たちに対して常に敬意を払い、協力し合いましょう。
例えば、患者やチームメンバーに対して感謝の言葉をかける、お礼状を書く、手作りのプレゼントを渡すなど、感謝の表し方はさまざまです。
7.よくある質問
Q.どういう職場で働けば年収600万円以上を狙えますか?
A.大学病院や大手の民間病院など、規模の大きい施設や、教育・研究機関などが高年収を実現しやすい職場です。
Q.どういう経験が収入アップにつながりますか?
A.手術室やICUなど、高度な技術や専門性が求められる部署での勤務や、管理職や教育担当などの経験が重要視される場合があります。
Q: 年収600万円以上を得るにはどういうスキルが必要ですか?
A: 専門的なスキルや経験、リーダーシップや人材マネジメント能力が求められます。
Q: 勤務地によって年収に違いがあるのでしょうか?
A: 勤務地によって年収に差があり、特に大都市圏などの需要が高い地域は、給与水準が高くなる傾向があります。
Q: 20代で年収600万円を目指せますか?
A: 20代で年収600万円は困難ですが、不可能ではありません。
一般的な20代看護師の平均年収は約428-487万円ですが、美容外科クリニックや外資系医療機器メーカーなどの特殊分野では可能性があります。また、認定看護師や専門看護師の資格取得、管理職への早期昇進を目指すことで実現できる場合もあります。現実的には30代前半での達成を目標とし、20代は資格取得や経験蓄積に注力することをおすすめします。
Q: 年収1,000万円を目指すことは可能ですか?
A: 看護師で年収1,000万円は十分可能です。
具体的なルートとして、①美容外科クリニックの院長クラス、②外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリスト、③医療コンサルタント、④大規模病院の看護部長、⑤訪問看護ステーションの独立開業などがあります。特に美容医療分野や企業側での活躍、管理職への昇進が鍵となります。専門性の高いスキルと経営視点を身につけることで、看護師の枠を超えた高収入が実現できます。
Q: 夜勤なし(日勤のみ)で年収600万円を達成する方法はありますか?
A: 日勤のみでも年収600万円は達成可能です。
主な方法として、①訪問看護ステーションの管理者(年収550-650万円)、②美容クリニックの主任・師長クラス、③健診センターの管理職、④企業看護師(産業保健師)、⑤医療機器メーカーのフィールドナース等があります。特に訪問看護分野は成長市場で管理職需要が高く、美容医療は高単価診療により高収入が期待できます。資格取得と管理経験の蓄積が成功の鍵となります。
8.さいごに
看護師が年収600万円を目指すのは、現実的に可能かどうか解説しました。
結論を再掲すると、若いうちに年収600万円を超えるのは少々ハードルが高いです。
しかし、着実にキャリアを積み上げて以下に該当する方なら、十分可能と言えます。
- 正職員で勤続年数20年以上
- 中間管理職以上の役職に就いている
- 規模の大きい病院で働いている
- 可能な限り夜勤シフトに入っている
- 転職を経験している
なお、看護師はなかなか給料が上がらない職種と言われることも多いです。
『【徹底解説】看護師の給料が上がらない4つの原因&年収を上げる現実的な方法』で詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてください。