「看護師の離職率は高いの?」と考えていませんか。
結論として、看護師の離職率は約11%と、他の職業と同じくらいの値で、離職率が特別高いとは言えません。
ただし、離職率は職場によって違うので、長く働くことを考えると職場選びが何より重要となります。
この記事では、転職のプロの知見をもとに、看護師の離職率の現状を紹介し、離職率が高い職場の特徴をご説明します。
この記事を読めば、看護師の就職への不安がなくなり、後悔しない決断ができるようになるでしょう。
編集部が実施した看護師723名へのアンケート調査に基づくサポート力や求人の数・質への満足度が高い転職サイトベスト3は、下記の3つ。
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1. 看護師の離職率は11%とそれほど高くない
長時間労働や夜勤が多く激務な看護師は、離職率が高いと思われがちですが、実際はそれほど高くないことが分かっています。
日本看護協会の調査によると、2019年度の正規雇用看護職員の離職率は11.5%です。(参考:2020年 病院看護実態調査)
同年の全職種の平均離職率(正規雇用)は11.4%と、看護師の離職率とほぼ同数でした。
他の仕事よりも著しく離職率が高いわけではないことが分かります。
1-1.過去5年の推移をみると、看護師の離職率は全体より低い
看護師の離職率と労働者平均を比較すると、看護師の方が離職率が低い傾向にあります。
過去5年間の正規労働者の離職率を比較すると、看護師の離職率は、平均を下回る年が多いことがわかります。
(参考:日本看護協会 病院看護実態調査 ・厚生労働省 雇用動向調査)
看護師の離職率は、全職種平均より低いか同じくらいであり、離職率が高い職業とは言えません。
ハードな仕事というイメージがある看護師は、離職率が高いと思われがちです。
しかし看護師の退職理由は、結婚や出産、配偶者の転勤などが主であり、「キツくて辞める」という看護師さんは、それほと多くありません。
やや古い調査にはなりますが、看護師の退職理由で最多は「出産・育児(22.1%)」、次いで「結婚(17.7%)」でした。(参考:看護職員就業状況等実態調査結果 )
補足:離職率が高い業界トップ3
- 宿泊・飲食:26.9%
- 生活関連サービス業(旅行やエンタメ業界など):23.9%
- サービス業全般:19.9%
離職率は業界や仕事内容によって異なります。体力的・精神的にハードな業界では20%を超えるようです。これと比べると、看護師の11%台という数値は低めであると言えるでしょう。(参考:平成30年雇用動向調査結果の概要)
1-2. 入職直後に早期退職する看護師は非常に少ない
看護師は、入職直後に早期退職する人が少ないのも特徴です。
新卒で入った職場をその年に辞める看護師の割合は8.6%と、他の仕事と比べて少ないです。(参考:2020 年 病院看護実態調査)
比較対象として大卒者の離職率(入社初年度)を挙げると、同年の離職率は11.7%でした。
2. 離職率が高い職場の特徴
看護師の離職率は職場によって大きく異なります。
こちらでは項目ごとの離職率をもとに、離職率の高い職場の特徴をご説明します。
2-1.小規模な病院
病床数が少ない小規模な病院は、離職率が高い傾向にあります。
離職率を病床の規模で比較すると、400床〜499床の規模が大きい病院は9.4%であったのに対し、99床以下の病院は17.1%と非常に高い値となっています。(参考:2020年 病院看護実態調査)
理由としては診療科が少なく、仕事内容や人間関係に不満があっても異動することが難しいこと、福利厚生や手当など待遇が大規模病院より良くないことが考えられます。
小規模の病院へ就職する場合は、「希望の仕事内容であるか」「職場の人間関係」などをより、入念に確認することをおすすめします。
2-2. 個人が経営する病院
看護師の離職率を職場の形態で比較したところ、個人で運営する病院の離職率が高いことがわかりました。
看護師の離職率を国立病院・公立病院・会社・個人病院で比較したところ個人病院が最も高いことが分かりました。
(参考:2020年 病院看護実態調査)
グラフより、個人病院では、国立や公立の病院の2倍、離職率が高いことが分かります。
