「訪問看護の仕事を辞めたい」とお悩みではないですか。
人手不足による長時間労働や人間関係のいざこざ、利用者やその家族との関わりなど色んな悩みが積み重なって、「いっそのこと違う仕事に移った方が良いのでは」と思う瞬間がありますよね。
理想の看護を思い描いて訪問看護に挑戦してみたものの、現実とのギャップに直面して「もうこれ以上続けるのは無理かも」と悲観的になることもあるのではないでしょうか。
ストレスの限界を迎えたまま、訪問看護師として働き続けるのはおすすめできませんが、かといって勢いのままに辞めてしまうと後悔してしまうかもしれません。まずは「辞めたい」と感じる理由を把握して、適切に判断する必要があります。
そこでこの記事では、数多くの看護師転職を支援してきた私が、訪問看護師を辞めたいと感じたときの対処法について解説します。
- 訪問看護師を辞めたいと感じる理由
- 訪問看護師を辞めた人の割合
- 訪問看護師を辞めたいと思ったときのやるべきこと
- 訪問看護師を辞める前にやりがいを再確認しよう
- 訪問看護の職場が合わずに辞めたいときに見極めるべき2つのポイント
- 訪問看護師を辞めたいときの退職理由の伝え方
- 訪問看護以外の転職先候補一覧
- 訪問看護師の転職におすすめの転職サイト3選
すべて読めば、訪問看護師を辞めたい理由を改めて把握でき、今後どうすべきかを判断することができるでしょう。
1. 訪問看護師を辞めたいと感じる理由
訪問看護師ステーションは、一般病棟とはまた違った特殊な環境であり、働き方もかなりハードです。訪問看護師を対象にした調査を見てみると、そういった環境・働き方ならではの辞めたい理由が見えてきました。
- 理由1.失敗できない責任の重さ(ケアへの不安)
- 理由2.給料が低くて割に合わない
- 理由3.職場の人間関係に疲れる
- 理由4.オンコール待機の負担
- 理由5.利用者や家族とのコミュニケーションがきつい
- 理由6.休みが取れなくてしんどい
実際に訪問看護師として働く方のコメントとともに、退職に至る理由を紹介していきます。
理由1.失敗できない責任の重さ(ケアへの不安)
上記の調査でやむを得ない理由(家庭の事情など)を除いて、最多の辞める理由は「一人で患者宅を訪問することの責任の重さ」でした。
自分の判断で行動しなければならない
訪問看護ステーションに転職する時点である程度キャリアは重ねていたとはいえ、全て自分一人で判断し、適切な看護ケアを提供しなければならない環境は精神的にかなりきついですよね。
特にこれまで経験したことのない状況に陥ったりしてしまうと、その後しばらく不安感がつきまとうこともあるでしょう。
他スタッフとの連携がスムーズにできるならまだ対処できるかもしれませんが、個人の裁量が大きい施設だと責任の重圧を感じて退職を考えるに至るようです。
補足:業務内容についてのよくある理由
- 一人で利用者の問題を背負い込むのがつらい
- 自分の未熟さを感じて自信がなくなった
- 技術や経験が足りず、利用者の意向に沿えない
- 患者の死に直面するのが精神的につらい
- 自分は訪問看護の仕事に向いてないと感じる
理由2.給料が低くて割に合わない
訪問看護師を辞めたい理由に、給料の低さもあります。
訪問看護ステーションの仕事は、人手不足・重責・体力的な負担など、かなりハードな働き方をしなければならないこともありますが、その分稼げるかというとそうではありません。
もちろんお金が全てではありませんが、とはいえ「日々大変な思いをして仕事をしているにもかかわらず、給料がそれに見合わない」となれば、退職を考えるのも無理はないでしょう。家庭・生活面の事情によって、仕事を辞める方もいるようです。
訪問看護の方が一人退職されるけど、お子さんが進学するから、訪問看護では稼げないからが理由。病院もだけど、訪問看護やヘルパーも妊娠出産や子供の為にって方たくさんいる。
出典:Twitter
給料については『訪問看護師の給料っていくら?訪問看護ステーションの平均年収・時給相場を徹底調査』で詳しく解説しています。
理由3.職場の人間関係に疲れた
人間関係の悩みは、看護師が辞めたいと思う定番の理由であり、訪問看護師も例外ではありません。
出典:Twitter
