「手術室看護師の給料はどのくらい?」と考えていませんか。
結論、手術室看護師の給料は約30~34万円で、平均年収は約487.5万円と、看護師の平均年収である約483.5万円とほとんど変わりません。
手術室看護師は、精神的体力的にも非常にハードな仕事ですが、病院によって夜勤の有無や、各種手当などが大きく異なります。
このため、給料に大きな幅が出やすく、場合によっては病棟勤務を下回ることもあるのです。
この記事では、転職コンサルタントとして数多くの看護師のキャリアアップをサポートしてきた私が、手術室看護師の給料について解説します。
最後まで読めば、手術室看護師の給料の全てが分かります。
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※2025年4月25日更新
※弊社が実施した独自アンケートの結果に基づきます
※本記事は看護roo!、レバウェル看護、マイナビ看護師、ナースではたらこ、ナース専科 転職などのPRを含みます。
1. 手術室看護師の給料・平均年収【最新データ】
この項目では、「手術室看護師の給料って実際どれくらい?」という疑問に、最新データをもとにお答えします。
冒頭では、手術室看護師の平均年収は約487.5万円で看護師全体の平均である約483.5万円とほとんど変わらないとお伝えしました。
しかし、細かい条件で比較すると手術室看護師の方が待遇が良いケースもあるので、最新データをもとにしたシミュレーションやデータ、解説を参考にしてください。
1-1. 夜勤ありで比較すると看護師全体とほぼ同水準
まず、「夜勤あり」で勤務している看護師の年収を比較してみましょう。
本記事ではそちらのシミュレーションを利用して比較をしています。
勤務形態 平均年収 データ件数 手術室 × 夜勤あり 4,875,061円 81件 看護師全体 × 夜勤あり 4,835,049円 5,549件 参考:看護roo!給料明細データベース(2025年4月17日時点)
※看護師転職サイト看護roo!の給料シミュレーションを参考にしています
このように、夜勤ありで比較した場合、手術室看護師と看護師全体の平均年収に大きな差はありません。
そのため「手術室=高収入」という印象を持っている方にとっては、意外に感じるかもしれません。
ただし、これはあくまで“夜勤をしている前提”の比較です。
次にご紹介する「日勤のみ」での比較では、結果が大きく変わります。
1-2. 日勤のみで比較すると手術室のほうが高い
夜勤をしていない、つまり「日勤常勤」の条件で比較すると、次のような結果が出ています。
勤務形態 平均年収 データ件数 手術室 × 日勤常勤 4,457,056円 214件 看護師全体 × 日勤常勤 4,247,408円 2,611件 参考:看護roo!給料明細データベース(2025年4月17日時点)
※看護師転職サイト看護roo!の給料シミュレーションを参考にしています
手術室看護師の方が、日勤だと+20万円程度年収が高いことがわかります。
この差が生まれる理由としては、以下のような要素が挙げられます。
オンコール手当や危険手当が日勤常勤者にも支給される場合がある
手術対応という高い専門性が評価されやすい
夜勤がなくても、体力・精神面での負担が大きいため手当が付きやすい
また、手術室看護師の年収帯は320万円〜775万円と広く、以下のような条件によって変動します。
病院ごとの給与制度(手当・昇給率)
外来との兼務の有無
手術件数や専門領域(整形・消化器・脳外など)
1-3. 【条件別】手術室看護師の給料モデルのシミュレーション
ここまでで、夜勤の有無によって手術室看護師の平均年収が大きく異なることをご紹介してきました。
では実際に、「どのくらい月収・ボーナス・年収に差が出るのか?」とモデルケースとして比較してみましょう。
以下は、看護roo!に投稿された給料明細の平均年収データ(2025年4月時点)をもとに、
ボーナスを年間3ヶ月分と仮定して試算した、2つの勤務モデルです。
勤務モデル 月収(概算) ボーナス(年3ヶ月分) 年収(合計) 手術室 × 夜勤あり 約32.5万円 約97.5万円 約487.5万円 手術室 × 日勤常勤 約30.2万円 約91.2万円 約445.7万円 参考:看護roo!給料明細データベース(2025年4月17日時点)
※各金額は年収をベースに逆算した目安です。実際の手当や賞与支給率により変動します。
「夜勤ができない=収入が下がる」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、
手術室勤務は、日勤のみでも比較的高水準の収入が期待できることがわかります。
なお、これらのモデルはあくまで平均年収をもとにした試算です。
実際の収入は、オンコール体制の有無や手当条件などによって上下する可能性があります。
詳しくは、【1-2. 日勤のみで比較すると手術室のほうが高い】の項目で解説していますので、参考にしてください。
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看護師の平均年収は?給与相場やボーナス額は本当に割に合うのか徹底調査
2. 手術室看護師(オペ看)の仕事内容とは?
