「ICUで働きたいけど、自分に適性はあるのかな」とお考えですね。
結論、以下に該当するほどICU看護師の適性があると言えます。
- 観察力・洞察力がある
- 責任感が強い
- 協調性がある
- 体力がありメンタルが強い
- 向上心が強い
- 看護師としてスキルアップしたい
反対に、以下に該当する方は、ICUというかなり特殊な環境下の仕事は不向きです。
- プレッシャーに弱い
- 患者とじっくり向き合いたい
- キャリアより私生活重視
この記事では、ICU看護師の具体的な仕事内容を踏まえながら、上記の適性について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、ICU看護師の仕事内容や適性を理解し、「自分にICUの仕事が勤まるかどうか」が分かるようになるでしょう。
[simple-author-box]1. ICU看護の仕事内容とは
まずは適性を正しく判断するために、ICU配属の看護師が担当する仕事を大まかに把握しておきましょう。
ICUの仕事内容
- 治療の補助
…創傷処置・薬剤投入・心臓マッサージ・気管切開など - 心電図のモニタリング
…心拍の異常がないか、急変の兆しがないか注視 - 医療機器の管理
…呼吸器・心肺装置・透析装置 - 生活のサポート
…保清、口腔ケアや食事介助など
ICU看護師の役割は、患者さんの状態管理や異常の早期発見を行うことです。
異常を発見した場合は、正確なアセスメントを行ったうえで、医師に報告し、必要な処置にあたる必要があります。異常に気付いてから対応するまで、一刻の猶予も許さない状況もあるので、細心の注意を払わなければなりません。
また、意識障害の患者さんも多いため、体位変換や保清などのケアでは体力を使います。他にも、せん妄や夜間不穏を防ぐための昼夜リズムを意識した関わりや、患者・家族とのコミュニケーションも必須です。
一般の病棟とはやや違った特殊な環境なので、その分適性もはっきりと分かれます。人によっては、負担の大きい職場となるでしょう。
では次章から、ICU看護師に向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。
2. ICU看護師に適性がある人の特徴
以下の特徴に当てはまる方は、ICU看護に向いていると言えます。
それぞれ詳しく紹介します。
2-1. 観察力・洞察力がある
小さな変化を見逃さない「観察力」がある人は、ICU看護師に適性があります。
ICUには意識がない患者さんも多く、心電図モニターや人工呼吸器をこまめにチェックする必要もあります(重症の患者の場合、15分おきに観察することもある)。
患者さんの全身状態や、心電図・人工呼吸器の数値をもとに観察とアセスメントを繰り返し、患者さんの異変を早期に発見する役割を担います。
ICUに入院する患者はいつ急変してもおかしくない病状の患者さんが多いので、観察力が無いと患者の異変に気付くことができません。些細な変化に気づく力は、もはや必須と言えます。
2-2. 責任感が強い
生命に直結する仕事を担うICU看護師は、責任感の強い人物ほど適性があります。
また、ICUはどうしても医療的処置や治療がメインとなりやすい環境なので、患者さんの尊厳や家族の意向などがないがしろにならないように配慮しなくてはなりません。
必要であれば、患者さんのために医師と意見交換をすることも大切です。
責任感を持って働くなかで、患者さんの容態が安定してくることに大きなやりがいを感じることができるでしょう。
2-3. 協調性がある
協調性があり、他職種の方とコミュニケーションを取れることもICU看護師には欠かせません。
というのも、ICUは医師・看護師・臨休工学技師など他分野の専門職と密接に関わる環境だからです。
例えば、薬剤師とともに薬の投与方法・投与量を確認したり、理学療法士とともに集中治療室での急性期リハビリテーションに参加したりします。
このように、ICU看護師は他職種の方と連携して業務を行うため、協調性が求められます。
2-4. 向上心が強い
病態生理や医療機器などについて学ぶ意欲がある人も、ICU看護師に向いているといえます。
看護師として他では得られないスキルを身につけられる
ICUの患者さんは容体が急変することも多く、その中でICU看護師には瞬時に、的確に物事を判断することが求められます。
また、診療科を超えて患者さんを受け入れるので、幅広い疾患への知識がつきます。
