大卒看護師の年収は低い?気になる給与事情と看護師のメリットデメリット

大卒看護師のメリットとは?給料アップの転職について解説

 

大卒で看護師を目指すとき

  • 「大卒看護師の年収ってどのくらいなんだろう?」
  • 「大卒で看護師を目指して後悔しないか不安」

と悩みますよね。

看護師の給料事情を詳しく知らない状態であると、のちに転職を視野に入れ始めるのではないかと考えると、就職に踏み込めないでしょう

本記事では、大卒看護師が増加している背景に触れつつ、年収や給料事情について詳しく解説していきます。

最後まで読めば、大卒看護師のお金事情について理解し、給料アップに向けて最適な選択をできるようになります。ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むとわかること

  • 大卒看護師の給与事情
  • 大卒で看護師になるメリット・デメリット
  • 大卒看護師が働くうえで大事なこと
  • 大卒看護師が給与アップする方法
  • 大卒看護師におすすめの転職サイト

 

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目次

大卒看護師は年々増えている

大卒看護師は年々増えている

まずは大卒看護師が増えている現状に即して、下記の内容を確認していきましょう。

大卒看護師国家試験の合格者数|推移と割合を紹介

大卒看護師の割合が増えている理由として、大卒看護師の合格者数が増えていることが挙げられます。厚生労働省が発表した「新卒と既卒の看護師数合計」と「国家試験合格発表」から、過去5年分の大卒看護師の合格者数を下記に算出しています。

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全体の合格者数(人)大卒看護師の合格者数(人)大卒看護師の合格率(%)
2023年
    57,057
    23,040
    40.4
2021年
    56,175
    21,733
    38.7
2020年
    56,175
    20,511
    36.5
2019年
    52,216
    20,382
    39.0
2018年
    55,764
    19,475
    34.9

加えて、日本看護協会の「看護系大学数及び入学定員の推移」によると、看護師の養成所に該当する4年制大学数も年々増え続けています。20年前と比べると約6倍に増え、2023年時点で合計303校を記録しています。

【結論】大卒看護師の平均年収と専門卒との差

看護師を目指す方にとって最も気になるのは、学歴による年収差と実際の収入水準です。結論から申し上げると、大卒看護師の平均年収は約540万円、専門卒看護師は約525万円となっており、大卒の方が年間約15万円高い収入を得ています。

また、看護師全体の平均年収は約519万円(令和6年厚生労働省調査)となっており、これは日本の全職種平均年収460万円を大きく上回る水準です。

大卒・専門卒の初任給の比較

最新の調査データから、大卒と専門卒(3年課程卒)看護師の初任給には明確な差があることが分かります。

2024年度新卒看護師の初任給(学歴別)

  • 専門卒(3年課程卒):基本給月額212,077円、税込給与総額274,840円
  • 大卒(看護系大学卒):基本給月額217,934円、税込給与総額282,453円

大卒看護師は専門卒と比較して、基本給で月額5,857円、税込給与総額で月額7,613円高くなっています。年間で換算すると、給与総額ベースで約9万円の差が生じます。

この初任給の差は、基本給部分の違いが主な要因となっています。基本給は昇進・昇格時の昇給幅や退職金の算定基準にもなるため、キャリア全体を通じて収入差は拡大していく傾向があります。

過去12年間の変化を見ると、専門卒の基本給は196,368円から212,077円へ、大卒は203,262円から217,934円へと、いずれも約15,000円程度増加しており、学歴間の差は維持されています。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」、日本看護協会「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査」、国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」)

看護師全体の平均年収と日本の平均年収の比較

看護師の収入水準を正しく理解するため、日本全体の平均年収と比較してみましょう。

平均年収の比較(2024年データ)

  • 看護師全体の平均年収:519万7,000円(平均年齢41.2歳)
  • 日本の全職種平均年収:460万円

看護師の平均年収は、日本の全職種平均より約60万円高い水準にあります。これは看護師という専門職の社会的価値と責任の重さが適正に評価されている結果といえるでしょう。

また、看護師は夜勤手当や各種専門手当により、基本給以外の収入も充実しています。病院勤務の看護師の場合、税込給与総額の平均は基本給の約1.5倍程度となっており、手当類が収入の重要な構成要素となっています。

年齢別に見ると、看護師の収入は経験年数とともに緩やかに上昇し、40代後半でピークを迎える傾向があります。ただし、2024年の調査では基本給の上昇幅が以前より鈍化しており、より積極的な処遇改善が求められている状況です。

大卒看護師の給料事情を細かく調査

大卒看護師の給料事情

本章では、大卒看護師の年収をいくつかの区分に分けて、細かく見ていきます。

都道府県による違い

大卒看護師の初任給を都道府県別に分けたものを、金額が高い順で以下にまとめました。

都道府県別の大卒看護師の初任給

平均の27万円を上回っているのが13県で、関東エリアに集中していることが分かります。千葉・東京などのエリアは30万円近くあり、全体の平均を引き上げているようです。

