「オペ室(手術室)看護師が辛い…」
「病棟看護師に移りたい・・・」
と悩んでいる看護師さんは多いかと思います。
オペ室看護師は他の職種に比べて高収入ですが、その分仕事の緊張感やストレスが高い、勉強し続ける必要があるなど、他の診療科とくらべて大変なことも多いです。
そもそも看護師の中でも、向き・不向きがはっきりしてる仕事であるため、「向いてなくて辛い…」と悩む人はたくさんいらっしゃいます。
そこでこのページでは、元看護師で現役人材コンサルタントの経験から、オペ室看護師が辛いと感じる原因やその対処方法について、ご紹介します。
- オペ室看護師が辛いと感じる8つの理由
- オペ室看護師が辛いと思ったら、まずやってみること
- オペ室看護師を続けることのメリット
- オペ室看護師が向いている人・向いていない人
- オペ室看護師が辛いと感じる人の、自分に最適な職場で働く方法
- 看護師からの評価の高い転職サイト
この記事が皆さんのお悩み解消のために、少しでも助けになれば幸いです。
[simple-author-box]1. オペ室看護師が辛いと感じる8つの理由
オペ室看護師の仕事が辛いと感じるのには、以下のような理由があるようです。
- 仕事の緊張感が高くストレスを感じる
- 専門知識が多く、勉強が大変
- 慣れない業務が多くてつらい
- 自分の知識の無さに無力感を感じる
- 立ちっぱなしによる業務の疲労が大きい
- 先輩に質問しにくいうえに、怒られてばかり
- 患者と話す機会が少ない
- 自宅待機(オンコール)で休日が邪魔される
それぞれ、現役オペ室看護師の方の口コミと一緒に紹介していきます。
※オペ室看護師を対象にした調査『手術室新人看護師が抱く困難と対処法』をもとに作成
1-1.仕事の緊張感が高くストレスを感じる
仕事の緊張感が高いことで、ストレスを感じる看護師さんは多くいらっしゃいます。
手術室は、ほんの小さなミスが命に直結することも多く、常に高い緊張感が漂っている場所です。
手術は何時間にも及ぶことや、1日で何件もの予定が入っていることもあります。
このため多くの看護師さんが、勤務が終わると大きな精神的疲れを感じているようです。
1-2.専門知識が多く、勉強が大変
オペ室看護師さんの多くは、専門知識を身に付け続ける必要があり、勉強が大変…とおっしゃっています。
これは、仕事がら自分の受け持ちの科が決められているわけではなく、特定の科に限定されない広い知識を求められるからです。
また、手術やそれぞれの器具の知識も覚えなければならず、勉強量は最も多いといえます。
1-3.慣れない業務が多くてつらい
手術室に配属となったばかりの看護師さんに多い悩みですが、慣れない業務が多くてつらい…というお話はよく聞きます。
特に「器械出し」は、病棟や外来看護師の業務内容と全く違うものです。無数の器械の名前や用途などを把握しなければならないため、慣れないうちはまるで新人の頃に戻ったような感覚になる方もいるでしょう。
手術には一連の流れがありますが、その流れに乗って仕事が出来ないことに戸惑ったり、自信がなくても一人で対応しなくてはならない状況に不安を抱えながら仕事をしている方は多いです。
1-4.自分の知識の無さに無力感を感じる
自分の知識の無さを痛感し、無力感を感じる…とおっしゃるオペ室看護師さんもいらっしゃいます。
手術ごとに外回りの仕事の優先順位が異なり、状況に合わせた判断ができないことや、夜勤と日勤で業務内容が違うなど、私に知識があれば解決できるのに…と、責任感がある人ほど自分を責めてしまうのです。
なにもできない自分が悔しくて惨めな気持ちでいっぱいです。
1-5.立ちっぱなしによる業務の疲労が大きい
オペ室看護師という仕事がら、一日中座れない日や、夜勤で連続して手術をした場合など、長時間の立ち仕事で疲れる・しんどいという声も聞かれます。
病棟だとカルテ入力などで座るタイミングがありますが、器械出し看護師などは手術が終わるまでは基本的にずっと立ちっぱなしになります。
また、夜勤は交代者がいないため、長時間の手術をこなした結果、夜勤明け翌日でも疲れが全然取れないまま出勤…というように、体力的にキツイとおっしゃる人は多いです。
1-6.先輩に質問しにくいうえに、怒られてばかり
先輩に質問をしにくいうえに怒られてばかり、と悩む方はとても多いです。
