「耳鼻科の看護師に転職してみたいけれど、仕事は楽?」「スキルが身につかないのでは」と考えていませんか?
耳鼻科に来る患者さんというと、風邪や中耳炎、花粉症などが思い浮かぶ人が多いかもしれませんが、それだけではありません。
耳鼻咽喉科は首から上の部位の病気を幅広く診療している科で、身近な風邪や中耳炎から周手術期・がん看護まで幅広く対応する領域です。専門的なスキルが多く身につくので、実は1つの領域を極めたい看護師に適しています。
そこで今回は大学病院の耳鼻咽喉科に勤務経験がある筆者が、病棟・クリニックにおける耳鼻科看護師の仕事内容を詳しく解説します。
- 中耳炎や風邪だけじゃない!耳鼻科で診療している疾患はどんなもの?
- 耳鼻科の看護師の気になる仕事内容!クリニックと病棟に分けて紹介
- 耳鼻科看護師に転職するメリット・デメリット
- こんな人がおすすめ!耳鼻科の看護師に向いている人の特徴3つ
どのような働き方をするのかもあわせて紹介するので、耳鼻科への転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
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1. 中耳炎や風邪だけじゃない!耳鼻科で診療している疾患はどんなもの?
まずはじめに、耳鼻咽喉科が対象としている領域や疾患について解説します。
1-1. 耳鼻咽喉科は首から上の部位の病気を幅広く診療している
耳鼻咽喉科の診療範囲は以下のようになっています。
- 耳
- 鼻
- 咽頭・喉頭
- 食道・気管
- 口腔・舌
- 頭頚部
- 顔面神経
耳・鼻・喉の狭い範囲をカバーしている診療科と思われがちですが、首から上の部位を幅広く診療している領域なのです。
もちろん、個人のクリニックではこれらすべてをカバーすることは難しいため、精密検査やより専門的な治療が必要な場合は、大学病院や総合病院が診療します。
1-2. 耳鼻科で診療している主な疾患
ここでは、耳鼻科で診療している主な疾患について解説していきます。
クリニックと病棟では対象となる疾患が異なるため、それぞれ紹介します。
(1). クリニックで診療している主な疾患
耳鼻科クリニックでは以下の疾患を診療しています。
- 風邪(急性上気道炎)
- 花粉症・アレルギー
- 急性中耳炎
- 滲出性中耳炎
- 外耳炎
- 耳管開放症
- 突発性難聴
- メニエール病
- 耳下腺炎(おたふくかぜなど)
- 扁桃腺炎
- 口内炎
- 副鼻腔炎
- 鼻中隔湾曲症による鼻づまり
風邪や花粉症、中耳炎など誰もが経験したことのある身近な病気が多いのが特徴です。
クリニックによっては、日帰り手術に対応している施設もあります。
(2). 病棟で診療している主な疾患
耳鼻科病棟では以下の疾患を診療しています。
- 慢性中耳炎
- 真珠腫性中耳炎
- 慢性副鼻腔炎
- 突発性難聴
- メニエール病
- 扁桃腺炎
- 顔面神経麻痺
- 咽頭がん
- 喉頭がん
- 口腔がん
- 上顎がん
- 聴神経腫瘍 など
中耳炎や突発性難聴、メニエール病はクリニックでも対応できますが、手術や継続的な点滴が必要な場合は、病棟でしか診療できません。
また、頭頚部のがんや腫瘍など、手術や抗がん剤を使用した化学療法、放射線治療が必要なものも診療しています。
口腔がんや聴神経腫瘍などは、口腔外科や脳神経外科といった他科と 共同で治療にあたることもあります。
2. 耳鼻科の看護師の気になる仕事内容!クリニックと病棟に分けて紹介
ここでは、耳鼻科看護師がおこなう仕事内容について、クリニックと病棟に分けて詳しく解説していきます。
2-1. 耳鼻科クリニックの看護師の仕事内容
耳鼻科クリニックの看護師の仕事は以下になります。
クリニックの看護師の仕事は、診療や検査の補助、物品の管理などが多く、患者さんに直接看護するというよりは、医師の業務の補助的な役割が強いのが特徴です。
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