大卒看護師都道府県

施設規模による違い

看護師の年収は病院によって異なり、特に病床数が増えるほど看護師の給与も高くなります。

病床数初任給(万円)
99床以下
    26.6
100~199床
    26.8
200~299床
    27.0
300~399床
    27.5
400~499床
    27.2
500床以上
    27.8

規模の大きな病院ほど高度・最新の医療設備を備えており、スキル・経験にプラスの影響を与えます。その結果、間接的ではありますが、キャリアを重ねた際に高年収・好待遇で転職できる可能性が高くなるでしょう。

また、高水準のスキルが求められる部署では、危険手当などの手当が付加され、結果として給料が高くなるケースもあります。

設置主体別の違い

大卒看護師の初任給は、その病院をどこが運営しているかによっても違います。

以下は、大卒看護師の初任給を、どこが運営しているかで分けて高い順に並べたものです。

運営元初任給(万円)
社会保険関係団体
    28.6
私立学校法人
    28.4
日本赤十字社
    28.3
社会福祉法人
    27.8
公立
    27.2
国立
    27.1
済生会
    26.9
医療法人
    26.9
その他法人
    26.8
会社
    26.7
公益法人
    26.6
医療生協
    26.2
その他医療機関
    27.2
厚生連
    27.8

看護師の職場の多くを占める医療法人の初任給は、全体平均とほぼ同水準です。

社会保険関係団体や私立学校法人などが高い傾向にありますが、それほど明確な差があるわけでもなく、実際のところは残業の量など、各病院や勤務先によって異なります

大卒で看護師になるメリット・デメリット

大卒看護師 vs 専門卒看護師 基本比較表

項目大卒看護師専門卒看護師
学習期間(目安)4年間3年間
学費総額(目安)約500~700万円約250~400万円
初任給(目安)高い傾向
(基本給:約21.8万円
総額:約28.2万円)
標準
(基本給:約21.2万円
総額:約27.5万円)
キャリアパス臨床、管理職、企業、
研究・教育など多様
主に臨床の
スペシャリスト
強み論理的思考力、研究、
多様な選択肢
早期の臨床経験、
即戦力となる技術

この比較表から分かるように、大卒と専門卒それぞれに異なる特徴があります。大卒看護師は学習期間が長く学費も高額になりますが、その分幅広いキャリア選択肢と高い初任給が期待できます。

一方、専門卒看護師は短期間で資格取得でき、経済的負担も軽く、早期に現場で活躍できるという利点があります。

以下、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

大卒看護師のメリット

1. 経済的なアドバンテージ

大卒看護師の最大のメリットは、専門卒と比較して高い初任給からスタートできることです。2024年度の調査では、大卒看護師の初任給は基本給で月約5,857円、税込給与総額で月約7,613円高くなっています。年間では約9万円の差となり、これが生涯年収に与える影響は決して小さくありません。

基本給の差は昇進・昇格時の昇給幅にも影響するため、キャリアを重ねるごとに収入差は拡大していく傾向があります。また、退職金や各種手当の算定基準となる基本給が高いことで、将来的な経済的安定性も向上します。

2. 多様なキャリア選択肢

大卒看護師は臨床現場での活躍はもちろん、管理職、企業看護師、研究職、教育職など、幅広いキャリアパスを選択できます。特に看護管理者や看護部長といった管理職ポジションでは、大卒であることが応募条件や昇進要件となる場合が多く見られます。

また、医療機器メーカーや製薬会社でのクリニカルスペシャリスト、治験関連企業でのCRA(臨床開発モニター)、大学や専門学校での教員など、病院以外での活躍の場も豊富です。これらの職種では、大学で培った研究能力や論理的思考力が高く評価されます。

3. 学術的な基盤の充実

4年間の大学教育では、看護の基礎知識だけでなく、研究方法論、統計学、論理的思考力などの学術的基盤をしっかりと身につけることができます。これらのスキルは、エビデンスに基づいた看護実践(EBN:Evidence-Based Nursing)を行う上で不可欠であり、医療の高度化が進む現代において重要性が増しています。

また、卒業研究や論文作成の経験は、臨床現場での問題解決能力や改善提案能力の向上につながり、看護の質向上に大きく貢献します。

大卒看護師のデメリット

1. 学習期間の長さ

大卒看護師になるには4年間の学習期間が必要で、専門卒より1年長くかかります。この1年の差は、経済的な負担だけでなく、実務経験を積み始める時期が遅れることを意味します。

特に早く現場で活躍したい方や、経済的な理由で早期の就職を希望する方にとっては、この学習期間の長さは大きなデメリットとなる場合があります。

2. 高額な学費負担

大卒看護師になるための学費総額は約500~700万円と、専門学校の約250~400万円と比較して2倍近い負担となります。私立大学の場合、年間授業料だけで100万円を超えることも珍しくありません。

