「看護師の転職先の決め手って何?」
「いくつかの病院から内定をもらったけど転職先を決められない」
など悩みますよね。
後悔しない転職をするためには、転職先が自分の希望条件をどれだけ満たしているのかを見極めて、適切な決断を下すことが欠かせません。
では、実際に看護師はどのように転職先を決めているのでしょうか。
そこで、この記事では看護師100人にアンケート調査を行い転職先の決め手を伺いました。その内容をランキング形式で紹介します。
- 【看護師100人調査】転職の決め手ランキング|後悔しない職場探しの全手順
- 複数内定をもらったら知っておきたい後悔しない職場の選び方
- 後悔しないための転職活動の進め方
- 次はあなたの番!『自分だけの決め手』を見つける3ステップ自己分析
- 【ケース別】先輩看護師のリアル転職ストーリー
この記事を読めば、看護師の転職先の決め手や自分がどのような職場に転職すると後悔しないのか、などが分かり、転職成功へ近づくでしょう。
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※2025年11月17日更新
※弊社が実施した独自アンケートの結果に基づきます
※本記事は看護roo!、レバウェル看護、マイナビ看護師、看護師ワーカー、ナース専科 転職などのPRを含みます。
【看護師100人調査】転職の決め手ランキング|後悔しない職場探しの全手順
当社が転職を経験した看護師100人に、転職先に今の職場を選んだ決め手を伺いました。

その結果、決め手・判断基準は大きく以下の6つが多いことが分かりました。
転職先の決め手トップ5
回答数が多かった順にご紹介していきます。
1位 希望する仕事内容だった 43票
「診療科や診療方針などが希望する仕事内容だった」と回答した人が43票と最も多い結果となりました。
前職場と同じ仕事内容で働けることや、興味のある診療科や診療内容であったことなどが挙げられました。


前の職場とは違う分野に挑戦したい人は、仕事内容を重視して、「本当にやりたいことができるのか」という視点で転職先を決めましょう。
同じ仕事内容の職場に転職する場合でも、仕事内容に注目するとよいでしょう。経験のある業務内容なら、転職後の職場に適応しやすく、前職の経験も生かしやすくなります。
2位 希望する勤務時間・勤務日数だった 37票
2番目に多かったのが残業や休日出勤などがない「希望する勤務時間・勤務日数だった」ことでした。
前の職場が体力的に辛くて転職を決めた人や、子育てをしている看護師に多くみられる理由でした。


体力的に続けられなくなり転職を決めた人は、勤務時間の短い職場を選ぶと負担が少なくなるので看護師の仕事を長く続けやすくなります。
また、結婚や出産を機に転職をした人は土日祝日は休みである職場を選ぶと、家族との時間が取れるのでプライベートも充実して過ごせるようになるでしょう。
3位 職場が家から近い 22票
3番目に多かったのが、職場が家から近く通いやすいという理由でした。
育児と両立するために通勤時間を重視したという声が多くみられました。


例えば、育児と看護師の仕事を両立する場合、仕事が終わるとすぐに子供の夕食の支度をしなければならないなど常に時間に追われながら生活を送ることになります。
そうしたときに、通勤時間が短いとやや余裕が生まれ、両立しやすくなります。
4位 収入面に満足 19票
4番目には就職先の給料に満足したという理由が多かったです。
前の職場が勤務時間は長いのに給料があまり高くない、残業代がきちんと支払われなかったなど給与面の不満から転職を決断した方も多いのではないでしょうか。
実際に給料面を重視して転職先を決めた人の声を紹介します。


給料が今より上がることで、より高い生活水準で生活ができるようになります。
また、人間関係や厳しい労働環境に不満が出てもある程度の給料がもらえていると、我慢ができるので仕事を続けやすくなります。
5位 職場の雰囲気が良さそうだった 16票
転職先に見学や面接に行った際の職場の雰囲気が良さそうだったことが決め手となった人も多かったです。
職場の雰囲気の良さで転職先を決めた人の声を紹介します。


看護師の転職理由の1位は同僚との人間関係が上手くいかないことや上司からパワハラを受けている、など人間関係の悩みによるものでした。
そのため、人間関係が良い職場を選ぶと悩みを同僚に相談したり励まし合うことができるので、転職を繰り返す可能性が低くなるでしょう。
補足:その他の決め手もチェック!
転職の決め手として多かった上記の6つ以外にも、確認しておきたい転職先の決め手を紹介します。
確認しておきたいその他の決め手
(1).前職と全く違うことをやりたかった
前の職場での仕事が自分に合っていないと感じた人や違う診療科にチャレンジしてみたいと考え前職とは違う職場を選んだ人もいました。
今まで経験したことのない職種に転職をしたことに満足している方の声を紹介します。

今までやったことのない職種で勤務してみたかったのでチャレンジ精神で応募して今3年目ですがとても楽しく仕事できています。
自分の理想とする看護師としてのあり方や性格により合う職場と合わない職場があります。
例えば、常に忙しく、迅速な判断を求められる急性期病院より、患者1人1人とじっくり向き合える介護施設や訪問看護ステーションの方が合っていると感じる人もいます。
自分が今の職場に向いていないと考え転職をした場合、挑戦になるかもしれませんが自分の正確に合う前職とは違う職場を選んでみるのもおすすめです。
(2).託児所があった
出産を機に転職をした人の中には職場に託児所があったことが決め手となったという声もありました。

託児所が完備されている職場を選ぶと、子供が体調を崩してもすぐ迎えに行けるので安心して働くことができます。
また、このような職場は、子供が体調を崩して仕事を休まなくてはいけない時や夜勤ができないことにも理解があることが多いので、子育てとの両立がしやすくなります。
(3). 福利厚生が充実している
転職先を探す際に、福利厚生がしっかりと充実していることを条件とした人も多いと思います。
実際に転職先の決め手としても福利厚生を重視したという声がありました。

新しい病院でありホワイト病院との評判があったから
福利厚生が充実している会社に転職すると、住宅手当や育児手当などが支給されるため生活費が抑えられるので、より安心して生活を送ることができます。
複数内定をもらったら知っておきたい後悔しない職場の選び方
