【介護業界の転職】志望動機の書き方・答え方のポイントを例文付きで解説

介護士 志望動機

介護業界で転職活動をしながらも「志望動機ってどう書けばいいの?」「正直に給料が良いからとか書けないし、何を書くべきか分からない」など、困っていませんか?

志望動機は、「あなたがなぜ応募先の施設で働きたいのか」あるいは「なぜ介護業界で働きたいのか」を伝えるための重要な項目です。

書くべきことが分からないという方は、以下の手順に沿って考えれば、魅力的な志望動機を作り上げることができます。

  • ステップ1.応募先施設についての情報収集を行う
  • ステップ2.応募先施設のどこに魅力を感じたのかを言語化する
  • ステップ3.経験(具体的なエピソード)を踏まえて、どのように活躍できるかを考える

この記事では、転職のプロとして数多くの選考書類を添削してきた私が、履歴書の志望動機の書き方を例文付きで解説します。

  1. 介護転職の志望動機で面接官が見極めているポイント
  2. そもそも志望動機が思いつかない…考え方の3ステップ
  3. 【未経験からの介護転職】志望動機に必須の3要素
  4. 採用通過率アップ!履歴書の志望動機をより魅力的にするためのポイント
  5. 【介護転職の面接】志望動機の伝え方のコツ
  6. 介護転職の志望動機のNGパターン
  7. 介護転職の志望動機【ケース別例文】
  8. 【施設形態・職種別】介護の志望動機 例文集

すべてを読めば、書類選考・面接を突破できる志望動機が書けるようになるでしょう。

目次

1.介護転職の志望動機で面接官が見極めているポイント

まずは志望動機を正しく書くために、志望動機を書く目的・意味を正しく理解しましょう。

施設の面接官は、応募者の志望動機から以下のようなことを知りたいと考えています。

口コミ・評判

面接官
「なぜウチの施設に応募したのだろうか」
「なぜ他の施設ではなくてウチなんだろうか」
「入職後はどんな仕事がしたいと思っているのだろうか」
「どんな価値観・考え方をする人なんだろうか」
「(未経験の場合は)なぜ介護職に転職しようと思ったのだろうか」

そして、応募者の志望動機の内容をもとに、以下のように選考通過の可否を判断しています。

  • 熱意や意欲は高いかどうか
  • 事業内容やサービスを正しく理解してくれているか
  • 応募者のやりたい仕事や理想の働き方が施設で実現できるか
  • 応募者の考え方や価値観が施設とマッチしているか

面接官は、「なぜ転職したいと思ったのか」を把握することで、双方にとってミスマッチが生じないか、を見極めて選考通過の可否を判断しているのです。

逆にいうと、以下の内容を適切に伝えられれば、魅力的な志望動機が出来上がると言えるでしょう。

志望動機で伝えるべきこと

  • 熱意や意欲の高さを伝える
  • 事業やサービスを正しく理解していることを伝える
  • キャリアビジョンや理想の働き方を明確にし、それが応募先施設とマッチしていることを伝える

志望動機は「面接官が知りたいことを書く」という視点を常に意識しましょう。

2. そもそも志望動機が思いつかない…考え方の3ステップ

「何を書けばいいか思いつかない」という方でも、以下のステップに沿って考えれば、難なく履歴書の志望動機欄を埋めることができます。

志望動機はいきなり考えるのではなく、事前の情報収集が重要です。それぞれ詳しく解説します。

ステップ1.応募先施設についての情報収集を行う

まずは、応募先施設についての情報収集から行いましょう。

「給与が良さそうだから」「転職サイトを見ていて良いなと思ったから」のような理由が本音という方もいるかもしれませんが、そのまま書いてしまってはありきたりな内容になってしまい、魅力的な応募書類にはなりません。

応募先施設についての情報を集め、その事業内容や経営理念に即した内容を書くことが重要です。

情報収取の手段見極めポイント
求人情報を読み込む事業内容
必要なスキル、経験
入居者向けの施設情報をネットで検索する対象入居者や提供サービス
施設内の環境、入居者の生活イメージ
設備、併設サービス
介護サービス情報公表システムで施設を調べる事業所のサービス内容、実態

求人情報を読み込む

求人情報に書いている情報から、どのような人物が求められているかを推測します。「数ある求人の中で、なぜその施設が良いと思ったのか」は志望動機を考える上で最も重要です。

入居者向けの施設情報をネットで検索する

入居者向けの施設情報をネットで検索するのもおすすめです。

施設の魅力や提供サービスが詳しく解説されており、「■■など細かい部分まで行き届いた設備が、入居者の暮らしをより良いものにすると感じた」など、説得力のある志望動機を考えだすことができます。

実際に働くイメージもしやすいでしょう。

介護サービス情報公表システムで施設を調べる

厚生労働省が提供している「介護サービス情報公表システム」も、情報収集に役立ちます。

「介護サービス情報公表システム」は、全国の介護サービス事業所のサービス内容などの詳細情報を、インターネットで自由に検索・閲覧できるシステムです。介護保険法の規定に基づき都道府県が行う「介護サービス情報の公表制度」の運用のために、厚生労働省が設置しています。

出典:厚生労働省

「研修制度」や「働きやすい環境づくり」について詳しく知ることができます。詳細は『介護業界の転職を成功させるための全知識 |職場選びから選考のポイントまで徹底解説』で解説しているので参考にしてください。

ステップ2.応募先施設のどこに魅力を感じたのかを言語化する

入念な情報収集を行ったら、「応募先施設のどういった部分が魅力的に感じたのか」を言語化しましょう。これが志望動機で最も重要な要素です。

事業内容を正しく理解し、その企業ならではの強みを踏まえた内容にするのがポイントです。

また前職の経験や、介護の実体験などもまじえると、より説得力が生まれます。

待遇が良いや家から近いなどの理由は、「条件さえ良ければどこでも転職するんだな」と思われかねないため、避けましょう。

ステップ3.経験(具体的なエピソード)を踏まえて、どのように活躍できるかを考える

志望動機では、採用後の活躍について触れると、さらに魅力がアップします。

あなたを採用することで施設側にどのようなメリットがあるのかを、経験や実績、キャリアビジョンを踏まえて伝えましょう。

また「介護職としてどのようなキャリアを歩んでいきたいか」といった具体的なビジョンを伝えることで、「しっかりと将来を見据えて考えたうえで応募してくれた」と高評価につながります。