(1). 医師の診療の補助
1つ目は、医師の診療の補助です。
診察がスムーズにいくように、物品を準備して渡したり、患者さんの誘導をしたりします。
耳鼻科は小さな子どもが風邪や中耳炎のため来院することも多く、子どもが診察中に動かないように頭や身体を支えることもあります。
日帰り手術をおこなっている病院では、手術室看護師のように器械出しや介助をおこなうこともあります。
(2). 聴力検査
2つ目は、聴力検査です。
耳鼻科では、患者さんの耳の聞こえづらさの原因がどこにあるのか、診察の前後で検査をする必要があります。
聴力検査の種類は複数あり、それぞれ使う機器も異なります。
(3). ネブライザーなど医療機器の使い方の指導
3つ目は、患者さんにネブライザー(吸入器)など医療機器の使い方の説明と指導をおこなうことです。
診察後にネブライザーの場所まで案内し、機器のセッティングと使い方の説明をします。また、鼻づまりがある患者さんに対して自宅で使う鼻洗浄の器具の取り扱い方を伝えることもあります。
(4). 注射や採血
4つ目は注射や採血です。
他のクリニックと同様に、耳鼻科クリニックの看護師も採血や注射をおこないます。
注射は、突発性難聴に対して通院でステロイド剤の点滴ができる場合などにおこないます。
(5). 薬や物品の発注
5つ目は、薬や物品の発注です。
クリニックは少人数で回していることが多く薬や物品の発注、在庫管理を看護師がおこなう場合もあります。
また、総合病院などと違い物品が潤沢に揃っている訳ではない施設もあるので、隙間時間を使って綿球を作るなどすることもあります。
(6). 医療機器の洗浄・滅菌作業
6つ目は、医療機器の洗浄・滅菌作業です。
使用後の医療機器の管理も看護師の仕事となります。
滅菌作業は業者委託している場合もありますが、クリニック内でオートクレーブで滅菌していることもあります。
2-2. 耳鼻科病棟の看護師の仕事内容
耳鼻科病棟看護師の仕事内容は以下になります。
クリニックは医師の診療の介助がメインでしたが、耳鼻科病棟の看護師の場合は患者さんの日常生活の援助が主な仕事となります。
それでは、1つずつ詳しくみていきましょう。
(1). 周手術期にある患者さんの看護と日常生活の援助
1つ目は、周手術期にある患者さんの看護です。
耳鼻科病棟には、中耳炎や副鼻腔炎、扁桃腺炎でも手術が必要な患者さんが入院します。
これらの多くはクリニカルパスを使用しての治療となり、 1週間程度で退院していく患者さんが多いのが特徴です。
耳鼻科病棟の看護師は、術前のオリエンテーションや出棟前の点滴から手術後のバイタルサインの管理、患者さんの苦痛の軽減のための与薬などをおこないます。
短時間で終わる手術が多いため、手術患者が多い日はオペ出しと術後の処置に追われることもあります。
病棟ならではの仕事も多いです。
- 慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎など耳の手術
…トイレ歩行の介助(術後に吐き気やふらつきが出やすい)をしたり、制吐剤の投与をしたりすることで苦痛の軽減を図る。 - 慢性副鼻腔炎の術後
…解熱鎮痛剤を患者さんの希望に合わせて与薬する(頭痛や発熱が起きることもあるため) - 扁桃腺摘出など喉の手術
…食事量や本人の希望に合わせて食形態の調節を行う。(術後に喉の痛みで食事が思うように食べられないこともあるため) - 口腔内・咽頭・喉頭がんの摘出など食事・発声に関わる部位の手術
…気管切開カニューレのケア、経鼻経管栄養の投与
また、短期間で退院できる手術もあれば、聴神経腫瘍やがんといった入院が長期に及ぶものもあります。
耳鼻科で手術をおこなう部位は、発音・発声・嚥下にかかわる場所で、患者さんのQOLに大きな影響を及ぼします。
疾患によって思うように発声・発音ができなくなったり、食べたいものが食べられなくなったりする患者さんの辛い気持ちに寄り添い、QOLを少しでも高められるように援助していくのも看護師の重要な役割です。