個人が運営する病院では、福利厚生が大規模な病院より充実していなかったり、慢性的な人手不足など労働環境が悪いことも多いです。
国立や公立の病院は、福利厚生の充実や安定性に大きな魅力があり、離職率が平均より低くなってると考えられます。
3. 看護師100人に聞いた!離職した理由4選
この章では、弊社が転職を経験した看護師100人に行ったアンケートをもとに、多くみられた離職理由をいくつか紹介していきます。
順番にご紹介します。
3-1. 人間関係が悪い
看護師の離職理由として最も多いのは、「人間関係に問題があったこと」でした。
看護師は、看護師や医者とのコミュニケーションが欠かせないため、人間関係の悪い職場で働き続けるのが難しいです。
実際に、上司のパワハラから新人が次々と辞めていくという声がありました。
人間関係の悪さから離職率の高い職場では、パワハラやいじめをする上司など、悩みの原因となる看護師は辞めずに勤務し続ける場合が多いです。
このような職場は、人の入れ替わりも激しく非常に働きづらい職場環境と言えます。
関連記事:
看護師の人間関係の悩みに効果抜群!心理学にもとづく6つの改善策
3-2. 給料が安い
給料が安いことに不満を持ち、給料が良い職場へ転職する方も多かったです。
残業や休日出勤が多いのに手当が付かない、激務の割に給料が安いと仕事へのやる気を失いやすいです。
実際に給料面の不満から転職を決意した方の声を紹介します。
労働時間が長いのに、手取りが少ないとさらに夜勤や残業を増やすなど、体力的により追い込まれてしまいます。
給与面の不満は、生活に関わる問題なので転職をして解決する人が多いです。
転職先の決め手としても、給与面を重視する人が多く、給与は職場評価で重要な点と言えます。
3-3. 勤務時間が長く残業も多い
長時間労働や残業が多い職場は、体力的に続けられなくなる人が多く、30代を超える体力的に不安を感じるようになると離職する人が多いです。
残業が続くことや、休みを取りづらい職場環境が辛くて転職を決断した方がいました。
休みを取るたびに影口を言われる職場では、精神的にも体力的にも辛くなってしまいますよね。
看護師の平均年齢の低い急性期病棟や大学病院は、長時間労働や夜勤が多く、30代になると転職を考え始める人が多くなります。
教育体制は整えられているので、20代のうちはおすすめできますが、30代以上の転職先としては避けた方がいい職場です。
3-4. やりがいがない
仕事にやりがいを感じられない職場は、不満がたまりやすくなるため離職を決断することがあります。
やりがいを感じられない理由には、自分の希望する業務内容ではないことや、昇進の機会が少なく努力が正当に評価されないことなど様々なことが考えられます。
経験年数が評価に直結することが多い看護師の職業では、安易に転職を繰り返すことはおすすめできません。
看護師がやりがいを感じる瞬間は、患者さんから感謝の言葉をもらった時や、患者さんと深く関わりを持つ時など、患者とのコミュニケーションのなかで感じることが多いと分かっています。
自分がどんな時にやりがいを感じているかを考えて、自分がやりがいを感じやすい職場を見つけましょう。
関連記事:看護師のやりがいを感じる瞬間ってどんな時?100人の体験談から分かる看護の仕事の魅力とは
4. 長く働き続けられる職場を見つける方法
職場選びは、実際に働いてみないと自分にあった職場か分かりにくいので、なかなか決められない人が多いです。
こちらでは、長く働き続けられる職場を見つけるコツをいくつか紹介していきます。
4-1. 採用者研修があるか確認する
新卒採用、中途採用ともに採用者研修のある職場か確認しましょう。
採用者研修のない職場では、ブランクがある看護師や新人看護師は業務になかなか慣れることができず、負担が大きくなってしまいます。
しっかりと採用者研修がある職場では、看護師を大切に扱ってくれ、長く働きやすい環境が整えられていると考えられます。
新人教育専門の担当者がいると、気軽にわからないことを質問できるのでより安心して入職できます。
4-2. 夜勤のシステムを確認する
事前に、職場の夜勤システムを確認しておきましょう。
病院の夜勤システムには二交代制と三交代制のどちらかであることが多いです。
二交代制では日勤と月4〜8回の夜勤の2つに区分した勤務形態で、夜勤の勤務時間が長いことが特徴です。