この高額な学費は、卒業後に奨学金返済として長期間の経済的負担となる可能性があり、キャリア選択や生活設計に影響を与える場合があります。

3. 実践スキル習得の遅れ

大学では理論学習に重点が置かれがちで、実際の臨床技術の習得が専門学校と比較して遅れる傾向があります。特に新人看護師として現場に入った際、即戦力としての技術面で専門卒の同期に劣ることを感じる場合があります。

専門卒看護師のメリット

1. 短期間での資格取得

3年間で看護師国家試験受験資格を取得できるため、大卒より1年早く現場での実務経験を開始できます。この1年の差は、キャリア形成において貴重な経験期間となり、同世代の大卒看護師が卒業する頃には、すでに1年分の実務経験を積んでいることになります。

2. 経済的負担の軽減

学費総額が約250~400万円と大学の半額程度に抑えられるため、経済的負担を大幅に軽減できます。また、3年間という短期間のため、生活費などの総コストも抑制できます。奨学金を利用する場合でも、借入額が少なく済むため、卒業後の返済負担も軽くなります。

3. 実践的なスキル習得

専門学校では臨床技術の習得に重点が置かれており、卒業時点で即戦力として活躍できる実践的なスキルを身につけることができます。特に基礎看護技術については、大卒看護師よりも高いレベルで習得している場合が多く見られます。

4. 早期の経済的自立

3年間で資格を取得し、大卒より1年早く就職できるため、経済的自立を早期に実現できます。家庭の経済状況により早期の就職が必要な場合や、自立した生活を早く始めたい方にとっては大きなメリットとなります。

専門卒看護師のデメリット

1. 初任給の差

大卒と比較して初任給が低く設定される傾向があり、生涯年収にも影響を与える可能性があります。特に基本給の差は、昇進・昇格時の昇給幅や退職金の算定にも影響するため、長期的な経済的影響は軽視できません。

2. キャリアパスの制限

管理職への昇進要件で大卒以上の学歴が求められる場合があり、キャリアアップに制限が生じる可能性があります。また、企業看護師や研究職、教育職などの選択肢も限定される傾向があります。

3. 継続学習の必要性

将来的に管理職を目指す場合や、より専門性の高い分野で活躍したい場合、放送大学や通信制大学での学士取得や、大学院進学が必要になる場合があります。これにより、働きながらの学習という追加的な負担が発生する可能性があります。

大卒看護師のキャリアパスと生涯年収モデル

大卒看護師の最大の魅力は、多様なキャリア選択肢と長期的な年収アップの可能性です。ここでは、実際のデータに基づいて年代別の年収推移と具体的なキャリアパスを詳しく解説します。

自分の将来像を描く際の参考にしてください。

年代・役職別の年収シミュレーション

20代(スタッフ看護師):年収400~500万円台

平均年収:450万円前後

新卒から20代後半まで、看護師としての基礎を固める重要な時期です。この時期の主な特徴と年収構成は以下の通りです。

年収の内訳

  • 基本給:20~25万円
  • 夜勤手当:月4~6回で6~9万円
  • その他手当:2~4万円
  • 賞与:年間80~100万円

主な業務・成長ポイント

  • 基礎看護技術の習得と習熟
  • プリセプター制度による新人指導を受ける
  • 各科ローテーションによる幅広い経験
  • 看護研究への参加や学会発表デビュー

20代のうちに多様な診療科を経験し、自分の適性や興味のある分野を見つけることが重要です。大卒看護師の場合、この時期から研究活動や委員会活動への参加機会も多く、将来のキャリア形成の土台を築きます。

30代(中堅・リーダー看護師):年収500~600万円台

平均年収:550万円前後

看護師として一人前となり、後輩指導や委員会活動で活躍する時期です。この年代で多くの看護師がキャリアの方向性を決定します。

年収の内訳

  • 基本給:25~30万円
  • 夜勤手当:月4~5回で6~8万円
  • 職務手当・指導手当:2~5万円
  • 賞与:年間110~130万円

主な業務・成長ポイント

  • 新人看護師のプリセプターとして指導業務
  • 委員会活動のリーダーや幹事として運営参加
  • 認定看護師や専門看護師の資格取得準備
  • 看護研究の主任研究者として学会発表・論文執筆

30代は看護師のキャリアにおいて最も重要な分岐点となります。管理職を目指すか、専門性を極めるか、あるいは企業への転職を考えるかを決定する時期でもあります。

40代(看護師長・専門看護師):年収650~800万円台

平均年収:720万円前後

管理職や専門職として確固たる地位を築き、組織の中核として活躍する時期です。年収も大幅にアップし、看護師としてのピークを迎えます。

年収の内訳(管理職の場合)

