助産師パート復職ガイド｜ブランク・年齢の不安を解消し、理想の時給と働き方を見つける方法

「パート助産師ってどうなんだろう」
「パート助産師で働いてみたい」

パート助産師の求人は少ないですが時給が高く、ワークライフバランスを重視した働き方ができます。正規雇用の助産師が人手不足なため、求人が見つかって採用されれば即戦力で勤務できるでしょう。

5分でパート助産師の給料事情や仕事の探し方などが分かるので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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※2025年10月10日更新
※弊社が実施した独自アンケートの結果に基づきます

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1. 助産師パートの給与・手当の全貌

厚生労働省の『令和４年賃金構造基本統計調査』を見ると、パート助産師のような短時間労働者の平均時給は2,400円となっています。

参考：厚生労働省『令和４年賃金構造基本統計調査』

また日給で募集する求人もあり、就業先が病院かクリニックで時給の差はありません。収入は、夜勤の日数や分娩手当の有無で変化します。

1.夜勤の場合は時給ではなく「1勤務あたりの日給」も多い

パート助産師の給与で夜勤の場合は、「1勤務あたりの日給」も多いです。

就業時間は17:00~翌10:00が多く、時給に換算すると2,000円以上です。給与相場は20,000～30,000円が多く、なかには40,000円を超える求人もあります。

2.分娩手当を支給する職場も多い

パート助産師には、分娩手当が支給される職場も多いです。

相場は1回5,000円程度で、分娩手当の有無で収入が変わります。その他、オンコール手当や日祝手当があります。

3. 地域によっても変動する時給相場

実際にパート助産師の時給を見てみると、地方に行くほど時給が低くなります。（参考：医療ワーカー）

【日勤帯】

【夜勤帯】

2. 助産師がパートで働くメリット｜看護師より高時給が魅力

パート助産師として働くことには、一般的な看護師のパート勤務とは異なる、助産師ならではの魅力的なメリットがあります。家庭やプライベートとの両立がしやすいことはもちろんですが、特に注目すべきは同じ医療機関で働く看護師よりも時給が高く設定されているという経済的なメリットです。

パート勤務では、正社員のように「週5日・1日8時間」といった固定的な働き方ではなく、「週2〜3日」「午前中のみ」「夜勤専従で月数回」など、自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。子どもが学校に行っている時間帯だけ働く、夫の休日に合わせて勤務日を調整する、親の介護と両立しながら働くなど、個々の事情に応じた働き方を実現できます。

これは一般的な看護師パートにも共通するメリットですが、助産師の場合はさらに専門性の高さから時給が優遇されるという大きなアドバンテージがあります。ここでは、パート助産師の時給がなぜ高いのか、その背景と実際の待遇について詳しく解説します。

同じ病院の看護師よりも時給が高い理由と実際の相場

パート助産師の時給は、同じ医療機関で働く看護師のパート職員と比較して、一般的に200円〜500円程度高く設定されています。

例えば、一般病棟の看護師パートの時給が1,500円〜1,700円程度の地域でも、助産師パートの時給は1,800円〜2,200円程度に設定されているケースが多く見られます。都市部の大規模病院や産科専門クリニックでは、時給2,500円以上の求人も珍しくありません。

時給が高い理由①：Wライセンスの専門性

助産師は、看護師国家資格に加えて助産師国家資格の取得が必須です。看護師養成課程を修了した後、さらに1年以上の助産師養成課程(大学院、専攻科、別科など)で専門教育を受ける必要があります。

この二重の資格要件により、助産師は看護師よりも高度な専門知識と技術を持つとみなされ、その専門性が時給に反映されています。妊娠・出産・産後という人生の重要な局面に関わる責任の重さも、待遇に影響しています。

時給が高い理由②:慢性的な人材不足

厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、就業助産師数は約37,940人であるのに対し、就業看護師数は約1,280,911人と、助産師は看護師の約3%程度しかいません。

