腰痛持ちの看護師必見!看護師の腰の負担が少ない職場&辛い腰痛から抜け出す対処法

看護師 腰の負担 少ない 職場

「腰が痛くて仕事が辛い…」
「腰の負担が少ない職場ってあるの?」

と悩んでいませんか。

業務中の立ちっぱなしや介助時の負担により、看護師の半数以上が腰痛やヘルニアなどで苦しんでいると言われています。

腰痛が原因で退職を余儀なくされる人もいるほど、腰痛は看護師にとって重大な問題なのです。

そこでこの記事では、元看護師で転職コンサルタントの私が、腰の負担が少ない看護師の職場や、腰への負担を減らす方法をお伝えします。

  1. 半数以上の看護師さんが腰痛に悩みながら仕事をしている
  2. 腰の負担が少ない看護師職場5選
  3. 看護師の職場選びで必見!腰の負担が少ない環境の見極め方!
  4. 腰痛を理由にした転職を成功させる具体的ステップ
  5. 看護師が腰の負担を少なくしたいときの対処法
  6. 看護師の腰を守る新常識「ノーリフティングケア」とは?

この記事を読めば、腰の負担が少ない職場やその見極め方が分かり、辛いお悩みが解消されるでしょう。

 

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目次

1.半数以上の看護師さんが腰痛に悩みながら仕事をしている

腰痛やヘルニアなど、業務による腰の痛みで悩んでいる看護師さんは非常に多いです。

日本看護技術学会誌の調査によると、「現在腰痛がある」と回答した看護師さんは、半数以上の54.3%を占めました。

また、ここ1カ月以内の腰痛の頻度については、「いつも」と「ときどき」を合わせると74.7%を占め、看護師さんの4人中3人が腰になんらかの違和感を抱えていることがわかります。

看護師腰痛い

出典:日本看護技術学会誌

また、その中の4人に1人以上(27.5%)が「ときどき休憩しないと仕事が続かない」「休憩するほどでもないがかなり痛い」と回答しており、強い痛みを感じながら看護を続けていることが示されています。

看護師腰痛い4

出典:日本看護技術学会誌

尚、具体的に看護師が腰が痛くて辛いと感じる看護作業は、「体位変換・ベッド上での移動」184人(69.4%)が最も多く、次いで「移乗介助」「オムツ交換」「入浴介助」の順となっており、いずれも看護師の半数以上が身体的に辛いと感じていました。

日々の業務の蓄積による腰痛は労災として認められにくい

ここで注意すべき点は、日々の業務の蓄積による腰痛は、労災として認められにくいことです。

医療機関や介護施設で働いていて、業務に支障が出るほどの腰痛を発症した場合、労災として認定されるかどうかはケースバイケースであると言えます。

腰痛は原因が複雑であることから、厚生労働省は以下の腰痛の労災認定要件を設けています。

  • 災害性腰痛(勤務中のけがなどによる腰痛)
  • 非災害性腰痛(長期間に渡り腰への負担が蓄積されたことによる腰痛)

参考:厚生労働省

どちらの場合も、業務に起因することが明らかで、医師から療養の必要があると判断された場合にのみ労災認定されます。

労災に認定される腰痛のほとんどは「勤務中のけが」が原因

実際のところ、腰痛が労災として認められる場合のほとんどは、勤務中のけがなど原因となる事象が明確である場合のみです。

つまり、日々の腰への負担が積み重なり、ある日突然腰痛を発症した場合の多くは、労災として認められにくいことが現状と言えます。

このため、ご自身で腰痛から身を守っていくことはとても大切と言えるでしょう。

看護師の職業病「腰痛」はなぜ起こる?

厚生労働省の「医療保健業の労働災害防止(看護従事者の腰痛予防対策)」によると、潜在的な腰痛の実態はかなり深刻で、看護師の5割から7割が腰痛を抱えているという調査結果があります

具体的には、2010年の日本看護協会による「病院看護職の夜勤・交代制勤務等実態調査」では腰痛有訴率が51.7%、2012年の日本医療総合研究所による「急性期一般病院における看護職員の腰痛・頸肩腕痛の実態調査」では68.1%という高い数値が報告されています。

また、同報告書では「6割の病院が何ら腰痛予防対策をしておらず、多くの看護師が効果の乏しいボディメカニクスなどに頼らざるを得ないという状況もある」と指摘されており、看護師の腰痛問題が深刻な労働環境の課題となっていることが明らかになっています。

次章では、腰の負担が少ない看護師さんの職場を紹介していきます。

2.腰の負担が少ない看護師職場5選

この章では、腰の負担が少ない看護師さんの職場を厳選して紹介します。

これらの職場は、看護師の半数以上が身体的に辛いと感じている「体位変換やベッド上の移動」「移乗介助」「オムツ交換」「入浴介助」の作業が少ない点が特徴です。

このため、看護師を続けながら腰の負担も減らすことができるでしょう。

順番に見ていきましょう。

2-1.手術がない眼科

一つ目は、手術がない眼科です。

眼科は座り作業が多いため、腰痛やヘルニアと付き合いながら働く看護師さんにおすすめと言えます。

クリニックの規模が小さいほど、歩き回る機会を減らすことができるため、院の広さにも注目すると良いでしょう。

中には手術をしているクリニックもありますが、手術に入ると立ちっぱなしになります。腰痛がある方の場合、そのような職場は避けたほうが無難です。

具体的な業務内容

耳鼻科での1日は、朝8:30頃から受付業務、問診票の確認、バイタルサイン測定から始まります。耳鏡検査や鼻腔内検査の介助、ネブライザー治療の準備と説明、耳垢除去や鼻洗浄の介助などを行います。