転職先の決め手について悩んでいる方は、複数内定をもらっているけど転職先をなかなか決められない方が多いです。
こちらでは転職後に後悔しない職場の選び方のコツをいくつか紹介していきます。
希望条件に優先順位をつける
1番重要ともいえるのが自分の希望条件に優先順位をつけることです。
例えば、職場が家から近い・給料が高い・残業がないことが希望条件であった場合を考えてみましょう。
最優先する希望条件に合った職場は…
- 職場が家から近い→家から10分で通えるA病院
- 給料が高い→給料が最も高いB病院
- 残業がない→絶対に残業のないCクリニック
このように、希望条件の優先度により満足度の高い転職先は変わってくることがわかります。
まずは、自分の希望条件を書き出して優先順位をつけ、優先順位の高い項目を最も多く満たしている職場を選びましょう。
希望条件を多く満たす職場を選ぶ
どの希望条件も重視しており優先順位がつけられない人や優先順位をつけてみても上手く職場を絞り込めなかった人は希望条件を満たした数で比較してみることがおすすめです。
実際に、転職を経験した看護師は様々な希望条件に合った職場を転職先に選ぶ人が多かったです。

希望条件をどの職場も満たしている場合は、「なくても我慢できるけどあるとより働きやすい」と思う希望条件を書き出して最も自分にとって働きやすい職場を選びましょう。
職場でどのように働けるのかが分かる質問する
面接時や採用時に、応募の段階では分かりづらい残業数や夜勤数など具体的な数字を質問してみましょう。
例えば、夜勤が月に平均何回あるのかや月の平均残業時間、看護師一人あたりが受け持つ患者の人数が分かると、前の職場と比べやすて働きやすい環境なのかが判断しやすくなります。
管理職として採用される場合は、自分は部下にどれくらいの人数を持つのか、他の管理職はどのような役割を担っているのか、などに細かいところまで質問してみましょう。
他にも紙カルテなのか電子カルテかは病院によって異なるので、前と同じ媒体のカルテの方が転職後も仕事をしやすくなります。
このように、具体的な数値まで質問をすることで転職後のイメージが湧きやすく、「想像と違った」と後悔するリスクが減ります。
迷ったら給与の高さで選ぶ
ここまで紹介した4つの方法でも、なかなか職場を絞り込めなかった人は思い切って給料が一番高いところを転職先に選ぶのがおすすめです。
給料面さえ満足できれば、仕事内容や人間関係にストレスを感じたとしても心に余裕が生まれある程度のことなら我慢できるからです。
例えば、給料が非常に良い職場なら「高い給料をもらっているからこれくらい我慢しよう」と割り切れます。
これに対して、給料面に不満があると、生活面にも支障が出たり「給料が安いのに残業もある」など他の不満もどんどんと出てきてしまいます。
実際に他の条件をあきらめて給与の高さから転職先を選んだ人の声を紹介します。

給料面の不満は他の条件で感じる不満よりも、ストレスを感じやすく仕事へのやる気ややりがいを失いやすい条件です。
このように、転職先に迷った場合は給料が最も高い職場を選ぶのもおすすめです。
転職サイトのコンサルタントに相談してみる
転職先に迷ってしまったら転職サイトのコンサルタントに相談してみるのもおすすめです。
候補にある職場の公表されていない詳しい情報を教えてくれたり、多くの転職者をサポートしてきた経験を生かした適切なアドバイスがもらえます。
自分の希望条件や、なぜ職場を絞り込めていないのかを話し、コンサルタントにもらったアドバイスを参考にしつつ決めてみるのもおすすめです。
おすすめの転職サイト
転職を検討している方は、『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などの、看護師転職サイトに相談してみるのもおすすめです。これらは特に利用評価が高く、求人も多く扱っているサイトです。
また『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』では、当サイトが独自に取得したアンケートから、利用者満足度の高い転職サイトを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
タスク5:転職活動の進め方セクションの加筆・修正
対象セクション: H2「後悔しないための転職活動の進め方」配下実施内容: 加筆/修正執筆・構成上のポイント: 既存の断片的な情報を統合し、時系列に沿ったステップバイステップのガイドとして再構築する。 H3-1: STEP1:情報収集(転職サイト・エージェントの賢い使い方) H3-2: STEP2:応募・書類選考(履歴書・職務経歴書のポイント) H3-3: STEP3:面接・職場見学(「決め手」を確かめる逆質問リスト) 給与や待遇だけでなく、職場の雰囲気や教育体制を確かめるための具体的な質問例を5つ以上提示する。
H3-4: STEP4:内定・退職交渉(複数内定が出た時の判断基準)
後悔しないための転職活動の進め方
自己分析で「自分だけの決め手」が明確になり、職場タイプも絞り込めたら、いよいよ実際の転職活動に入ります。しかし、どのような順序で何をすればいいのか、具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、転職活動を時系列に沿って4つのステップに分け、それぞれで押さえるべきポイントを詳しく解説します。このガイドに従って進めれば、スムーズかつ効率的に、後悔のない転職を実現できます。
STEP1:情報収集(転職サイト・エージェントの賢い使い方)
転職活動の最初のステップは、求人情報の収集です。効率的に質の高い情報を集めるために、転職サイトやエージェントを賢く活用しましょう。
複数の転職サイトに登録する
前述の通り、最低でも3社程度の転職サイトに登録することをお勧めします。各サイトが持つ独自求人にアクセスでき、担当者を比較することもできるためです。
登録時のポイント:
- 全国展開型と地域特化型を組み合わせる
- 人材紹介型(エージェント型)を2〜3社
- 求人サイト型(自分で検索するタイプ)を1〜2社
初回面談で自己分析の結果を共有する
登録後、担当者との初回面談(対面または電話)が行われます。この面談が、その後の求人紹介の質を左右する重要な場面です。
初回面談で必ず伝えるべきこと:
- MUST/WANT条件シート: できれば書面で共有し、「MUST条件は絶対に譲れない」と明確に伝える