介護転職は「人柄・人間性」が伝わるエピソード

介護職の転職では、他の仕事と比べてスキル以上に「人柄・人間性」が重視される傾向にあります。

施設入居者と密接にコミュニケーションを取る必要があるという理由はもちろん、介護職はチームで連携して仕事をすることがほとんどだからです。

そのため「入居者やスタッフとうまくコミュニケーションが取れそう」という印象を与えられる応募書類を作ることを重視しましょう。

介護業界の転職で評価されやすい「人柄・人間性」の例

  • 細かい気配りができる
  • 穏やかで相手の話をしっかり聞ける
  • 相手のペースに合わせてやり取りできる
  • 些細な変化に気づくことができる
  • オンオフの切り替えができる
  • ポジティブな性格
  • 協調性がある

人柄や人間性を示すエピソードを盛り込むと、魅力的な応募書類が出来上がります。

ここまでのまとめ

志望動機は以下の手順で考えるとスムーズに完成させられます。

  • ステップ1.応募先施設についての情報収集を行う
  • ステップ2.応募先施設のどこに魅力を感じたのかを言語化する
  • ステップ3.経験(具体的なエピソード)を踏まえて、どのように活躍できるかを考える

📝 コピーしてすぐ使える!自己分析&企業研究用テンプレート

志望動機を作成する前に、まずは自分自身と応募先について深く理解することが重要です。以下のテンプレートをコピーして、Word文書やメモアプリに貼り付けてご活用ください。

【自己分析シート】

■ これまでの経験でやりがいを感じたことは?

《記入例》 利用者様から「ありがとう」と言われた時、認知症の方との会話が成立した時、チームで協力して困難な状況を乗り越えた時

《あなたの回答》

■ あなたの強み・得意なことは?

《記入例》 コミュニケーション能力、観察力、チームでの連携、緊急時の冷静な判断、利用者様の気持ちに寄り添う姿勢

《あなたの回答》

■ 具体的なエピソード(強みを発揮した場面)

《記入例》 認知症の利用者様が興奮されていた際、その方の好きだった音楽をかけることで落ち着いていただけた。家族から「いつもありがとうございます」とお礼の手紙をいただいた。

《あなたの回答》

■ 今後どのようなスキルを身につけたい?

《記入例》 認知症ケアの専門知識、医療的ケアの技術、チームリーダーとしてのマネジメント能力、介護福祉士などの資格

《あなたの回答》

■ 3年後、5年後の目標は?

《記入例》 3年後:介護福祉士資格を取得し、認知症ケアのスペシャリストになる 5年後:ユニットリーダーとして後輩指導に携わり、施設全体のケア向上に貢献する

《あなたの回答》

■ 転職を考えた理由(ポジティブな表現で)

《記入例》 より専門性の高いケアを学びたい、チーム連携を重視する職場で働きたい、利用者様一人ひとりにじっくり向き合える環境で成長したい

《あなたの回答》


【企業研究メモ】

■ 応募先の基本情報

  • 施設名・法人名:
  • 施設種別:(特別養護老人ホーム/介護老人保健施設/デイサービス等)
  • 利用者定員:
  • 職員数:
  • 設立年:

■ 応募先の理念や特徴は?

《記入例》 「利用者様の尊厳を大切にし、その人らしい生活を支援する」 「科学的介護の実践」「地域密着型のケア」「職員の働きやすい環境作り」

《あなたの記入内容》

■ 提供しているサービス内容は?

《記入例》 ・24時間の生活支援サービス ・個別機能訓練プログラム ・認知症専門ケア ・看取りケア ・家族向け相談サービス

《あなたの記入内容》

■ この施設の独自性・強みは?

《記入例》 ・パーソン・センタード・ケアの実践 ・ICTを活用した業務効率化 ・充実した職員研修制度 ・地域との連携強化 ・新しい介護機器の導入

《あなたの記入内容》

■ 職場環境・働き方の特徴は?

《記入例》 ・ユニット制個室 ・2交代制/3交代制 ・月平均残業時間:○時間 ・年間休日:○日 ・研修制度:月○回 ・資格取得支援:あり/なし

《あなたの記入内容》

■ 自分の強みと貢献できそうな点は?

《記入例》 私のコミュニケーション能力を活かして、認知症の利用者様との関わりで貢献できる。 チーム連携の経験を活かして、多職種との協力体制構築に役立てる。 将来的には○○の資格を取得し、△△の分野で専門性を発揮したい。

《あなたの記入内容》

■ 気になる点・確認したいことは?

《記入例》 ・新人研修の具体的な内容と期間 ・先輩職員からの指導体制 ・キャリアアップの機会 ・利用者様の特徴や介護度 ・チームの雰囲気

《あなたの記入内容》


【志望動機作成の材料整理】

■ なぜこの施設・職種なのか?(他との違い)

《あなたの記入内容》

■ 自分の経験・強みがどう活かせるか?

《あなたの記入内容》

■ 将来的にどう成長・貢献したいか?

《あなたの記入内容》

■ 具体的なエピソード・根拠

《あなたの記入内容》

💡 テンプレート活用のコツ

Step1:自己分析シートの記入 まずは自分自身について深く掘り下げましょう。過去の経験を振り返り、やりがいを感じた瞬間や自分の強みを具体的に書き出してください。

Step2:企業研究メモの作成
応募先のホームページをじっくり読み、施設見学の機会があれば積極的に参加して、実際の雰囲気や職員の方の話を記録しましょう。

Step3:材料を組み合わせて志望動機を作成 自己分析と企業研究の内容を組み合わせて、あなただけのオリジナル志望動機を作成してください。

📋 効果的な記入方法

具体性を重視する

  • 「コミュニケーション能力がある」→「認知症の利用者様と歌を通じて心を通わせることができる」
  • 「やりがいを感じる」→「利用者様の笑顔を見た時、ご家族から感謝の言葉をいただいた時」

数字を活用する

  • 「多くの利用者様」→「30名の利用者様」
  • 「長期間の経験」→「5年間の介護経験」
  • 「高い評価」→「利用者満足度95%を達成」

感情も大切にする 技術的な側面だけでなく、「なぜその仕事が好きなのか」「どんな時に心が動くのか」という感情面も記録してください。

🔄 定期的な見直しと更新

このテンプレートは一度記入して終わりではありません。面接を受けるたびに新しい気づきがあったり、自分の考えが整理されたりするので、定期的に見直して更新してください。

特に複数の施設に応募する場合は、それぞれの企業研究メモを作成し、施設ごとの特徴に合わせた志望動機を作成することが重要です。


このテンプレートを活用することで、あなただけの説得力のある志望動機が作成できるはずです。時間をかけて丁寧に記入し、採用担当者の心に響く志望動機を完成させてください。

3. 採用担当はココを見ている!志望動機で評価される3つのポイント

志望動機を書く際、「採用担当者は何を基準に判断しているのか」を理解することが成功への近道です。ここでは、実際の採用現場で重視される評価ポイントを、採用側の視点から詳しく解説します。