皮膚科では、患部の観察介助、軟膏処置、液体窒素治療の準備、光線治療の介助などが主な業務となります。

どちらも患者さんは診察台に座った状態での処置が中心で、看護師も立位または座位での対応が可能です。

午後診療も同様の流れで、17:00頃の診療終了後は器具の消毒・清拭、薬剤の在庫管理、翌日の準備を行って18:00頃に退勤となります。

メリット・デメリット

メリットとして、腰への負担が少ないこと、夜勤がなく土日休みが多いこと、地域密着型の医療で患者さんとの継続的な関係を築けること、専門領域の知識を深められることが挙げられます。また、アットホームな職場環境で働けることも魅力です。

デメリットとして、給与水準が病院勤務より低い傾向があること、急性期医療のスキルが維持しにくいこと、少人数体制のため有給休暇が取りにくい場合があることが挙げられます。

また、季節により患者数の変動が大きい診療科もあります。

向いている人の特徴

患者さん一人ひとりと丁寧に向き合いたい方、地域医療に貢献したい方に適しています。また、専門分野を深く学びたい向学心のある方、ワークライフバランスを重視する方にもおすすめです。小さな変化に気づく観察力と、様々な年代の患者さんに対応できるコミュニケーション能力も重要です。

想定年収の目安

年収300万円〜400万円程度が相場です。美容皮膚科や自由診療を行うクリニック、都市部の人気クリニックでは450万円〜500万円程度も期待できます。パートタイムでの勤務も豊富で、時給1,300円〜1,700円程度での募集が一般的です。

2-2.耳鼻科や皮膚科などのクリニック

耳鼻科や皮膚科などのクリニックも、腰痛持ちの看護師さんにおすすめする職場です。

これらのクリニックのほとんどは病棟を持っていないため、歩いて移動をする機会が少ないことや、残業や夜勤が少ないことで、毎日の休息時間をしっかりと取りやすいというメリットがあります。

業務の作業面においても、基本的に患者さんは歩ける人がほとんどであることから、移乗のような腰に負担がかかる動作も少なく、腰への負担が少ない職場であると言えるでしょう。

具体的な業務内容

耳鼻科での1日は、朝8:30頃から受付業務、問診票の確認、バイタルサイン測定から始まります。耳鏡検査や鼻腔内検査の介助、ネブライザー治療の準備と説明、耳垢除去や鼻洗浄の介助などを行います。

皮膚科では、患部の観察介助、軟膏処置、液体窒素治療の準備、光線治療の介助などが主な業務となります。どちらも患者さんは診察台に座った状態での処置が中心で、看護師も立位または座位での対応が可能です。

午後診療も同様の流れで、17:00頃の診療終了後は器具の消毒・清拭、薬剤の在庫管理、翌日の準備を行って18:00頃に退勤となります。

メリット・デメリット

メリットとして、腰への負担が少ないこと、夜勤がなく土日休みが多いこと、地域密着型の医療で患者さんとの継続的な関係を築けること、専門領域の知識を深められることが挙げられます。また、アットホームな職場環境で働けることも魅力です。

デメリットとして、給与水準が病院勤務より低い傾向があること、急性期医療のスキルが維持しにくいこと、少人数体制のため有給休暇が取りにくい場合があることが挙げられます。また、季節により患者数の変動が大きい診療科もあります。

向いている人の特徴

患者さん一人ひとりと丁寧に向き合いたい方、地域医療に貢献したい方に適しています。また、専門分野を深く学びたい向学心のある方、ワークライフバランスを重視する方にもおすすめです。小さな変化に気づく観察力と、様々な年代の患者さんに対応できるコミュニケーション能力も重要です。

想定年収の目安

年収300万円〜400万円程度が相場です。美容皮膚科や自由診療を行うクリニック、都市部の人気クリニックでは450万円〜500万円程度も期待できます。

パートタイムでの勤務も豊富で、時給1,300円〜1,700円程度での募集が一般的です。

2-3.健診センター

検診センターでの業務も、腰痛持ちの看護師さんにおすすめです。

採血や健康診断のフォローが業務であることから、その多くは座っておこなえる仕事が多いため、ぎっくり腰になりにくく、ヘルニアなどの悪化を防ぐことができます。

健診センターに来院する人は、健康な人であることから、病院とは異なり、人の移乗の業務がありません。大型機械を取り扱うこともありますが、機械に乗る動作は患者さんご本人が対応し、姿勢を整えてくれることが一般的です。

