准看護師から看護師になるには?キャリアアップを叶えるための全知識

「准看護師から看護師になりたい」
「看護師を目指すべきなの?」

とお考えですね。

准看護師から看護師になるためには、看護師学校養成所2年課程(以下、2年課程)を修了し、看護師国家試験に合格する必要があります。

2年課程の種類は3つあり、最短2年で看護師国家試験の受験資格が得られる学校もあります。

もちろん、働きながら通える学校もありますし、准看護師の実務経験年数によっては通信制の学校に通うこともできます。

ただ、学校によって看護師資格の取得にかかる期間や学費は異なるため、事前にしっかり調べたうえで学校選びをすることが大切です。

この記事では、元看護師の私が、准看護師から看護師になるための方法を以下の流れでご紹介します。

  1. 准看護師から看護師になるには
  2. 気になる学費はどのくらい?
  3. 【まず結論】なぜ今、准看護師から看護師へのステップアップが推奨されるのか
  4. 准看護師から看護師になる時に気を付けたい4つの注意点
  5. 【この記事の最重要ポイント】仕事・家庭との両立、年代の不安を乗り越える方法
  6. 【卒業生インタビュー】私たちが看護師を目指したリアルな体験談

この記事を読めば、准看護師になるための方法だけでなく、取得にかかる期間、費用などがわかり、キャリアアップに近付くことができるでしょう。

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目次

1.准看護師から看護師になるには

准看護師から看護師になるためには、2年課程を修了し、看護師国家試験の受験資格を得る必要があります。

准看護師から看護師になるには

引用:ジョブメドレー

2年課程は全国各地にあり、ご自身のライフスタイルに合った学校を

の3パターンから選べます。

1-1.全日制(2年)

全日制の2年課程は、2年間で看護師国家試験の受験資格が得られる学校です。

朝から夕方まで授業や実習が行われますが、最短で看護師国家試験の受験ができます。

受験資格①中学校卒業後、准看護師の免許を取得し3年以上の実務経験がある人
②高校卒業後 、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可)
③高認試験合格後、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可)
取得にかかる期間2年間
登校日数講義や実習は平日の9時~16時くらいまで行っている学校が多い
通信制が向いている人
  • 最短で看護師国家試験の受験資格を取得したい人
  • 集中して勉強したい人
  • 仕事との両立が難しいと感じている人
  • 通学している期間の収入が減少しても問題ない人(貯金がある、家族の協力が得られる等)

全日制の学校に通いながら仕事をするのは不可能ではありませんが、課題や実習に追われながら働くことは負担が大きいのでおすすめしません。

学費に不安が残る方は、2章でご紹介する給付金や奨学金を利用すると、経済的な負担を減らせるでしょう。

また、週末や長期休暇などの空いた時間に単発バイトや派遣で働くというのも一つの手です。

1-2.定時制(3年)

定時制の2年課程は、3年間で看護師国家試験の受験資格が得られる学校です。

昼間型と夜間型があり、学校によって講義スケジュールはさまざまですが、実習は日中に行われます。

2年課程の勉強内容を3年かけて学ぶことができるので、働いている方でも通いやすいのが特徴になります。

受験資格①中学校卒業後、准看護師の免許を取得し3年以上の実務経験がある人
②高校卒業後 、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可)
③高認試験合格後、准看護師の免許を取得している人(取得見込みも可)
取得にかかる期間3年間
通学の時間帯講義の開催時間は学校によってさまざま。
実習は日中に行われるので注意が必要講義
【スケジュール例】

  • 平日5日間の夜間18~21時頃まで
  • 平日5日間の13~16時頃まで
  • 平日3日間で9~16時頃まで
定時制が向いている人
  • 働きながら看護師資格を取得したい人
  • 時間に余裕をもって通学したい人
  • 現職場の理解や協力が得られる人
  • 仲間と一緒に学び勉強のモチベーションを保ちたい人

全日制・定時制どちらも学校に通いながら学ぶスタイルなので、同じ境遇の友人に出会えたり、困ったことがあれば先生に相談しやすかったりといったメリットがあります。

仕事と勉強の両立に不安がある方やモチベーションを維持しながら勉強したい方は、こうしたメリットを踏まえて学校選びを行うと、良い結果に結びつきやすくなるでしょう。

1-3.通信制(2年)