一人で患者宅を訪問する仕事ではありますが、とはいえスタッフ同士の関わりは避けられるものではありませんよね。特に小規模の施設であるほど、閉鎖的な環境になってしまい、毎日同じ人と顔を合わせることになります。性格的に合わない人との関わりに苦心する方も多いでしょう。
一人当たりの業務負担が大きいほど各々の余裕がなくなり、職場環境全体がギスギスしたり、人間関係のトラブルが生まれたりしやすくなります。訪問看護ステーションは、看護師の職場の中でも特に人手不足であり、そういった状況になりやすい職場とも言えます。
補足:人間関係についてのよくある理由
- 管理者への不信
- 上司と意見が合わない
- 主治医との意見の相違
なお、良好な人間関係の築き方については『看護師の人間関係の悩みに効果抜群!心理学にもとづく6つの改善策』で解説しているので参考にしてください。
理由4.オンコール待機の負担
訪問看護ならではの「自宅でのオンコール待機」も、看護師にとってかなり負担が大きく、退職の一因になることもあるようです。
もちろん、電話口の対応だけで済むことも多かったり、事業所によってはそれほど頻繁になかったりするところもあるようですが、「いつ連絡が来るか分からない状況」は精神的にしんどいと感じる人も多いようです。
またオンコール待機の負担は施設によってかなり違いがあります。
オンコールの応対を代行業者に委託しているステーションならそれほど大変ではないかもしれませんが、そうでない場合はスタッフ間で順番に対応しなければなりません。人手不足の施設ほどハイペースで当番が回ってくるので、相当な負担になるでしょう。
理由5.利用者や家族とのコミュニケーションがきつい
利用者や家族とのコミュニケーションの大変さも、訪問看護が辞めたいと思う理由の一つです。
実際に小児訪問看護を行っている看護師に話を聞いたところ「かなりきつい」という返答が得られました。
業務に加えて看護計画や評価など記録物が多いのはもちろん、患者さんだけでなく家族も含めてケアを考えていかなければならないので、かなりキツイというのが正直なところです。
個人のおうちにお邪魔するので、病院以上に患者や家族の信念・価値観、場合によっては宗教観も踏まえて関わっていかなければならないんです
また、訪問看護の利用経験が長いご家庭(1年以上継続しているなど)で、担当変更の場合は、前任者と比較されてハラスメントまがいの発言を受けることもあります。
特に私が担当しているのが小児訪問看護ということもあり、ご家族の方もかなり精神的にナイーブになられている方も多いです。初めのうちにご家族からの信頼を得られなければ、かなりツラいと思います。
特に働き始めたばかりの方は、こういった特殊な環境になかなか適応できず、辞めたいと思ってしまうのも無理はないでしょう。
理由6.休みが取れなくてしんどい
訪問看護師の中には、休みの取りづらさが辞める原因になっている方もいます。
たまに何でこんなに働いてんだっけって思う。
病院勤務より楽しいけど、訪問看護休み取りにくいのがしんどい。
出典:Twitter
これもやはり、訪問看護の人手不足問題が原因と考えられます。常にギリギリの人員で仕事を回しているため、急な休みや希望休の調整が難しく、時には私生活に影響してしまうこともあるでしょう。
なお、訪問看護師の退職理由第一位は「やむを得ない事情(育児・介護など家庭の都合)」であり、一般病院と同様に訪問看護にも、家庭との両立が難しいという側面があるようです。
2. 訪問看護を辞めた人の割合
訪問看護師を辞めた人の割合について解説します。
訪問看護師を辞めた人の割合は以下のとおりです。
引用:厚生労働省
医療・福祉業界の離職率は14.2%となり、全体の6位です。
看護師はどこの病院でも仕事はしんどいですし給料が安いのが原因で、転職を考える理由にもなっているのが現状です。
次に、実際に辞めたいと思っている人の口コミをみてみましょう。
訪問看護を辞めたいと思う人の口コミ
ここでは、訪問看護師および、看護師を辞めたいと思っている人の口コミを見ていきます。
今辞めたいと思っている人は、口コミを参考にして転職するか看護師を続けるかの判断基準にしてみてください。
口コミ①
休みでも自分が担当した利用者からの不安の電話対応や時間外お宅訪問などプライベートがないことも。まあ、どれだけ自分の精神が持つのかやってみないとわからないけどね。
出典:看護roo!