🎯 ポイント①:「この施設・職種への理解度」を見ている

採用担当者が注目する理由

採用担当者が最も警戒するのは、「とりあえず応募してきた人」です。介護業界は慢性的な人手不足のため、条件面だけで職場を選ぶ応募者も少なくありません。しかし、そのような動機の浅い人材は早期離職のリスクが高く、採用コストが無駄になってしまいます。

だからこそ、施設の理念や特徴を深く理解している応募者は高く評価されます。「この人は本当にうちで働きたいと思ってくれている」「長く続けてくれそう」という期待感を持ってもらえるからです。

具体的な評価基準

採用担当者は以下の点で理解度を判断しています:

施設の基本情報への理解

  • 施設種別の特徴(特養・老健・デイサービス等の違い)
  • 利用者層や提供サービスの内容
  • 施設規模や体制(ユニット型、従来型等)

理念・方針への共感度

  • ホームページに掲載されている理念をどこまで理解しているか
  • その理念に対する自分なりの解釈や共感ポイント
  • 理念と自分の価値観をどう結びつけているか

現場の実情への認識

  • その施設・職種特有の業務内容や課題への理解
  • 他の施設・職種との違いを明確に説明できるか
  • 業界全体の動向や将来性についての見解

採用担当者の本音 「『介護が好きだから』だけの志望動機は正直困ります。本当に好きなら、なぜうちの施設なのか、なぜこの職種なのかを具体的に説明できるはずです。理念を暗記しているだけでなく、自分の言葉で語れる人を求めています。」(特養施設長・採用歴12年)

🤝 ポイント②:「人柄と職場文化のマッチ度」を見ている

採用担当者が重視する理由

介護現場は多職種が連携するチーム業務が中心です。どんなに技術や知識があっても、職場の雰囲気に馴染めない人は、本人も同僚も不幸になってしまいます。特に介護業界では「人間関係」が離職理由の上位を占めているため、採用段階でのマッチング精度が施設運営の成否を左右します。

また、利用者様やご家族との関係構築も重要な要素です。相手に安心感を与えられる人柄かどうかは、サービスの質に直結するため、採用担当者は志望動機の文面からも人となりを読み取ろうとします。

具体的な評価基準

コミュニケーション能力の推測

  • 志望動機の文章が相手に配慮した表現になっているか
  • 具体例やエピソードの選び方から見える配慮深さ
  • 感謝の気持ちや謙虚さが自然に表現されているか

チームワークへの適性

  • 協調性をうかがわせるエピソードがあるか
  • 他者への敬意や理解を示す表現があるか
  • 一人よがりではない、周囲と調和できる人柄か

ストレス耐性と前向きさ

  • 困難な状況をポジティブに捉えられる思考パターン
  • 挫折や失敗を成長の機会として語れるか
  • 利用者様の立場に立った思いやりのある表現

採用担当者の本音
「技術は後から身につけられますが、人柄は変えられません。志望動機の文章から『この人と一緒に働きたい』と思えるかどうかを必ず確認しています。利用者様に寄り添える温かさと、職員同士で支え合える協調性の両方が感じられる人を求めています。」(老健事務長・採用歴8年)

📈 ポイント③:「成長意欲と定着への期待感」を見ている

採用担当者が注目する理由

介護業界の採用コストは一人当たり平均50万円以上かかると言われています。求人広告費、面接官の人件費、研修費用、指導担当者の負担などを考えると、早期離職は施設にとって大きな損失です。

そのため、採用担当者は「この人は長く働いてくれそうか」「成長して施設に貢献してくれそうか」という点を重視します。志望動機から読み取れる将来への展望や学習意欲は、投資価値のある人材かどうかを判断する重要な指標になります。

具体的な評価基準

キャリアビジョンの明確さ

  • 3年後、5年後の自分像が具体的に描けているか
  • 資格取得や専門性向上への計画があるか
  • 施設への貢献方法を具体的に想像できているか

学習意欲の高さ

  • 未経験の場合、どのような準備や学習を行っているか
  • 経験者の場合、さらなるスキルアップへの意欲があるか
  • 新しい知識や技術への関心度

責任感と職業意識

  • 介護職としての使命感や責任感を持っているか
  • 利用者様の生活を支える重要性を理解しているか
  • プロとしての自覚を持って取り組む姿勢があるか

定着要因の分析

  • 転職理由がポジティブで建設的か
  • 同じ理由での早期離職リスクが低いか
  • 職場環境や条件面での現実的な理解があるか

採用担当者の本音 「『頑張ります』だけでは評価できません。どう頑張るのか、何を目指すのかが具体的な人ほど信頼できます。また、『勉強させてもらいます』という受け身の姿勢よりも、『○○を学んで△△に貢献したい』という主体的な姿勢の人を高く評価しています。」(デイサービス管理者・採用歴6年)

採用される志望動機の「黄金パターン」

これら3つのポイントを踏まえた、採用されやすい志望動機の構成をご紹介します。

第1段落:導入(なぜこの施設・職種なのか)

  • 具体的な体験やきっかけを簡潔に
  • その施設・職種でなければならない理由を明確に

第2段落:理解と共感(施設への理解度と人柄のアピール)

  • 施設の理念や特徴への具体的な共感ポイント
  • 自分の価値観や経験との関連性
  • 利用者様やチームへの配慮を示す表現

第3段落:将来展望(成長意欲と貢献への意識)

  • 具体的なキャリアビジョンや学習計画
  • 施設への貢献方法
  • 資格取得や専門性向上への意欲

結びの一文:決意表明

  • 働く意欲と責任感を込めた締めくくり

採用される人は「相手の立場」で考えている

採用担当者の視点を理解することで、志望動機の質は大きく向上します。重要なのは、採用する側の不安や期待を理解し、それに応える内容を盛り込むことです。

「この人なら安心して任せられる」「長く一緒に働きたい」「利用者様にも喜んでもらえそう」—そんな印象を与えられる志望動機こそが、採用につながる志望動機なのです。

技術や経験は後から身につけられますが、施設への理解度、人柄、成長意欲は一朝一夕では変えられません。

だからこそ、これらの要素をしっかりと志望動機に盛り込み、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるような内容を心がけましょう。

4.【未経験からの介護転職】志望動機に必須の3要素

未経験から介護業界へのキャリアチェンジの場合、面接官は「なぜ介護職に転職しようと思ったのだろう」と考えます。

担当者が納得する志望動機を伝えられるように、以下の要素を盛り込むと良いでしょう。

4-1.数ある仕事の中で介護の仕事を選んだきっかけ

数ある仕事の中でなぜ介護の仕事を選んだのか、きっかけ・理由を伝えます。

介護の仕事を選んだきっかけ・理由の例

  • 家族の介護経験から、介護の仕事に興味を持った
  • 日本の介護の問題について知るうちに介護の仕事に興味を持った
  • 前職の経験を別の形で活かしたいと思った