通信制の2年課程は、2年間で看護師国家試験の受験資格が得られる自宅学習中心の学校です。

ただし、すべて自宅で必要な課程を履修できるわけではなく、通学や実習を行う期間もあります。

受験資格准看護師免許取得後、7年以上の実務経験のある人
(最終学歴や常勤・非常勤は問わない)
取得にかかる期間2年間
登校日数学校のカリキュラムによるが、2年間で55~80日程度の学校が多い。
通信制が向いている人
  • 准看護師経験が7年以上あり、看護の学びを深めたい人
  • 働き方を変えずに資格取得したい人
  • なるべく通学せずに資格取得したい人
  • タイムマネジメントに自信のある人

通学制の最大のメリットは、現在のライフスタイルを変えずに看護師国家試験の受験資格が得られることです。

登校日が少ない分、教育相談会の実施や教員と直接電話できるようにサポート体制を強化している学校も多くあります。

具体的に学校探しをしたい方

厚生労働省「医療関係職種養成施設」をまとめた以下のサイトを活用してみましょう。地域を絞って、近くの学校を見つけられます。

2.気になる学費はどのくらい?

進学するとなると、どうしても気になるのは学費ですよね。2年課程の学費は学校によって大きな差があり、全体の傾向としては在学期間が短いほど学費が安く、全日制・定時制よりも通信制のほうが学費が安い傾向です。

進学にかかるお金は、主に以下の6つです。

受験料 入学金 授業料 教科書代 実習にかかわる経費(ユニフォーム代、感染症交代価検査料、傷害保険料、賠償保険料など) その他諸経費(設備整備費、看護師国家試験対策・受験料、クラス会費、自家用車で通学の場合駐車場使用料など)

学校によっては、実習のユニフォームは持参でも良い学校や施設整備費がかからない学校もあります。

通いたい学校があれば、給付金や奨学金を利用しながら進学するのも一つの手です。

使える補助金制度

2年課程に進学する場合、補助制度の活用ができることもあります。

(1)給付金

給付金は必要な条件を満たしている人が受給できます。返還義務はありません。

教育訓練給付制度

厚生労働大臣の指定を受けた教育機関で受講・修了した場合、支払った額に応じて費用の一部が支給されます。

看護師資格は専門実践教育訓練に該当しており、支給率も一般職より高くなっています。(参考:厚生労働省「教育訓練給付制度」)

<受給条件> 以下のいずれかに該当していること ①現在働いており、雇用保険の加入期間が通算2年以上で教育訓練給付金の利用が初めての方 ②現在働いており、教育訓練給付金の利用は初めてではないが、前回の利用から3年以上経過し、雇用保険の加入期間が通算3年以上の方 ③現在働いておらず、 前の会社を辞めて1年以内で、雇用保険の加入期間が通算2年以上で教育訓練給付金の利用が初めての方 ④現在働いておらず、 前の会社を辞めて1年以内で、教育訓練給付金の利用は初めてではないが、前回の利用から3年以上経過し雇用保険の加入期間が通算3年以上の方

<支給される金額>

最大で受講費用の70%(年間上限56万円・最長4年間)

<申請方法と支給の流れ>

引用:東京衛生学園専門学校|看護学科[通信制教育訓練 給付制度

母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業

母子家庭の母または父子家庭の父が、対象教育訓練を受講・修了した場合、支払った額に応じて費用の一部が支給されます。(参考:厚生労働省「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について」)

①自立支援教育訓練給付金

<受給条件>

母子家庭の母または父子家庭の父で、二十歳未満の児童を扶養し、以下の2つの条件を満たす方

児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあること 就業経験、 技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められること

<支給される額>

受講費用の60%(上限は修学年数×20万円で最大80万円まで)

②高等職業訓練促進給付金等事業

看護師や介護福祉士などの、資格取得に時間と費用がかかる場合に受給できる給付金です。

<受給条件>

母子家庭の母または父子家庭の父で、二十歳未満の児童を扶養し、以下の3つの条件を満たす方

児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあること 養成機関において1年以上のカリキュラムを修修業し、対象資格の取得が見込まれること 仕事または育児と修業の両立が困難であること