手術室看護師(オペ看)の仕事は、「器械出し」と「外回り」に大きく分かれます。
このセクションでは、それぞれの業務内容と役割の違いをわかりやすく解説します。
- 2-1. 器械出し
- 2-2. 外回り
2-1. 器械出し|手術器具の準備・受け渡しを担う直接介助の役割
器械出しは、手術室看護師の中でも直接介助(第一助手)にあたる役割で、執刀医の隣に立ち、手術器具の準備と受け渡しを行います。
術野に最も近いポジションで、医師と連携しながら進行を支える重要な仕事です。
器械出し業務を通して一貫して求められるのは、判断の早さ・緊張下での集中・そしてチームとの連携です。ミスの許されない環境だからこそ、小さな配慮や準備の徹底が、手術の円滑さに直結します。
器械出しの主な業務内容は以下の3つです。
- 手術前の準備
- 手術中の器械の受け渡し
- 手術後の片付け・次の準備
手術前の準備
手術で使用される器具は、術式によって種類も配置も異なります。
そのため、器械出しの看護師は、事前にオペの内容や進行の流れを把握したうえで、器具の準備や配置を行う必要があります。
具体的な業務としては以下のような内容が挙げられます。
使用する器械や物品の選定と準備
器械台への正しい並べ方・配置
滅菌状態の確認、破損や不足のチェック
スクラブインする前の無菌操作の徹底準備
この作業によって手術中のスムーズな進行が決まると言っても過言ではありません。
手術中の器械の受け渡し
執刀医のすぐ隣に立ち、医師の動きに合わせて必要な器械をタイミングよく手渡すのが、器械出しのメイン業務です。
医師の目線や手の動きから“次に必要な器具”を予測し、先回りして渡す
使用済みの器械はその都度回収し、配置を整える
無菌操作を保ったまま、器械の管理と整理を継続する
特に重要なのは、医師のペースを乱さず、流れを止めないようにすること。
そのためには、術式の流れを完全に理解し、先読みして動く力が必要です。
手術後の片付け・次の準備
手術が終了したら、使用した器械を片付け、次の手術に向けての準備に移ります。
使用済み器具の洗浄・滅菌のための回収・管理
次のオペで使用する器具の準備・補充
医師やチームへの申し送りや記録対応(施設による)
器械出しは手術中だけでなく、術前・術後も含めてトータルに関与する職種です。
機械出しの業務の特徴とポイント
手術中は、会話のない中での判断・動作が基本となる
小さなミスや遅れが手術の進行に影響を与えるため、責任感と集中力が求められる
決まった手順を守りながらも、状況に応じて柔軟な対応も必要
2-2. 外回り|術中の環境整備・物品対応などを担う間接介助の役割
外回りは、手術室看護師の中でも間接介助(第二助手)に該当するポジションです。
手術台の外から医師や器械出しをサポートし、環境管理・物品補充・記録対応など、オペ全体を円滑に進める裏方役として機能します。
器械出しのように術野に入ることはありませんが、手術全体の流れと安全性を支えるキーパーソンでもあります。
外回りの主な業務内容は以下の3つです。
手術前の準備
手術中のサポート対応
手術後の片付け・整備
手術前の準備
外回りの看護師もまた、オペの進行に支障が出ないように、環境整備や物品の事前確認を行う必要があります。
主な準備内容は以下の通りです。
機械・モニター・吸引器・照明などの稼働チェック
手術室の清掃、温度・湿度管理(感染対策)
手術台や患者移動ルートの確認
必要物品(消耗品・リネン・検体容器など)の配置と確認
術前カンファレンスでの情報共有・申し送り受け取り
器械出しが“術野”の準備を担うのに対し、外回りは“環境全体”の整備に責任を持つことになります。
手術中のサポート対応