「介護職ならではの理由」が明確であれば、「長期的に働いてくれそう」という印象につながります。

4-2.介護業界についての知識

未経験者は、介護業界全体の情報を事前に調べておくのもポイントです。

特に他業界からのキャリアチェンジの場合、「介護業界の知識がある」というのは大きな強みとなるからです。

たとえば、介護業界で問題となっていることや、将来の課題とされていることなどを詳しく把握しておけば、志望動機に盛り込むこともできますし、面接などで咄嗟に質問された場合もしっかりと返すことができるでしょう。

日頃から『介護のニュースサイト』『みんなの介護』などのサイトに目を通す習慣をつけておくのもおすすめです。

4-3.介護職としての将来的な目標

「どのような介護士を目指していくか」など、目標やキャリアビジョンを伝えるのも、未経験転職を成功させるポイントです。

目標が明確にあることで、「介護職として働く熱意・モチベーションがある」という印象を与えられ、「長期的に働ける人材である」と判断してもらえるからです。

具体例

  • 利用者・家族の立場に寄り添った介護サービスを提供したい
  • 様々な仕事を経験し、介護業界の課題解決に貢献できる人材になりたい
  • 「この施設でよかった」と言ってもらえるレクリエーションを実施したい
  • 介護福祉士資格の取得を目指したい

介護職はハードな仕事なので、面接官は「すぐ辞めてしまうのでは」という懸念を持っているうえに、近年は未経験から介護職への転職者も増えているため、選考のハードルも高い状況です。

他の候補者と差をつけるためにも、「モチベーションが高く、将来的なビジョンも明確に持っている。しっかりと考えたうえでの転職である」という点をしっかりと伝えましょう。

ここまでのまとめ

未経験から介護職に転職する際、志望動機には以下の内容を積極的に含めましょう。

  • 数ある仕事の中で介護の仕事を選んだきっかけ
  • 介護業界についての知識
  • 介護職としての将来的な目標

履歴書の志望動機をより魅力的にするためのポイント

その施設だからこその志望動機をアピールする

その施設だからこそ入社したい理由をアピールしましょう。

「なぜこの施設なのか」を具体的に伝えることで、志望度の高さをアピールできるからです。

この企業だからこそ入社したい理由

貴施設であれば、自分が目指す■■という働き方ができると思いました

施設のHPや求人情報を見たり、他の施設と比較したりしながら、「その会社ならではの理由」を探してみましょう。

志望動機に書く経験・エピソードはなるべく具体的にする

介護職でこれまで経験してきたことを志望動機にエピソードとして書くのは有効ですが、その内容はなるべく具体的にするのがポイントです。

NG例
介護付き有料老人ホームで働き、自分なりに色々と考えて仕事に取り組みました。OK例
介護付き有料老人ホームで5年間働いてきました。認知症の方も多く、どのような対応をすれば良いのか悩むことも多々ありましたが、利用者の若いころを思い出すような写真を部屋に飾るなどの工夫をするよう心掛けました。

エピソードや経験を具体的に書くことで、「どのような経験をしてきたか」だけでなく、「どのような考え・気持ちで仕事に取り組んでいるか」など、人柄や仕事観なども表すことができます。

前職が介護職と異なる場合でも、担当業務や実績を詳しく書くことで、仕事を通して得たものをアピールできます。

たとえば「営業職として顧客とコミュニケーションを取るために行っていた工夫」などは、そのまま入居者や家族とのやり取りに活かせるでしょう。

未経験転職の場合では、前職と介護職の結びつきをアピールすることが重要です。

志望動機と転職理由を混同しない

「志望動機」と「転職理由」は別物なので、混同しないようにしましょう。

志望動機転職理由
その施設に応募(志望)した理由や背景転職を決めた理由や、前職を辞めた理由

もちろん、以下のように志望動機の中に転職理由を含めることは可能です。

具体例

デイサービスで介護職として働く中で、介護の知識だけでなく、多角的に入居者のケアに携われるようになりたいと思いました。(転職理由)

そこで、医師や看護師、理学療法士、作業療法士する介護老人保健施設であれば、望む働き方ができると考えこの度応募いたしました。

ただしこれは、転職理由と志望動機がしっかりとかみ合っている場合に限ります。「人間関係が悪い」「業務が合わない」など、どの職場でも起こり得る理由であるならば、伝えない方が無難です。

「うちで採用しても同じような理由で辞めてしまうのでは」と懸念されてしまうからです。

内容と同じくらい「読みやすさ」を意識する

履歴書に志望動機を書く際は、内容と同じくらい「読みやすさ」が重要です。

読みやすくするポイント

  • 行間を程よく空ける
  • 文字は小さすぎないようにする
  • 改行を入れる
  • 綺麗な字で記入する

文字の綺麗さは当然ながら、行間や改行などは意識していないと忘れがちになるので気を付けましょう。

どれほど良い内容の志望動機であっても、読みづらいと感じるものであれば、「読み手への配慮がない」「見やすい資料を作るスキルがない」など、それだけで面接官からの印象は悪くなります。

面接官は、一度に複数の書類に目を通すことも珍しくありません。他の書類よりも著しく見劣りしないように、体裁・レイアウトを整えることを意識しましょう。

文字の量は記入欄の8割程度が目安

文字の量は記入欄の8割程度が目安です。適正文字数は記入欄の大きさによって変わるので、何文字がベストと断定できません。

ただ実際のところは文字の大きさによっても左右されるため、大まかな目安として「200~300文字くらいに収める」と覚えておくと良いでしょう。

あまりに簡素にまとめすぎるのも印象がよくありませんが、一方で色々な内容を詰め込み過ぎるのも逆効果です。

重要な内容が霞んでしまいますし、何より読みづらくなり、「ダラダラと長く書いているが何を伝えたいのか分からない」という印象にもつながります。

どうしても思いつかない時は転職サイトのコンサルタントに相談するのもおすすめ

「何を書けばいいのか、どうしても思いつかない」という方は、介護職専門の転職サイトに登録し、コンサルタントに相談するのもおすすめです。

転職のプロであるコンサルタントが、あなたの経歴に適した志望動機の書き方を教えてくれたり、応募前の書類を添削してくれたりします。

大手サイトだと『レバウェル介護(旧:きらケア)』や『かいご畑』などが有名です。詳しく知りたい方は、『介護職300人が選ぶ転職サイトおすすめ比較』を参考にしてください。