<支給される額>

高等職業訓練促進給付金:修業期間の全期間支給される(上限4年) 月額約7万円(非課税世帯は月額10万円) 在学期間の最後の12カ月は月額約11万円(非課税世帯は14万円) 高等職業訓練修了支援給付金: 修了後に支給される 2万5,000円(非課税世帯は5万円)

申請は、入学が決まった時点でハローワークか都道府県の窓口に事前相談します。審査には数週間以上かかることもあるので、なるべく早めの申請を心がけましょう。

(2)奨学金

奨学金は必要な条件を満たしている人が受給できるもので、公的なものから民間団体が運営しているものまで、種類はさまざまです。一般的な学生ローンや教育ローンよりも低利子で借りることができるため、多くの方が使用しています。

返還義務のある貸与型と返還しなくてよい給付型があります。

例)

日本看護協会|看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金

(参考:公益社団法人日本看護協会

奨学金は進学先の学校やお住まいの自治体でも情報提供をしています。ただし、受給の条件は各奨学金によって異なり、成績によっては受給できないものもあります。

利用を検討している方は、問い合わせてみると良いでしょう。

<補足:教育ローンは金利に注意>

給付金や奨学金の受給にはさまざまな条件があるのに対し、教育ローンは貸与条件が甘く、誰でも借りやすくなっています。 しかし、金利が奨学金よりも高く、知らない間に返済額が膨れ上がってしまうリスクがあります。

貸与を検討している場合は、金利や返済期間を確認し、複数社の教育ローンを比べたうえで利用するかどうかを決めましょう。

3.【まず結論】なぜ今、准看護師から看護師へのステップアップが推奨されるのか

准看護師として働く皆さんにとって最も重要な疑問は「なぜ今、看護師を目指すべきなのか?」ということでしょう。結論から申し上げると、准看護師制度を取り巻く環境は大きく変化しており、将来的な安定性と職業的な発展を考えるなら、看護師へのステップアップは必須の選択となっています。

准看護師制度の将来性に関する現実

准看護師制度廃止に向けた動きは確実に進行しています。

日本看護協会は1996年から一貫して「21世紀の初頭の早い段階をめどに看護師養成制度の統合に努める」と提言し続けており、以下のような具体的な変化が既に始まっています。

制度改革の進行状況

  • 2016年:2年課程(通信制)の入学要件が「実務経験10年以上」から「7年以上」に緩和
  • 准看護師養成所の数が年々減少(過去20年間で入学者は4分の1に減少)
  • 准看護師の有効求人数が看護師と比べて圧倒的に少ない状況

日本医師会は「地域医療の人材確保」を理由に准看護師制度の継続を主張していますが、医療の高度化・複雑化により「准看護師養成は教育内容・時間ともに不足している」というのが現実です。

待遇格差の深刻さ

准看護師と看護師の待遇差は、単なる給与の違いを超えた深刻な問題となっています。

具体的な待遇格差

  • 月給差:6~9万円(看護師の方が高い)
  • 年収差:約70万円(正看護師478万円 vs 准看護師406万円)
  • 生涯賃金差:約4,100万円
【体験談】准看護師歴15年・Aさん
「同じ業務量なのに給料に70万円の差があることに、長年不満を感じていました。『資格の壁に阻まれ業務が制限されてしまう今の立場のままでよいのか』と疑問を抱き、56歳で看護師資格を取得。念願の看護師として新たなスタートを切ることができました。」

看護師になることで得られる5つのメリット

1. 自立した判断とケアの実現

准看護師は医師や看護師の指示なしにはケアを行えませんが、看護師になれば自分で判断してケアができるようになります。経験豊富な准看護師でも「患者さんの要望にスピーディに応えられない」ジレンマから解放され、看護計画の立案も可能になります。

2. 根拠に基づいた看護スキルの向上

看護学や医学の専門知識を学ぶことで、日々のケアに自信が持てるようになります。「なぜ?どうして?どうすれば?」という思考プロセスが身につき、准看護師時代の経験が確固たる知識として体系化されます。

3. 確実な収入向上

看護師資格取得により、年間約70万円の収入アップが期待できます。これは単なる昇給ではなく、資格に基づく正当な評価の結果です。

【体験談】転職成功・Bさん
「離婚を機に転職活動をした際、『准看護師さんの募集はしていません』と何度も言われました。この悔しさをきっかけに通信制で看護師資格を取得し、希望する病院で働けるようになりました。」