訪問看護師は一人の看護師につき一人の患者さんをみるので、自分が休みの日に患者さんに急用があれば、休みの日でも電話などで対応をしなければいけないです。
口コミ②
解らないことに遭遇しても、周りに聞けるメンバーはいません、連絡しても皆さん訪問中で連絡来ない、点滴もポートばかりではありませんし、ルートが入らない時も一人で対応です。病院勤務の方が圧倒的に楽。
出典:看護roo!
訪問看護師は一人で仕事をするので、分からないことがあれば人にすぐ聞けないです。それとは逆に病院勤務であれば他の看護師さんやお医者さんがいるので、その都度聞くことができます。
口コミ③
訪看、私も興味ありましたが患者との関わりの他に家族との関わり、往診医との連携、ケアマネとの連携と大変で24時間対応なら急変あったら真夜中でも車出して行かないといけない。私はやめました。
出典:看護roo!
訪問看護師は患者さんだけでなく家族の人や、往診医の方と連携をとる必要があり、24時間で対応する必要があることもあります。
訪問看護師を経験した人の口コミを紹介しました。訪問看護はやりがいもあり人を助ける重要な仕事です。重要な仕事であるためにその分しんどいことやきつい仕事なのは間違いないでしょう。
3. 訪問看護師を辞めたいと思ったときにやるべきこと
「仕事を辞めたい」と思いつつも、実際に辞めて良いか判断できず、退職を視野に入れつつも二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本章では「辞めたい」と思った時に、どういった基準で判断すべきかを順を追って解説します。
3-1. まずは辞めたい理由を全て列挙する
最初にやるべきは、「辞めたい理由」を全て挙げてみることです。
漠然と「なんとなく辞めたい思いが強くなってきた」では適切な判断はできません。勢いのまま辞めてしまうと、後悔する恐れがあります。理由が漠然としたままだと、次の仕事探しでも「職場選びの軸(優先度や判断基準)」がぼんやりしてしまうので、同じような職場に転職してしまう可能性もあります。
そこで、まずはもやもやとした辞めたい気持ちを細かく分けて整理していきましょう。
職場を辞めたい理由は一つだけとは限りません。たいていの場合、いくつかの理由が積み重なって「辞めたい」という気持ちに至るものです。
「辞めたいと思ったきっかけ」や「どういう部分が不満なのか」を起点にして、1章の内容も参考にしながら、辞めたい理由を言語化していきましょう。
上記の方の場合、「仕事量が多く体力的にきつい」「給料が見合わない」「人間関係が悪い」「向いてない気がする」という4つの理由が積み重なって「辞めたい」という感情が生まれていることが分かりました。
3-2. 「時間が解決する可能性」と「自分の行動次第で改善する可能性」を見極める
次に、「時間が解決する可能性」と「自分の行動次第で改善する可能性」を見極めます。
■時間が解決する可能性
…今の職場(部署)で働き続けるうちに、悩み・不満が解決する可能性があるか
■自分の行動次第で改善する可能性
…自分の行動次第で、悩み・不満が解決する余地があるか
この2つを軸に、仕事を辞めたいと思うよくある理由を分類してみます。結論から言うと、辞めたい理由が左下に偏っているほど、退職・転職をしても良いと判断できます。
図の左下にある理由は、端的に言うと「会社そのもの(職場環境)が原因となっており、自分の行動や時間の経過で解決が見込めないもの」です。
特に訪問看護ステーションは、ほとんどが小規模な職場なので、異動(会社を変えずに環境を変える)や休職(いったん時間を置く)が難しいでしょう。このため、退職・転職で環境を変えるが唯一の手段となります。
一方、右上に位置する理由は、今の職場でもある程度改善が見込める理由です。そのため、早まって辞めたりせず、まずは「今の職場でできることはないか考えてみる」ことを推奨します。
3-3. 同業種の人に相談してみる
訪問看護師を辞めたいと思ったときは、同業種の人に相談してみましょう。
同業種の人に相談することで、他の人の意見を聞くことができ、新しい考え方に気づけるからです。
自分一人で考え込んでいると、経験が少ない場合は一つの考え方しかできなくなります。同業種で経験豊富な人に相談することで、新しい選択肢や、自分の中にはなかった解決策が見つかるかもしれません。
訪問看護師は特殊な仕事でもあるので、普通の会社員ではわからない大変さがあります。そのため、辞めたいと思ったときは同じ経験をしたことがある人に相談してみましょう。
3-4.転職の準備を始めておく
もし辞めるかどうか判断しかねる場合は、ひとまず「転職の準備」だけでも着手してみることをおすすめします。
転職活動の準備とは
- 訪問看護の仕事を続けるか、別の仕事をするか考えておく
- 訪問看護の仕事を続けるなら、現職の不満点をもとに希望条件を明確にしておく