5.【介護転職の面接】志望動機の伝え方のコツ

志望動機は履歴書に記載しますが、たいていの場合、採用面接時でも尋ねられます。

面接では、以下の2点を意識して受け答えしましょう。

それぞれ詳しく解説します。

5-1.履歴書の内容をより具体的に話す

面接で伝える志望動機の内容は、履歴書と同様で構いませんが、履歴書の内容をより具体的に話すことを心がけましょう。

履歴書はスペースが狭いので、限られたことしか記載できません。そのため、履歴書では要点だけ書き、面接時に詳しく伝えるのがベストです。

履歴書の内容とズレたことを話してしまうと、「どっちが本当の志望動機なのだろう」と思われるので要注意です。

5-2.丸暗記せず、面接官の意図を汲みその場で考えながら答える

面接では、相手の質問の意図を汲み、その場で考えて答えることを意識しましょう。

面接で話す内容を丸暗記しようとする方もいますが、実は逆効果です。

暗記した内容を間違えずに話そうと意識するあまり、質問と回答がちぐはぐになってしまうことがあるからです。

そうなってしまうと、いくら良い回答をしても「意思の疎通が取りにくい」「コミュニケーションに難がある」と思われ、不採用となります。

面接は事前に考えた内容を話す場ではなく、「面接官との対話の場」であると心得ておきましょう。

🎯 面接官の深掘り質問と回答シミュレーション

面接では志望動機を述べた後、面接官からさらに詳しい質問を受けることがあります。ここでは、実際の面接でよく聞かれる3つの深掘り質問への対応方法をご紹介します。

Q1:「数ある介護施設の中で、なぜ当施設を選ばれたのですか?」

この質問は、あなたの志望度の本気度と、施設研究の深さを確認するためのものです。表面的な理由ではなく、その施設独自の特徴への理解を示すことが重要です。

✅ 良い回答例

「貴施設を選んだ理由は3つあります。

1つ目は、貴施設が実践されている『パーソン・センタード・ケア』に強く共感したからです。ホームページで拝見したケアの事例や、見学時に職員の方が利用者様お一人おひとりの好みや習慣を把握されている様子を見て、『この施設でなら本当に利用者様らしい生活を支援できる』と確信いたしました。

2つ目は、ICTを活用した業務効率化の取り組みです。タブレットを使った記録システムや見守りセンサーの導入により、職員が利用者様との関わりにより多くの時間を割けている点が素晴らしいと思いました。

3つ目は、職員研修制度の充実です。月1回の内部研修と外部研修参加支援により、継続的にスキルアップできる環境が整っていることに魅力を感じております。私も認知症ケアの専門性を高めたいと考えており、貴施設でなら成長し続けられると思います。」

❌ 避けるべき回答例

「家から近くて通いやすいからです。それと、給料や待遇が他より良さそうだったので。正直、どこの施設も似たようなものだと思うので、条件が合えばどこでも良かったんです。でも、こちらは施設もきれいで働きやすそうなので選びました。」

解説 良い回答は施設の具体的な特徴を3つの観点から述べており、事前の情報収集と深い理解を示しています。一方、避けるべき回答は条件面のみに焦点を当て、施設への特別な関心がないことを露呈してしまいます。

Q2:「あなたの強みを、当施設でどのように活かせるとお考えですか?」

この質問では、自己分析能力と、その施設での具体的な貢献イメージを確認されます。強みと施設のニーズを結びつけて答えることがポイントです。

✅ 良い回答例

「私の強みは、利用者様やご家族とのコミュニケーション能力と、チーム連携を大切にする姿勢です。

前職のデイサービスでは、認知症により意思疎通が困難とされていた利用者様と、その方の好きだった民謡を一緒に歌うことで心を通わせ、表情が明るくなったという経験があります。この経験から、利用者様の生活歴や価値観を大切にするコミュニケーションの重要性を学びました。

また、看護師やケアマネジャーとの連携では、利用者様の小さな変化も見逃さず情報共有することで、早期の対応につなげてきました。

貴施設では、この強みを活かして、特に認知症の利用者様との関わりや、多職種チームでの情報共有において貢献したいと考えております。また、ご家族への丁寧な説明と相談対応にも力を発揮できると思います。将来的には、新人職員へのコミュニケーション技術の指導も担いたいと考えております。」

❌ 避けるべき回答例

「私の強みは真面目なところです。遅刻や欠勤もしませんし、言われたことはきちんとやります。前の職場でも特に問題なく働いていました。こちらでも同じように真面目に働きますので、きっと役に立つと思います。あと、体力には自信があるので、重労働でも大丈夫です。」

解説 良い回答は具体的なエピソードを交えて強みを説明し、それを施設でどう活かすかまで言及しています。避けるべき回答は抽象的すぎて、他の応募者との差別化ができません。

Q3:「最後に何か質問はありますか?(逆質問)」

逆質問は、あなたの関心度や仕事への意欲を示す重要な機会です。施設の方針や働き方について、建設的な質問をすることで好印象を与えることができます。

✅ 良い回答例

「3つほど質問させていただきたいと思います。

1つ目は、新人職員への指導体制についてです。入職後はどのような流れで業務を覚えていくのか、また先輩職員からの指導体制について教えていただけますでしょうか。

2つ目は、貴施設が大切にされているケアの理念を、現場でより深く理解し実践するために、どのような研修や学習機会があるのか教えてください。

3つ目は、利用者様やご家族から「ありがとう」と言われるような場面は、どのような時が多いでしょうか。働く上でのやりがいについて、実際の現場の声をお聞かせいただければと思います。

最後に、もし採用していただけた場合、どのような成長を期待されているか教えていただけますでしょうか。」

❌ 避けるべき回答例

「特に質問はありません。もう十分お話を聞かせていただいたので。あ、でも給料の詳細とか、有給は取りやすいですか?残業はどのくらいありますか?それと、人間関係は大丈夫ですか?前の職場では人間関係で苦労したので、そこが心配です。」

解説 良い回答は仕事内容や成長への関心を示し、入職後の意欲をアピールしています。避けるべき回答は消極的であったり、条件面や不安ばかりを質問したりして、マイナス印象を与えてしまいます。