4. 多様なキャリアプランの構築

看護師資格があれば、認定看護師、管理職、教育職など多様なキャリアパスが選択できます。ライフステージの変化に合わせた柔軟な働き方も可能になり、長期的なキャリア形成が実現できます。

5. 転職市場での競争力向上

「准看護師は採用しない」という職場が増える中、看護師資格は転職における必須条件となりつつあります。理想の職場で働くために、看護師資格は欠かせない要件です。

今すぐ行動すべき4つの理由

1. 制度廃止のタイミングは予測不可能

准看護師制度がいつ廃止されるかは誰にも分かりません。廃止が決定してから慌てて資格取得を目指すより、環境が整っている今のうちに行動することが賢明です。

2. 業務内容は同じなのに待遇差は拡大傾向

医療の高度化により看護師への期待値が高まる一方で、准看護師との待遇差は拡大傾向にあります。同じ業務を行うなら、正当な評価を受けられる資格を持つべきです。

3. 働ける職場の選択肢が急速に減少

准看護師の有効求人数は看護師と比べて圧倒的に少なく、希望する職場への就職が困難になっています。職業選択の自由を確保するためにも、看護師資格は必要です。

4. 現場で求められる能力と養成課程のギャップ

准看護師養成所では「指示を受けて看護処置を行う能力」の習得が目的ですが、実際の現場では看護師と同等の判断力が求められます。この能力ギャップを埋めるための自己学習負担を考えると、体系的に学べる看護師養成課程の方が効率的です。

結論:今こそ看護師へのステップアップを

准看護師を取り巻く環境は確実に厳しくなっており、「准看護師のままでも大丈夫」という考えは、もはや現実的ではありません。

  • 経済的メリット:生涯賃金で4,100万円の差
  • キャリア発展:多様な選択肢と成長機会
  • 職業安定性:将来にわたる雇用の確保
  • 専門性向上:根拠に基づいた看護実践の実現

これらのメリットを享受するために、今こそ看護師へのステップアップを真剣に検討すべき時期です。通信制課程の入学要件緩和など、進学しやすい環境も整っています。

「やるなら今しかない」という決断が、あなたの看護師人生を大きく変える転機となるでしょう。

次章では、具体的な進学方法と学習のポイントについて詳しく解説していきます。

4.准看護師から看護師になる時に気を付けたい4つの注意点

准看護師から看護師になるために、注意すべきポイントを4つご紹介します。

順番に見ていきましょう。

4-1.自分のライフスタイルに合った学校を選ぶ

2年課程の学校に進学する時は、自分のライフスタイルに合っている学校を選びましょう。

准看護師から看護師にキャリアチェンジを成功させるためには、家庭や仕事、プライベートと両立できるかを事前に見極めることが大切です。

たとえば「学費を安く済ませたいから」と思って全日制を選んでも、職場や家族の協力が得られなければ通い続けるのは難しくなってしまいますよね。

また「働きながら看護師を目指そう」と思って通学スタイルの学校を選んでも、職場や自宅から学校が遠ければ、通学することに負担を感じてしまうでしょう。

こうした失敗をしないためには、1章でご紹介した各学校の特徴を参考にしながら、ご自身に合った学校を選ぶことをおすすめします。

学生生活と家庭や仕事、プライベートが両立しやすい環境が整っていれば、楽しく学びを深めることもできますよ。

4-2.現職の上司への報告は早めに行う

現在働いている方は、早めに現職の上司に相談をしておきましょう。具体的には、進学を決めた時点で報告するのが望ましいタイミングといえます。

当然のことですが、進学にあたり退職・休職をするのであれば早めに報告することで職場に迷惑がかからずに済みますし、仕事を続けながら進学したいならシフト調整をお願いしなくてはなりません。後々のトラブルを避けるためにも、報告はできるだけ早く行いましょう。

4-3.給付金や奨学金の申請は早めに行う

給付金や奨学金の利用を考えている方は、早めに情報収集を行い締め切りに間に合うように申請をしましょう。

給付金や奨学金のほとんどは、入学前に申請を行わないと支給してもらえないからです。こちらも、進学を決めた時点で情報収集を行えば、スケジュールに余裕をもって申請ができるはずです。