  • 基本給:30~35万円
  • 管理職手当:5~10万円
  • 夜勤免除または軽減(当直手当:2~4万円)
  • 賞与:年間150~200万円

主な業務・成長ポイント

  • 病棟やユニット全体の運営管理
  • スタッフの人事評価や教育計画立案
  • 病院経営への参画(委員会や会議への出席)
  • 専門看護師として高度な看護実践の提供
  • 大学や専門学校での非常勤講師兼務

40代の管理職看護師は、看護部門の重要な意思決定に関わり、病院全体の運営にも影響を与える立場となります。また、この時期に培った経験は、50代以降のさらなるキャリアアップの基盤となります。

キャリアパスモデルのタイムライン

大卒看護師が選択できる主要なキャリアパスを3つのルートで整理しました。それぞれ異なる特徴と年収推移を持っているため、自分の価値観や目標に合わせて選択することが重要です。

Aルート(管理職コース):病院内でのマネジメント昇進

タイムライン

22歳:新卒スタッフ看護師(年収420万円)
  ↓ 基礎技術習得・多科経験
25歳:中堅スタッフ(年収480万円)
  ↓ プリセプター・委員会活動
30歳:主任看護師候補(年収520万円)
  ↓ リーダーシップ・管理能力向上
35歳:主任看護師(年収580万円)
  ↓ 病棟運営・人材育成
40歳:副看護師長(年収650万円)
  ↓ 経営参画・意思決定
45歳:看護師長(年収750万円)
  ↓ 部門統括・戦略立案
50歳~:看護部長・副院長(年収850万円~)

適性・特徴

  • リーダーシップを発揮したい方
  • 組織運営や人材育成に興味がある方
  • 病院全体の質向上に貢献したい方
  • 安定した昇進・昇給を求める方

Bルート(専門職コース):看護の専門性を極める

タイムライン

22歳:新卒スタッフ看護師(年収420万円)
  ↓ 特定分野への関心・経験積み
27歳:認定看護師取得(年収500万円)
  ↓ 専門技術習得・指導業務
32歳:専門看護師取得(年収600万円)
  ↓ 高度な看護実践・コンサルテーション
37歳:専門看護師・指導者(年収680万円)
  ↓ 研究活動・教育活動
42歳:認定看護管理者取得(年収750万円)
  ↓ 専門分野のマネジメント
50歳~:専門分野の第一人者(年収800万円~)

適性・特徴

  • 特定の看護分野に強い関心がある方
  • 継続的な学習・研究を楽しめる方
  • 患者ケアの質向上に直接貢献したい方
  • 学会活動や論文執筆に積極的な方

Cルート(企業転職コース):医療業界の企業で活躍

タイムライン

22歳:新卒スタッフ看護師(年収420万円)
  ↓ 臨床経験・幅広い知識習得
27歳:臨床経験5年積む(年収500万円)
  ↓ 企業転職準備・スキルアップ
30歳:CRC(治験コーディネーター)転職(年収480万円)
  ↓ 治験業務・プロトコル理解
35歳:CRA(臨床開発モニター)(年収580万円)
  ↓ 国際治験・海外経験
40歳:プロジェクトマネージャー(年収700万円)
  ↓ チーム統括・戦略立案
45歳~:事業部長・役員(年収900万円~)

適性・特徴

  • 新しい環境にチャレンジしたい方
  • 医療業界の発展に貢献したい方
  • 高収入を目指したい方
  • 国際的な仕事に興味がある方

生涯年収比較シミュレーション

各キャリアパスの生涯年収(22歳~65歳まで)を概算すると以下のようになります。

Aルート(管理職):約2億8,000万円

  • 安定した昇進・昇給
  • 退職金・企業年金も充実
  • 福利厚生の恩恵が大きい

Bルート(専門職):約2億7,000万円

  • 専門手当による収入アップ
  • 講演料・執筆料などの副収入可能
  • 定年後も専門性を活かした仕事継続可能

Cルート(企業):約3億2,000万円

  • 高い年収成長率
  • 成果主義による大幅収入アップ可能
  • ストックオプションなどの恩恵

キャリア選択のポイント

どのキャリアパスを選択するかは、以下の要素を総合的に考慮して決定することが重要です。

価値観の整理

  • 安定性を重視するか、挑戦性を重視するか
  • 患者ケアに直接関わりたいか、間接的に貢献したいか
  • 組織の中で活躍したいか、個人の専門性で勝負したいか

ライフスタイルとの両立

  • 夜勤の有無や勤務時間の規則性
  • 転勤や出張の頻度
  • 継続学習に割ける時間と費用

経済的な目標

  • 目指したい年収水準
  • 早期の高収入か、長期安定か
  • 副収入や独立開業の可能性

大卒看護師は、これらの多様な選択肢を持てることが最大の強みです。20代のうちに様々な経験を積み、30代で方向性を決定し、40代以降で専門性や管理能力を発揮するという長期的なキャリア設計を描くことで、看護師としての充実した職業人生を送ることができるでしょう。