具体的な業務内容

健診センターでの1日は、朝7:30頃から業務開始し、受診者の受付・案内、問診票の確認から始まります。身体測定(身長・体重・腹囲)、血圧測定、採血業務を座位で行い、心電図測定や聴力検査の介助も担当します。

胸部X線撮影の誘導、胃透視検査の説明、婦人科検診(子宮頸がん・乳がん検診)の介助なども行いますが、すべて健康な受診者が対象のため、移乗や体位変換の必要がありません。

午前中に集中的に受診者が来院するため効率的な業務が求められ、午後は検査結果の整理、データ入力、翌日の準備などを行って17:00頃に業務終了となります。

メリット・デメリット

メリットとして、腰への負担がほぼないこと、夜勤がなく土日祝日が休みのことが多いこと、健康な方との関わりで精神的負担が少ないこと、予防医療に貢献できるやりがいがあることが挙げられます。また、効率的な業務で残業も少ない傾向があります。

デメリットとして、臨床スキルの維持が困難になる可能性があること、単調な業務で刺激が少ないこと、季節による業務量の変動が大きいこと、健診結果で異常が見つかった受診者への心理的配慮が必要なことが挙げられます。

向いている人の特徴

規則正しい勤務を希望する方、予防医療に興味がある方、効率的で正確な業務遂行が得意な方に適しています。また、健康な方とのコミュニケーションを楽しめる方、データ管理や事務作業も苦にならない方にもおすすめです。集中力があり、同じ作業を継続できる忍耐力も重要です。

想定年収の目安

年収340万円〜440万円程度が相場です。大手検診センターや企業健診を多く手がける施設では480万円〜550万円程度も期待できます。パートタイムでの勤務も豊富で、時給1,500円〜2,000円程度、検診繁忙期には時給アップの場合もあります。

2-4.透析クリニック

透析クリニックの看護師は、一般的な看護業務と大きく異なるため、腰への負担が少ない職場の一つです。

クリニック勤務ため、勤務体系はその他のクリニック看護師と似ています。しかし、事務作業も多いクリニック看護師と比較して、透析看護師は業務のほとんどが医療行為となる点が、大きな違いです。

もし透析未経験で入職した場合、最初は覚えることが多いですが、仕事内容や手順は決まっているため、仕事を覚えてしまえば、座り仕事を含むルーティンワークになりやすいと言えます。

ただ、機械の誤操作が患者さんの命に直結することや、その多くが機械操作となるため、人によってはストレスを感じやすい場合もあるでしょう。

具体的な業務内容

透析クリニックでの1日は、朝7:00頃から透析機器の点検・準備から始まります。患者さんの来院後、バイタルサイン測定、体重測定を行い、透析回路の準備、穿刺業務を実施します。

透析中(約4時間)は、患者さんの状態観察、機器のモニタリング、血圧測定、投薬管理を座位で行うことが多く、腰への負担は最小限です。患者さんとの会話や生活指導も重要な業務の一つです。

透析終了後は抜針、止血確認、体重測定を行い、次の患者さんの準備をします。1日に2〜3クール(午前・午後・夜間)の透析を実施し、最終クール終了後は機器の清拭・消毒を行って業務終了となります。

メリット・デメリット

メリットとして、腰への負担が少ないこと、専門性の高い透析技術を習得できること、患者さんとの長期的な関係を築けること、機器操作のスキルが身につくことが挙げられます。また、定期的な患者さんが多いため業務が予測しやすい点も魅力です。

デメリットとして、機器操作の責任が重くプレッシャーを感じること、透析以外の看護技術が限定されること、患者さんの容体急変時の対応が求められること、透析時間が長いため集中力の維持が大変なことが挙げられます。

向いている人の特徴

機械操作に興味があり、集中力を持続できる方、患者さんとの継続的な関係づくりを大切にする方に適しています。また、責任感が強く、正確性を重視できる方、専門性を追求したい向学心のある方にもおすすめです。長時間の業務に耐えられる忍耐力も必要です。

想定年収の目安

年収380万円〜480万円程度が相場です。夜間透析を実施するクリニックや都市部の施設では500万円〜600万円程度も期待できます。透析の専門知識を持つ経験者は特に優遇される傾向があり、パートタイムでも時給1,800円〜2,200円程度の高時給での募集があります。

2-5.産業看護師

産業看護師は、企業の医務室等で働く看護師のことで、一般企業の一員として勤務します。

業務内容としては、従業員の健康診断や、メンタルヘルスケア、過重労働対策などであるため、病棟看護師のような腰を使う作業はほとんどなく、デスクワークが中心となる点が特徴です。

また、毎日9時~17時など決まった時間に働くことができることや、対応する人が企業の従業員さんであることから、ご自身の体調管理がしやすく、ストレスが溜まりにくい点も大きなメリットと言えます。

具体的な業務内容

産業看護師の1日は、朝8:30頃から医務室での健康相談対応、体調不良者への応急処置から始まります。定期健康診断の計画・実施補助、健康診断結果に基づく保健指導、メンタルヘルス相談対応が主な業務です。