外回りは、手術が始まってからも常に術野の外側で総合的に手術をサポートするために動き続ける役割を担います。
具体的な業務には以下のようなものがあります。
器械出し看護師や医師からの依頼対応(追加物品・機器調整など)
術中記録の記載(タイムライン・使用物品・麻酔管理補助など)
検体の回収・提出(病理など)
術中の異常や急変対応へのフォロー
麻酔管理のサポート(麻酔科医と連携)
特に重要なのは、“今、何が起きているか”を常に把握し、状況を先読みして動くこと。
指示が出る前に対応するような気配りが求められます。
手術後の片付け・整備
手術が終了したあとは、手術室の環境と物品をリセットする役割を担います。
器材の洗浄・滅菌への引き継ぎ準備
使用済みのガーゼ・器具のカウントと廃棄処理
術後の搬送サポート・申し送り
次の手術に向けた室内環境の整備
手術記録の最終チェックや入力作業
この一連の流れを滞りなくこなすことで、次の手術への引き継ぎがスムーズに行えるようになります。
外回りの業務の特徴とポイント
常に状況を見渡しながらチームの誰かの「困った」を先に察知して動く力が求められる
判断力・観察力・優先順位づけなどマルチタスク処理能力が試される
自分の動きが目立たないぶん、オペ全体が滞りなく終わったときの充実感が大きい
3. オペ看に向いている人・向かない人の特徴
手術室看護師(オペ看)は、病棟や外来とはまったく異なる環境で働く職種です。
「患者とゆっくり関わりたい」といった看護観よりも、医師やチームと連携し、手術の成功を支える“縁の下の力持ち”としての働き方が求められます。
ここでは、そんなオペ看に向いている人の特徴を、共通項・具体的な仕事別の傾向も交えながら紹介します。
3-1. オペ看に向いている人
オペ看に向いているかどうかは、性格というよりもどんな場面でどう行動できるかに表れます。
ここでは、向いている人に共通する以下の3つの資質と、実際のシチュエーション例をもとに解説します。
- 判断力がある人
- 集中力を長時間維持できる人
- チームで連携して動ける人
①判断力がある人|一瞬の判断が命に関わる場面も
手術中は予定どおりに進まないこともあります。
たとえば出血量が増えたとき、医師が発する前に必要な器械を渡せるかどうか。
- 器械出しでは、医師の目線・手の動き・声の抑揚を見て“次”を読む力が問われます
- 外回りでは、急遽必要な物品をどの順で運ぶか、誰に声をかけるかを瞬時に判断する場面も
「マニュアルにはない動き」が必要な瞬間に、落ち着いて判断できる人は強いです。
②集中力を長時間維持できる人|2〜4時間以上の手術も
オペ中は、たとえ立ちっぱなしでも、1秒たりとも気を抜けません。
- 器械出しは、同じ体勢で立ち続けながらの細かい作業
- 外回りは、術野を見つつ周辺の物品・記録・患者管理にも気を配るマルチタスク環境
どちらも“ながら作業”ではなく、全身をフルに使った集中状態を何時間も保つ必要があります。
「飽きやすい」「退屈が苦手」という人には向かない反面、静かな集中状態を心地よいと感じる人には向いています。
③チームで連携して動ける人|オペは一人で完結しない
手術は、医師・麻酔科医・器械出し・外回り・看護助手まで含めた“チーム戦”です。
- 器械出しでは、医師との呼吸の合った連携が必要
- 外回りでは、スタッフの動線を見て物品補充や環境調整に先回りする力が問われます
「自分の仕事だけしていればいい」ではなく、全体を見て、支える動きができる人に適性があります。
上記で説明した「判断が早い」「緊張感の中でも動ける」「人のサポートが得意」
どれか一つでも当てはまれば、オペ看としてやりがいを見出せる可能性は十分にあります。
次章では、逆にオペ看に向いていない人の特徴も紹介します。