- 転職理由: なぜ今の職場を辞めたいのか、正直に話す
- 転職時期: いつまでに転職したいのか、具体的な時期
- 希望する連絡頻度: 電話・メールの頻度やタイミングの希望
初回面談で担当者をチェックするポイント:
- あなたの話を丁寧に聞いてくれるか
- 看護業界や医療機関についての知識が十分か
- 質問に対して的確に答えられるか
- 無理に求人を勧めてこないか
この段階で「合わない」と感じたら、早めに担当者変更を検討しましょう。
非公開求人を積極的に紹介してもらう
転職サイトの最大のメリットは、一般には公開されていない「非公開求人」にアクセスできることです。好条件の求人ほど非公開になっている傾向があるため、担当者に「非公開求人を優先的に紹介してください」と伝えましょう。
求人情報を鵜呑みにせず、深掘りする
求人票に書かれている情報だけで判断せず、担当者に以下のような質問をして、実態を確認しましょう。
- 「平均残業時間は月何時間ですか?」
- 「有給取得率は何%ですか?」
- 「直近3年の離職率はどのくらいですか?」
- 「職場の雰囲気はどうですか?」
- 「なぜ今回の募集が出ているのですか?(欠員補充? 増員?)」
担当者が明確に答えられない場合は、医療機関に直接確認してもらいましょう。
自分でも情報収集する
転職サイトだけに頼らず、以下の方法でも情報を集めましょう。
- 病院・施設の公式サイト: 理念、診療方針、設備、スタッフ紹介などを確認
- 口コミサイト: 実際に働いていた人の口コミ(ただし、情報の信憑性は慎重に判断)
- SNS: TwitterやInstagramで病院名を検索
- 知人・同僚からの情報: 実際に働いている人の生の声が最も信頼できる
職場見学を必ず申し込む
気になる求人が見つかったら、応募前に職場見学を申し込みましょう。実際の職場の雰囲気、スタッフの表情、設備の状態などは、見学しないと分かりません。
職場見学でチェックすべきポイント:
- スタッフ同士のコミュニケーションの様子
- 患者への対応の仕方
- ナースステーションの雰囲気(忙しさ、余裕度)
- 清潔さ、設備の充実度
- 電子カルテなどのシステム
見学後、「ここで働きたい」と思えるか、直感も大切にしましょう。
STEP2:応募・書類選考(履歴書・職務経歴書のポイント)
応募したい求人が決まったら、履歴書と職務経歴書を作成します。転職サイト経由の場合、担当者が添削やアドバイスをしてくれるので、積極的に活用しましょう。
履歴書作成のポイント
基本情報は正確に、丁寧に書く
- 誤字脱字は厳禁。必ず見直しをする
- 写真は3ヶ月以内に撮影したもので、清潔感のある服装
- 学歴・職歴は省略せず、正式名称で記載(例:「◯◯大学附属病院」)
- 資格欄には、看護師免許の取得年月を正確に記載
志望動機は具体的に書く
志望動機は、採用担当者が最も注目する項目です。以下のポイントを押さえて書きましょう。
志望動機に盛り込むべき要素:
- なぜその病院・施設なのか: 理念や診療方針、特徴に共感した点を具体的に
- 自分の経験・スキルがどう活かせるか: これまでの経験と、応募先で貢献できることを結びつける
- 将来のビジョン: その職場でどのように成長したいか
悪い例: 「貴院の理念に共感し、応募いたしました。これまでの経験を活かし、貢献したいと思います」 → 抽象的で、どの病院にでも使える内容
良い例: 「貴院の『患者様一人ひとりに寄り添う看護』という理念に深く共感いたしました。前職の急性期病院では業務に追われ、十分な時間を取れないことに悩んでおりました。回復期である貴院で、患者様とじっくり向き合い、ADL向上を支える看護を実践したいと考えています」 → 具体的で、その病院ならではの志望理由が明確
退職理由はポジティブに表現する
退職理由を聞かれた場合、ネガティブな表現は避け、前向きな理由に変換しましょう。
ネガティブな表現 ポジティブな表現 人間関係が悪かった チームワークを大切にする環境で働きたい 給与が低かった 自分のスキルを正当に評価してもらえる環境を求めている 残業が多すぎた ワークライフバランスを整え、質の高い看護を提供したい やりがいを感じられなかった より専門性を高められる環境で成長したい ただし、嘘をつく必要はありません。事実を前向きに表現することが大切です。
職務経歴書作成のポイント
職務経歴書は、あなたの看護師としての経験とスキルを詳しくアピールする書類です。履歴書よりも詳細に、具体的に書きましょう。
職務経歴は時系列で、詳しく記載
各職場について、以下を記載します。
- 勤務期間
- 病院・施設名、規模(病床数など)
- 配属部署(◯◯科病棟など)
- 担当業務(受け持ち患者数、医療処置、チームリーダー経験など)
- 実績・成果(委員会活動、プリセプター経験、研修受講歴など)
保有資格・スキルを明記
- 看護師免許(必須)
- 専門・認定資格(認定看護師、専門看護師、BLS、ACLSなど)
- その他の資格(普通自動車免許など、訪問看護では重要)
- 使用できる医療機器・システム(電子カルテ、人工呼吸器など)
自己PRは「強み」を具体的に
自己PRでは、あなたの強みを、具体的なエピソードとともに伝えましょう。
自己PRの構成例:
- 結論(私の強みは◯◯です)
- 根拠となるエピソード(前職で◯◯という経験をしました)
- 応募先でどう活かせるか(貴院では◯◯に貢献できます)
転職サイトの添削サービスを活用
書類作成に自信がない場合は、転職サイトの担当者に添削を依頼しましょう。プロの目でチェックしてもらうことで、書類選考の通過率が大幅に上がります。
STEP3:面接・職場見学(「決め手」を確かめる逆質問リスト)
書類選考を通過したら、面接の日程調整が行われます。面接は、あなたが採用されるかどうかを判断される場であると同時に、あなた自身がその職場を見極める場でもあります。
面接準備のポイント
想定質問への回答を準備する
面接でよく聞かれる質問について、事前に回答を準備しておきましょう。
よくある質問:
- 自己紹介をしてください
- なぜ前職を退職したのですか?(退職理由)
- なぜ当院を志望したのですか?(志望動機)
- これまでの経験で印象に残っていることは?
- あなたの強みと弱みを教えてください
- どのような看護師を目指していますか?
- 当院で実現したいことは何ですか?
- 夜勤や残業は可能ですか?
- いつから勤務できますか?