(2). 突発性難聴やメニエール病の患者さんの点滴管理や日常生活の援助
2つ目は、突発性難聴やメニエール病の患者さんの点滴管理や日常生活の援助です。
これらの疾患は外来やクリニックで診療することもありますが、通院での治療が難しい場合は入院して点滴治療を受けることがあります。
耳鼻科病棟の看護師は、これらの疾患を持つ患者さんの点滴管理や日常生活の援助もおこなっています。疾患によってふらつき・めまい・ふらつきが出ることも多く、転倒に注意しながら患者さんが安全・安楽に入院生活がおくれるように支援していきます。
吐き気で食事が思うように取れない患者さんに対しての与薬や食形態の変更や食事介助も看護師の役割です。
(3). 頭頚部がんの化学療法を円滑に進めるための看護、日常生活の援助
3つ目は、頭頚部がんの化学療法を円滑に進めるための看護と日常生活の援助です。
耳鼻科の病棟には、がん患者さんも多く入院します。
中には手術だけでなく、抗がん剤を使った化学療法や放射線療法をおこなう患者さんもおり、看護師は、化学療法の点滴管理や副作用への対処、日常生活の援助をおこないます。
化学療法中の患者さんは、抗がん剤とハイドレーションのための点滴、制吐剤の点滴など1日におこなう点滴の本数が多く、正確な時間管理が求められます。
抗がん剤を使用することによる副作用としての吐き気・嘔吐の出現や腎機能の悪化による浮腫、感染リスクの上昇などもあります。放射線療法を併用している患者さんでは、咽頭・喉頭に照射することによって口内炎・嗄声・味覚障害に苦しむ方もいました。
これらの副作用による苦痛の軽減や、患者さんの身体症状と血液データをアセスメントして医師に報告もしていきます。
また、化学療法や放射線療法をおこなう患者さんは長期の入院となることも多く、副作用の多さもあり身体的・精神的に大きな苦痛を伴います。
患者さんの辛い気持ちに寄り添い、支えるのも病棟看護師の大きな役割です。
筆者の経験
筆者が勤務していた病棟は、化学療法をおこなう患者さんが多く、吐き気や口内炎・嗄声・味覚障害に苦しむ患者さんが多かったことを覚えています。
治療期間も長く、効果が目に見えてわかる治療ではないため「もうやめたい。」と辛い心情を話される方も少なくありませんでした。
副作用に苦しみながら治療を続ける患者さんを支えていくことは、看護師としても心苦しい思いをする時もあります。
しかし、長い治療を終えて退院していく患者さんに「看護師さんたちのおかげで頑張れた」とお礼を言われた時はとてもうれしく看護師としてのやりがいを感じられました。
耳鼻科でおこなう化学療法は、食事や会話などの楽しみに直接影響するため、患者さんも辛い思いをしています。
医療の力で苦痛を直接的に軽減するだけでなく、患者さんの精神的な支えも看護師としての重要な役割なのだと実感させられました。
ここまでのまとめ
- 耳鼻科は首から上の部位を幅広く診療している
- クリニックでの仕事は、医師の診療の補助や医療機器の操作がメイン
- 病棟での仕事は、患者さんの日常生活の援助がメイン
風邪や中耳炎、手術から化学療法まで幅広い症例を経験できる耳鼻科で「働いてみたい!」と思う方もいるのではないでしょうか。
仕事内容は理解できたけれど、実際の働き方のイメージがわかない人もいると思います。
そこで、次章では耳鼻科看護師のメリット・デメリットを説明していきます。
3. 耳鼻科看護師に転職するメリット・デメリット
ここでは、耳鼻科看護師に転職するメリット・デメリットをクリニックと病棟に分けて解説していきます。
3-1. 耳鼻科クリニック看護師のメリット3つ
ここでは耳鼻科クリニック看護師のメリット3つについて解説していきます。
(1). 専門機器の取り扱いに詳しくなる
1つ目は、専門機器の取り扱いに詳しくなることです。
耳鼻科クリニックは医師の診療の介助をする場面や検査も多く、専門的な医療機器を多く扱います。
自分で機器を取り扱い検査や処置の介助をすることで、より患者さんの疾患や症状に詳しくなることができます。