“向き・不向き”を冷静に確認しながら、自分に合った職場選びをしていきましょう。
3-2. オペ看に向かない人
オペ看の仕事は、責任の重さと高い緊張感が伴う一方で、それが合わない人にとっては大きなストレスになります。
ここでは「こんなタイプはオペ看に向かない」と言える代表的な傾向を、3つの観点から整理します。
①判断力に自信がない人|指示待ち・迷いやすい傾向がある場合
手術中は常に状況が動いており、“考えてから動く”よりも“動きながら考える”力が求められます。
器械出しでは、指示がなくても器械を準備する“予測力”が必要
外回りでは、複数の対応を同時にさばきながら臨機応変に動く場面も
「確認しないと動けない」「何から手をつけていいか迷う」
こうしたタイプは、現場のスピードについていけずプレッシャーを感じやすくなります。
②集中力が切れやすい人|疲労やルーティンに弱い場合
手術中は、会話も少なく静かな環境で長時間作業が続きます。
そのため、「変化がないと飽きる」「人と話しながら仕事したい」などのタイプには不向きです。
器械出しでは、長時間にわたる手術中ずっと神経を張り詰める必要があり、
外回りでは、次々と生じる業務を淡々と処理し続ける粘り強さが求められます
集中が途切れがちな人は、重要なミスや器具の取り違えにつながるリスクもあるため要注意です。
③チーム連携が苦手な人|自己中心的・マイペースな傾向
オペ看の現場では、「自分の仕事だけできればいい」という考えは通用しません。
むしろ「周囲がどう動いているか」を察して行動できる人ほど信頼される職場です。
器械出しでは、医師との“無言の連携”が基本
外回りでは、術中の変化に合わせて臨機応変に動く柔軟性が欠かせません
「マイペースで働きたい」「人と合わせるのが苦手」
こういったタイプは、術中の連携を崩してしまう原因になりやすく、周囲との摩擦にもつながります。
ただし、ここで紹介した内容に少しでも当てはまるからといって、「絶対に向いていない」わけではありません。
オペ室の雰囲気やフォロー体制、教育の進め方によっては、むしろ向いている可能性が開花するケースもあります。
「少し苦手な部分がある」
「でも、やってみたい気持ちはある」
そんな方は、自分の傾向を理解したうえで、無理なく成長できる職場選びを意識することが大切です。
4. 都道府県別・地方別の年収と求人数の違い
手術室看護師(オペ看)の求人数は地方によってかなり偏りがあり、高収入の求人が公開されている地域となると尚更です。
そこで、この項目ではまずオペ看の求人数が多い地域を調査し、さらに月給30万円・35万円以上の求人数が多い地域にランキング付けをしました。
参照した求人サイトは、常時21万件以上の公開求人数を誇る『看護roo!』です。(2025年4月17日時点)
4-1. オペ看求人が多い県は?都道府県・地方別に分類
「手術室看護師(オペ看)」の求人件数は、地域によって大きな差があります。
ここでは、21万件以上の求人件数を保有する看護師専門求人サイト『看護roo!』に掲載されているオペ看の求人総数(2025年4月17日時点)をもとに、地域ごとの分布傾向を詳しく見ていきましょう。
【都道府県別】オペ看の求人数ランキング
以下は、都道府県ごとのオペ看求人件数を多い順に並べたものです。
順位 都道府県 オペ看求人数 地方 1位 東京 241件 関東 2位 大阪 164件 近畿 3位 神奈川 135件 関東 4位 北海道 126件 北海道 5位 埼玉 113件 関東 6位 兵庫 112件 近畿 7位 千葉 98件 関東 8位 愛知 80件 東海 9位 京都 61件 近畿 10位 茨城 55件 関東 参考:看護roo!