この圧倒的な人材不足により、医療機関側は助産師を確保するために時給を高く設定せざるを得ない状況にあります。特に、分娩を扱う施設では助産師の配置が必須であるため、パート勤務であっても好条件で募集するケースが多いのです。

_{参考：厚生労働省「令和２年衛生行政報告例（就業医療関係者）の概況 」}

時給が高い理由③:分娩介助という独占業務

助産師には「正常分娩の介助を医師の立ち会いなしに独立して行える」という独占業務権があります。看護師には認められていないこの権利により、助産師の業務範囲は広く、その分だけ給与水準も高く設定されています。

夜勤帯や休日に分娩が発生した際、助産師が一定数確保されていなければ施設運営に支障をきたすため、パート助産師であっても重要な戦力として高く評価されるのです。

実際の時給相場と収入例:

全国的な平均時給は1,800円〜2,200円程度ですが、地域や施設規模によって差があります。

• 個人クリニック: 時給1,800円〜2,000円
• 中規模病院: 時給2,000円〜2,300円
• 大学病院・総合周産期センター: 時給2,200円〜2,500円
• 夜勤専従: 時給2,500円〜3,000円(深夜割増含む)

例えば、時給2,000円で週3日(1日6時間)勤務した場合、月収は約14万4,000円、年収は約172万8,000円となります。扶養範囲内で働きたい場合は勤務時間を調整し、しっかり稼ぎたい場合は週4〜5日勤務に増やすなど、収入目標に応じた柔軟な働き方が可能です。

さらに、夜勤手当や分娩手当(1件あたり数千円)が別途支給される施設も多く、実質的な時給はさらに高くなります。

看護師パートとの比較:

同じ医療機関内で、看護師パートと助産師パートの時給を比較してみましょう。

• 一般病棟看護師パート: 時給1,600円
• 産科病棟助産師パート: 時給2,100円
• 時給差: 500円

1日6時間、週3日(月12日)勤務の場合、月収差は約3万6,000円、年収差は約43万2,000円にもなります。

この差額は、助産師資格を取得するために費やした時間と努力に対する正当な対価であり、専門性の高さを示す証でもあります。

パート勤務でありながら、看護師パートよりも高い時給を得られることは、助産師としてのキャリアを活かしながら家庭との両立を図りたい方にとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

3. パート助産師の注意点｜求人探しは工夫が必要

パート助産師として働くことには多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点も理解しておく必要があります。特に重要なのが収入面での現実的な理解と、求人探しの難しさです。これらの注意点を事前に把握し、適切に対処することで、スムーズな復職やキャリアチェンジが可能になります。

注意点①:正社員と比較すると年収は低くなる

パート助産師の時給は看護師パートよりも高く設定されていますが、正社員(常勤)の助産師と比較すると、年収ベースでは当然ながら低くなります。

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、常勤助産師の平均年収は約570万円(賞与込み)です。一方、パート助産師が時給2,000円で週5日・1日8時間のフルタイムで働いた場合の年収は約384万円(2,000円×8時間×20日×12ヶ月)となります。

この差額約190万円は、賞与、各種手当(住宅手当、家族手当、役職手当など)、退職金積立、社会保険の事業主負担分などの違いから生じます。

ただし、この収入差は働き方の自由度とのトレードオフです。週3日勤務で年収約230万円を得ながら、残りの時間を子育てや自己研鑽に充てられることは、ライフステージによっては正社員以上の価値があると言えます。

「しっかり稼ぎたい」というよりも、「収入を得ながらプライベートや家庭も大切にしたい」「扶養範囲内で無理なく働きたい」という価値観の方に、パート助産師という働き方は最適です。

求人を見つけるのに時間がかかる理由と対策

パート助産師として働く上で最も大きな注意点が、求人数の少なさです。正社員の助産師求人と比較すると、パート求人は圧倒的に数が限られており、希望条件に合う職場を見つけるのに時間がかかることがあります。

求人が少ない理由:

産科施設では、24時間体制で分娩に対応するために、一定数の常勤助産師を確保することが優先されます。パート職員だけでは夜勤やオンコール対応のシフトを組むことが難しいため、まずは正社員の採用が重視されるのです。