学費を気にして勉強に身が入らないといったことがないように、必要な手続きや申請を忘れず行いましょう。

4-4.体調管理に気を付ける

あえてお伝えすることでもありませんが、体調管理には充分注意しましょう。

2年課程に進学することになれば、2~3年の間勉強を続けることになります。

学生時代と異なり、社会人になってからの勉強は多くの役割を兼務しながら行うことになるので、無理をしてしまうと体調不良を招く可能性が高いです。

体調不良が長引けば、勉強に支障が出たり、留年したりと、悪い方向に向かってしまうこともあるのです。

そうした事態を防ぐためにも、日頃から体調管理を万全にしておきましょう。

5.【この記事の最重要ポイント】仕事・家庭との両立、年代の不安を乗り越える方法

准看護師から看護師を目指す方の90%以上が抱える「本当に両立できるのか」という不安。この章では、実際に働きながら看護師資格を取得した先輩たちの具体的な方法論を公開します。抽象的なアドバイスではなく、「明日から真似できる」実践的な情報をお伝えします。

【状況別】学習と両立を成功させた先輩の1週間タイムスケジュール例

■ パターン1:夜勤ありフルタイム勤務+小学生の子育て中(35歳・Aさん)

曜日時間活動内容ポイント
月曜5:30-6:30朝学習(解剖生理学)夜勤明けで疲れていても朝は頭がスッキリ
7:00-8:00子どもの朝食・送り出し学習道具は前日に準備済み
9:00-13:00仮眠勉強の疲れを翌日に持ち越さない
14:00-17:00家事・買い物スキマ時間にスマホで暗記物
17:00-20:00夕食・子どもとの時間勉強のことは一切考えず家族時間に集中
20:30-22:00看護技術の動画学習子どもの就寝後、疲れても動画なら続けられる

■ パターン2:日勤常勤+中学生の子育て+親の介護(42歳・Bさん)

時間帯平日の過ごし方休日の過ごし方
4:30-5:30朝学習(国家試験問題集)図書館で集中学習(3時間)
6:00-7:30朝食準備・家族の送り出し親の通院付き添い
8:30-17:30病院勤務家事のまとめ処理
18:00-20:00夕食・親の様子確認翌週の学習計画立て
21:00-22:30看護過程の課題作成家族との時間

成功の秘訣:

  • 時間は作るものではなく「見つけるもの」 – 通勤時間15分、昼休み20分の積み重ねが大きな差に
  • 完璧を求めない – 計画通りにいかない日があっても翌日リセット
  • 家族を巻き込む – 子どもに「ママも勉強頑張ってる」と宣言し、応援してもらう環境作り

40代・50代からの挑戦は遅くない|年齢の不安を自信に変える3つの心構え

心構え1:経験値は最強の武器 – 「遅れ」ではなく「アドバンテージ」として捉える

実際の体験談から見える真実:

  • 46歳で看護師になったCさん「准看護師として15年働いた経験があったから、実習でも現場の空気を読むのが早く、指導者に『頼りになる』と言われました」
  • 52歳で資格取得したDさん「若い学生が理解に苦しむ『なぜそうするのか』という部分を、現場経験から自然に理解できた」

年齢がもたらすメリット:

  • 患者さんとのコミュニケーション能力の高さ
  • 現場での判断力・応用力
  • 責任感の強さ
  • 人生経験に基づく包容力

心構え2:記憶力の不安を「理解力」でカバーする学習法

従来の暗記中心学習  理解中心の効率学習

学習項目20代の学習法40代以降の効率学習法
解剖生理学用語をひたすら暗記「なぜその仕組みなのか」から理解
薬理学薬品名と効果を丸暗記作用機序を理解してから薬品名を覚える
看護技術手順を暗記「なぜこの順番なのか」根拠を理解

実践例:血圧測定の学習

  • ❌「カフを心臓と同じ高さに巻く」(丸暗記)
  • ⭕「重力の影響で血圧値が変わるから、正確な測定には心臓と同じ高さが必要」(理解型)

心構え3:「完璧主義」から「合格主義」へのマインドチェンジ

50代で合格したEさんの言葉: 「若い頃なら100点を目指していましたが、今回は『合格点を確実に取る』ことに集中しました。苦手分野で60点、得意分野で80点。これで十分合格できます」