身だしなみを整える
第一印象は非常に重要です。清潔感のある服装、髪型、メイクを心がけましょう。
- スーツ(黒・紺・グレーなど落ち着いた色)
- 髪はまとめる(長い場合)
- ナチュラルなメイク
- アクセサリーは控えめに
- 清潔な靴
面接練習をする
転職サイトの担当者に模擬面接を依頼するか、家族や友人に協力してもらい、練習しましょう。声に出して練習することで、本番での緊張が和らぎます。
面接当日のポイント
時間厳守、10分前には到着
遅刻は厳禁です。余裕を持って、10分前には到着しましょう。
明るく、はきはきと話す
緊張するのは当然ですが、できるだけ明るく、はきはきと話すよう心がけましょう。笑顔を忘れずに。
相手の目を見て話す
面接官の目を見て話すことで、誠実さや自信が伝わります。
「決め手」を確かめる逆質問リスト
面接の最後には、「何か質問はありますか?」と聞かれることがほとんどです。この逆質問の時間は、あなたが職場を見極める絶好のチャンスです。
ただし、求人票や公式サイトに書いてある内容を質問するのはNG。事前に調べれば分かることは避け、「実際に働いている人でないと分からないこと」を質問しましょう。
【逆質問リスト:職場の雰囲気・人間関係を確かめる】
「配属予定の病棟の雰囲気を教えていただけますか?」
職場の雰囲気は、働きやすさに直結します。「明るい」「落ち着いている」「チームワークが良い」など、どのような表現で答えるかに注目しましょう。
「スタッフの年齢層や男女比を教えてください」
年齢層が偏っていないか、自分と近い年代のスタッフがいるかを確認できます。
「新しく入職した方は、どのくらいで職場に馴染めていますか?」
新人の受け入れ体制や、職場の受け入れ姿勢が分かります。「1〜2ヶ月で馴染んでいます」など具体的な回答があれば、サポート体制が整っている証拠です。
「スタッフ同士のコミュニケーションで大切にしていることはありますか?」
職場の価値観や文化が見えてきます。「報連相を徹底している」「困ったときはすぐ相談する雰囲気」など、具体的な回答があると良いでしょう。
【逆質問リスト:教育体制・キャリア支援を確かめる】
「入職後の研修やOJTはどのように行われますか?」
新人教育の具体的な流れを確認できます。プリセプター制度の有無、研修期間、フォロー体制などを聞きましょう。
「継続的な学習やスキルアップの機会はありますか?」
院内研修の頻度、外部研修への参加支援、勉強会の有無などを確認します。
「認定看護師や専門看護師の資格取得を目指す場合、どのような支援がありますか?」
キャリアアップを目指す場合は必須の質問です。費用補助、勤務調整、実績の有無などを確認しましょう。
【逆質問リスト:実際の働き方を確かめる】
「1日の業務の流れを具体的に教えていただけますか?」
実際にどのような一日を過ごすのか、イメージを膨らませることができます。
「受け持ち患者数は、日勤・夜勤それぞれ平均何人ですか?」
業務量を具体的に把握できます。この数字が多すぎる場合、忙しい職場の可能性があります。
「実際の残業時間はどのくらいですか?」
求人票に「残業少なめ」と書いてあっても、実態を確認することが重要です。「月平均◯時間」など、具体的な数字を聞きましょう。
「有給休暇の取得率はどのくらいですか?」
有給が実際に取りやすい環境かを確認できます。「80%以上」など高い数字であれば、働きやすい職場の可能性が高いです。
「希望休は月に何日程度出せますか? 通りやすいですか?」
ワークライフバランスを重視する場合、重要な質問です。
【逆質問リスト:長く働けるかを確かめる】
「こちらで長く働いている方の共通点や特徴はありますか?」
定着率の高い職場であれば、長く働ける理由が明確にあるはずです。
「育児と仕事を両立している方はいますか? どのようなサポートがありますか?」
将来的に育児との両立を考えている場合は、実績とサポート体制を確認しましょう。
「職員が働きやすい環境づくりで、特に力を入れていることはありますか?」
職員を大切にする姿勢があるかどうかが分かります。
逆質問の注意点:
- 給与や待遇の細かい質問は避ける: 面接の場では、待遇面ばかりを気にしている印象を与えないよう注意。条件面の詳細確認は、内定後や転職サイトの担当者を通じて行いましょう
- ネガティブな質問は避ける: 「離職率はどのくらいですか?」など、ネガティブな印象を与える質問は、転職サイトの担当者を通じて事前に確認する方が無難
- 「特にありません」はNG: 質問がないことは、関心が低いと受け取られる可能性があります。最低でも2〜3つは質問を準備しましょう
STEP4:内定・退職交渉(複数内定が出た時の判断基準)
面接を経て内定の連絡が来たら、転職活動もいよいよ最終段階です。しかし、ここで焦って即答するのは禁物。冷静に判断し、納得のいく選択をすることが大切です。
内定が出たら確認すべきこと
労働条件通知書を必ず受け取る
口頭での説明だけで判断せず、必ず書面で労働条件通知書(または雇用契約書)を受け取りましょう。
確認すべき項目:
- 雇用形態(正職員、契約職員、パートなど)
- 配属先(希望通りか)
- 給与(基本給、各種手当の内訳)
- 勤務時間・休日
- 試用期間の有無と条件
- 社会保険の加入
- 退職金制度
不明点・疑問点はすべて解消する
少しでも「聞いていた話と違う」「あいまいな部分がある」と感じたら、必ず確認しましょう。入職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、この段階での確認が非常に重要です。
即答を求められても、焦らない
「いつまでにお返事いただけますか?」と聞かれた場合、「数日考えさせてください」と伝えて問題ありません。通常、1週間程度の検討期間はもらえます。
複数内定が出た時の判断基準
複数の職場から内定をもらった場合、どちらを選ぶか迷うこともあるでしょう。そんな時は、以下の判断基準を参考にしてください。
MUST/WANT条件シートに戻る
自己分析で作成したMUST/WANT条件シートを再確認しましょう。
- MUST条件をすべて満たしているか: 一つでも満たしていない求人は除外
- WANT条件をどれだけ満たしているか: 優先度の高い条件を満たしている方を選ぶ
直感・フィーリングも大切にする
条件だけでなく、「ここで働きたい」と思えるかどうか、直感も重要です。
- 面接や職場見学時の印象
- スタッフの表情や雰囲気
- 「この人たちと一緒に働きたい」と思えるか
数字では測れない「フィーリング」も、長く働き続けるためには大切な判断材料です。
長期的な視点で考える
目先の条件だけでなく、3年後、5年後の自分を想像してみましょう。
- その職場で成長できるか