また、個人クリニックや助産院では、そもそもスタッフ数が少なく、新規採用の頻度が低いこともパート求人が少ない要因です。「スタッフが退職したタイミングでたまたま募集が出る」といった偶発的な求人が多く、常時募集している施設は限られています。

さらに、好条件のパート求人は「口コミ」や「知人の紹介」で応募者が集まってしまい、一般の求人サイトに掲載される前に採用が決まってしまうケースも少なくありません。

効率的な求人探しの方法:

このような状況だからこそ、複数の転職サイトを活用し、非公開求人にアクセスすることが非常に重要です。

一般に公開されている求人だけを探していては、なかなか希望に合う職場に出会えません。転職サイトに登録することで、以下のようなメリットがあります:

• 非公開求人へのアクセス: 転職サイトが独自に保有する、一般には公開されていない好条件のパート求人を紹介してもらえます。「週3日、時給2,200円、ブランクOK」といった希望条件にマッチする求人を、キャリアアドバイザーが探してくれます。

• 新着求人の優先案内: 新しくパート求人が出た際に、いち早く情報提供を受けられます。人気の求人はすぐに応募が殺到するため、この「情報の早さ」が採用成功のカギになります。

• 条件交渉の代行: 「週2日希望だが、求人は週3日となっている」といった場合でも、アドバイザーが施設側と交渉してくれることがあります。直接応募では難しい柔軟な条件調整が可能になります。

• 複数施設への同時応募: 自分で一つずつ応募する手間が省け、効率的に複数の施設の選考を進められます。

求人探しのコツ:

求人探しに時間がかかることを前提に、余裕を持ったスケジュールで転職活動を開始することも大切です。「3ヶ月後から働きたい」と考えているなら、少なくとも2ヶ月前には転職サイトに登録し、情報収集を始めましょう。

また、希望条件に優先順位をつけることも重要です。「勤務地」「勤務日数」「時給」「職場の雰囲気」など、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておくことで、キャリアアドバイザーもあなたに合った求人を提案しやすくなります。

パート助産師の求人は確かに少ないですが、適切な方法で探せば、必ず希望に合う職場に出会えます。 次のセクションでは、パート助産師の求人探しに特におすすめの転職サイトを詳しく紹介しますので、ぜひ活用してください。

4.【お悩み別】助産師パート復職 Q&A｜ブランク・年齢の不安を解消

パート助産師として復職を考えているものの、ブランクの長さや年齢、家庭との両立など、様々な不安を抱えている方は少なくありません。ここでは、復職を検討する多くの助産師が実際に抱える疑問や悩みに、具体的な解決策とともにお答えします。あなたの不安を少しでも軽くし、前向きな一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

Q. 臨床からブランクが長くても、パートとして復職できますか?

A. はい、ブランクがあってもパート助産師として復職することは十分に可能です。 むしろ、パートという働き方は、ブランクのある助産師にとって理想的な復職ルートと言えます。

まず理解しておきたいのは、医療現場では慢性的な助産師不足が続いているという現状です。厚生労働省の「看護職員需給推計」によると、助産師の需要は今後も増加傾向にあり、多くの医療機関がブランクのある助産師の復職を積極的に支援しています。

実際に、5年以上のブランクがあっても復職に成功している助産師は数多くいます。重要なのは、ブランクの長さそのものではなく、「復職に向けてどのような準備をするか」です。

復職前の準備として有効な方法:

まず活用したいのが、都道府県看護協会が実施している「復職支援研修(潜在看護師等復職研修)」です。これは、ブランクのある看護職を対象とした無料または低額の研修プログラムで、基礎的な看護技術の再確認から最新の医療知識、感染対策、電子カルテの操作方法まで、実践的な内容を学ぶことができます。座学だけでなく、実際の医療機関での実習が含まれているケースも多く、現場の雰囲気を思い出しながら自信を取り戻すことができます。