年代別合格戦略:

  • 20代: 全分野バランス良く高得点を狙う
  • 40代以降: 得意分野を伸ばし、苦手分野は最低限押さえる

最大の壁「臨地実習」を乗り切るための職場・家族との連携術

■ 職場との連携術「事前相談が成功の9割を決める」

実習開始3ヶ月前から始める段階的相談法:

Step1(3ヶ月前):管理者への報告

「来年○月から看護師の臨地実習が始まります。
実習期間中は○曜日から○曜日まで、○週間程度
職場を離れることになります。
業務調整についてご相談させてください」

Step2(2ヶ月前):具体的なスケジュール共有

  • 実習スケジュール表を作成し、師長・主任と共有
  • 代替要員の確保について相談
  • 緊急時の連絡体制を整備

Step3(1ヶ月前):引き継ぎ準備

  • 担当患者の引き継ぎ資料作成
  • 業務マニュアルの更新
  • 同僚への感謝の気持ちを込めた挨拶

■ 家族との連携術「全員が協力者になる仕組み作り」

家族会議の開催(実習開始1ヶ月前)

話し合うべき内容:

  1. 実習期間中の家事分担表

    • 朝食準備:長女が担当
    • 夕食準備:夫と交代制
    • 洗濯:週末にまとめて実施
  2. 緊急時の対応ルール

    • 子どもの急病時:夫が第一対応
    • 学校行事:可能な限り家族が代理参加
  3. 精神的サポート体制

    • 実習の愚痴を聞いてもらう時間の確保
    • 頑張りを認めてもらう仕組み

実践例:42歳Fさんの家族連携成功事例 「中学生の息子に『ママの夢を応援したい』と言ってもらえました。実習で疲れて帰ると、息子が作った簡単な夕食が用意されていることも。家族の協力があったからこそ乗り切れました」

■ 実習中のメンタル管理「挫折しそうになった時の乗り切り術」

危険信号とその対処法:

危険信号対処法
「若い学生についていけない」経験値で勝負。理論より実践力で貢献
「記録が書けない」指導者に素直に相談。恥ずかしがらずに質問
「家族に迷惑をかけている」定期的に感謝を伝え、終了後の具体的な恩返しプランを共有

実習成功の最終兵器:「同期との情報共有グループ」

  • LINEグループで情報交換
  • 励まし合える仲間作り
  • 実習先での学びの共有

6.【卒業生インタビュー】私たちが看護師を目指したリアルな体験談

准看護師から看護師への道のりは決して平坦ではありません。しかし、多くの先輩たちがその壁を乗り越え、新たなキャリアを築いています。ここでは、実際に看護師資格を取得した2名の卒業生に、リアルな体験談を語っていただきました。

ケース1:子育てと両立し、地域医療に貢献するAさん(30代)

【プロフィール】

  • 年齢:36歳(取得時34歳)
  • 家族構成:夫、長女(小学3年)、次女(幼稚園年中)
  • 准看護師歴:8年
  • 選択ルート:定時制3年課程
  • 現在の勤務先:地域の総合病院(内科・外科混合病棟)

Q. 進学を決意したきっかけは何でしたか?

Aさん:「きっかけは、担当していた患者さんの一言でした。『Aさんって看護師さんじゃないの?』って聞かれたんです。その時、自分の中で『准看護師』という肩書きに対するモヤモヤした気持ちがあることに気づきました。

患者さんにとって看護師も准看護師も関係ないのに、私自身が『正看護師じゃないから…』と遠慮してしまう場面が多々ありました。特に医師との連携や、新人指導の場面で、『もっと堂々と意見を言えたら』と思うことが増えて。

そんな時、同じ病棟の先輩が『看護師になってから自信を持って働けるようになった』と話してくれて、私も挑戦しようと決めました。子どもたちにも『ママは諦めない』という姿を見せたかったんです。」

Q. 学費や生活費は、具体的にどうやって捻出しましたか?

Aさん:「これが一番現実的な問題でした。定時制とはいえ、3年間で約450万円。正直、家計には大打撃でした。

具体的な捻出方法はこうです:

  • 病院の奨学金制度:月5万円×36ヶ月=180万円
  • 教育訓練給付制度:約120万円(学費の70%相当)
  • 夫の協力:残業代を学費専用に貯金
  • 私のパート収入:月15万円程度(夜勤手当含む)
  • 家計の見直し:外食費・レジャー費を月3万円削減

それでも足りない分は、夫の両親に頭を下げて50万円を借りました。『孫のためにもなる』と言って快く貸してくれた時は、本当に感謝しました。

家計簿を細かくつけて、無駄な支出を徹底的に削りました。子どもたちには『ママの勉強が終わったら、みんなでディズニーランドに行こう』と約束して、家族みんなで頑張りました。」

Q. 学習と仕事の両立で、最も大変だったことは何ですか?

Aさん:「最も辛かったのは、2年目の実習期間です。平日は病院で働いて、夜間と休日に授業、そして実習も入る。体力的にも精神的にも限界でした。

特に印象に残っているのは、次女が熱を出した日のこと。実習先で『明日は絶対に来てください』と言われた翌日に、次女が39度の熱。夫は出張中、実家の母に頼むしかありませんでした。実習先に電話をかける手が震えて、『迷惑をかけてしまう』という罪悪感で涙が止まりませんでした。

結局、その日は母に次女を見てもらい実習に参加しましたが、気持ちは全然集中できませんでした。実習指導者の先生が『家族のことも大切にしてくださいね』と声をかけてくれた時、こんな私でも応援してくれる人がいるんだと思って、また頑張ろうと思えました。

時間管理も本当に大変で、睡眠時間は平均4時間程度。記録は子どもたちが寝た後、リビングのテーブルで書いていました。夫が『体を壊すよ』と心配してくれましたが、『今しかない』という気持ちで乗り切りました。」

Q. 看護師になって、准看護師時代と比べて何が一番変わりましたか?

Aさん:「一番変わったのは、『自信』です。准看護師時代は、いつも『これで良いのかな』という不安がありました。でも今は、根拠を持って判断し、行動できるようになりました。

具体的には:

  • 医師との連携:対等にディスカッションできるようになった
  • 患者・家族との関わり:より深い看護計画を立てられるようになった
  • 後輩指導:理論的な裏付けを持って指導できるようになった
  • 給与面:月収が約8万円アップ(年収換算で約100万円増)

でも何より嬉しいのは、患者さんから『Aさんがいると安心する』と言ってもらえることです。准看護師時代も同じように言われることはありましたが、今はその言葉により重みを感じます。

娘たちも『ママすごいね』と言ってくれて、約束通りディズニーランドにも行きました。あの時の家族の笑顔は、3年間の苦労を全て帳消しにしてくれました。

今は地域医療の要として、予防医学にも力を入れています。准看護師時代にはできなかった、地域住民への健康教育活動にも参加し、やりがいを感じています。」

ケース2:豊富な経験を武器に、50代でキャリアアップしたBさん(50代)

【プロフィール】

  • 年齢:54歳(取得時52歳)
  • 家族構成:夫、長男(大学生・一人暮らし)、次男(高校生)
  • 准看護師歴:28年
  • 選択ルート:通信制2年課程
  • 現在の勤務先:訪問看護ステーション(管理者候補)

Q. 進学を決意したきっかけは何でしたか?

Bさん:「50歳を目前にした時、『このままで良いのか』という気持ちが強くなりました。准看護師として28年間働いてきましたが、管理職への昇進や専門的な研修への参加など、『正看護師限定』という壁に何度もぶつかりました。

決定的だったのは、訪問看護に興味を持った時です。訪問看護ステーションの管理者になるには看護師資格が必要で、『なぜ28年の経験があるのに挑戦すらできないのか』と悔しい思いをしました。

息子たちも大きくなり、教育費の目途も立った頃。夫が『今しかないよ』と背中を押してくれたのが最後の一押しでした。『50代からの挑戦』と言うと驚かれますが、まだまだ看護師として働ける年数を考えると、今がベストタイミングだと思いました。」

Q. 学費や生活費は、具体的にどうやって捻出しましたか?

Bさん:「通信制を選んだ最大の理由は学費でした。それでも2年間で約240万円は大きな負担です。

資金調達の内訳:

  • これまでの貯蓄:100万円(准看護師として働いてきた中で少しずつ貯めた)
  • 教育訓練給付制度:約70万円(学費の70%)
  • 病院の支援制度:30万円(勤務先が看護師資格取得を支援)
  • パート収入の継続:月20万円程度(夜勤も含めて働き続けた)
  • 夫の理解と協力:生活費の負担を多めに担ってもらった

50代での自己投資に対して、夫は『今さら…』という反応も予想していましたが、『君が頑張る姿を息子たちにも見せたい』と言ってくれて、とても心強かったです。

息子たちからも『お母さんかっこいい』と応援してもらい、家族全員で取り組んだ2年間でした。」

Q. 学習と仕事の両立で、最も大変だったことは何ですか?

Bさん:「通信制とはいえ、50代での記憶力との闘いが一番辛かったです。20代の頃のように一度読んだだけで覚えられない。同じことを何度も繰り返し勉強する必要がありました。

特に解剖生理学や病理学などの基礎分野は、准看護師学校で学んだ内容をもう一度深く学び直す必要があり、『なぜ今さらこんなことを…』と思うこともありました。

でも、28年の経験があったからこそ理解できることも多々ありました。例えば、病態生理学では『あの患者さんの症状はこういう理由だったのか』と腑に落ちることが多く、若い学生よりも深く理解できた部分もあります。

スクーリングでは、20代から40代の学生に混じって授業を受けました。最初は『場違いかも』と思いましたが、グループワークでは私の経験談が参考になることが多く、年齢を超えた良い関係を築けました。

一番困ったのは実習調整です。勤務先に実習期間中の休暇を取らせてもらうのに、かなり早い段階から調整が必要でした。同僚には迷惑をかけましたが、みんな『頑張って』と応援してくれました。」

Q. 看護師になって、准看護師時代と比べて何が一番変わりましたか?

Bさん:「28年間の経験に『理論的な裏付け』が加わったことで、看護の質が格段に向上しました。今まで『経験的に』行っていたケアに、明確な根拠を持って説明できるようになりました。

具体的な変化:

  • キャリアの選択肢が広がった:訪問看護ステーションの管理者候補として採用
  • 専門研修への参加:感染管理や褥瘡管理などの認定看護師研修に参加可能
  • 教育的役割:新人指導で理論と実践を組み合わせた指導ができるように
  • 給与アップ:管理者候補として月収が約10万円アップ

でも一番嬉しいのは、『自分自身への誇り』を取り戻せたことです。28年間、心の奥底にあった『准看護師だから…』というコンプレックスが完全になくなりました。

現在は訪問看護の現場で、利用者さんやご家族から『頼りになる』と言っていただけています。28年の経験+看護師としての知識=最強の武器だと実感しています。

息子たちも『お母さんを尊敬する』と言ってくれて、50代での挑戦は決して遅くなかったと確信しています。今では同世代の准看護師さんに『一緒に頑張りましょう』と声をかけています。」

【まとめ】体験談から見える成功の共通点

2人の体験談から見えてくる成功の共通点:

■ 家族の理解と協力が不可欠

  • 配偶者の経済的・精神的サポート
  • 子どもたちを巻き込んだ目標共有
  • 実践的な家事分担の実施

■ 経済的な事前準備の重要性

  • 複数の資金調達ルートの確保
  • 給付制度の最大限活用
  • 家計の見直しと無駄の削減

■ 職場との良好な関係維持

  • 早めの相談と調整
  • 同僚への感謝の気持ち
  • 実習期間中の業務調整への協力

■ 年齢や経験をプラスに転換

  • 豊富な臨床経験の活用
  • 人生経験に基づく深い理解
  • 若い学生との相互学習

これらの体験談が、あなたの挑戦への勇気となることを願っています。

まとめ

准看護師から看護師になるための方法やメリット、キャリアチェンジを推奨する理由などをご紹介しました。

准看護師のまま働きながらでもスキルアップは可能ですが、看護師にキャリアチェンジすることで生涯をかけて看護に携わり続けることができるでしょう。

また、看護師を目指すのに遅すぎるということはありません。

どんな時も、キャリアチェンジを決断した「いま」がベストタイミングだと信じて、進学に向けた準備を始めましょう。

あなたが看護師として輝く未来が来るよう、祈っております。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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