都市部では求人数が多く、特に東京都・大阪府・神奈川県などが上位を占めています。
一方で、鳥取・島根・秋田・石川・福井などでは求人が0件という結果でした。このように「そもそも募集している病院がほぼ存在しない」という地域も存在します。
このあとに紹介する「地方別データ」では、ブロック単位でより大きな地域傾向を確認できます。
【地方別】地域ブロックごとの求人数の傾向
全47都道府県のデータを、地域ブロック(地方)ごとにまとめたところ、以下のような傾向が見られました。
順位 地方 オペ看求人数 1県あたりの平均求人数 1位 関東 689件 137.8件 2位 近畿 375件 46.9件 3位 東海 177件 177.0件 4位 九州・沖縄 168件 28.0件 5位 北海道 126件 31.5件 6位 中国 50件 8.3件 7位 東北 38件 9.5件 8位 四国 22件 3.7件 9位 北陸・甲信越 9件 1.3件 参考:看護roo!
関東・近畿・東海の3地域で、全国の求人の7割近くが集中していることがわかります。
一方で、四国や北陸・甲信越などは1県あたりの求人数が極めて少なく、地域差が非常に大きい状況です。
4-2. 【月給30万円以上】高収入求人が多い地域ランキング
手術室看護師の求人において「高収入が狙える地域はどこか?」を把握するうえで、ひとつの目安となるのが「月給30万円以上」の求人件数です。
ここでは、『看護roo!』に掲載された総求人数21万件のデータ(2025年4月17日時点)をもとに、月給30万円以上のオペ看求人が多い都道府県をランキング形式で紹介します。
順位 都道府県 オペ看の求人数 30万円以上の件数 割合(%) 1位 東京 241件 71件 29.5% 2位 神奈川 135件 42件 31.1% 3位 大阪 164件 41件 25.0% 4位 千葉 98件 18件 18.4% 5位 埼玉 113件 17件 15.0% 6位 兵庫 112件 14件 12.5% 7位 愛知 80件 10件 12.5% 8位 京都 61件 5件 8.2% 9位 北海道 126件 4件 3.2% 10位 茨城 55件 4件 7.3% 参考:看護roo!
ランキング上位にはやはり、東京・神奈川・大阪などの都市部が並びました。
求人の件数と割合の両方が高いのが特徴で、「数も多いし、条件も良い」というエリアです。
一方で、地方にも注目すべき県があります。
例えば、沖縄(18件中1件)や福岡(54件中1件)などです。
また、和歌山・奈良・群馬・三重などにも1件ずつ月給30万円以上のオペ看求人があります。こちらも求人数は少ないものの、「高月給で募集している病院」は確かに存在しています。
4-3. 【月給35万円以上】一部エリア限定の高収入求人ランキング
手術室看護師の中でも、特に高水準な月給35万円以上の求人は、全国的に見てもごく限られた地域にしか存在しません。
『看護roo!』の求人データをもとに、35万円以上の求人が確認された都道府県だけを抽出し、その件数と割合をまとめました。(2025年4月17日時点)
順位 都道府県 オペ看の求人数 35万円以上の件数 割合(%) 1位 東京 241件 19件 7.9% 2位 大阪 164件 5件 3.0% 3位 神奈川 135件 3件 2.2% 4位 千葉 98件 3件 3.1% 5位 埼玉 113件 2件 1.8% 6位 静岡 54件 2件 3.7% 7位 兵庫 112件 2件 1.8% 8位 栃木 25件 1件 4.0% 9位 北海道 126件 1件 0.8% 10位 京都 61件 1件 1.6% 参考:看護roo!