また、日本看護協会のeラーニングサービス「看護職のための復職支援プログラム」を利用すれば、自宅で自分のペースで学習することも可能です。妊娠・出産・産後ケアの最新知識、新生児のケア技術、母乳育児支援の方法など、助産師に特化した内容も用意されています。

ブランク明けに選ぶべき職場の特徴:

復職の際は、職場選びが非常に重要です。ブランクのある助産師を歓迎し、丁寧な研修体制を整えている職場を選ぶことで、スムーズに現場復帰できます。

個人経営の産婦人科クリニックや助産院は、大規模病院に比べて分娩件数が少なく、一人ひとりの妊婦さんにじっくり向き合えるため、ブランク明けの助産師に適しています。院長や開設者が丁寧に指導してくれる環境も多く、「わからないことがあればすぐに聞ける」アットホームな雰囲気が安心感につながります。

また、産後ケア専門施設や母乳育児相談室など、緊急対応が少ない職場もおすすめです。産後のお母さんへの育児指導や授乳サポートが中心となるため、分娩介助のブランクがあっても比較的復職しやすい環境です。

自治体が運営する母子保健事業(新生児訪問、産後ケア事業、両親学級など)では、地域の妊産婦さんに寄り添った相談業務が主となるため、臨床の勘を少しずつ取り戻しながら働くことができます。

段階的に仕事を増やすアプローチ:

いきなりフルタイムに近い勤務から始めるのではなく、週1〜2日の短時間勤務からスタートし、慣れてきたら徐々に勤務日数を増やすという段階的なアプローチも効果的です。多くの医療機関では、こうした柔軟な働き方を認めてくれます。

実際に、「最初は週2日で産後の母乳相談だけを担当し、半年後には週3日に増やして妊婦健診の補助も担当するようになった」というケースや、「1年間は外来業務のみで、2年目から分娩介助にも参加するようになった」というケースもあります。

ブランクがあることを恥ずかしいと感じる必要はありません。子育てや介護といったライフイベントを経験したことで得られた視点は、妊産婦さんやそのご家族に寄り添う際に大きな強みになります。「自分も育児で大変だった経験があるから、お母さんたちの不安がよくわかる」という共感力は、ブランクがあるからこそ持てる貴重な資質です。

復職に不安を感じているなら、まずは看護協会の復職支援窓口に相談してみることをおすすめします。あなたの状況に応じた具体的なアドバイスや、ブランク明けに適した求人情報を提供してくれます。

Q. 40代・50代からでも採用される求人はありますか?

A. はい、40代・50代の助産師を積極的に採用する職場は数多く存在します。 むしろ、この年代の助産師は豊富な人生経験と落ち着いた対応力を持つため、多くの医療機関から高く評価されています。

助産師という専門職は、年齢を重ねることがマイナスにならない数少ない職業の一つです。妊娠・出産・育児という人生の大きなイベントに関わる仕事だからこそ、人生経験豊富なベテラン助産師の存在は、妊産婦さんやそのご家族に大きな安心感を与えます。

40代・50代助産師が歓迎される理由:

第一に、患者対応の質の高さが挙げられます。20代・30代の若い妊婦さんにとって、自分の母親世代にあたる40代・50代の助産師は、母親のような安心感を与える存在です。初めての出産で不安を抱える妊婦さんに対して、「大丈夫よ、私も3人子どもを育てたから気持ちがよくわかるわ」と声をかけられる経験値は、何にも代えがたい価値があります。

第二に、職場の安定性です。40代・50代のパート助産師は、若いスタッフに比べて離職率が低く、長期的に働いてくれる傾向があります。採用する側としては、頻繁に人材を募集する手間が省けるため、この年代の採用を歓迎する職場が多いのです。

第三に、即戦力としての期待です。過去に臨床経験があれば、基本的な助産技術や患者対応のスキルが身についているため、新人のように一から教える必要がありません。ブランクがあったとしても、数ヶ月の研修期間を経れば、十分に現場で活躍できます。

40代・50代に適した職場:

この年代のパート助産師に特におすすめなのが、個人クリニックや中小規模の産科施設です。大規模な総合病院のように激務ではなく、夜勤も少ない(またはない)ため、体力面での負担が軽減されます。また、アットホームな雰囲気の中で、経験を活かしながら妊婦さん一人ひとりに丁寧に向き合える環境が整っています。

産後ケア施設や母乳育児相談室も、40代・50代の助産師が活躍しやすい職場です。自分自身が子育てを経験していることで、産後のお母さんたちの悩みに的確にアドバイスでき、「この助産師さんに相談してよかった」と信頼されやすくなります。

**自治体の母子保健事業(新生児訪問、乳児健診、産後ケア事業など)**では、地域の妊産婦さんを支える重要な役割を担います。訪問型のサービスでは、自宅という落ち着いた環境で相談に乗れるため、妊産婦さんとの信頼関係を築きやすく、人生経験豊富な助産師の強みを最大限に発揮できます。

また、企業や自治体が運営する子育て支援センターでは、妊娠中から産後にかけての相談窓口業務や、両親学級の講師といった役割があります。こうした職場では、急な分娩対応のような緊急性はなく、予定に沿った業務が中心となるため、ワークライフバランスを保ちやすいのが特徴です。

年齢を強みに変えるアピール方法:

求人応募や面接の際は、年齢や経験を前向きにアピールしましょう。「子育て経験があるため、初産婦さんの不安に共感しながら実践的なアドバイスができます」「これまでの臨床経験を活かして、後輩スタッフの指導にも貢献できます」といった具体的な強みを伝えることが大切です。

また、「パートとして長期的に安定して働きたい」という意思を示すことも効果的です。採用側は頻繁な人材の入れ替わりを避けたいと考えているため、「この職場で腰を据えて働きたい」という姿勢は高く評価されます。

実際の求人市場を見ても、「年齢不問」「40代・50代活躍中」「ブランクOK」といった条件を掲げる求人は数多くあります。看護師・助産師専門の転職サイトでは、年齢やブランクを気にせず応募できる求人を絞り込んで検索することも可能です。

年齢を理由に復職を諦める必要はまったくありません。あなたの経験と人生の深みは、必ず誰かの役に立ちます。

Q. 子育てと両立できるか、急な休みに対応できるか不安です。

A. パート助産師という働き方は、子育てとの両立を前提として設計されている雇用形態であり、多くの医療機関が子育て中のスタッフに理解を示しています。 ただし、職場選びと事前のコミュニケーションが両立成功の鍵となります。

子育てと両立しやすい職場の特徴:

まず重要なのが、シフトの柔軟性です。「週2〜3日、午前中のみ」「保育園の送迎時間に合わせて9:30〜15:30勤務」など、自分の生活リズムに合わせた働き方ができる職場を選ぶことが大切です。

特に個人クリニックや小規模な助産院では、院長やオーナーとの距離が近く、個別の事情に柔軟に対応してもらえるケースが多くあります。「今月は子どもの学校行事が多いので週2日にしてほしい」「来月は通常通り週3日働けます」といった相談がしやすい環境です。

急な休みへの対応:

子どもの急な発熱や学校からの呼び出しなど、予期せぬ事態は子育て中には避けられません。こうした状況に理解のある職場を見つけるためには、面接時に必ず確認しておくべきポイントがあります。

「子どもの急な体調不良の際、休みや早退に対応していただけますか?」と率直に質問しましょう。多くの医療機関では、事前に「子育て中で急な休みをお願いする可能性がある」ことを伝えておけば、理解を示してくれます。

また、複数のパートスタッフが在籍している職場を選ぶことも重要です。スタッフに余裕があれば、一人が急に休んでも他のスタッフでカバーできるため、心理的な負担が軽くなります。逆に、ギリギリの人数で回している職場では、一人の欠勤が大きな影響を及ぼすため、休みづらい雰囲気になりがちです。