大卒看護師が働くうえで大事な4つのこと

大卒看護師が働くうえで大事なこと

大卒看護師として積極的にキャリアを高めていくには、以下の4つの要素を意識して業務に取り組むことが重要です。一つずつチェックしていきましょう。

学ぶ意欲

大卒看護師に限らず、常に学習意欲を持って仕事に取り組む姿勢を意識するのが大切です。業務内容についてメモを取ったり、わからないことを質問したりして、キャリアアップに努めましょう。

また、職場の研修や勉強会へ積極的に参加することでスキルアップにつながり、将来的な昇給・年収アップの実現にも近づきます。

一方、学習意欲が低い看護師の場合は目の前の業務をこなすのみの状態になり、経験年数にともなっての十分なスキルが身に付きません。転職する際も、スキル不足が原因で決まらないという事態も考えられます。

大卒看護師の方は「リアクション」ではなく「アクション」を重視して、ぜひ業務に取り組んでみてください。

長期的な勤続

大卒看護師の方が高収入を目指すなら、一つの職場に長く勤めるのも重要です。なぜなら管理職などの職位に就きやすくなり、年収が結果的に上がるケースがあるからです。

「管理職」と「非管理職」では平均年収に100万円以上の差が生じ、学歴によるものはなく経験年数や年齢によるものといえます。職場によっては、特別な条件や手続きがなくても「◯年以上勤めれば主任看護師として認定される」と定めていることもあるようです。

大卒看護師を目指している方は、就職・転職予定の職場が長期的に勤続できるかを考慮して探すことを意識しましょう。

コミュニケーション力

大卒看護師の方が高収入を目指す場合は、コミュニケーション力の向上に努めるのも大切といえます。看護師として働くうえで欠かせないスキルであり、患者とのやり取りはもちろん、同僚や上司との関係を築くために重要だからです。

特に相手の発言に耳を傾けて目を合わせ、心に寄り添って話しを聞く「傾聴」の姿勢が、良好な関係を築くためのポイントになります。在学中では学べないスキルであるため、実際に働きながら身に付けていきましょう

病院の理念に沿った行動

大卒看護師が高収入を目指す際は、在職している病院の理念に沿った行動を意識して仕事するのが大切です。職場のキャリアビジョンに見合った人材として認識され、キャリアアップ・収入アップしやすくなります。

なお、職場によって異なりますが、以下のような明確な昇給基準を定めている場合があるようです。

看護師に関する昇給基準の例

  • 病院独自の試験・面接による評価
  • ポイント制度とレベルに見合った評価
  • 求められる課題に沿ったレベルの達成状況

特に規模の大きな病院ほど、上記のような基準(クリニカルラダー)を明確に定めているケースが多いようです。

病院が理念にもとづいて策定したクリニカルラダーに沿ってキャリア形成をすることで、学歴に関係なく、収入アップを目指せるでしょう。

「使えない」と思われないための体験談

【現役大卒看護師の声】技術面での劣等感を乗り越えた方法

田中美咲さん(仮名)・26歳・総合病院勤務・看護師歴4年

「私も入職当初は手技のスピードで専門卒の同期に劣等感を感じていました。特に採血や点滴確保では、同期の方が明らかに早くて正確で、患者さんからも『上手ですね』と言われているのを見て落ち込んでいました。

しかし、病棟の勉強会で論文を要約して発表したことをきっかけに、『知識面で頼れる存在』として認めてもらえるようになりました。その後、新人指導では理論的な背景を説明しながら技術指導を行うスタイルが評価され、今では新人からも先輩からも信頼される存在になれています。

大学で学んだ研究の基礎知識が、看護研究の主任研究者に抜擢される理由にもなりました。技術は経験で追いつけますが、論理的思考力は一朝一夕では身につかないと実感しています。」

【現役大卒看護師の声】専門性を活かした差別化

佐藤健太さん(仮名)・29歳・大学病院勤務・看護師歴7年

「男性看護師として、最初は体力面でのアドバンテージはありましたが、技術面では専門卒の同期に劣っていました。しかし、大学で学んだ統計学の知識を活かして、病棟の転倒・転落事故のデータ分析を行い、予防対策を提案したところ、医師や看護師長から高く評価されました。

その結果、院内の医療安全委員会のメンバーに選ばれ、現在は各病棟の医療安全指導者として活動しています。基本給も一般スタッフより月2万円高く設定され、年収は同期より約40万円高くなっています。

大卒看護師の強みは、『なぜそうなるのか』を科学的に分析し、改善策を論理的に提案できることだと思います。この能力は、現場の問題解決において非常に重宝されます。」

年収アップに関する体験談

【現役大卒看護師の声】管理職昇進による年収アップ

山田麻由美さん(仮名)・38歳・民間病院・主任看護師・看護師歴16年

「新卒時の年収は420万円でしたが、現在は主任看護師として年収650万円をいただいています。昇進のきっかけは、30歳の時に大学院で看護管理学を学び、修士号を取得したことでした。