デスクワークとして、健康管理データの分析、保健指導記録の作成、社内向け健康情報の発信、産業医との連携業務も行います。職場巡視による環境安全のチェック、ストレスチェックの実施・分析なども重要な役割です。

17:30頃に業務終了となり、基本的に夜勤や休日出勤はありません。緊急時の対応はありますが、重い物を持ったり身体的負担の大きい業務はほとんどありません。

メリット・デメリット

メリットとして、腰への負担がほぼないこと、企業の充実した福利厚生を享受できること、土日祝日が休みで有給取得率も高いこと、予防医学や健康管理の専門性を深められることが挙げられます。また、看護師としては比較的高い給与水準を期待できます。

デメリットとして、急性期医療のスキルが低下する可能性があること、一人勤務が多く責任が重いこと、企業の業績に左右される不安定さがあること、医療行為が制限されることが挙げられます。また、企業文化への適応が求められます。

向いている人の特徴

予防医学や健康管理に興味がある方、自立して業務を進められる方、企業環境に適応できる柔軟性のある方に適しています。また、データ分析や企画立案が得意な方、プレゼンテーション能力のある方にもおすすめです。従業員の健康を経営的視点で考えられる方には特に向いています。

想定年収の目安

年収420万円〜620万円程度と、看護師の転職先としては高い水準です。大手企業や外資系企業では700万円〜900万円程度も期待できます。企業規模や業界、勤務地によって大きく異なりますが、病院勤務を大幅に上回る待遇を受けられる可能性が高い職場です。また、企業の業績連動賞与がある場合もあります。

(参考)ここだけは絶対に辞めるべき職場4選

腰の負担が大きく、ここだけは絶対にやめておいた方がよい職場を押さえておくことも重要です。

具体的には、以下の4つは腰痛やヘルニア持ちの看護師さんにはおすすめしません。

  • 総合病院の外来
  • 小児科クリニック
  • 高齢者施設
  • 病棟看護師
  • 介護施設
  • 訪問看護

どの職場も、立ちっぱなしや歩きっぱなしとなる時間が多く、大掛かりな介助、中腰での作業など、腰に負担がかかる姿勢を取る時間が長くなりがちです。

尚、小児科クリニックは、診察時に小さい子供を捕まえる必要があることや、子供に背後から飛びつかれてぎっくり腰を発症してしまったなど、意外にも腰への負担が大きいため避けることをおすすめします。

腰への負担が少ない職場5選 比較表

職場名身体介助の頻度座位業務の割合夜勤の有無給与水準年収目安
手術がない眼科無し標準320~420万円
耳鼻科・皮膚科クリニック無し標準300~400万円
健診センターほぼ無し無しやや高め340~440万円
透析クリニック一部ありやや高め380~480万円
産業看護師無し無し高め420~620万円

上記比較表も参考にしてみてください。

3.看護師の職場選びで必見!腰の負担が少ない環境の見極め方!

この章では、腰痛持ちの看護師さんに向けて、腰の負担が少ない環境の見極め方を紹介します。

腰にどれだけの負担がかかるかは、環境次第なところが大きいため、職場選びの際は以下の観点でチェックしてみてください。

順番に見ていきましょう。

3-1.ノーリフトの職場を選ぶ

最近では、看護師や介護士の腰への負担を配慮し、「ノーリフト」という考え方を取り入れている医療機関や施設が増えています。

ノーリフトとは人力のみで人の移乗をおこなわないこと

ノーリフトとは人力だけで患者や要介護者を持ち上げないことです。人力で持ち上げる代わりに、移乗リフトやスライディングボードと呼ばれる特殊な補助具を使用します。

これは、患者や要介護者の不快感や皮膚の損傷の軽減、リフトを使って体を起こすことで視界が変わり、自立への意識が高まる効果を目的としていますが、同時に介助者の身体的負担を軽減し、腰痛を防止する効果もあるのです。

尚、日本看護協会の腰痛予防指針においても、「(事業主は)人力による人の抱え上げは行わせないこと」という原則があり、患者さんの抱え上げはリフトを使用することが望ましいとされています。

しかし、リフトを導入しているものの、入浴時のみの使用となっているなど、補助具を導入している全ての医療機関が安心というわけではありません。

このため、補助具を導入しているのであれば、どのような場面で使用しているのかまで確認しておくことがおすすめです。

3-2.ストレスが少ないかという視点も重要

腰の負担が少ない職場を選ぶためには、ストレスが少ないかという視点も重要となります。

腰痛の発生原因として、前かがみ動作などの作業要因に加え、心理的・社会的な姿勢も発症要因となりうると言われています。(参考:女性看護師の腰痛の有無と身体・心理・社会的姿勢に関連する因子とその様相

つまり、仕事への満足度の低さや、職場の支援不足など、いわゆるストレスによって腰痛が発症していることが示唆されているのです。

何をストレスに感じるかは人によって異なるため、ご自身がストレスを感じる状況に向き合い、それを軽減するような職場を選ぶことが重要でしょう。

3-3.面接時に業務内容を入念に確認しておく

希望の職場の面接時に業務内容を入念に確認しておくことも、腰への負担を減らす観点での職場選びにおいて重要です。

面接時には、腰痛やヘルニア持ちであることを伝えるようにしましょう。これらを事前に伝えてると、転職では不利になるでしょう。しかし、伝えない状態で面接に通過し、入職後に腰への負担が大きい職場だったと気付いては、職場にも迷惑がかかってしまいます。