6. 介護転職の志望動機のNGパターン

ここまで、志望動機の書き方の手順やポイントを紹介しましたが、併せて書く際の注意点も確認しておくことで、さらに質を高められるでしょう。

履歴書の志望動機を書く際に、避けるべきことは以下3点です。

それぞれ詳しく解説します。

6-1.志望動機が漠然としすぎ

志望動機の内容が漠然としすぎているというのは、一番避けるべきです。

漠然とした志望動機は、どの施設でも当てはまってしまうため、「他の施設への履歴書と使いまわしをしているのではないか」といった懸念を与えてしまいます。

NG例

  • 貴施設の施設理念・運営方針に共感しました。
  • 貴施設の事業内容に興味を持ちました

とくに上記の例文は、「どの施設にも当てはまるのでは?」と思われてしまいます。

具体的で説得力のある例

「心豊かな生活と尊厳をもった生活支援」という施設理念に共感し、入居者一人ひとりが自由に表現できる生活を支援という考え方が、自身の介護観と一致していると感じたため、この度志望いたしました。

「○○に共感しました」という文を使うのであれば、「なぜ共感したのか」を言葉で説明できるように、事前に根拠を用意しておきましょう。

6-2.学びたいアピールをする

「学ばせていただきたい」という理由で志望してしまうのは、未経験転職でよくあるNG例です。

謙虚さや熱意をアピールするために使ってしまいがちですが、「成長させてほしい」いうニュアンスで伝わってしまうため、主体性がない人だと思われてしまうでしょう。

スタッフは施設側からお金を受け取る立場ですので、未経験であっても何かしらの価値を提供しなければなりません。「経験もスキルもないので、学ばせてほしい」といってしまうのは致命的な不採用の理由となっていまいます。

NG例

  • 貴施設で成長させてほしい
  • 自分を育ててほしい
  • 研修制度が充実している
  • 未経験OKだったので

具体的で説得力のある例

  • 前職の営業で培った、コミュニケーションスキル経験を生かして業務に貢献したい
  • 経験に固執することなく、積極的に吸収していきたい
  • 自分の経験やスキル、知識を積極的に共有して施設全体の作業効率の向上に貢献したい

あなたが貢献できることを前面に押し出すか、謙虚で前向きな姿勢を伝えることが望ましいでしょう。

6-3.給料や福利厚生ばかり言及する

給料や福利厚生が良いことを志望動機にするのにも注意が必要です。

転職先を選ぶうえで、給料や福利厚生は非常に重要な項目かもしれませんが、「条件さえ良ければどこでもすぐに転職するんだな」「仕事に対する意欲が低い」と思われかねません。

NG例

  • 貴施設の福利厚生が充実している
  • プライベートの時間が確保しやすい
  • 給料が良くて残業も少ない

待遇や条件に関する話題は極力触れず、あくまで前職の退職理由の一つとして話す程度にしましょう。

📊 NG表現とポジティブ表現の比較表

NG表現(やってはいけない表現)ポジティブな言い換え例
給料が高いことに魅力を感じました。貴施設の処遇改善への積極的な取り組みは、職員を大切にする姿勢の表れだと感じ、安心して長く働ける環境だと判断いたしました。
人間関係で悩み、前職を退職しました。チームで連携し、利用者様により良いケアを実現したいという思いが強くなり、転職を決意いたしました。
こちらで介護のスキルを学びたいです。貴施設の認知症ケアの専門性を学び、将来的には認知症介護指導者として施設に貢献したいと考えております。
家から近くて通いやすいからです。地域密着型である貴施設で、地元の高齢者の方々の生活を長期的に支援したいと考えております。
残業が少なそうで働きやすそうです。効率的な業務体制と充実した人員配置により、利用者様一人ひとりに丁寧に向き合えることに魅力を感じます。
前職は体力的にきつすぎました。より専門性の高いケアを提供できる環境で、自分の経験を活かしたいと考えております。
特に理由はありませんが、介護に興味があります。祖母の介護経験を通じて、高齢者の方々の尊厳を大切にするケアの重要性を実感し、専門職として取り組みたいと思いました。
どこの施設でも良いので働きたいです。貴施設のパーソン・センタード・ケアの理念に深く共感し、利用者様の個性を大切にするケアを実践したいと考えております。
資格がないので、とりあえず無資格OKの所を探しています。介護の現場で経験を積みながら初任者研修を取得し、将来的には介護福祉士を目指したいと考えております。
前の職場の上司が嫌でした。より良いチームワークを築き、多職種連携を通じて質の高いケアを提供したいと考えております。
楽そうな仕事だと思いました。利用者様の生活を支える責任の重さを理解し、専門的な知識と技術を身につけて貢献したいと考えております。
とりあえず正社員になりたいです。長期的なキャリア形成を通じて、貴施設の理念実現に貢献し、利用者様により良いサービスを提供したいと考えております。

7.介護転職の志望動機【ケース別例文】

志望動機の例文をまとめましたので、参考にしてください。

※ただし、例文をそのまま転用すると面接時にスムーズな回答ができなくなるので、あくまで参考程度にし、時間をかけてオリジナルの志望動機を作成するようにしましょう。

未経験から介護職に転職する場合

口コミ・評判
介護職に興味を持ったのは祖母の介護がきっかけです。デイサービスでの介護だったのですが、施設に通うようになって祖母が生き生きとした表情になったのを見て、介護職という仕事に魅力を感じ、私も介護の仕事がしたいと思うようになりました。未経験からの挑戦となりますが、前職の営業で培った「聞く力」「相手のニーズを察する力」を活かして、一日でも早く利用者のお役に立てるような介護職員になれるように尽力いたします。

介護職経験はあるが、未経験の施設に転職する場合

口コミ・評判
グループホームで、生活援助や健康管理などの業務を経験しました。またレクリエーションの企画なども積極的に行い、入居者と深く交流してきました。様々な利用者やそのご家族と関わりあう中で、「住み慣れた家で家族と過ごしたい」という希望をお持ちの方が多いことを実感し、訪問介護への興味がわくようになりました。これまでの経験を活かし、利用者のご家族としっかり連携を取りながら、高いレベルの介護サービスを提供できるよう尽力したいと考えています。

経験を強みにする場合

口コミ・評判
特別養護老人ホームで、現場スタッフ10名をまとめるユニットリーダーを担当しました。この経験を通して、利用者が快適に過ごせる環境を提供するためには、現場スタッフがモチベーション高く業務に取り組めるチーム作りと仕組み作りが重要であると実感しました。貴施設では施設拡大に伴い、施設庁候補を募集していると伺い、私の望むキャリアに合致していると考え、この度志望いたしました。

転職回数が多い場合

口コミ・評判
未経験から介護職に転職するにあたり、当初ケアマネージャーとして独立するという目標を掲げましたが、まずは様々な現場で介護経験を積むことが重要と考え、特別養護老人ホームや有料老人ホームなど複数の施設での介護業務に従事してきました。結果としてこれまで4回転職を経験し、様々な施設での業務に携わってきましたが、それぞれの環境ごとの利用者のニーズの違いを知れたことや、ご家族の悩みなどを直に伺うことができたのは良い経験になったと感じています。これまでの経験を通して身につけた技術や視点を、貴施設でも役立てたいと思いこの度志望いたしました。