- 条件に合う求人があるかどうか転職サイトで検索してみる
- 業界や職種についての情報を収集しておく
- 転職サイトの担当者に相談だけでもしておく
仕事を辞めて次の職場を見つけるまでの流れは、(1).在職中に転職活動をする、(2).退職して失業手当を貰いながら転職活動に専念するの2通りありますが、辞めるかどうか迷っているなら、(1).在職中に転職活動をすることをおすすめしています。
次の職場の希望条件を考えたり、実際に求人を探したりすると、転職活動の方針や次の働き方の理想・希望条件が具体的になるからです。もし希望に合いそうな求人がたくさんあるなら、応募してみれば良いですし、転職サイトに良さそうな求人がないなら、退職はいったん保留にするという選択が取れます。
「自分の理想とする職場の求人はどれくらいあるのか」を事前に調べておき、その結果で辞める・辞めないの判断するのが最も現実的で賢明です。
また、次の仕事が決まる前に辞めてしまうと、無収入の期間が発生し、生活に影響する恐れもあります。ずるずると再就職活動をしてしまい、ブランクが長くなれば、その分採用に不利になります。
なかなか次の仕事が決まらないと焦ってしまい、妥協せざるを得なくなるかもしれません。合わない職場を辞めたのに、結局また同じような思いをして働くのは本末転倒でしょう。
このような事態に直面しないためにも、「迷ったら、勢いで退職せずにまずは転職活動の準備から始めてみる」ことをおすすめしています。
では次章から、もし辞める場合は次にどんな職場を選ぶべきかについて解説していきます。
4. 訪問看護を辞める前にやりがいを再確認しよう
訪問看護を辞めたい人は、もう一度看護師としての仕事のやりがいを再確認しましょう。
辞めたいと思っているときは、どうしてもマイナスのことしか考えられなくなります。看護師は「仕事もしんどいし給料が低い」と言われているなかで看護師を目指した理由ややりがいを見失っていることが多いです。
そのため、辞める前にもう一度看護師のやりがいを考えてから辞めるか続けるかを判断をしましょう。
4-1. 患者と向き合うことで感謝される
看護師の仕事は患者さんに感謝されることでやりがいにつながります。
患者さんは病気やケガで人の助けがないと生きていけないです。その患者さんの病気が治ったり良くなったりすると、「看護師さんのおかげで良くなりました!ありがとうございます」と言われます。
ただ病院では複数人の看護師と患者さんがいるので、長い期間、同じ看護師が同じ患者さんを見るわけではありません。よって、患者さん一人ひとりと深く関わることは少なくなります。
ただ、病院勤務は毎日のルーティン業務となってしまい、患者さんを「たくさんいる患者のうちの一人」としか認識できません。
それとは逆に、訪問看護師は一人の看護師に一人の患者さんが基本的につくため、深いコミュニケーションを図れます。さらに、訪問看護は一人の患者さんを年単位で担当します。患者さんは、健康状態が良くなったり元気になったりすると、看護師さんへの感謝の気持ちは大きくなるものです。
私も、手首を骨折し大事な大会に出場できなかったしんどい経験があります。その時は看護師さんに勇気をもらい、いろいろと声をかけてもらったおかげで元気がでて、前向きに考えられるようになりました。
以上のように、看護師さんに感謝する場面は多いです。看護師を辞めたいと思った時はしんどい経験や失敗した経験を思い出すのではなく、患者さんと向き合い感謝されていることをもう一度思い出しましょう。
4-2. 看護師としてレベルアップできる
看護師としてレベルアップができ、仕事の幅を広げることでやりがいにつながります。
訪問看護の仕事において、管理者側はもちろん社員ぞれぞれの責任も重く自分ひとりで判断する機会が多いです。訪問看護は一人で医療治療をおこなうので、処置の手際が良くなり、介護予防・高度医療などの診療科の域を超えた知識が身に付きます。
またさまざまな患者さんと出会うことで、なかにはうざいと思う人もいれば注文が多い人もいて、臨機応変な対応力が必要です。
訪問看護師は一人で患者さんと向き合わないといけないので、コミュニケーション能力や家族との接し方のマナーを学ぶことができます。
今はしんどい時でも将来の成長を見越しておくと辞めたいと思うことは減るでしょう。
5. 訪問看護の職場が合わず辞めたいときに見極めるべき2つのポイント
訪問看護を辞めたいという悩みは、職場環境を変えるだけで解決することも多いです。
見極めるべきポイントは以下の2つです。
本章では訪問看護師を対象にした研究「訪問看護師の職務継続意向に関連する要因」をもとに、「スタッフが働き続けたいと思う職場環境はどのようなものか」について解説します。もし違う職場(訪問看護ステーション)に移りたいと考えているなら、本章の内容を参考にしてください。