手術室という常に緊張感が張り詰めている環境下で、確かに質問はしにくいでしょう。
先輩に余裕がなさそうと感じて、聞かずに進めた結果、自分の判断が誤っていて怒られるなど、どうしたら良かったの…と悩んでしまうのです。
1-7.患者と話す機会が少ない
オペ室勤務の看護師さんは、基本的に患者と話す機会は少ないと言えます。
このため、患者とコミュニケーションを取りながら看護をしたいという想いがある人にとっては、辛く感じてしまうでしょう。
術前・術後の患者訪問や覚醒下手術での患者さんとのやり取りはあるものの、病棟看護師とくらべて会話する機会は少なく、物足りなさを感じる人は多いです。
1-8.自宅待機(オンコール)で休日が邪魔される
自宅待機(オンコール)で休日が邪魔される、遠出ができなくて辛い…という悩みもよく耳にします。
当番の日は、電話があればすぐに病院に行けるよう準備を整えておかなければなりません。
手当がもらえるため好む人もいますが、プライベートを大切にしたいと考える人は、呼ばれたら手術に駆け付ける必要がある状況は辛いでしょう。
2.オペ室看護師が辛いと思ったら、まずやってみること
オペ室看護師が辛い…と感じたら、まず以下の5Stepをやってみることをおすすめしています。
- Step1. 辛いと思っている理由を書きだす
- Step2. 書き出したものに対して、嫌だと感じる順番をつける
- Step3. 自分で改善できるものとできないものに分け、改善できるものは改善する
- Step4. 職場の同僚や先輩に話して解決できそうなものは相談する
- Step5. 信頼できる人に相談する
1番から順番に、ぜひやってみてください。
Step1. 辛いと思っている理由を書きだす
オペ室看護師が辛いと感じたら、辛いと感じる原因となっている理由を書きだしましょう。
このとき、箇条書きで思いつく限り書きだしてみることをおすすめしています。
書いているうちに、自分自身では気付かなかった感情も出てくることがあるからです。
アウトプットすることは、今の自分の気持ちを整理することにもなりますので、まずは思いつくままに書いてみましょう。
Step2. 書き出したものに対して、嫌だと感じる順番をつける
ひととおり書き出したと感じたら、箇条書きしたものに対して「嫌だ」と感じる順番をつけます。
オペ室看護師さんの場合の一例は以下の通りです。
- 勉強が大変で時間がかかる→4
- 夜勤がないから給料が低め→3
- 手術の緊張感がキツイ→5
- 患者さんとの接点が少なく、やりたかった看護と違う→1
- 手術中の医師が怖い→6
- 病棟にいる同期と差がついている気がする→2
この場合、その人の看護観がオペ室看護師の仕事と合わないことが、辛いと感じる理由であると言えます。
逆に、勉強面や手術中の緊張などは、改善の余地があります。
Step3. 自分で改善できるものとできないものに分け、改善できるものは改善する
嫌だと感じる順位をつけたら、自分の努力で改善できるものと出来ないものを分けます。
そして、自分の行動で改善できるものを改善しましょう。
例えば、以下のように分けることができます。
【改善できる】
- 同期の差
- オペ看知識の勉強
- 手術中の不安感や医師との人間関係
【改善できない】
- やりたい看護と違う
- 給料や労働環境
業務内容や職場環境は、自分では変えられませんが、勉強面や人間関係は、自分の行動次第で改善できる可能性があります。
また、自主的に考え行動していると、辛いと思っていた状況が徐々に変わってくることは多々あるのです。
勉強時間を確保することが大変であれば、時間の使い方を見直す、同期と差を感じるのなら、同期から情報収集をするなど、小さなことや動きやすいことからで良いので、やってみましょう。
Step4. 職場の同僚や先輩に話して解決できそうなものは相談する
行動する中で、同僚や先輩に話すことで解決できそうなら、相談してみることも一つの手です。
例えば「やりたかった看護と違う」のであれば、ゆくゆくは病棟業務もやりたいことを、ご自身のキャリアプランとして上司に伝えるという方法があります。
自分ひとりの力では解決できなくても、社内の人に相談することで改善する可能性があるのなら、信頼できる人に話をしてみると良いでしょう。