このため「腰痛があるため、患者さんの移乗などはあまりできない」ことをはっきりと伝え、腰に負担のない職場かどうかを積極的に質問しましょう。

これにより不採用となった場合、その職場は腰の負担が多い職場だったと考えられます。結果としてご自身にとっても好都合であるため、採用担当者とコミュニケーションを取りながら、ベストな職場を探してみてください。

4. 腰痛を理由にした転職を成功させる具体的ステップ

腰痛が原因で転職を検討している看護師さんにとって、最も重要なのは転職活動を戦略的に進めることです。ここでは、腰痛という身体的な理由を前向きに捉え、新しい職場で長く働き続けるための具体的なステップをご紹介します。

【例文付き】面接で不利にならない退職理由の伝え方

腰痛を理由とした転職では、面接官に「また体調不良で辞めてしまうのでは?」という不安を与えないことが重要です。ここでは、ポジティブな印象を与える伝え方のポイントと具体的な回答例をご紹介します。

伝え方の基本ポイント

  1. 体調管理への取り組みを強調する 現在進行形で体調改善に努力していることをアピールしましょう。「治療を受けている」「生活習慣を改善している」など、前向きな姿勢を示すことが大切です。

  2. キャリアアップの視点を盛り込む 単に「腰が痛いから」ではなく、「新しい分野で専門性を高めたい」「予防医療に興味がある」など、成長意欲を示しましょう。

  3. 長期的な働く意欲を伝える 体調管理ができれば長く働き続けられることを具体的に説明しましょう。

面接回答例①(クリニック志望の場合)

「前職では病棟勤務で夜勤や重労働が続き、腰痛が悪化してしまいました。現在は整形外科で治療を受けており、症状は安定しています。この経験を通じて、予防医療の重要性を実感し、地域の皆様の健康維持に貢献したいと考えるようになりました。クリニックでは患者様お一人お一人とじっくり向き合える環境で、これまでの急性期での経験を活かしながら、長期的に安定して働き続けたいと思っております。」

面接回答例②(産業看護師志望の場合)

「病棟での勤務経験を通じて、看護師自身の健康管理の重要性を痛感いたしました。私自身も腰痛で悩んだ時期がありましたが、現在は理学療法士の指導のもと運動療法を継続し、症状をコントロールできています。この経験を活かして、働く方々の健康管理をサポートする産業看護師として、企業の健康経営に貢献したいと考えています。予防医学の観点から、多くの方の健康維持をお手伝いできることに大きなやりがいを感じており、長期的にこの分野で専門性を高めていきたいと思っております。」

避けるべき表現

  • 「腰が痛くて今の仕事が続けられません」
  • 「重い患者さんを持ち上げるのが辛いです」
  • 「体力的にもう限界です」

これらのネガティブな表現は避け、常に前向きで建設的な内容を心がけましょう。

転職成功のための4つの戦略的ステップ

ステップ1:自己分析と目標設定 現在の腰痛の状態、治療状況、今後のキャリア目標を明確にしましょう。どの程度の身体的負担なら対応できるか、どのような働き方を希望するかを具体的に整理します。

ステップ2:情報収集と職場選定 上記のチェックポイントを活用して、複数の候補を選定します。転職エージェントや看護師専門の転職サイトを活用し、詳細な情報を収集しましょう。

ステップ3:応募書類の戦略的作成 履歴書・職務経歴書では、腰痛をハンディキャップではなく「新たな視点を持つきっかけ」として前向きに表現します。体調管理への取り組みや、目指す看護師像を明確に記載しましょう。

ステップ4:面接対策と条件交渉 面接では上記の回答例を参考に、前向きな退職理由を準備します。また、必要に応じて勤務条件(業務内容、勤務時間等)について率直に相談し、長期的に働き続けられる環境を整えましょう。

このように戦略的に転職活動を進めることで、腰痛という身体的な制約を乗り越え、新しい職場で充実したキャリアを築くことができるはずです。

5.看護師が腰の負担を少なくしたいときの対処法

腰の負担を減らす最速の方法は環境を変えることですが、今すぐ腰の負担を減らしたい方も多いでしょう。

この章では、看護師が腰の負担を少なくしたいときの対処法をお伝えします。

できることから、ぜひやってみてください。

5-1.姿勢の良さを常に意識する

一つ目は、姿勢の良さを常に意識することです。

前かがみや中腰の姿勢は、腰への負担が大きくなります。ベッドの高さを調節したり、患者さんを起こすときに片膝をベッドに乗せるなど、ひと手間加えることで腰への負担を減らすことができます。