これらのことから、ICU看護師で経験を積んだ看護師さんはどこでもやっていけるスキルや経験が身につくので、将来のためになります。
転職や異動の時も間違いなく武器になるはずです。
3. ICU看護師に適性がない人の特徴
一方で、ICU看護師に適性がない人の特徴は以下の通りです。
では、解説していきます。
3-1. プレッシャーに弱い
プレッシャーに弱い方は、適性を慎重に検討する必要があります。
命を預かるプレッシャーや、ICU独特の雰囲気にストレスを感じる方もたくさんいらっしゃいます。
一歩間違えると患者さんを死なせてしまうという状況も多く、現場はピリピリしていて、時には罵声も飛び交います。「できない」と判断されると居場所をなくすこともあります。
他の診療科などを経験した方は、他と比べてもきついとおっしゃる方も多いのがICU看護師です。
精神的なプレッシャーが非常に大きい
ミスがあってはいけないし、1分1秒を争う場面ばかりですので、みんなピリピリしています。
最初配属された時は特にひどく、医師や先輩についていけないと何もするな!と怒鳴られることもありました。
できない子として扱われ、居場所がない時期もありました。
今は、勉強をしっかりし、毎日神経をとがらせて、必死について行っています。
逃げ出したい気持ちを必死に我慢して働いています。
機械操作などを任されることもあり、すごく責任のある仕事の分、プレッシャーは大きいです。
家に帰ってからも頭から人工呼吸器のアラーム音が離れません。
こういった緊張感ただよう空気に耐えられない人は、ICUに向いてないといえます。
3-2. 患者とじっくり向き合いたい
患者とのコミュニケーションを大切にし、多く関わりを持ちたい人にはICUをおすすめしません。
ICUには話すことのできない患者さんも多く、機械とにらめっこしながら状態を見ることが多いです。患者さんと会話しながら看護するというスタイルが理想の方には合わないでしょう。
患者さんと会話ができない辛さも…
患者さんとコミュニケーションをとりながら..というのが私の理想ですし、その分モニターを見ながら患者さんの変化を見なければいけません。
患者さんと話すこともできず、聞こえてくるのは機械の音だけ。
職場には患者さんが話せないのをいいことに暴言を言う先輩もおり、望んでいた看護ができていないと感じます。
患者の生活に寄り添い、じっくりと向き合う看護がしたい方は、ICUという特殊な環境は不向きと言えます。
3-3. キャリアより私生活重視
ICU看護師は、数多くの症例や機器について、勉強しなければなりません。
覚えなければいけないことが多い
知識がないと全然ついていけないので、休みの日も必死に勉強をしていました。
やってもやっても足りないという感じで体調を崩しました。
まああの時の経験は今もしっかり生きているんですが、本当に大変でした。
ICU看護師は知識が必要で、勉強会なども多いです。
ミスが許されない中で、瞬時の判断が求められるので、知識がないとついていけません。
家で休みの日に勉強したり、寝る間を惜しんで勉強をしている看護師さんも多いです。
そのため、ICUでスキルアップしたいという強い意思がなければ続けていくのは難しいでしょう。
「働きながら勉強し続けるのはきつい」という方は、ICU看護師には向いていないといえます。
まとめ
ICU看護師の適性を、以下の表にまとめます。
適性あり | 適性なし |
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ICUはかなり特殊な環境なので、イメージがつかない方もいるかもしれません。その場合は『ICU看護師ってどんな仕事?転職前にしっておくべきキツイ点・大変なところ』の記事を参考に、仕事内容をより具体的に理解しておきましょう。
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この記事があなたのキャリアに役立つことを願っています。
勉強会が多く、自分の時間が取れなかったり、少しのミスが患者さんをどうにかしてしまうプレッシャーから毎日キリキリして働いていました。
でも得られたものは大きかったです。今は転職して慢性期病棟に行きましたが、その時の経験がかなり生きていると毎日実感しています。
まず、とっさの時の判断が自信を持ってできるようになったこと。
また、ICUでは色々な疾患の患者さんを看ていたことから、今の職場でもすぐに戦力として働けたと思います。