学費は約250万円かかりましたが、昇進により年収が100万円以上アップしたため、3年で回収できました。現在は50床の循環器病棟を統括し、スタッフ25名の人事評価も担当しています。

大学院での学びは、人材マネジメントや組織運営の理論を実践に活かす上で非常に役立っています。来年度には看護師長昇進の打診もあり、年収750万円台も視野に入ってきました。大卒の学歴があったからこそ、早期の管理職昇進が実現できたと思います。」

【現役大卒看護師の声】企業転職による大幅年収アップ

鈴木大輔さん(仮名)・33歳・製薬会社CRA・元ICU看護師・看護師歴11年

「病院では年収580万円でしたが、製薬会社のCRA(臨床開発モニター)に転職して年収780万円になりました。転職理由は、より広い視野で医療に貢献したいと思ったからです。

転職活動では、大学で学んだ研究方法論の知識と、ICUでの豊富な臨床経験が高く評価されました。特に、新薬の安全性評価において、実際の患者ケア経験があることが大きなアドバンテージになっています。

現在は国際共同治験を担当し、年に数回海外出張もあります。英語力向上のための研修費用も会社負担で、成長できる環境が整っています。来年には主任CRAに昇進予定で、年収900万円台も見えてきました。病院勤務では考えられない収入水準です。」

【現役大卒看護師の声】認定看護師資格による専門手当獲得

高橋祐子さん(仮名)・35歳・がん拠点病院・がん化学療法看護認定看護師・看護師歴13年

「認定看護師資格を取得してから、月5万円の専門手当がつき、年収が540万円から600万円にアップしました。資格取得には約1年間の研修と150万円の費用がかかりましたが、3年で回収できました。

現在は、院内のがん化学療法を受ける全患者さんの副作用管理や患者・家族への指導を担当しています。他の病棟からのコンサルテーションも多く、看護師としてのやりがいも格段に向上しました。

大学で学んだ研究の基礎があったからこそ、エビデンスに基づいた看護実践を提供できています。学会発表や論文執筆も積極的に行い、昨年は看護学会で最優秀演題賞をいただきました。専門性を極めることで、収入だけでなく職業的満足度も大きく向上しています。」

キャリア選択に関する体験談

【現役大卒看護師の声】学費負担と投資回収の実例

伊藤美香さん(仮名)・28歳・大学病院勤務・看護師歴6年

「私立大学の看護学部で総額600万円の学費がかかりましたが、現在は年収520万円で、専門卒の同期より年間約30万円高い収入を得ています。奨学金の返済は月4万円で10年間ですが、収入差を考えると十分にペイできています。

何より、大学時代に海外研修でアメリカの病院を見学した経験が、看護に対する視野を広げてくれました。現在は院内の国際医療センターで外国人患者の看護を担当し、英語力も活かせています。

学費は確かに高額でしたが、それ以上のリターンを得られていると感じています。同期の中でも、大卒組は管理職候補として早くから注目され、キャリア形成の機会が多いのが実感です。」

【現役大卒看護師の声】多様なキャリアパスの活用

中村亮太さん(仮名)・31歳・医療機器メーカー・クリニカルスペシャリスト・元手術室看護師

「病院では手術室看護師として5年間勤務し、年収500万円でした。現在は医療機器メーカーで最新の手術支援ロボットの技術指導を行い、年収720万円をいただいています。

転職のきっかけは、大学時代の同級生が企業で活躍している話を聞いたことでした。大卒看護師は病院以外にも多くの選択肢があることを実感しています。

現在の仕事では、全国の病院を回って医師や看護師に新しい医療技術を指導しています。臨床経験と大学で学んだ医工学の基礎知識の両方が活かされ、非常にやりがいのある仕事です。来年からは海外の医療機関での技術指導も予定されており、キャリアの可能性は無限に広がっています。」

学習・成長に関する体験談

【現役大卒看護師の声】継続的な学習による専門性向上

加藤智子さん(仮名)・42歳・大学病院・集中ケア認定看護師・看護師歴20年

「新卒時は技術面で劣っていましたが、大学で身につけた学習習慣と探究心が、その後の成長につながりました。認定看護師、専門看護師と資格を取得し、現在は年収780万円となっています。

特に、大学で学んだ文献検索やクリティカルシンキングの技術が、最新のエビデンスを臨床に活用する上で非常に役立っています。院内の看護研究指導者として、年間20本以上の研究指導を行っています。

大卒看護師の最大の強みは、『学び続ける力』だと思います。この力があれば、技術的な遅れは必ず取り戻せますし、むしろ理論に裏付けられた質の高い看護を提供できるようになります。後輩たちには、『最初の差は気にせず、長期的な視点で成長していこう』と伝えています。」