加えて、急な動作や腰の不意なひねりを避けることや、動作時に視線と動作を連動させると、より負担がかかりにくくなります。

5-2.疲れにくく安定しやすい靴を選ぶ

腰への負担を減らすためには、疲れにくく安定しやすい靴を選ぶことも重要です。

勤務中に履くナースシューズを選ぶ際は、以下を参考にしてみてください。

  • 安定感のあるもの
  • 足に合う靴を選ぶこと(サイズ・足の幅・甲の高さ・フィット感・歩きやすさ)
  • 腰の自然なカーブを保ちやすいもの

足に合わない靴を履いていると、足裏や足指の筋肉が疲れてしまうことで衝撃を吸収できずに腰への負担が大きくなってしまいます。

歩くときや立っているときにしっかりと上半身を支えるためにも、日常的に履く靴選びはとても重要です。

5-3.ストレッチや体操を取り入れる

ストレッチや体操を取り入れることも、腰への負担を減らすためには有効です。

職場では30分に1回は腰を回す、体を伸ばすことなどを少しずつでも取り入れながら、長時間同じ姿勢を取らないようにしましょう。

また、自宅でゆっくりとお風呂に浸かり、血行を良くする習慣をつけると、痛みが緩和しやすくなります。

5-4.整骨院などでマッサージを受ける

整骨院などで定期的にマッサージの施術を受けることも、おすすめです。

整体師さんにどのような症状なのか、普段どのような姿勢で作業しているのかなどを伝え、ご自身に合う施術を受けてみてください。

マッサージによって得られるリラックス効果がストレス解消にもなり、腰痛が軽減されやすくなります。

また施術を受けた後に、ご自身に最適なストレッチ法を聞いておくと、日常のストレッチにも役立てることができるでしょう。

5-5.腰の負担が少ない職場に転職する

これらを全て試してみても、腰痛が軽減されないと感じたら、腰の負担が少ない職場に転職することも一つの手段です。

腰痛の症状が重く、自助努力ではどうしようもならない場合は、仕事を見直す必要があるかもしれません。

先に紹介した腰への負担が少ない職場など、力仕事や介助が少ない環境で働くことをご検討ください。

転職サイトのコンサルタントに相談してみるのもおすすめ

転職を検討している方は、『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などの、看護師転職サイトに相談してみるのもおすすめです。

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看護師の腰を守る新常識「ノーリフティングケア」とは?

近年、看護師の腰痛予防対策として注目を集めているのが「ノーリフティングケア」です。これは従来の「正しい姿勢で持ち上げる」というボディメカニクスの考え方から大きく転換し、「そもそも人力で患者さんを持ち上げない」という革新的なアプローチです。海外では既に標準的な取り組みとなっており、日本でも導入する医療機関が徐々に増加しています。

「持ち上げない看護」の基本と導入メリット

ノーリフティングケアの基本理念

ノーリフティングケア(No Lifting Care)とは、看護師や介護従事者が患者さんを人力で持ち上げることを原則として行わず、適切な福祉用具やリフト機器を活用して患者移乗や体位変換を行うケア手法です。

この手法は1990年代にオーストラリアで始まり、その後ヨーロッパ諸国やアメリカに広がりました。日本では2013年に厚生労働省が「職場における腰痛予防対策指針」を改訂し、「原則として人力による人の抱上げは行わせないこと」を明記したことで、本格的な普及が始まっています。

ノーリフティングケアで使用される主な機器

リフト機器にはいくつかの種類があり、患者さんの状態や場面に応じて使い分けます:

  • 天井走行リフト:病室の天井に設置されたレールを走行するリフト。全身麻痺の患者さんなど全面介助が必要な場合に使用
  • 床走行リフト:キャスター付きの移動式リフト。様々な場所で使用可能で、導入しやすい
  • 立ち上がりリフト:下肢に力が入る患者さんの立ち上がりを補助する機器
  • スライディングボード・スライディングシート:患者さんの下に敷いて水平移動を容易にする補助具
  • エアマット:空気の力で患者さんを持ち上げて移動を補助する機器

看護師にとっての導入メリット

ノーリフティングケアの導入により、看護師は以下のような恩恵を受けることができます:

身体的負担の軽減 最も直接的なメリットは腰痛をはじめとする身体的負担の大幅な軽減です。オーストラリアの調査では、ノーリフト政策導入後に看護師の腰痛発生率が約60%減少したという報告があります。日本国内でも導入施設では、看護師の腰痛有訴率が導入前の68%から導入後の32%まで減少したという事例が報告されています。

業務効率の向上 機器を使用することで、従来2〜3人で行っていた移乗作業を1人で安全に実施できるようになります。これにより人手不足の解消や業務時間の短縮につながり、より質の高い看護に時間を割くことが可能になります。

安全性の向上 人力による移乗では、看護師の疲労や技術レベルによって安全性にばらつきが生じがちです。機器を使用することで、患者さんの安全性が標準化され、転落や皮膚損傷などのリスクを大幅に軽減できます。

患者さんにとってのメリット

ノーリフティングケアは看護師だけでなく、患者さんにとっても多くのメリットをもたらします:

身体的負担の軽減 従来の移乗方法では、患者さんの腋の下に手を入れて持ち上げることで関節に負担をかけていましたが、リフト機器を使用することで患者さんの身体への負担も軽減されます。