全体件数で見ると、35万円以上の求人は非常に少なく、都市部でさえ1割未満に留まっています。
東京の19件(7.9%)が最多で、ここが最も「35万円以上を現実的に狙える地域」と言えます。
また、神奈川・千葉・大阪もわずかに高給求人がありますが、件数はいずれも数件に限られています。
静岡や栃木など、都市部以外の地域でも稀に高給求人が見つかることがあります。
ただし、35万円以上の求人は以下のように、責任が重かったり業務が忙しくなりやすい場合がほとんどです。
- 管理職・リーダー層の募集
- オンコール体制
- 高度なスキルが求められる専門領域(心臓外科・脳外など)
求人探しにおいては、35万円以上の“レア求人”を狙うか、30万円台を堅実に狙うか、ご自身の条件と照らし合わせて戦略を立てることが大切です。
5. 給与に影響する各種手当の詳細と相場
手術室看護師の給料は、病院ごとに設定されている以下のような各種手当で変動します。
順番に見ていきましょう。
5-1.手術室勤務手当
手術室勤務手当とは、手術室に勤務する看護師に支給される手当のことです。
月額平均は5,000~30,000円で、担当する手術の件数に応じて手当が付く病院もあります。
手術室の看護では専門的なスキルを必要とするため、多くの病院で支給されています。
5-2.危険手当
危険手当とは、別名「特殊業務手当」や「特別手当」などと呼ばれることもある手当です。
危険手当の金額は、病院によって異なりますが、月1万円~2.5万円の間が相場です。病院によっては支給がないところもあります。
手術室は臓器や血液製剤、器具などを扱うことによる感染リスクがある環境です。危険手当は、そのリスクを考慮されたものです。
5-3.夜勤手当
手術室の仕事は、基本的に日中の勤務がメインですが、病院によって(特に規模の大きな病院)は夜勤もあります。
その場合は夜勤手当が付与され、給料が更に高くなります。
なお、看護師の夜勤手当平均は以下の通りです。
勤務形態 | 平均手当額 |
三交代制:準夜勤 | 4,234円 |
三交代制:深夜勤 | 5,199円 |
二交代制:夜勤 | 11,368円 |
病院によっては、手術室の夜勤手当が一般病棟よりも高めに設定されていることもあります。
5-4.オンコール手当
夜勤ではなくオンコール制度を取り入れている病院もあります。
緊急時の連絡に対応できるように待機する必要があり、その待機シフト時に手当が付与されます。
オンコール手当は1回あたり2,000円~7,000円が相場です。
またオンコール制度の病院では、自宅で待機をしている場合のオンコール手当に加え、手術室に出勤した場合に別途手当が支給されるケースもあります。
6. 病院の規模・働き方による違い
これまでにもお話してきたとおり、手術室看護師の給料や業務体制は、職場によって大きく異なるため、入職前に実態を把握しておくことは大切です。
このため、以下のポイントを確認しておくことと良いでしょう。
順番にご紹介します。
6-1.手当の名称の違い
手術室看護師の手当の名称は、病院によって違いがあり、非常に分かりにくいです。
例
- 手術室勤務手当に危険手当が含まれている
- 手術室勤務手当のことを危険手当と呼んでいる
また、どの手当がいくら支給されるかは病院によって開きが大きく、その額によって給料に大きな差が出るでしょう。
このため、給料にこだわりたい方は、支給条件を含めて入職前に確認しておく必要があります。
6-2.外来と兼務の場合がある
手術室看護師は、病院の規模によっては、外来など他の看護師職種と兼務をしている場合があります。
中小規模の医療機関では手術予定がない日もあり、その場合は外来や緊急処置室などの他部署を担当します。
転職の際は、希望する医療機関がどのような体制になっているか、ご自身が希望する働き方と照らし合わせて把握しておきましょう。
6-3.手術内容や件数の違い
病院によって、手術内容や件数は全く違い、専門的な知識や技術が身に付くスピードや、その内容が変わってきます。
例えば、手術の種類(脳神経・整形・消化器・産婦人科など)によって、手順・器械は大きく異なります。
大規模総合病院や大学病院では、外科系手術全てに携わりますが、何か極めたい診療科がある場合、専門の医療機関の手術室に勤務する方が、多くの症例数を経験できるため効果的でしょう。