求人情報を見る際は、「子育て中のスタッフ多数活躍中」「急な休みにも柔軟に対応」といった文言があるかをチェックしましょう。こうした記載がある職場は、組織として子育て支援の体制が整っている可能性が高いです。

両立を成功させるための工夫:

家族のサポート体制を整えることも欠かせません。配偶者やパートナーと事前に役割分担を決めておく、近くに住む両親に緊急時のサポートをお願いしておく、病児保育やファミリーサポートセンターに登録しておくなど、複数のバックアッププランを用意しておくと安心です。

また、勤務日を「週の前半(月・火・水)に固定する」「土曜日のみ勤務する」など、パターン化することで、家族のスケジュール管理がしやすくなります。夫が在宅勤務の日に合わせて勤務日を設定するといった工夫も有効です。

職場でのコミュニケーション:

復職後は、職場の同僚やスタッフと良好な関係を築くことが大切です。日頃から「いつも助けていただいてありがとうございます」という感謝の気持ちを伝えることで、急な休みをお願いする際も理解を得やすくなります。

また、自分が勤務できる日は率先して業務をこなし、他のスタッフが休む際には積極的にカバーするという相互扶助の姿勢も重要です。「お互い様」の関係を築ければ、子どもの体調不良で急に休む際も、過度な罪悪感を持たずに休むことができます。

子育て支援制度の活用:

多くの医療機関では、育児中のスタッフを支援する制度を設けています。育児短時間勤務制度(時短勤務)、看護休暇(子の看護のための休暇)、子の看護休暇などが法律で定められており、パート職員でも条件を満たせば利用できます。

また、院内保育所を完備している病院もあり、子どもを預けながら働ける環境が整っている場合もあります。通勤と保育園送迎を別々に行う必要がないため、時間的な余裕が生まれます。

実際の両立事例:

「小学生の子どもが2人いるため、週3日、9:00〜14:00の時短勤務で産後ケア施設に勤務しています。子どもが学校に行っている間だけ働けるので、帰宅時には家にいてあげられます。夏休み期間は勤務日数を減らしてもらえるので、とても助かっています」(40代・パート助産師)

「保育園児がいるため、週2日の午前中のみ、個人クリニックで妊婦健診の補助を担当しています。子どもが熱を出したときも、『お互い様だから気にしないで』と院長が言ってくれて、安心して休めます」(30代・パート助産師)

こうした事例からわかるように、職場選びと事前の準備次第で、子育てと仕事の両立は十分に可能です。

不安を解消するための第一歩:

もし両立に不安を感じているなら、まずは転職サイトのキャリアアドバイザーに相談してみることをおすすめします。あなたの家庭状況や希望条件をヒアリングした上で、子育てとの両立がしやすい求人を提案してくれます。また、面接時に「子育て中であること」をどう伝えるべきかといった具体的なアドバイスももらえます。

子育てをしながら助産師として働くことは、決して無理なことではありません。多くの先輩助産師たちが、仕事と家庭を両立させながら充実したキャリアを築いています。あなたもその一人になれるはずです。

5.パート助産師の求人を探すのにおすすめサイト3選

求人数や質、サポートの良さを基準に、パート助産師のおすすめ求人サイトは以下の3つです。

先述したとおり、パート助産師の求人は多くありません。

多くの求人を見られるように、紹介したサイトを登録して併用しましょう。

【比較表】パート助産師におすすめの転職サイト3選

以下の比較表で、各サイトの特徴を一目で確認できます。あなたの状況や優先したい条件に合わせて、最適なサイトを選びましょう。

マイナビ看護師｜手厚いサポートで初めての転職も安心

パート助産師求人数：約190件｜満足度：★★★★☆ 4.3

マイナビ看護師は、大手人材企業マイナビが運営する看護師・助産師専門の転職サイトです。3つのサイトの中で最も多いパート助産師求人を保有しており、選択肢の幅広さが大きな強みです。

マイナビ看護師の特徴:

• 求人数の豊富さ: 全国各地の医療機関と太いパイプを持ち、大規模病院から個人クリニック、助産院、産後ケア施設まで、多様な職場の求人を取り扱っています。ブランク歓迎求人も非常に多く、「5年以上のブランクOK」「復職支援あり」といった条件で検索できます。