5-1.運営主体が社団法人
上記の調査では、「社団法人運営の訪問看護ステーション」で働く看護師ほど、長く働き続けたいと思っている、という結果が導き出されています。背景としては、社団法人運営の職場は理念や方針が共有されやすいからと考えられます。
社団法人は、民法に基づいて公益のために設立される法人のことで、営利を目的としない組織という特徴があります。社団法人は定款と呼ばれる基本事項(ルールブックのようなもの)を作成し、社員が社員総会で最終的な意思決定を行います。このため社団法人では、社員の理念や運営方針が職場全体に反映されやすくなる傾向にあるのです。
社団法人の特性上、社会的意義を実感したり、理想の看護を実現できたりといったやりがいを感じられやすいことから、長く働ける要因になっていると考えられます。
5-2.休憩スペースがある
上記の調査では「休憩スペースがある訪問看護ステーションで働く看護師は、長く働きたいと思いやすい」という結果が出ています。
訪問看護師は外出の機会が多く、それほど重要視されていませんが、意外にも勤続意欲と相関があるようです。
背景としては、以下2点が考えられます。
- 体をゆっくりと休める空間があることがリフレッシュにつながる
- 雑談が自然と生まれるなど、コミュニケーションを取るきっかけとなり人間関係を良好に築ける
実際に、医療職種を対象にした調査では、落ち着いて休憩とれるかどうかは職務満足度に影響すると言われています。(参考:産科診療所に勤務する看護職の就業継続意志に影響を与える要因)
また、先輩看護師と距離を縮めるような会話も、心理的に良い影響を与えると言われていますが、休憩スペースがないと、日常の雑談を行う場が限られてくるので、どうしても殺伐な空間になってしまいやすいです。
こういった背景から、次の職場を選ぶ際は「休憩スペースの有無」も観点に入れておくことをおすすめします。
6. 訪問看護師を辞めたいときの退職理由の伝え方
訪問看護を辞めたいときの退職理由の伝え方を紹介します。
退職理由を伝えるときに「しんどいと正直に伝えていいのか」「疲れたから転職したい」など退職理由で悩んでいる人は多いです。退職理由によっては、相手を不快な思いにさせたり、怒らせたりする可能性もあります。
辞めるときは、職場の人が相談相手として助けてくれるような良い関係を築くための円満退職が必須です。
訪問看護師を円満退職するための退職理由は以下の2つです。
実際に退職理由の伝え方の例文を紹介するので、辞めるときの参考にしてください。
6-1. 訪問看護が合わなかった
一つ目の退職理由は「訪問看護が合わなかった」です。
”合わなかった”と伝えると、相手側は「自分と向き合った結果でその結論になったのか」と納得してくれます。
実際に、訪問看護をしていて「きつい」「しんどい」と思って辞めたいと思う人も多いでしょう。そのまま「訪問看護がしんどいから辞めたいです」と伝えてしまうと、「そんなの当たり前!どこの業界いっても一緒!」と突っ張られてしまいます。
そのように言われてしまうと、もう少し頑張らないといけなくなり辞められず、人間関係も悪くなってしまうので言い方には気を付けましょう。退職理由は正直に伝えるのではなく、「訪問看護師が合わなかった」と伝えるといいです。
例文を紹介します。
ずっと悩んでいて自分には何が向いているのか一から見つめ直した結果、訪問看護師が合っていないことがわかりました。なので、退職させていただきます。
例文のポイントは以下のとおりです。
- ”合わなかった”だけを伝えない
- 見つめ直したことを伝える
真剣に悩んだことが伝われば、スムーズに受け入れてくれます。
6-2. 他の業種に挑戦したい
二つ目の退職理由は「訪問看護師以外の他の業種に挑戦したい」です。
この理由であれば、周りの人は応援するしかないので清々しく辞めることができます。
今の時代、辞める人を無理やり止めるとパワハラになる可能性があるので、上司や先輩はあまり強く言えません。他の業種に挑戦したい理由であれば、その人次第ということもあり辞めることを止めにくいです。
ただ、この退職理由を伝えた時に”他の業種”について深く聞かれることもあります。あらかじめ挑戦したい業種や、次に転職する業種は詳しく説明できるようにしておきましょう。
例文を紹介します。
訪問看護師としての今までの経験を活かして、他の業種に挑戦したいと思いました。
訪問看護師をやっていくなかで、私はやっぱり昔からの夢である○○に挑戦したいなと思い、いろいろ考えた結果、今しか挑戦できないと思ったので、辞めることにしました。
例文のポイントは以下のとおりです。
- 現職の経験を活かすこと
- 挑戦したい熱い思い
私も、会社を辞めるときに挑戦したいことがあると伝えると職場のみんなから応援してもらえました。
他の業種に挑戦したい理由は、説得力のある退職理由です。