三交代制は日勤、準夜勤、新夜勤の3つに区分した勤務形態で、二交代制より勤務時間は短いですが、日勤が少なくなります。
人によって、どちらの勤務形態が合っているかが違うため、自分にあった勤務形態で働くことができるか確認することが重要です。
関連記事>看護師夜勤の働き方全知識 | 勤務時間やスケジュール&メリットをまとめて解説
4-3. 支援制度があるか確認する
子育て支援や介護支援など、支援制度が充実しているか確認することも重要です。
看護師が退職するきっかけとしては出産や子育てが多いですが、支援制度が充実している職場では育休、産休が取得しやすかったり、短時間勤務が認められやすいので退職せずに仕事を続けることができます。
また支援制度が充実している職場は、子育てや介護に理解があるため急に子供が熱を出してしまった時や、親の病院へ付き添う時なども仕事が休みやすいです。
職場復帰しやすい病院や、働きながら子育てや介護ができる職場だと、長く働きつづけることができます。
4-4. 転職サイトに職場の内情を聞く
転職サイトの担当者に、職場の内情を聞くのもおすすめです。
転職サイトの担当者は、長年看護師の転職をサポートしてきた経験から、長く働き続けられる職場の特徴や、公開されていない職場の裏事情を知っていることが多いです。
自分が気になっている職場の人間関係や、離職率が高いかどうかなどを聞いて、自分に合った職場かどうか確かめましょう。
転職サイトのコンサルタントに相談してみるのもおすすめ
転職を検討している方は、『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などの、看護師転職サイトに相談してみるのもおすすめです。
職場環境は入職してみないと分からないことも多く、ご自身に最適な職場を自力で探し出すことは、難しいと言えます。
転職サイトのコンサルタントは、職場の採用担当者からどのような職場環境なのかを事前にヒヤリングしているため、ご自身の状況に最適な求人を紹介してもらえるでしょう。
『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』では、当サイトが独自に取得したアンケートから、利用者満足度の高い転職エージェントを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
4-5. 他の職場で働く看護師に話を聞く
転職経験がない人や、自分に合った職場を見極める自信のない人は、他の職場で働く看護師に相談するのがおすすめです。
自分の職場と比較をして長く働き続けられる職場か意見を聞いてみましょう。
新型コロナウイルスの影響で、面接前に職場見学をするのが難しくなっているので、看護師の客観的な意見は職場を見極める重要な要素となるでしょう。
4-6. 年収の高い職場を選ぶ
長く働き続けられ職場を絞り込めない人は思い切って給料が一番高いところを転職先に選ぶのもおすすめです。
給料面さえ満足できれば、仕事内容や人間関係にストレスを感じたとしても心に余裕が生まれある程度のことなら我慢できるからです。
例えば、給料が非常に良いと、人間関係に不満があっても「高い給料をもらっているからこれくらい我慢しよう」と割り切ることができます。
実際に他の条件をあきらめて給与の高さから転職先を選んだ人の声を紹介します。
給料面の不満は他の条件で感じる不満よりも、ストレスを感じやすい条件です。
給与が高い職場は、労働時間が長いなどハードな職場が多いので、職場選びの最終手段として検討するのがおすすめです。
5. まとめ
看護師の離職率の高さに不安を感じる方に向けて、看護師の離職率の実態についてご説明しました。
看護師の離職率は決して高い値ではありませんが、職場によって大きく異なることが分かりました。
経験年数が評価に直結する看護師は、長く働き続けられる職場を見つけることが非常に重要です。
紹介した長く働き続けられる職場選びの方法を参考に、自分に合った職場を探してみてください。
あなたの人生がより明るくなることを願っております。
何かに付けては「私の若い頃は~」や「腰痛何かなるのは気合が足りないからだ」などの看護師とは思えない発源が飛び交う職場でしたので新人が育たず早期退職、残ったのは上記の様な発言をする看護師しかいませんでした。