- キャリアプランに合っているか
- ライフステージの変化(結婚、出産など)にも対応できるか
信頼できる人に相談する
家族や友人、転職サイトの担当者など、信頼できる人に相談するのも有効です。第三者の視点から、客観的なアドバイスがもらえることもあります。
内定を承諾する・辞退する際のマナー
承諾する場合:
- できるだけ早く、感謝の気持ちとともに伝える
- 「ぜひ貴院で働かせていただきたいです。よろしくお願いいたします」
辞退する場合:
- 早めに丁寧に伝える(他の候補者もいるため)
- 理由は簡潔に、誠実に伝える
- 「大変申し訳ございませんが、熟慮の結果、今回は辞退させていただきたく存じます。貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」
転職サイト経由の場合は、担当者に連絡すれば、先方への連絡を代行してくれます。
退職交渉のポイント
内定を承諾したら、現在の職場に退職の意思を伝えます。円満退職を目指し、以下のポイントを押さえましょう。
退職の意思は、まず直属の上司に伝える
同僚や他の上司より先に、直属の上司(師長など)に伝えるのがマナーです。
退職希望日の1〜3ヶ月前には伝える
就業規則を確認し、規定に沿った期間(通常1〜2ヶ月前)に伝えましょう。引き継ぎを考慮すると、3ヶ月前が理想的です。
退職理由はポジティブに
「人間関係が悪い」「給与が低い」など、ネガティブな理由は避け、「新しい分野にチャレンジしたい」「キャリアアップを目指したい」など、前向きな理由を伝えましょう。
引き止められても、意思を貫く
退職を引き止められることもありますが、一度決めた意思は貫きましょう。「よく考えた結果ですので、決意は固いです」と丁寧に伝えます。
引き継ぎは丁寧に
後任者への引き継ぎは、責任を持って丁寧に行いましょう。マニュアルを作成するなど、分かりやすく伝える工夫をします。
最終日まで誠実に働く
「もう辞めるから」と気を抜かず、最終日まで誠実に働きましょう。立つ鳥跡を濁さず、気持ち良く職場を去ることが大切です。
次はあなたの番!『自分だけの決め手』を見つける3ステップ自己分析
転職サイトの選び方やサービス内容を理解しても、最も重要なのは「自分が何を求めているのか」を明確にすることです。多くの看護師が転職で失敗する原因は、この自己分析が不十分なまま転職活動を始めてしまうことにあります。
ここでは、あなたが本当に望む働き方を見つけるための具体的なフレームワークを紹介します。紙とペンを用意して、実際に手を動かしながら進めてみてください。この3ステップを実践することで、転職サイトの担当者に的確に希望を伝えられるようになり、理想の職場との出会いがグッと近づきます。
STEP1:「なぜ辞めたいか」不満を書き出して本音を可視化する
まず最初に取り組むべきは、現在の職場に対する不満やストレスを具体的に書き出すことです。頭の中でぼんやりと「辞めたい」と思っているだけでは、本当の問題が何なのか見えてきません。
なぜ不満を可視化することが重要なのか:
不満を言語化することで、漠然とした「辞めたい」という感情が、具体的な改善ポイントに変わります。また、書き出すことで自分でも気づかなかった本音が見えてくることも多いのです。
例えば、「人間関係が辛い」という不満も、書き出してみると「師長との相性が悪い」「先輩の指導が厳しすぎる」「チーム内で孤立している」など、具体的な問題が明確になります。
実践方法:不満リストの作り方
以下のカテゴリーごとに、現在の職場に対する不満を書き出してみましょう。思いつく限り、正直に書くことが重要です。誰かに見せるものではないので、遠慮は不要です。
給与・待遇面の不満
- 基本給が低い(手取り◯万円では生活が厳しい)
- 残業代が正確に支払われていない
- 夜勤手当が他の病院より少ない
- 賞与が期待より少ない(年間◯ヶ月分しかない)
- 昇給がほとんどない
- 退職金制度が不十分
例: 「基本給22万円では一人暮らしがギリギリ。5年働いても昇給が月5000円しかない」
勤務時間・休日の不満
- 残業が多すぎる(毎日2時間以上)
- サービス残業が常態化している
- 夜勤の回数が多い(月◯回以上)
- 希望休が取りにくい
- 有給休暇がほとんど取得できない
- 勤務時間が不規則で体調を崩している
- 休日でも呼び出されることがある
例: 「毎月残業が40時間以上。夜勤明けなのに委員会で残されることも。有給は年に3日しか取れていない」
業務内容・キャリアの不満
- やりたい看護ができていない
- ルーチンワークばかりで成長を感じられない
- 受け持ち患者数が多すぎる(日勤で◯人以上)
- 雑務や事務作業が多すぎる
- スキルアップの機会がない
- 認定看護師などの資格取得支援がない
- 自分の専門性を活かせていない
例: 「急性期でスキルを磨きたいのに、慢性期病棟で同じ業務の繰り返し。研修も年に1回程度しかない」
人間関係・職場環境の不満
- 上司(師長・主任)との相性が悪い
- 先輩からのパワハラ・いじめがある
- チーム内で孤立している
- 医師との関係が悪い
- 新人指導の負担が大きすぎる
- 派閥があり、居心地が悪い
- 相談できる人がいない
例: 「師長が高圧的で、ミスを人前で叱責される。先輩も冷たく、休憩室にいるのが苦痛」
労働環境・設備の不満
- 人手不足で常にバタバタしている
- 設備が古く、働きにくい
- 清潔さが保たれていない
- 電子カルテが使いにくい
- 通勤時間が長い(片道◯時間)
- 駐車場がない、または有料
- 更衣室やロッカーが不十分
例: 「常に人手不足で、ナースコールが鳴り止まない。設備も古く、医療機器の故障も多い」
組織・方針の不満
- 経営方針に納得できない
- 看護部の方針が現場の実態と合っていない
- 改善提案が通らない
- 評価制度が不公平
- 教育体制が整っていない
- ハラスメントへの対応が不十分
例: 「利益優先で、患者ケアの質より効率を求められる。現場の声は上に届かない」
書き出しのポイント:
- 具体的に書く: 「給与が低い」ではなく「手取り20万円では生活が厳しい」
- 感情も含める: 「◯◯が辛い」「◯◯にストレスを感じる」など
- 優先順位はつけない: この段階では、思いつく限り全て書き出す
- 小さな不満も書く: 些細に思えることも、積み重なれば大きなストレスになります
この作業を終えると、自分が「なぜ辞めたいのか」の全体像が見えてきます。次のステップでは、この不満を理想の条件に変換していきます。
STEP2:「どんな働き方が理想か」未来の希望をリストアップする
STEP1で書き出した不満は、裏を返せばあなたの「理想の働き方」のヒントです。このステップでは、不満の裏返しとして「本当はどうだったら嬉しいか」を自由に書き出していきます。