尊厳の保持 機器を使用することで、より丁寧で安定した移乗が可能になり、患者さんの尊厳を保ちながらケアを提供できます。また、移乗時の恐怖感や不安感も軽減されます。

早期離床の促進 安全で確実な移乗が可能になることで、医師や理学療法士も積極的に早期離床を進めることができ、患者さんの回復促進につながります。

ノーリフト導入病院の探し方と面接での確認ポイント

腰痛に悩む看護師にとって、ノーリフティングケアを導入している病院への転職は非常に魅力的な選択肢です。しかし、導入状況や活用度は病院によって大きく異なるため、転職活動では慎重な情報収集が必要です。

ノーリフト導入病院の探し方

1. 病院のウェブサイトでの確認 多くの病院がノーリフティングケアの導入を積極的にアピールしているため、公式ウェブサイトの「看護部紹介」「働く環境」「設備紹介」などのページで確認できます。「リフト完備」「ノーリフト」「腰痛予防対策」などのキーワードで検索してみましょう。

2. 転職サイト・エージェントの活用 看護師専門の転職サイトでは、「リフト完備」「腰痛対策充実」などの条件で検索できる場合があります。また、転職エージェントに直接相談することで、内部情報を教えてもらえることもあります。

3. 学会・研修会での情報収集 日本ノーリフト協会や各種看護学会では、ノーリフティングケアに取り組む病院の事例発表が行われています。これらの情報から先進的な取り組みを行う病院を知ることができます。

4. 口コミサイトでの評判確認 実際に働いている看護師の声を確認できる口コミサイトでは、「腰痛対策」「設備の充実度」「働きやすさ」などのリアルな情報を得ることができます。

面接での確認ポイント

ノーリフト導入病院への転職面接では、以下の点を必ず確認しましょう:

導入機器の種類と台数 「どのような種類のリフト機器を何台導入していますか?」 「病棟や病室にはどの程度の割合で設置されていますか?」

単にリフトがあるだけでなく、必要な時にすぐに使用できる台数が確保されているかが重要です。理想的には、各病室または2室に1台程度の割合で設置されていることが望ましいとされています。

使用頻度と浸透度 「実際にどの程度の頻度でリフト機器を使用していますか?」 「スタッフの使用率はどの程度ですか?」

機器があっても使われていなければ意味がありません。看護師の8割以上が日常的に使用している状況が理想的です。

教育・研修体制 「新入職者に対するリフト機器の使用研修はありますか?」 「定期的な技術更新研修は実施していますか?」

適切な研修なしに機器を使用すると、かえって事故につながる危険があります。体系的な教育プログラムがあるかを確認しましょう。

メンテナンス体制 「機器の点検・メンテナンスはどのように行っていますか?」 「故障時の対応体制は整っていますか?」

機器の安全性を保つためには、定期的なメンテナンスと迅速な修理体制が不可欠です。

腰痛予防に対する病院の方針 「病院として腰痛予防対策にどのように取り組んでいますか?」 「腰痛予防委員会などの組織はありますか?」

ノーリフティングケアが病院全体の方針として位置づけられているかを確認することで、長期的な取り組みの継続性を判断できます。

面接で使える質問例

「前職で腰痛に悩んだ経験があり、ノーリフティングケアに興味を持っています。こちらの病院での取り組み状況を教えていただけますか?」

「患者さんの安全と看護師の健康を両立させるため、リフト機器の活用について積極的に学びたいと考えています。研修制度について詳しく教えてください。」

このように、前向きな学習意欲を示しながら質問することで、好印象を与えながら必要な情報を得ることができます。

よくある質問|看護師の腰痛とキャリア

腰痛に悩む看護師の皆さんから、転職やキャリアに関して寄せられることの多い質問にお答えします。一人で抱え込まずに、適切な情報を基に最適な判断を行ってください。

Q. 看護師の腰痛は労災認定されますか?

A. 看護師の腰痛は、業務との関連性が認められれば労災認定の対象となります。ただし、認定を受けるためには一定の条件を満たす必要があります。

労災認定される腰痛の種類

看護師の腰痛は、労働災害における分類上「災害性腰痛」と「非災害性腰痛」の2つに分けられます。

災害性腰痛は、明確な受傷機転(怪我の原因となった出来事)がある腰痛です。例えば、患者さんの移乗介助中に「ぎっくり腰」になった、体位変換の際に腰を捻って痛めたなど、具体的な発症時期と原因が特定できる場合が該当します。

非災害性腰痛は、日常的な業務の積み重ねによって慢性的に発症・悪化する腰痛です。長期間にわたる患者介助、不自然な姿勢での処置、重い物の運搬などが原因となる慢性腰痛や椎間板ヘルニアなどが該当します。

認定のための条件

労災認定を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります:

  1. 業務との関連性の証明 腰痛の発症・悪化が業務に起因することを医学的に証明する必要があります。これには医師の診断書や、業務内容を詳細に記録した資料が重要になります。