Step5. 信頼できる人に相談する
職場の人には相談できない、相談したけど解決しなかった…という場合は、以下の人や窓口に相談してみましょう。
- 家族や友人など身近な人
- 公的機関の相談窓口
- 転職サイトの担当者
職場以外の人に相談することで、客観的な視点でアドバイスをもらえることがあります。
例えば日本看護協会では「ナースのはたらく時間・相談窓口」として、看護師の現場からの質問や悩みを受け付けています。
ナースのはたらく時間・相談窓口
問い合わせフォームから送信、FaxまたはEメールにて、相談することができます。
- 問い合わせフォームはこちら
- Fax:050-3737-2820
- Eメール:hataraku@nurse.or.jp
※回答までに10日~2週間
外部機関に相談しても、辛い気持ちが解消されないのであれば、退職することを考えても良いかもしれません。
関連記事:
看護師転職の相談先一覧|仕事の悩みから将来の不安まで何でも話せる相談窓口
3. オペ室看護師を続けることのメリット
辛いと感じる人が多いオペ室看護師の仕事ですが、実はオペ室看護師を続けることは、多くのメリットがあります。
そのメリットは次の4点です。
それぞれ、紹介していきます。
3-1.幅広い知識を身に付け、スキルアップできる
オペ室看護師は、幅広い知識と技術を身に付けるため、スキルアップしやすいというメリットがあります。
これは、勉強量が多いうえ、担当する領域が特定の科にとどまらないからです。
特に外回り看護師を経験すると、多くのトラブルや状況の変化に臨機応変に対応するための技術や力をつけることができます。
病棟などの一般的な看護技術や知識を身に付けにくいというデメリットがあるものの、結果として本当に自分が目指したい分野が見つかったという人も多くいるのです。
3-2.人間関係で悩むことが少ない
一般的に職場の人間関係の悩みが多くなりがちな看護師ですが、オペ室看護師の場合、そのような悩みは少ない傾向があります。
看護師の就業先の中でも特に医師と仲良くなりやすい部署と言われており、手術中は雑談をしたりすることも多いでしょう。
病棟看護師とくらべると患者さんとの接点も少ないため、患者さんとのコミュニケーションに苦手意識がある人にも適した仕事です。
3-3.手術後に患者さんが回復したときの喜びが大きい
オペ室看護師ならではのメリットの一つが、手術後に患者さんが回復したときに大きな喜びを感じられることです。
重篤の状態から手術を経て回復をし、元気に退院していく姿を見たときや、手術をサポートした患者さんが回復した姿を見られると、大きな喜びに変わるのです。
ただ、患者さんとのコミュニケーションが少ない仕事であるという特性上、やりがいや達成感を感じにくいというオペ室看護師さんもいらっしゃいます。術前・術後訪問を通して関われますが、患者さんに覚えてもらえないということも珍しくありません。
手術室看護師の仕事にやりがいを持っている方は、患者さんからの言葉よりもからの評価(「今日の手術やりやすかった」「○○さんが担当看護師だと、やりやすい」など)がモチベーションになる人もいるようです。
3-4.経験していると転職先に困らない
手術室を経験していると、下記3点が身についているとみなされるため、オペ室看護師は転職先に困らないと言われています。
- 特定の科に限定されない知識と経験
- チーム医療
- 即座の判断力
特定の科に限られない豊富な知識を身に付けているため、手術室出身の看護師は他の配属について未経験でも転職しやすいという背景があるからです。
また、オペ室はどこも人手不足の傾向があるため、希望すれば好条件で転職できる可能性が高く、オペ室経験を積むことは看護師としてのキャリアを強化することにつながります。
4. オペ室看護師が向いている人・向いていない人
ここまでを踏まえて、オペ室看護師として働くことが向いている人は、下記の通りです。
一つの基準としては「向いている人の4つの条件」から3つ以上に該当した上で、「向いていない人の3つの条件」に2つ以上該当しない方はオペ室看護師が向いている可能性が高いと言えます。
(3つ以上該当したら◎)
- 突発的な対応や即座の判断力に自信のある方
- スキルアップ意識の高い方
- 患者さんとのコミュニケーションに重きを置いていない方