なぜ理想を明確にすることが重要なのか:
多くの人は「今の職場から逃げたい」という気持ちで転職を考えますが、それだけでは次の職場選びの軸が定まりません。「何から逃げたいか」だけでなく、「何に向かって進みたいか」を明確にすることで、前向きで納得のいく転職が実現できます。
実践方法:理想の働き方リストの作り方
STEP1で書き出した不満をもとに、「もし理想が叶うなら、どうなっていたら嬉しいか」を書き出してみましょう。
不満を理想に変換する例:
| STEP1の不満 | STEP2の理想 |
|---|---|
| 基本給が低い、昇給がない | 年収400万円以上。昇給制度がしっかりしている |
| 残業が多い、サービス残業がある | 残業月10時間以内。残業代は全額支給 |
| 夜勤が多くて体調を崩している | 夜勤なし、または月2回まで |
| 有給が取れない | 有給取得率80%以上。希望休が通りやすい |
| やりたい看護ができていない | 急性期で専門的なスキルを磨ける環境 |
| 人間関係が悪い | 風通しが良く、相談しやすいチーム |
| 通勤時間が長い | 自宅から30分以内。駅近または駐車場無料 |
| スキルアップの機会がない | 研修制度充実。資格取得支援あり |
さらに、不満以外の「あったら嬉しい条件」も自由に追加しましょう:
働き方・ワークライフバランス
- 完全週休2日制(土日休み)
- 日勤のみで働きたい
- 時短勤務が可能
- 育児と両立できる環境
- 残業がほとんどない職場
- オンコール対応がない
キャリア・スキル
- 認定看護師の資格取得を目指せる
- 専門性の高い診療科で働きたい(◯◯科)
- 新しい医療技術に触れられる環境
- 教育体制が整っている
- 管理職を目指せるキャリアパス
職場環境・雰囲気
- アットホームで温かい職場
- 若手が多く、活気がある
- ベテランが多く、落ち着いている
- チームワークを大切にする文化
- 患者ケアの質を重視する方針
給与・福利厚生
- 年収450万円以上
- 賞与年3回以上
- 住宅手当・家族手当が充実
- 退職金制度がしっかりしている
- 院内保育所がある
- 職員寮・社宅がある
その他
- 綺麗で新しい施設
- 電子カルテが最新
- 設備が充実している
- ブランクOKで復職支援がある
- 転勤がない
- 病院の規模(大規模病院/中規模/クリニック)
書き出しのポイント:
- 「どうせ無理」と考えず、自由に書く: 実現可能性は後で考えます。まずは理想を全て出し切りましょう
- 具体的な数字を入れる: 「高い給与」ではなく「年収420万円以上」
- ライフステージも考慮: 今だけでなく、3年後・5年後の自分も想像してみましょう
- 誰かの意見ではなく、自分の本音を書く: 「世間的に良いとされる条件」ではなく、あなた自身が心から望むこと
この作業を終えると、「自分は本当はどんな働き方がしたいのか」が明確になります。次のステップでは、このリストに優先順位をつけていきます。
STEP3:【実践シート】「MUST/WANT条件」で優先順位を整理する
STEP2で書き出した理想の条件は、おそらく10個以上になっているはずです。しかし、全ての条件を満たす「完璧な職場」を見つけることは現実的ではありません。
このステップでは、リストアップした条件を「絶対に譲れない条件(MUST)」と「できれば叶えたい条件(WANT)」に分類し、優先順位を明確にします。
なぜ優先順位づけが重要なのか:
優先順位が明確でないと、以下のような問題が起こります。
- 担当者に希望を正確に伝えられず、ミスマッチな求人ばかり紹介される
- 「あれもこれも」と欲張って、結局どの求人も決められない
- 本当に大切な条件を見失い、後から後悔する
逆に、MUST条件とWANT条件が明確になれば、求人を見る際の判断基準が定まり、スムーズに転職活動を進められます。
実践方法:MUST/WANT条件の分類シート
以下のシートを使って、STEP2で書き出した条件を分類してみましょう。
【MUST条件】絶対に譲れない条件
これが満たされなければ、どんなに他の条件が良くても転職しない、という条件です。
| No. | MUST条件 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 夜勤なし | 体調を崩しやすく、健康を最優先したいため |
| 2 | 通勤時間30分以内 | 家庭との両立のため、通勤時間を最小限にしたい |
| 3 | 年収380万円以上 | 現在の生活水準を維持するために必要な最低ライン |
MUST条件を選ぶ際のポイント:
- 「なぜそれが絶対条件なのか」理由も書く: 理由を言語化することで、本当にMUSTかどうかが見えてきます
- 数は3〜5個に絞る: あまり多いと、該当する求人が極端に少なくなります
- ライフステージの変化も考慮: 今だけでなく、1〜2年後も変わらないMUST条件かを考えましょう
【WANT条件】できれば叶えたい条件
MUST条件は満たしているという前提で、さらに叶ったら嬉しい条件です。優先度の高い順に並べます。
| 優先度 | WANT条件 | 補足 |
|---|---|---|
| 1 | 有給取得率70%以上 | ワークライフバランスを重視したい |
| 2 | 研修制度が充実している | スキルアップしたい |
| 3 | 職場の雰囲気が良い | 人間関係のストレスを減らしたい |
| 4 | 駅から徒歩10分以内 | 雨の日の通勤が楽になる |
| 5 | 新しい施設 | 綺麗な環境で働きたい |
WANT条件を整理する際のポイント:
- 優先度順に並べる: 複数の求人を比較する際、どのWANT条件を優先するかが明確になります
- 全て満たす必要はない: WANT条件のうち、半分以上満たせば十分と考えましょう
- トレードオフを考える: 例えば「高給与」と「残業少なめ」は両立しにくいなど、現実的な視点も持ちましょう
【実践例】完成版のMUST/WANTシート
Aさん(30代、子育て中)の例:
MUST条件:
- 夜勤なし(子どもが小さいため)
- 通勤時間30分以内(保育園送迎のため)
- 年収380万円以上(生活費確保のため)
WANT条件(優先度順):
- 院内保育所あり
- 時短勤務可能
- 有給取得率が高い
- 急性期または回復期
- 研修制度充実
- 職場の雰囲気が良い
Bさん(20代、スキルアップ志向)の例:
MUST条件:
- 急性期病院
- 認定看護師取得支援あり
- 年収400万円以上
WANT条件(優先度順):
- 教育体制が整っている
- 最新の医療機器・設備
- 大規模病院
- 残業が少なめ
- 若手が多い職場