🚀 キャリアアップを目指す場合

介護職としてさらなる成長を目指す場合の志望動機では、具体的な役職や資格への意欲と、そのための明確な計画を示すことが重要です。

現在のスキルと将来のビジョンを明確に結びつけましょう。

例文①:主任・リーダーポジションを目指す場合

私が貴施設を志望する理由は、介護福祉士として5年間培った経験を活かし、チームリーダーとして施設全体のケアの質向上に貢献したいからです。

現職では一般職員として認知症ケアに力を入れており、昨年は施設内の認知症ケア委員会の副委員長を務めました。その際、新人職員への指導や家族対応を通じて、個人のスキルアップだけでなく、チーム全体の底上げの重要性を実感いたしました。

貴施設が推進されている「科学的介護」の取り組みと、ユニットリーダー制度に強く関心を持っております。私の認知症ケアの専門性と、チームマネジメントへの意欲を活かし、まずはユニットリーダーとして経験を積み、将来的には主任職として施設運営にも携わりたいと考えております。

そのために、認定介護福祉士の資格取得も視野に入れており、より高い専門性を身につけて貴施設に貢献したいと思います。

例文②:ケアマネジャーを目指す場合

私が貴事業所を志望する理由は、8年間の介護現場経験を基盤として、来年のケアマネジャー試験合格を目指し、相談援助の専門職としてキャリアを発展させたいからです。

現職では介護福祉士として特養で勤務し、この2年間は計画作成担当者として利用者様のケアプランに関わってまいりました。その過程で、利用者様とご家族の真のニーズを汲み取り、それを実現するためのサービス調整の重要性を深く理解いたしました。特に、在宅復帰を希望される利用者様のケースでは、多職種連携の難しさと同時に、適切なコーディネートができた時の大きなやりがいを感じております。

貴事業所が実践されている「自立支援型ケアマネジメント」の理念に深く共感いたします。

現場での実務経験を活かしながら、利用者様の「できる力」を最大限に引き出すケアプランを作成し、将来的には主任ケアマネジャーとして地域包括ケアシステムの推進にも貢献したいと考えております。資格取得後は、貴事業所での実務を通じて相談援助技術を磨き、5年以内には地域のケアマネジャーのスーパーバイザー的な役割も担いたいと思います。

例文③:管理職を目指す場合

私が貴施設を志望する理由は、介護現場で10年間培った経験と管理業務への関心を活かし、将来的には施設運営に携わる管理職を目指したいからです。

現職では介護福祉士として勤務する傍ら、この3年間は業務改善委員会の委員長として、職員の働きやすい環境作りとケアの質向上に取り組んでまいりました。特に、ICTシステムの導入による記録業務の効率化では、職員の残業時間を月平均15時間削減することができ、その分を利用者様との関わりの時間に充てることができました。

貴施設の「職員が生き生きと働ける職場作り」という方針に強く共感しております。

まずは現場のリーダーとして経験を積み、介護支援専門員資格の取得も目指しながら、将来的には施設長として法人の理念実現に貢献したいと考えております。そのために、介護経営士や福祉施設士の資格取得も計画しており、介護業界の発展に寄与できる管理者を目指します。

⚖️ ワークライフバランスを改善したい場合

ワークライフバランスの改善を志望動機とする場合は、単に楽をしたいという印象を与えないよう注意が必要です。現在の状況を改善することで、より良いケアが提供できることを強調しましょう。

例文①:夜勤回数を減らしたい場合

私が貴施設を志望する理由は、日勤中心の勤務体制の中で、より集中してケアの質向上に取り組みたいからです。

現職では特養で夜勤を含む3交代制で勤務しており、月6回の夜勤をこなしております。夜勤業務にもやりがいを感じておりますが、不規則な生活リズムにより、研修参加や自己学習の時間確保が困難になっているのが現状です。また、家族との時間も限られており、私生活の安定があってこそ、より良いケアが提供できると考えるようになりました。

貴施設のデイサービスは、日勤のみの勤務体制でありながら、個別機能訓練や認知症ケアに力を入れておられる点に魅力を感じております。規則的な生活リズムの中で心身の健康を保ち、利用者様お一人おひとりと向き合う時間を大切にしたケアを実践したいと思います。

また、平日の夜間や休日を活用して、認知症ケアや機能訓練の専門知識を深め、より専門性の高いサービス提供に貢献したいと考えております。

例文②:家庭との両立を重視したい場合

私が貴施設を志望する理由は、家庭生活と仕事の両立を図りながら、介護職としての専門性を継続して発揮したいからです。

現職では有料老人ホームで3年間勤務し、介護の仕事に大きなやりがいを感じております。しかし、小学生の子どもがおり、来年度からは夫の転勤で祖母のサポートも受けられなくなるため、より家庭に配慮した勤務体制の職場への転職を検討いたしました。

貴施設のデイサービスは、土日祝日が休みで、残業も月10時間以内という働きやすい環境でありながら、利用者様の自立支援に力を入れておられる点に強く魅力を感じております。規則的な勤務時間により家庭生活を安定させることで、仕事においてもより集中して利用者様に向き合うことができると考えております。

また、子育ての経験を活かし、利用者様のご家族の気持ちに寄り添ったサービス提供にも貢献したいと思います。

例文③:体力的な負担を軽減したい場合

私が貴施設を志望する理由は、これまでの経験を活かしながら、より長く介護職として働き続けられる環境で専門性を発揮したいからです。

現職では特養で7年間勤務し、重度の利用者様のケアに携わってまいりました。身体介護の技術やチームワークなど、多くのことを学ばせていただきましたが、腰痛が慢性化し、主治医からは負担軽減を勧められている状況です。しかし、介護の仕事への情熱は変わらず、長期的に介護職として貢献したいと考えております。

貴施設のデイサービスでは、身体介護だけでなく、レクリエーションや機能訓練、相談業務など、多様な形で利用者様を支援できることに魅力を感じております。

体力的な負担を抑えながら、これまでの経験を活かした専門的なケアを提供し、利用者様の在宅生活の継続支援に貢献したいと考えております。また、持続可能な働き方を実現することで、より長期間にわたり介護業界の発展に寄与したいと思います。