• キャリアアドバイザーのサポートが手厚い: 専任のキャリアアドバイザーが、求人紹介から面接対策、条件交渉、入職後のフォローまで一貫してサポートしてくれます。対面面談にも対応しているため、「ブランクがあって不安」「子育てとの両立について相談したい」といった悩みを直接相談できます。

• 非公開求人が豊富: 一般には公開されていない好条件のパート求人を多数保有しています。「週2日、午前のみ、時給1800円以上」といった希望条件に合致する求人を、アドバイザーが個別に提案してくれます。

• 面接対策が充実: 履歴書・職務経歴書の添削、面接の練習、想定質問への回答アドバイスなど、選考対策が非常に充実しています。ブランクや年齢について面接でどう説明すればよいか、具体的な伝え方をレクチャーしてもらえます。

どんな人におすすめか: 初めての転職活動で不安が大きい方、手厚いサポートを受けながら慎重に職場を選びたい方、ブランクや年齢に不安がある方に特におすすめです。キャリアアドバイザーと二人三脚で転職活動を進められるため、「一人で求人を探すのは心細い」という方に最適です。

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ナースパワー｜パート・派遣など柔軟な働き方に強い

パート助産師求人数：約160件｜満足度：★★★★☆ 3.9

ナースパワーは、看護師・助産師の派遣・パート求人に特化した転職サイトです。正社員以外の多様な働き方を希望する方に特に強く、「週1日から」「短期間のみ」といった柔軟な雇用形態の求人も豊富に取り扱っています。

ナースパワーの特徴:

• 非正規雇用に強い: パート、派遣、単発バイト、応援ナース(短期間の出張勤務)など、多様な雇用形態の求人があります。「夏休み期間だけ働きたい」「まずは短期間で試してから長期契約を考えたい」といった希望にも対応できます。

• スピード対応: 登録から求人紹介、面接設定までのスピードが速く、「すぐに働きたい」という方に適しています。電話やメールでのやり取りが中心で、気軽に相談できる雰囲気があります。

• 地方の求人にも強い: 全国30拠点以上を展開しており、地方の医療機関の求人も充実しています。「地元で働きたい」「Uターン・Iターンを考えている」という方にも対応できます。

• ブランクOKの求人多数: 「ブランク10年以上OK」「研修制度充実」といった、復職者を歓迎する求人を多く取り扱っています。「まずは週1日から慣れていきたい」という段階的な復職スタイルにも対応しています。

どんな人におすすめか: 週1〜2日の少ない勤務日数から始めたい方、派遣や単発バイトなど柔軟な働き方を希望する方、地方での勤務を希望する方におすすめです。「とりあえず短期間だけ試してみたい」という気軽な復職を考えている方にも適しています。

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看護roo!｜医療業界で評価No.1の信頼性と情報量

パート助産師求人数：約160件｜満足度：★★★★☆ 4.2

看護roo!は、医療系職種(特に看護師・助産師)からの評価がNo.1の転職サイトです。求人情報の詳しさ、キャリアアドバイザーの専門性の高さ、転職に役立つコンテンツの充実度など、総合的な満足度が非常に高いことが特徴です。

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6.パート助産師の募集でチェックするポイント3つ

パート助産師の募集でチェックするポイントは、以下の3つです。

それぞれ説明します。

1. 給与やボーナス・手当の有無

求人を見つけたら給与やボーナス、手当の金額を確認しましょう。実際、以下のように助産師は手当が多いです。

また法律の改正により、パートの助産師にもボーナスが支給されるようになりました。ボーナスの金額は正規雇用より少ないですが、支給の記載が求人票にあるかチェックしましょう。