7. 訪問看護を活かせる転職先候補一覧
「仕事内容にやりがいを感じられなかった」「ある程度経験を積んでも、適性を感じられない」という方は、訪問看護以外の転職先も検討してみましょう。
特に責任の重圧などは、病院・訪問看護ステーション以外の以下のような職種であれば悩むことも少なくなるでしょう。
病院以外の職場一覧
- 一般のクリニック
- 健診センター(労働衛生機関)
- 保育園
- 児童養護施設
- 大学の保健室
- 治験医療機関
- 一般企業
- 介護施設
こういった職場であれば、夜勤や命に関わるような業務もなく、ストレスがかかりにくいです。病院・訪問看護ステーション以外の職場については『病院以外に転職したい看護師に人気の職場一覧【夜勤なし&高収入も可】』を参考にしてください。
8. 訪問看護師の転職におすすめの転職サイト3選
数ある転職サイトのなかから、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
- 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下のとおりとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
---|---|
1位 看護roo! | 55,907件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 135,763件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 60,875件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
※求人数2022年8月更新
この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1
『看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No1の看護師転職サイトです。
登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。
看護roo!の特徴
- 利用者満足度96.3%
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- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるため、希望にぴったりの求人を見つけやすくなるでしょう。
『看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。
信頼と実績も十分で、面接時に希望者には専任の女性スタッフが同行してくれるなど、きめ細かいサポートが魅力といえます。
こんな看護師さんにおすすめ
- みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- はじめての転職で不安なのでプロに相談したい
2位.レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 求人多数で選択肢の幅が広い!
『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材を行っており、現場のリアルな情報を提供しています。レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の特徴
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「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえるのもポイントです。
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- 求人数は6万件以上
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こんな看護師さんにおすすめ
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい
まとめ
訪問看護を辞めたいと思う理由と、退職すべきかの判断基準を解説しました。
離職率の高さが示すように、訪問看護はかなりハードな仕事なので、辞めたいと思うのも無理はないでしょう。
ただ辞める理由を明確にしておかないと、同じ失敗を繰り返してしまう懸念があるので、当記事で解説した内容に沿って、退職すべきかどうかを判断してみてください。
もし退職を現実的に考えているのであれば、転職サイトなどに登録し、転職の準備だけでも始めておきましょう。
あなたが良い選択をできることを、陰ながら祈っております。