目的別志望動機作成のポイント

キャリアアップを目指す場合の重要要素

具体的な目標設定

  • 目指す役職や資格を明確に示す
  • そのための具体的な計画や時期を提示
  • 現在のスキルとの関連性を説明

施設への貢献意識

  • 個人の成長が施設にどのようなメリットをもたらすか
  • チーム全体の底上げへの意欲
  • 長期的な視点での貢献プラン

専門性向上への意欲

  • 具体的な学習計画や研修参加予定
  • 業界動向への関心と対応意識
  • 継続的な自己研鑽の姿勢

ワークライフバランス改善の場合の注意点

前向きな理由として表現

  • 「楽をしたい」ではなく「より良いケアのため」
  • 現状の問題点を建設的に説明
  • 改善後の具体的な活用方法を提示

専門性への影響を説明

  • 働き方の改善がケアの質にどう影響するか
  • 持続可能な働き方の重要性
  • 長期的な視点での介護職継続意欲

家庭と仕事の相乗効果

  • 家庭での経験が仕事にどう活かされるか
  • ワークライフバランスが職場にもたらすメリット
  • 安定した生活基盤からの積極的な貢献意欲

これらの例文を参考に、あなたの具体的な状況や目標に合わせてカスタマイズし、説得力のある志望動機を作成してください。

8. 【施設形態・職種別】介護の志望動機 例文集

採用担当者が最も重視するのは「なぜこの施設(職種)でなければならないのか」という明確な理由です。各施設・職種の特徴を理解した説得力のある志望動機例文をご紹介します。

🏥 特別養護老人ホーム

アピールポイント:最期まで寄り添うケアへの覚悟、チームワーク重視

私が特別養護老人ホームを志望する理由は、利用者様が人生の最期まで尊厳を持って過ごせるお手伝いをしたいからです。

祖母が特養でお世話になった際、職員の皆様が家族のように温かく接してくださり、祖母も「ここが私の家よ」と笑顔で話していました。その時に、単なる介護ではなく「生活を支える」というケアの本質を学びました。

貴施設の理念である「一人ひとりの想いに寄り添うケア」に深く共感しております。

24時間体制での専門的なケアを通じて、医療的ケアや看取りケアの知識・技術を身につけ、将来的には介護福祉士として利用者様とご家族に信頼される職員になりたいと考えております。

🏥 介護老人保健施設(老健)

アピールポイント:在宅復帰支援への意識、多職種連携への理解

私が介護老人保健施設を志望する理由は、利用者様の「できる力」を最大限に引き出し、在宅復帰を支援したいからです。

母が脳梗塞で倒れた際、老健でのリハビリを通じて歩行能力を回復し、自宅に戻ることができました。介護職の方々がリハビリ職や看護師と密に連携し、母の小さな変化も見逃さずに励まし続けてくださったことに深く感動いたしました。

貴施設が掲げる「その人らしい生活への復帰」という理念に強く共感しております。

理学療法士や作業療法士の先生方と連携し、利用者様の機能回復と在宅復帰に向けた専門的な支援を学びたいと考えております。

🌞 デイサービス

アピールポイント:在宅生活継続支援、家族介護者への理解

私がデイサービスを志望する理由は、高齢者の方々が住み慣れた地域で最期まで生活できるよう支援したいからです。

前職で高齢のお客様から「家族に迷惑をかけたくない」「でも一人だと不安」という想いを多く聞きました。デイサービスは、そんな方々の「家にいたい」という気持ちを尊重しながら、安全で充実した日中活動を提供できる素晴らしいサービスです。

貴施設の個別機能訓練プログラムに強く関心を持っております。

利用者様お一人おひとりに合わせたアプローチで生活の質の向上を図る取り組みは、まさに私が目指すケアの形です。

🏠 訪問介護事業所

アピールポイント:在宅での生活継続支援、一人での業務への責任感

私が訪問介護を志望する理由は、利用者様が最も安心できる「ご自宅」で、その方らしい生活を最期まで支援したいからです。

学生時代のボランティアで、「やっぱり家が一番落ち着く」とおっしゃった利用者様の言葉が印象に残っています。長年住み慣れた環境で安心感に包まれながら生活を続けられることの価値を実感いたしました。

貴事業所の「利用者様の想いに寄り添う訪問ケア」という理念に深く共感しております。

限られた時間の中でも、利用者様のペースを大切にし、確実な技術と細やかな気配りで信頼されるヘルパーを目指します。

👨‍⚕️ 介護福祉士として転職する場合

アピールポイント:専門性と責任感、指導的役割への意欲

私が貴施設で介護福祉士として働きたい理由は、これまでの経験と国家資格の専門性を活かし、より質の高いケアを提供したいからです。

前職では認知症ケアで、行動・心理症状の背景を分析し、薬物療法に頼らないケアの工夫に取り組んでまいりました。その結果、利用者様の表情が穏やかになり、ご家族からも「以前より落ち着いている」とお褒めの言葉をいただけました。

貴施設の「科学的介護」の取り組みに強く関心を持っております。

新人職員の指導を通じて介護の専門性を次世代に伝え、将来的には認定介護福祉士として施設全体のケアの質向上に貢献したいと考えております。

📋 ケアマネジャーとして転職する場合

アピールポイント:自立支援への意識、多職種連携とコーディネート能力

私が貴事業所でケアマネジャーとして働きたい理由は、介護現場経験を活かし、利用者様とご家族の想いを実現するケアプラン作成に取り組みたいからです。

現場で「本当はもっとこうしたい」という利用者様の想いと、実際に提供できるサービスとの間にギャップがあることを痛感してまいりました。ケアマネジャーとして創意工夫を凝らし、その方の価値観や生活歴を尊重したケアプランを作成したいと考えております。

貴事業所の「自立支援型ケアマネジメント」の理念に深く共感いたします。

利用者様の「できる力」に着目し、生活機能の維持・向上を目指すプランニングを実践したいと思います。

志望動機作成のコツ

差をつける3つのポイント

  1. 具体的な体験談を織り込む:実体験に基づいた動機が最も説得力がある
  2. 応募先の特徴を理解する:理念や方針を調べ、自分の価値観との共通点を示す
  3. 将来への展望を示す:資格取得や専門性向上への具体的な意欲を表現

避けるべき表現

  • 「家から近いから」「給料が良いから」といった条件面だけの理由
  • 「介護が好きだから」だけの抽象的な表現

この例文を参考に、あなた自身の経験を織り交ぜたオリジナルの志望動機を作成してください。

さいごに

介護転職の志望動機は、以下の手順を理解していれば、誰でも質の高いものを作れるようになります。

履歴書の志望動機の正しい書き方

  • ステップ1.応募先施設についての情報収集を行う
  • ステップ2.応募先施設のどこに魅力を感じたのかを言語化する
  • ステップ3.経験(具体的なエピソード)を踏まえて、どのように活躍できるかを考える

志望動機は、あなたが「なぜこの施設で働きたいのか」をアピールする重要な項目であるため、ポイントを押さえて丁寧に書きましょう。

あなたの転職が成功することを願っています。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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