- 休日のオンコール対応が苦ではない方
向いていない方の3つの条件
(2つ以上該当したら×)
- 患者さんとコミュニケーションを取りながら看護をしたい方
- 専門分野を突き詰めていきたい方
- 血を見ること、身体を切るなどが生理的に無理な人
辛いと感じる理由などからも分かるように、オペ室看護師として働くには向き不向きがあるのは事実です。
「オペ室看護師は辛いうえに向いていない…」と感じた方に向けて、次章では自分に最適な職場の選び方をご紹介します。
5. オペ室看護師が辛いと感じる人の、自分に最適な職場で働く方法
「やっぱりオペ室看護師が辛い…できれば職場を変えたい」と感じている方に向けて、ご自身に最適な職場で働く方法をご紹介します。
順番にご紹介します。
5-1.病院内での異動希望を出してみる
オペ室看護師が辛いと感じたら、まずは病院内での異動希望を出してみることがおすすめです。
希望の診療科があれば申し出ても良いですし、行きたい診療科がわからなくても、病態や解剖を間近で学べる手術室の経験の多くは新しい部署でも役立ちます。
2章で書き出しをした内容を元に、ご自身がどのような働き方をしたいかと照らし合わせて考えると良いでしょう。
5-2.転職する
人手不足など、さまざまな要因で異動の希望が叶わないと感じたら、転職することも一つの手段です。
オペ室看護師の仕事内容は専門性が高いため、その経験を活かせる職場は多数ありますし、上手くいけば年収アップにつなげることもできるでしょう。
オペ室看護師のスキルを活かして転職したい場合、特に下記の職場がおすすめです。
オペ室看護師のスキルを活かせる職場
- ICUやCCU、救命救急センターなど(集中治療ユニット)
処置の多さから、器械出しの経験がある看護師さんは特に重宝される。
患者さんの急変から手術室への移動が間に合わず、その場で手術が行われることも。 - 急性期の外科病棟
特に外回りのスキルが、外科病棟での術後管理に活かされる。 - 美容クリニック
日帰り手術が行われるため、手術室の経験を活かしやすい。
給料アップにつながりやすい点もポイント。
また、ご自身が希望する働き方ができる職場を確実に見つけるために、求人で事前に下記の項目をチェックしておきましょう。
事前にチェックするべき4項目
- 職場の雰囲気
- 福利厚生
- 労働環境(給料面等)
- 希望の働き方ができる環境か
6.看護師からの評価の高い転職サイト
数ある転職サイトのなかから、以下を基準に、「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人数 …総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
- 利用者満足度(提案&サポート力) …利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下のとおりとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
---|---|
1位 看護roo! | 55,907件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | 135,763件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 60,875件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
※求人数2022年8月更新
この記事では3サイトに厳選しています。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
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さいごに
オペ室看護師が辛いと感じる看護師さんに向けて、その対処法をお伝えしました。
向き不向きが出やすい仕事ではあるため、どうしても辛いと感じる方は、転職も検討してみることをおすすめします。
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あなたの看護師人生が最高のものになるよう、心から祈っております。