  2. 適切な医療機関での診断 労災指定医療機関または適切な医療機関で、腰痛の診断と業務との関連性について医師の見解を得ることが必要です。

  3. 発症時期と業務内容の記録 いつ、どのような業務を行っていた際に腰痛が発症・悪化したかを具体的に記録しておくことが重要です。

労災申請の手続き

労災申請は以下の流れで行います:

  1. 医療機関での診察:労災指定医療機関で診察を受け、診断書を取得
  2. 事業所への報告:勤務先の病院・施設に労災事故として報告
  3. 労働基準監督署への申請:必要書類を揃えて労働基準監督署に提出
  4. 調査・認定:労働基準監督署による業務起因性の調査と認定判断

認定率と現実

厚生労働省の統計によると、医療保健業における腰痛の労災認定件数は年々増加していますが、実際に申請する看護師は潜在的な患者数に比べて少ないのが現状です。これは「業務上の疾病として認められるか不安」「職場に迷惑をかけたくない」といった心理的要因が影響していると考えられます。

しかし、正当な権利として労災制度を活用することは決して恥ずかしいことではありません。適切な治療を受け、職場復帰に向けた支援を得るためにも、条件を満たす場合は積極的に申請を検討しましょう。

Q. 腰痛が原因で退職するのは「逃げ」だと思われないか不安です。

A. 腰痛を理由とした退職は決して「逃げ」ではありません。むしろ、自分の健康と長期的なキャリアを真剣に考えた責任ある判断といえます。

腰痛退職に対する誤解と現実

多くの看護師が抱く「腰痛での退職は逃げではないか」という不安は、看護師特有の使命感や責任感から生まれる自然な感情です。しかし、この考え方には以下のような誤解があります:

誤解1:「我慢するのが看護師の美徳」 確かに看護師は患者さんのために自己犠牲を払う職業ですが、自分の健康を犠牲にしてまで働き続けることは、長期的に見て患者さんにとってもマイナスです。健康な状態で質の高い看護を提供することの方が、はるかに価値があります。

誤解2:「周囲に迷惑をかける」 一時的には人手不足により同僚に負担をかけるかもしれませんが、腰痛が悪化して長期休職や突然の離職になる方が、職場により大きな迷惑をかけることになります。

誤解3:「看護師として失格」 腰痛は看護師の約5~7割が経験する職業病です。腰痛になることは看護師として失格なのではなく、職業特性上避けられないリスクなのです。

専門家の見解

産業医学や労働衛生学の専門家は、以下のような見解を示しています:

「看護師の腰痛は個人の問題ではなく、職場環境や業務特性に起因する構造的な問題です。腰痛を理由とした職場変更は、自分に適した働き方を見つけるための合理的な選択であり、キャリア形成の一環として捉えるべきです」

実際に、腰痛をきっかけに働き方を見直し、より充実したキャリアを築いた看護師は数多く存在します。

前向きな転職として捉える視点

腰痛を理由とした退職・転職を前向きに捉えるためには、以下の視点が重要です:

1. 自己理解の深化 腰痛という身体的な制約を通じて、自分に適した働き方や価値観を深く理解するきっかけになります。これは看護師としての成長につながる貴重な経験です。

2. 新たな専門性の獲得 腰痛が少ない職場への転職は、これまで経験のなかった診療分野や業務内容に挑戦する機会でもあります。予防医学、健康管理、慢性疾患看護など、新たな専門性を身につけることができます。

3. ワークライフバランスの改善 規則正しい勤務や夜勤のない職場への転職により、プライベートの時間を確保し、総合的な人生の質を向上させることができます。

4. 長期的なキャリア継続 一時的に職場を変更することで、看護師として長期間働き続けることが可能になります。これは個人にとっても社会にとっても有益です。

周囲への伝え方

腰痛を理由とした退職について周囲に説明する際は、以下のような伝え方が効果的です:

「これまでの経験を通じて、自分により適した看護の分野があることに気づきました。健康管理を見直しながら、新しい環境で看護師としてさらに成長していきたいと考えています」

このように、退職を「逃げ」ではなく「新たな挑戦」として位置づけることで、前向きな印象を与えることができます。

実際の成功事例

腰痛をきっかけに転職し、成功したキャリアチェンジの例:

  • 病棟看護師 → 産業看護師:企業の健康管理室で働くことで腰痛が改善し、予防医学の専門性を身につけて管理職に昇進
  • 急性期病院 → 慢性期病院:ゆったりとした環境で患者さん一人ひとりと向き合う看護に喜びを見出し、認定看護師資格を取得
  • 病院勤務 → 訪問看護:在宅看護の専門性を高め、地域医療に貢献しながら自分らしい働き方を実現

これらの事例が示すように、腰痛を理由とした転職は決して「逃げ」ではなく、新たな可能性を開く「前進」なのです。

さいごに

看護師の腰への負担が少ない職場や、腰の負担が少ない環境の見極め方についてお話しました。

腰痛が職業病である看護師さんが腰への負担を減らすためには、腰の負担が少ない職場で働くことが一番手っ取り早いです。

もしも腰への負担を減らすために転職を検討しているのであれば、『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などの看護師転職サイトにぜひ相談してみてください。

この記事があなたの将来に役立つよう願っています。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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