(2). 身近な病気に対する知識や対処法が身につく
2つ目は、身近な病気に対する知識や対処法が身につくことです。
耳鼻科クリニックには、風邪や花粉症、アレルギー、鼻出血、中耳炎など生活に身近な疾患を持った患者さんが多く来院します。
これらの患者さんの処置や介助に入ることで、知識や対処法が身につき日常生活にも役立てることができます。
(3). 夜勤がなく規則正しい生活ができる
3つ目は、夜勤がなく規則正しい生活ができることです。
これは、入院施設のないクリニック全般に言えることですが、クリニックの場合は祝日と日曜日や年末年始が休みの場合も多いので、家族との時間も確保でき、生活リズムを崩すことなく仕事ができます。
3-2. 耳鼻科クリニック看護師のデメリット3つ
ここでは耳鼻科クリニック看護師のデメリットについて解説していきます。
(1). 検査や機械の種類が多く、覚えるのが大変
1つ目は、検査や機械の種類が多く、覚えるのが大変ということです。
耳鼻科に行ったことがある方なら見たことがあると思いますが、診察室には可動式の診察椅子の隣に診療ユニットがついています。
出典:にしおぎ耳鼻科クリニック
実は、このユニットについている機器だけでも
- 吸引器
- スプレー
- 耳鏡
- 鼻鏡
- 麦粒鉗子
- 耳垢鉗子
- 舌鉗子
- 顕微鏡
など多様にあり、すべての機器の取り扱い方を覚える必要があります。
診察をスムーズに進めるためには使い方だけでなく、医師が次に使う機器を予測して準備する必要があり、慣れないうちは苦労するでしょう。
また、聴力検査1つをとっても複数の種類があり、看護師が患者さんに検査方法や目的を説明する場面もあるため、ただ機器を扱えるだけでなく検査結果の目的や見方などきちんとした知識が求められます。
(2). 繁忙期と閑散期の差が激しい。繁忙期は定時に帰れないことも
2つ目は、繁忙期と閑散期の差が激しく、繁忙期は定時に帰れないこともあります。
耳鼻科は数ある診療科の中でも、繁忙期と閑散期の差が激しいのが特徴です。
花粉症や風邪が流行する秋から春にかけてが繁忙期で、春の終わりから夏は閑散期と言われています。
繁忙期は患者さんの数が多く定時で帰れないこともあるので、クリニックに転職する場合は残業の有無や繁忙期の忙しさを確認しておくとよいでしょう。
(3). 子どもの患者さんが多く、対応に苦労することも
3つ目は、子どもの患者さんが多く、対応に苦労することもあるという点です。
子どもは風邪を引きやすく、鼻を上手くかめないことで中耳炎に移行することもよくあります。
自宅ではなかなか上手く取れない鼻水を吸ってもらったり、気管支炎のため吸入に来たりすることも多いのです。耳や鼻、口腔内の診察や処置を嫌がる子どもは多く、泣いてしまったり暴れてしまう子も少なくありません。
クリニックの看護師は、子どもの親とともに医師が診察しやすいように身体を固定したり、子どもをあやしたりすることも多いので、子どもが苦手な方や扱いに慣れていない方は苦労することもあるでしょう。
3-3. 耳鼻科病棟看護師のメリット
ここでは、耳鼻科病棟看護師のメリット2つについて解説していきます。
(1). 周手術期看護から化学療法まで幅広い知識・技術が身につく
1つ目は、周手術期看護から化学療法まで幅広い知識・技術が身につくことです。
耳鼻科病棟の場合は、クリニックよりも対応している疾患が幅広く、入院も短期から長期に及ぶものまで多様にあります。
短期間で身体に変化が見られやすく注意が必要な周手術期看護から苦痛の軽減を図りながら患者さんを支える化学療法まで、病棟看護師に必要な知識や技術がしっかり身につきます。
(2). 自立度が高い患者さんが多い
2つ目は、自立度が高い患者さんが多いことです。
耳鼻科病棟は、クリニカルパスの手術も多く術後の患者さんも早期離床できるケースが多いため、自立度が比較的高いのです。
排泄ケアや体位交換が常時必要な介護度の高い患者さんも少ないので、他の科と比較すると身体的な負担が少ないのはメリットといえるでしょう。