2. 社会保険加入や休暇などの雇用条件

パート助産師でも一定の条件を満たせば、社会保険や雇用保険の加入対象になります。

社会保険は501人以上の職場で働く場合、以下のどちらかを満たせば加入の対象となります。

一方で、従業員が501人未満の職場で働く助産師も、平成29年4月から以下の条件のいずれかに当てはまれば社会保険加入対象者となりました。

なお、年収106万円以下で働く場合は社会保険には加入しません。また有給休暇は、以下の条件で付与されて取得できます。

3. 扶養範囲内で業務する場合の年収の調整可否

配偶者の扶養内で働きたい場合、年収の調整ができるかがポイントです。

病院によっては人手が足りないため、多くの出勤を要望されることもあるでしょう。以下、年収における扶養範囲の一覧です。

[扶養範囲]

面接ではどれくらい働きたいのか、病院側の意向も確認して勤務日を調整しましょう。

まとめ：不安を解消し、あなたに合ったパート助産師の働き方を見つけよう

パート助産師という働き方は、専門性を活かしながら家庭やプライベートとの両立を実現できる、非常に魅力的な選択肢です。

この記事では、パート助産師のメリットと注意点、復職に関する不安の解消法、そして効果的な求人の探し方まで、実践的な情報を網羅的にお伝えしてきました。

パート助産師の魅力を再確認

助産師がパートで働く最大の魅力は、同じ医療機関の看護師よりも時給が高く設定されているという点です。Wライセンスの専門性、慢性的な人材不足、分娩介助という独占業務という3つの理由から、時給1,800円〜2,500円という高水準の待遇が実現しています。

週2〜3日の勤務でも十分な収入を得られるため、子育てや介護と両立しながら経済的な自立も保てます。

一方で、正社員と比較すると年収は低くなること、パート求人の絶対数が少ないため求人探しに工夫が必要なことも理解しておく必要があります。

しかし、これらの注意点は事前に対策を講じることで十分にクリアできます。

不安は解消できる

「ブランクが長くても復職できるか」「40代・50代でも採用されるか」「子育てと両立できるか」といった不安は、多くの助産師が抱える共通の悩みです。

しかし、この記事で紹介したように、都道府県看護協会の復職支援研修を活用する、ブランク歓迎求人を積極的に扱う転職サイトに登録する、子育て中のスタッフが多い職場を選ぶといった具体的な方法で、これらの不安は解消できます。

40代・50代の助産師は、豊富な人生経験と落ち着いた対応力が高く評価されます。むしろ、妊産婦さんやそのご家族に安心感を与える存在として、多くの医療機関が積極的に採用したいと考えています。

年齢を理由に諦める必要はまったくありません。

効果的な求人の探し方

パート助産師の求人は数が限られているため、複数の転職サイトに登録し、非公開求人にアクセスすることが成功の鍵です。マイナビ看護師、ナースパワー、看護roo!といった信頼性の高い転職サイトを併用することで、あなたの希望条件に合った求人に出会える確率が大幅に上がります。

キャリアアドバイザーは、あなたの状況や希望を丁寧にヒアリングした上で、最適な求人を提案してくれます。

「週3日、午前中のみ」「ブランク10年だが復職したい」「40代で子育て中」といった個別の事情にも柔軟に対応し、条件交渉や面接対策まで手厚くサポートしてくれます。

今日から行動を始めよう

パート助産師として理想の働き方を実現するための第一歩は、情報収集から始まります。

この記事で紹介した転職サイトに登録し、まずはキャリアアドバイザーに相談してみることをおすすめします。登録は無料で、相談したからといって必ず応募しなければならないわけではありません。気軽に「こんな働き方は可能か」「この条件で求人はあるか」を確認するだけでも価値があります。

あなたの助産師としての経験とスキルは、必ず誰かの役に立ちます。ブランクがあっても、年齢を重ねていても、子育て中であっても、助産師として再び活躍できる場所は必ずあります。

不安を一つずつ解消し、自分に合った働き方を見つけることで、仕事と家庭の両立を実現しながら、助産師としてのやりがいを再び感じられる日々が待っています。

今日から一歩を踏み出して、あなたらしいパート助産師としてのキャリアを築いていきましょう。