- 通勤30分以内
このシートを転職活動にどう活かすか:
転職サイトの担当者に共有する
初回面談時に、このMUST/WANTシートを担当者に見せましょう。口頭で伝えるだけでなく、書面で共有することで、担当者もあなたの希望を正確に理解でき、的確な求人を紹介してもらえます。
「MUST条件は絶対に満たしてほしい。WANT条件は優先度順に書いているので、上位のものほど重視してください」と明確に伝えましょう。
求人を評価する際のチェックリストとして使う
紹介された求人を見る際、このシートと照らし合わせて評価します。
- MUST条件を全て満たしているか → 一つでも満たしていなければ見送り
- WANT条件はいくつ満たしているか → 優先度の高い条件を満たしているかチェック
複数の求人を比較する際の判断基準にする
複数の求人で迷った場合、WANT条件の優先度順に比較することで、客観的に判断できます。
例:
- A病院: WANT条件の1、2、3を満たす
- B病院: WANT条件の2、4、5を満たす
→ 優先度の高い1を満たすA病院の方が、自分に合っている
定期的に見直す
転職活動を進める中で、「やっぱりこの条件は譲れない」「この条件は意外と重要じゃなかった」と気づくこともあります。その都度、シートを更新していきましょう。
【ケース別】先輩看護師のリアル転職ストーリー
ここまで、転職の決め手の見つけ方や転職活動の進め方を解説してきました。しかし、「実際にどんな風に決断したのか」「転職後の生活はどう変わったのか」といった具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。
このセクションでは、実際に転職を経験した先輩看護師2名のリアルなストーリーを紹介します。彼女たちがどんな悩みを抱え、どのように決断し、転職後の生活がどう変わったのか。そのプロセスを追うことで、あなた自身の転職活動のヒントが見つかるはずです。
Case1:ワークライフバランス重視の30代ママナースの決断
プロフィール
- 名前: 田中さん(仮名)
- 年齢: 34歳
- 家族構成: 夫、子ども2人(5歳・3歳)
- 転職前: 総合病院の外科病棟(常勤・夜勤あり)
- 転職後: 地域のクリニック(常勤・日勤のみ)
転職前の悩み:仕事と育児の両立に限界を感じていた
田中さんは、看護師として10年以上のキャリアを持つベテランナースでした。出産後も総合病院の外科病棟で働き続けていましたが、夜勤と育児の両立に次第に限界を感じるようになりました。
「夜勤明けで保育園のお迎えに行って、そのまま家事と育児。体力的にも精神的にもボロボロでした。子どもが熱を出しても、シフトの都合で休めないことも多く、いつも夫や両親に頼りっぱなし。『ちゃんとお母さんができていない』と自分を責める日々が続きました」
特に辛かったのは、子どもとの時間が十分に取れないことでした。
「夜勤の日は、子どもたちが寝てから家を出て、朝帰ってきた時にはもう保育園に行っている。平日は疲れ果てていて、休日も寝てばかり。子どもの成長を見逃している気がして、涙が出ました」
夫や両親からは「無理しないで」と言われていましたが、「せっかく積み上げたキャリアを手放すのはもったいない」「給与が下がったら生活が苦しくなる」という不安もあり、なかなか転職に踏み切れませんでした。
転職の決め手:「子どもとの時間」を最優先に
転職を決意したきっかけは、5歳の長女の一言でした。
「ある日、娘が保育園の帰り道で『ママは夜いなくなっちゃうから、さみしい』と言ったんです。その言葉を聞いた瞬間、『このままじゃダメだ』と思いました」
田中さんは夫と何度も話し合い、「子どもが小さい今だからこそ、一緒にいる時間を大切にしたい」という結論に至りました。
そして、自己分析を通じて、自分の「決め手」を明確にしました。
田中さんのMUST/WANT条件:
MUST条件:
- 夜勤なし(子どもとの時間を確保するため)
- 残業が少ない(月10時間以内)
- 土日休み(家族と過ごす時間を作るため)
- 通勤時間30分以内(保育園の送迎のため)
WANT条件(優先度順):
- 育児に理解がある職場
- 有給が取りやすい
- 年収は現状維持(難しければ多少のダウンは許容)
- アットホームな雰囲気
この条件をもとに転職サイトに登録し、担当者に「子どもとの時間を最優先にしたい」という想いを伝えました。
転職活動:給与ダウンを受け入れる覚悟
担当者からは、自宅近くのクリニックを複数紹介されました。ただし、どの求人も夜勤手当がない分、年収は50〜80万円ダウンする見込みでした。
「正直、給与が下がることへの不安は大きかったです。でも、夫が『お金より、家族が笑顔で過ごせる方が大事だよ』と言ってくれて。家計を見直せば、何とかなると思えました」
職場見学で訪れたクリニックは、院長先生や看護師さんたちが温かく迎えてくれ、「うちのスタッフも子育て中の人が多いから、お互い様で助け合ってるよ」と言われたことが決め手になりました。
面接では、子どもの急な体調不良で休む可能性があることを正直に伝えました。
「院長先生が『お子さんが小さいうちは仕方ないよ。体調が悪い時は遠慮なく休んでください』と言ってくださって。その言葉を聞いて、ここで働きたいと強く思いました」
転職後の変化:「お金では買えない幸せ」を実感
クリニックに転職して1年。田中さんの生活は大きく変わりました。
「毎日17時半に帰宅できるので、子どもたちと夕食を一緒に食べて、お風呂に入って、絵本を読んであげる。当たり前のことができるようになって、本当に幸せです」
給与は年収で約70万円ダウンしましたが、家計の見直しや夫の協力で、生活に困ることはありませんでした。
「夫が『前より笑顔が増えたね』と言ってくれて。子どもたちも『ママ、いつも一緒にいてくれてありがとう』と言ってくれるんです。お金では買えない幸せを手に入れたと思います」
業務内容も、病棟と比べると落ち着いていますが、地域の患者さんと長く関われることにやりがいを感じています。
「『いつもありがとう』と患者さんに声をかけられると、この仕事をしていて良かったと思えます。以前のように、急性期のスキルを磨くことはできませんが、今の私にはこの働き方が合っています」
田中さんから転職を考える方へのメッセージ
「転職するかどうか迷っている方は、『自分にとって何が一番大切か』を考えてみてください。私の場合は、キャリアより家族との時間でした。給与が下がることへの不安もありましたが、今は『あの時決断して良かった』と心から思います。
人それぞれ大切にしたいものは違います。でも、自分の気持ちに正直に、優先順位をつけることが、後悔しない転職につながると思います」
このケースから学べること:
- ワークライフバランスを重視する場合、給与ダウンを受け入れる覚悟も必要
- 家族と話し合い、理解を得ることが重要
- 職場見学で雰囲気を確認し、「育児に理解がある」ことを直接確かめる
- 面接で正直に家庭の事情を伝え、理解を示してくれる職場を選ぶ
- 「今の自分」に合った働き方を選ぶことで、幸福度が大きく上がる
Case2:専門性を高めたい20代独身ナースの挑戦
プロフィール
- 名前: 佐藤さん(仮名)
- 年齢: 27歳
- 家族構成: 独身(一人暮らし)
- 転職前: 地域の中規模病院の内科病棟(常勤・夜勤あり)
- 転職後: 大学病院の救急救命センター(常勤・夜勤あり)
転職前の悩み:スキルアップできない環境への焦り
佐藤さんは、看護師として5年目を迎えていました。地域の中規模病院で内科病棟に配属され、慢性疾患の患者さんを中心に看護を行っていました。
職場の人間関係は良好で、先輩や同期とも仲良く、居心地の良い環境でした。しかし、佐藤さんは次第に「このままでいいのだろうか」という焦りを感じるようになりました。
「毎日同じような業務の繰り返しで、成長を感じられなくなっていました。急性期の経験を積みたい、もっと専門的なスキルを身につけたいという気持ちが強くなっていったんです」
特に、学生時代の同期が大学病院や専門病院で活躍している話を聞くと、「自分は取り残されているのではないか」という不安に駆られました。
「SNSで同期が『今日はこんな症例を経験した』『認定看護師の勉強を始めた』と投稿しているのを見ると、焦りました。このままだと、将来やりたいことができなくなるんじゃないかって」
また、病院の研修制度も十分ではなく、外部研修への参加は自費・自己手配が基本でした。
「スキルアップしたくても、機会がない。資格取得の支援もないし、このままここにいても成長できないと思いました」
転職の決め手:「キャリアアップ」を最優先に
佐藤さんが転職を決意したのは、将来のキャリアプランを明確にしたことがきっかけでした。
「私は将来、救急看護の認定看護師を取得したいと思っていました。そのためには、急性期・救急の経験が必須です。今の職場では、その経験を積むことができない。ならば、環境を変えるしかないと思いました」
ただし、転職には大きな不安もありました。それは、今の職場の「人間関係の良さ」を手放すことでした。
「今の職場は本当に居心地が良くて、先輩も優しいし、同期とも仲良し。辞めることを伝えたら、『もったいない』『うちにいればいいのに』と引き止められました。正直、迷いましたね」
しかし、佐藤さんは自己分析を通じて、自分にとって何が最も大切かを整理しました。
佐藤さんのMUST/WANT条件:
MUST条件:
- 急性期または救急の現場
- 教育体制・研修制度が充実している
- 認定看護師取得支援がある
- 年収400万円以上(現状維持)
WANT条件(優先度順):
- 最新の医療設備・技術に触れられる
- 幅広い症例を経験できる
- 大規模病院
- 若手が多く、切磋琢磨できる環境
- 人間関係が良い(優先度は低め)
この条件を見て、佐藤さんは「人間関係の良さ」よりも「キャリアアップの機会」を優先すべきだと確信しました。
「もちろん人間関係も大事ですが、それは二の次でいい。今の私には、スキルを磨ける環境が絶対に必要だと思いました」
転職活動:覚悟を持って大学病院へ
転職サイトに登録し、担当者に「急性期・救急で、教育体制が整った病院を紹介してほしい」と伝えました。
担当者からは、大学病院の救急救命センターを紹介されました。求人票を見ると、MUST条件は全て満たしており、WANT条件も上位のものがクリアされていました。
ただし、担当者からは「大学病院は忙しく、体力的にも精神的にもハードです。覚悟が必要ですよ」と念を押されました。
「正直、怖かったです。でも、成長するためには、自分を厳しい環境に置く必要があると思いました。『できるかどうか』じゃなくて、『やるしかない』と覚悟を決めました」
職場見学では、救命センターの緊迫した雰囲気を肌で感じました。スタッフは皆忙しそうでしたが、その分、プロフェッショナルなオーラがありました。
「『ここで働けたら、絶対に成長できる』と確信しました。面接では、『認定看護師を取得したい』『貴院で一から学び直したい』という熱意を伝えました」
転職後の変化:「圧倒的な成長」と「厳しい現実」
大学病院の救命センターに転職して1年半。佐藤さんは、想像以上に厳しい現実と、同時に大きな成長を経験しました。
「最初の3ヶ月は本当にきつかったです。覚えることが膨大で、毎日勉強。先輩たちは優しいですが、指導は厳しい。『前の職場の方が楽だったな』と何度も思いました」
夜勤明けでも勉強会があり、休日も自主的に勉強する日々。体力的にも精神的にもハードで、何度も心が折れそうになりました。
「でも、半年を過ぎた頃から、少しずつ自信がついてきました。重症患者さんの対応ができるようになり、先輩から『成長したね』と言われた時は、本当に嬉しかったです」
今では、多様な救急症例に対応できるようになり、認定看護師を目指して勉強を続けています。
「ここに来て本当に良かったと思います。毎日が学びの連続で、自分が成長しているのを実感できる。前の職場の居心地の良さも捨てがたかったですが、今の私にはこの環境が必要でした」
人間関係については、最初は不安もありましたが、同じ志を持つ仲間との出会いがありました。
「救命センターのスタッフは、みんなプロ意識が高くて、刺激を受けます。同期もできて、『一緒に認定取ろうね』と励まし合っています。人間関係の『居心地の良さ』ではなく、『切磋琢磨できる関係』を築けたことが、自分には合っていました」
佐藤さんから転職を考える方へのメッセージ
「転職で大切なのは、『今の自分に何が必要か』を見極めることだと思います。私の場合、居心地の良さよりも成長の機会が必要でした。
転職には不安がつきものですが、『なりたい自分』に近づくための挑戦だと思えば、一歩踏み出せます。もし、キャリアアップを目指すなら、若いうちに挑戦することをお勧めします。年齢を重ねるほど、環境を変えるのは難しくなりますから。
厳しい環境に身を置くことは大変ですが、その分、成長も大きい。『自分を成長させたい』と思っている方は、ぜひ勇気を持って踏み出してほしいです」
まとめ
転職を経験した看護師の転職先の決め手や複数内定をもらった際に転職先を決める方法を紹介しました。
転職先は自分の希望条件を把握した上で最も満足度が高くなると考えられる職場を選ぶのがおすすめです。
紹介した決め手や転職先選びの方法を参考に、自分に最も合った職場を選んでみてください。
あなたの人生がより明るくなることを願っています。
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