手術室看護師として働く場合、自身のキャリアビジョンと手術の種類・件数がマッチしているか、事前に確認しておくことがおすすめです。
7. 年収を上げたい手術室看護師が今すぐできること
看護師の給料を上げる現実的かつ具体的な方法は、以下の4通りあります。
それぞれ詳しく説明します。
方法1. 単発・スポットの仕事をする
給料アップの最も現実的な方法は、単発・スポットの仕事をすることです。(※副業になるので、就業規則を確認は必須)
単発・スポットは、主に介護施設などの医療行為を行わない施設に、1日~数日だけ派遣され、看護師として施設スタッフのサポートを行います。
「1日だけ介護施設の夜勤をする」「3日間だけ訪問入浴の介助の仕事をする」といった柔軟な働き方が可能です。給料も高めに設定されており、日給2~3万円の求人も見られます。
さらに2021年4月以降は、新型コロナウイルスワクチン接種に限り、医療施設での単発の仕事も可能になりました。
補足:ワクチン接種に限り医療機関への看護師派遣が可能になった(2021年4月改正省令)
看護師の派遣は原則、介護施設など医療行為を行わない施設でのみ可能ですが、新型コロナウイルスワクチンの接種に限り、医療現場への看護師派遣が解禁となりました。
働く場所はワクチン接種を実施している病院・診療所で、期間は令和4年2月28日までと定められています。(変更の可能性あり)
参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について
単発・スポットの求人は、転職サイト・派遣サイトなどを使って探せます。
例えば、看護師転職・派遣支援サービスの『MCナースネット』では、スケジュールが空いている日を選択すると、その日に募集している求人が一覧で表示されます。
「夜勤を増やしたいけど、今の病院ではなかなかできない」という方は、単発の仕事をしてみるのもおすすめです。
方法2. 上司と良好な関係を築き評価を得る
現職の給料アップを目指しているなら、普段から上司と良好な関係を築いておくことも重要です。
看護師の給料は、在籍年数の長さが評価基準となりますが、それ以外にも「師長の評価」も関係します。分かりやすく言うと、師長が認めている看護師ほど給料が上がりやすいということです。
看護師の仕事の成果は、売上などで客観的に測れるわけではないので、どうしても「上司の主観的な印象」が大きく影響してきます。
実際に、スタッフのうち何人かをプラス評価(収入アップなど)するという時には、良い印象を持っている部下を推薦するということもあるようです。
そのため、普段から良好な関係を築いておき、高評価を受けやすくするという姿勢も、給料アップには必要と言えるでしょう。
方法3.管理職のポジションを目指す
時間はかかりますが、主任・師長などの管理職に就いて給与アップを目指すのも現実的な方法です。
実際にフルタイム勤務の看護師の平均年収が5,081,700円であったのに対して、中間管理職は6,621,265円と、150万円以上の給与アップを期待できます。(出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」)
看護師の管理職として、具体的には以下の役職があります。
看護師の管理職
- 看護部長
…看護部の責任者として、病棟の看護師長・スタッフナースをまとめ、病院全体の経営にも関わる仕事。
- 看護部長
- 看護師長
…スタッフナースを統括する役割があり、主任看護師と一緒に業務の円滑化と質向上を目指す仕事。
- 看護師長
- 看護主任
…スタッフナースの上位にあたる役職で、業務が円滑に進むように看護師長を補佐する仕事。
- 看護主任
端的にいうと、看護師の管理職は「看護の現場のまとめ役」です。複数人のスタッフをまとめ上げるマネジメント力や忍耐力が求められます。
一般的に、管理職の資質があると認めた看護師を看護師長が推薦し、まずは看護主任を目指します。
大病院などの規模が大きく看護師の多い病院だと、競争が激しく管理職に就くのには最低でも10年以上かかりますが、中・小規模の病院であれば、看護師経験10年未満で管理職に就けるケースもめずらしくありません。