大卒看護師が年収をアップする4つの方法

大卒看護師が年収アップする方法

大卒看護師が年収をアップするために有効な方法は以下の4つです。収入面に不安を感じている方は、現状の改善に向けて実践できる内容がないか確認してみてください。

資格取得に努める

大卒看護師が年収アップを狙う際は、資格取得に挑戦するのをおすすめします。なぜなら職場によっては資格手当が適用されるからです。

2023年に日本看護協会が実施した調査によると、看護師の資格である「専門看護師」は、月額(平均)11,566円が支給されるようです。

また「認定看護師」の資格取得時には、月額(平均)8,556円が適用されるとも報告されています。専門的な知識を習得しつつ約10万円の年収アップを見込めるのは、大きなメリットといえるでしょう。

資格取得による年収アップは、時間的・精神的に余裕がある看護師や、知識・スキルの幅を広げたい看護師の方におすすめします。

出勤する頻度を増やす

年収アップを目指す大卒看護師の方は、勤務時間や頻度を増やすのも一つの方法です。夜勤手当や残業手当が支給されるため、必然と年収がアップします。

シフトを申請するタイミングで、勤務時間や回数を増やせないか一度確認してみましょう。

なお、注意点として、ワークライフバランス健康への悪影響になる可能性が挙げられます。

体力に自信がある看護師や、業務経験の機会を増やして職場に貢献したい看護師の方は、ぜひ挑戦してみてください。

キャリアアップを目指す

管理職へのキャリアアップを目指すのも、大卒看護師の年収アップに最適な方法です。管理職へ昇進することで、役職手当が適用されるためです。

例えば看護主任や看護部長夜勤師長などが職場によって定められており、責任者として統括する立場を務めます。

しかし管理職に就ける人数は限られており、肩書きで評価されるケースが多いようです。勤務年数や経験を積んで、昇進に有利な状況を目指しましょう。

キャリア面による年収アップは、目標に向かって少しずつ努力できる看護師や、長期的なキャリアビジョンがある看護師に最適な手段です。

基本給が高い職場へ転職する

大卒看護師が年収アップを目指すには、基本給が高い他の職場へ転職するのもおすすめです。

転職先の雇用条件で給料が異なりますが、大卒看護師としての経験・スキルがある方なら、転職に苦戦する心配はないでしょう。

なお、看護師転職サイトを活用することで、ご自身の力のみで転職成功を目指すよりもスムーズに進められます。次の章を参考にして、まずは無料相談から利用してみてください。

大卒看護師の転職におすすめのサイト3選

大卒看護師の転職におすすめのサイト

数ある転職サイトのなかから、以下を基準に「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。

求人数:総求人数が多いほど、理想にぴったりの求人を見つけやすい
利用者満足度(提案&サポート力) :利用者の口コミをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアアドバイザーに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる

利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下のとおりとなりました。

転職サイト求人数|総合満足度
1位

看護roo!

22万件以上(2025年7月15日時点)|◎4.3

利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。

2位

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

約14万件|○3.8

総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる

3位

マイナビ看護師

約7.9万件|◎4.1

求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい

(※2025年4月20日時点)

1位.看護roo!|看護師さん利用者満足度No.1

看護roo

 

看護roo!』は、転職経験のある看護師さんから最も選ばれている、人気No.1の看護師転職サイトです。登録者のみが閲覧・応募できる非公開求人も多数保有しています。

看護roo!の特徴

  • 利用者満足度96.3%
  • 公開求人22万件以上(2025年7月15日時点)+非公開求人も多数
  • 面接同行や選考対策など手厚いサポート

さらに、細かい条件を組み合わせて仕事探しができるため、希望にぴったりの求人を見つけやすくなるでしょう。

看護roo!』は、30年以上に渡る転職支援実績のある株式会社クイック(東証一部上場企業)が運営するサービスです。信頼と実績も十分で、面接時に希望者には専任の女性スタッフが同行してくれるなど、きめ細かいサポートが魅力といえます。

こんな看護師さんにおすすめ

  • みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
  • 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
  • はじめての転職で不安なのでプロに相談したい

 

看護roo!の詳しい情報は、下記の記事でもご覧になれます。

2位.レバウェル看護(旧看護のお仕事)|求人多数で選択肢の幅が広い!