3-4. 耳鼻科病棟看護師のデメリット
ここでは、 耳鼻科病棟看護師のデメリット2つについて解説していきます。
(1). 外科や内科と比べると手技や知識を他科に応用することが難しい
1つ目は、外科や内科と比べると手技や知識を他科に応用することが難しいということです。
メリットの項目で、周手術期看護や化学療法など病棟看護師として必要な知識・技術は取得できると挙げましたが、やはり外科や内科と比べると応用できる手技や知識が限られてしまいます。
また、自立している患者さんが多いのもメリットではありますが、排泄ケアや吸引、食事介助など、全介助が必要な患者さんを担当するよりは、習得できる看護技術が少なくなってしまいます。
(2). 短時間で終わる手術も多くスピード感のある対応を求められる
2つ目は、短時間で終わる手術も多くスピード感がある対応を求められることです。
耳鼻科病棟は、短時間で終わる手術も多く、患者さんがオペ出しから2、3時間で病棟に帰ってくることもあります。
手術患者さんが多い日だと、1日何件もオペ出しと術後管理をおこなわなければなりません。患者さんが手術から帰ってくる時間が重なってしまうと慌ただしくなり、対応にスピード感を求められます。
クリニカルパスでの入院が多いため、ルーティンに慣れてしまえば楽に感じる場合もありますが、転職したてや新人のうちはその慌ただしさに疲れてしまうこともあります。
4. こんな人がおすすめ!耳鼻科の看護師に向いている人の特徴3つ
ここでは、耳鼻科の看護師に向いている人の特徴3つを解説していきます。
4-1. コミュニケーション能力が高い人
1つ目は、コミュニケーション能力が高い人です。
コミュニケーション能力どの領域の看護師にも求められますが、耳鼻科では特にその傾向が強くなります。
疾患によって発声・発音が上手くできなかったり、聞こえづらかったりする人も多く、上手くコミュニケーションを取れないことにもどかしさや辛さを感じている患者さんもいるからです。
耳鼻科の看護師は、こうした患者さんの思いを汲み取りながら、時に筆談やツールを使ってコミュニケーションを取っていく能力が求められます。
筆者の経験
新人時代に担当した患者さんで、一時的に気管切開をおこない発声ができなくなった方がいました。
当時は会話以外でコミュニケーションに慣れておらず、患者さんの希望や思いを上手く汲み取れずに、もどかしい思いをさせてしまったり、怒らせてしまったりすることもありました。
先輩看護師に、患者さんのジェスチャーや表情を読み取ることや今の患者さんの病状からどんな苦痛があり何をしてほしいか想像することを教えてもらい、徐々に発声ができない患者さんとコミュニケーションが取れるようになっていきました。
このように、耳鼻科の看護師には会話や筆談だけでなく様々な手法を用いたコミュニケーション能力や患者さんの辛い思いを汲み取る力が求められる場面があるのです。
4-2. 子どもと接することが得意な人
2つ目は、子どもと接することが得意な人です。
これは耳鼻科クリニックの場合に当てはまりますが、処置に不安のある子どもをあやしたり、安心させてあげられるような対応が求められます。
子育て経験のある人や小児科経験のある人など、子どもの扱いになれている人は耳鼻科の看護師に向いているでしょう。
4-3. スピード感をもってテキパキと動ける人
3つ目は、スピード感をもってテキパキと動ける人です。
クリニックの場合は、繁忙期に多くの患者さんをスムーズに診察できるような介助・誘導が必要となります。
病棟の場合は、手術患者さんが多い日でもスムーズにオペ出しと術後管理ができるスピード感が必要です。
5. まとめ
今回は、耳鼻科看護師の仕事内容について解説しました。
耳鼻科は幅広い領域の疾患に対応する診療科で、身近な病気から周手術期看護、がん看護まで学べる領域です。
クリニックか病棟かによっても患者さんや仕事内容が異なりますが、自分の興味ややりたい看護に合っていると感じたのなら、耳鼻科の看護師への転職もキャリアの選択肢に入れてみてください。