ちなみに、筆者が以前勤務していた大学病院では、特別な条件・手続がなくても、10年以上勤めていれば主任看護師として認定を受けていました。(そもそも10年以上勤続する看護師が少なく、自動的に主任に昇格するようになっていました)
時間はかかりますが、着実にステップアップしながら給料を上げる方法と言えます。
方法4. 基本給の高い病院・施設に転職する
基本給が高い他の職場に転職するというのも一つの方法です。
病院の経営母体や規模によって昇給率が異なるため、業務内容は変わらなくても年収が上がることは多々あります。
このまま働き続けても大幅な給与アップが見込めないなら、給与水準が高い他の職場への転職がおすすめです。
病院によってですが、以下のような明確な昇給基準を定めていることもあります。
- クリニカルラダーをもとにしたレベル達成度
- 病院独自の試験・面接による評価制度
- ポイント制度を導入し、そのポイントとレベルに見合った評価制度
特に規模の大きな病院ほど、このような基準を明確に定めているケースが多いです。
給料が高い病院の特徴については『【看護師必見】給料が高い病院の特徴と給料を上げるための全知識』で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
転職を検討中の方は転職サイトへの登録がおすすめ
転職を視野に入れて検討している方は、転職サイトに登録し、キャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。
キャリアアドバイザーは看護師転職支援のプロで、あなたの希望条件をヒアリングしたうえで最適な職場・求人を紹介してくれます。
人気が高い良質な求人ほど、非公開求人として転職サイト利用者だけに限定公開されているので、登録しておくだけで選択肢をグッと増やせますよ。
大手サイトだと『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などが有名です。評判の良いサイトを詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
補足:給料アップに資格取得はおすすめしない
ネット上の情報には、認定看護師や認定看護師資格の取得を給料アップの方法として紹介していることも多いですが、これは全くおすすめできません。
費用対効果が悪すぎるからです。
例えば認定看護師の資格取得には、授業料・実習費などを合わせると100万円以上のコストがかかります。その上、専門の教育機関で6ヶ月以上、計615時間の教育課程をクリアしなければなりません。
それが給料に還元されれば問題ありませんが、実際はそうではありません。
専門看護師・認定看護師の資格を取得しても、昇給・手当がつくとは限らず、看護協会の資料によると、「病院の約6割は、認定看護師・専門看護師の資格手当や昇給がない」ようです。
専門看護師・認定看護師の資格は、半分以上の病院で給料に加算されない
出典:日本看護協会
そして仮に給与に反映されても、月およそ5,000円アップするくらいが相場です。
このことから、給料アップの目的だけで資格取得を検討するのは現実的ではありません。職場を変える方が、手軽かつ現実的と言えるでしょう。
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※2025年4月25日更新
※弊社が実施した独自アンケートの結果に基づきます
※本記事は看護roo!、レバウェル看護、マイナビ看護師、ナースではたらこ、ナース専科 転職などのPRを含みます。
さいごに
手術室看護師の給料事情を紹介しました。
結論を再掲すると、手術室看護師の給料は30~34万円、年収で約487.5万円でした。
手術室看護師の仕事内容は、病棟とかなり違いがあります。その分手当が付与される病院では、給与がアップも目指せるでしょう。手術室看護師の仕事内容については『オペ室看護師ってどんな仕事?手術室での業務内容や役割を徹底解説』の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
あなたの暮らしが、より良いものになるよう願っています。