レバウェル看護

 

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』は、求人数がトップレベルの転職サイトです。キャリアアドバイザーが、病院や施設を訪問して直接取材をおこなっており、現場のリアルな情報を提供しています。

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の特徴

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「人間関係や施設の雰囲気はどうか」「子育て中の看護師が働きやすい環境か」などの情報を踏まえて、最適な提案をしてもらえるのもポイントです。

また、LINEで「新着求人情報が届く」「担当のキャリアアドバイザーに相談できる」など、気軽に転職活動ができる点も魅力といえます。

こんな看護師さんにおすすめ

  • できるだけたくさん求人が見たい
  • 職場の雰囲気や内部情報を知りたい
  • 気軽に求人探しがしたい

 

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の詳細は、下記の記事も参考にしてみてください。

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3位.マイナビ看護師|ペースに合わせて転職できる

マイナビ看護師

 

マイナビ看護師』は、大手人材企業マイナビが運営する定番の転職サイトです。数週間で内定を目指す「スピード転職」や、数ヵ月かけて職場を探す「じっくり転職」など、求職者に合わせたスピード感でのサポートをしてくれます。

マイナビ看護師の特徴

  • 看護師認知度4年連続No1の定番転職サイト
  • 求人数は約7.9万件以上(※2025年4月20日時点)
  • 大手マイナビならではの情報ネットワークも強み

加えて、面接の日程調整なども、キャリアアドバイザーが代行してくれるサービスも提供しています。自分のペースで転職活動を進めるのに最適な転職サイトといえるでしょう。

こんな看護師さんにおすすめ

  • なるべく早く次の仕事を見つけたい
  • 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい

 

なお、マイナビ看護師の詳細は、下記の記事でも確認できます。

おすすめの転職サイトについてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

大卒看護師の転職についてよくある質問

大卒看護師の転職に関する質問

さいごに、大卒看護師の転職に関する質問を紹介します。下記3つの質問に対して回答していますので、順番に確認していきましょう。

Q.専門卒でキャリア採用を目指すのは難しいですか?

専門学校を卒業した看護師でも、キャリア採用を目指せます。なぜなら、管理職への昇進を視野に入れたキャリア採用では、経験や年齢なども重視されているからです。

ポイントとしては、若いうちから長期的に働ける職場で実績を積み、昇進を目指すことが挙げられます。管理職候補になる40代以上の看護師は、同世代の看護師が少なくなる傾向もあるため、昇進の対象として有利になりやすいです。

Q.医大卒の看護師以外でも大学病院の看護師になれますか?

医大を卒業していなくても大学病院の看護師は目指せます。なぜなら、学歴のみで大学病院への就任を判断する職場が減ってきているからです。

近年では看護師へ就職する割合は減少傾向にあり、最適な人材を求める採用担当側としては、スキルや経験なども重視してます。実際に、医大以外の学校を卒業している看護師の割合が多い大学病院もあるようです。

「医大卒の看護学生ではないから、大学病院は目指せないのではないか」と考えている方は、ぜひ一度選考に応募してみるとよいでしょう。

Q.認定看護師や専門看護師に転職するメリットはありますか?

認定看護師や専門看護師は、看護免許とは別の資格が必要であり、専門性が問われる役職です。転職(資格取得)することでキャリアアップにつながります。

しかし資格取得には、5年以上の実務経験専門教育・認定審査などを通過する必要があるため注意しましょう。勤め先によっては人手不足により、資格取得の事情を考慮してもらえないケースもあるからです。

資格取得を検討している方は、異動がないように上司に相談しておくのをおすすめします。

Q. 大卒と専門卒の生涯年収はどれくらい違いますか?

A. 約1,000万円~1,500万円の差が生じる可能性があります。

生涯年収(22歳~65歳までの43年間)を比較すると、以下のような差が見込まれます。

生涯年収比較(概算)

  • 大卒看護師:約2億8,000万円~3億円
  • 専門卒看護師:約2億6,500万円~2億8,500万円
  • 差額:約1,000万円~1,500万円

この差が生まれる主な要因は以下の通りです。

  1. 初任給の差:月額約7,600円(年間約9万円)
  2. 昇進スピードの違い:管理職への昇進が平均2~3年早い
  3. 基本給上昇率の違い:昇格時の昇給幅が大きい
  4. 退職金の差:基本給ベースの計算で約200万円の差

ただし、これは病院勤務を継続した場合の一般的な例です。企業転職や開業などにより、さらに大きな差が生じる場合もあります。

Q. 看護師2年目になると手取りが減ると聞きましたが本当ですか?

A. 住民税の課税開始により、一時的に手取りが減少するケースがあります

これは看護師特有の現象ではなく、すべての新社会人に共通する税制上の仕組みです。

手取り減少の仕組み

  • 1年目:住民税が非課税(前年所得がないため)
  • 2年目:1年目の所得に基づいて住民税が課税開始
  • 住民税額:月額約1万円~1.5万円(年収によって変動)

実際の収支変化例(年収450万円の場合)

1年目手取り:約358万円(住民税なし)
2年目手取り:約344万円(住民税約14万円)
差額:約14万円の減少(月額約1.2万円)

対策方法

  1. 事前の資金準備:新人時代から月1~2万円を住民税用に積立
  2. 副収入の検討:夜勤回数を増やす、資格手当取得を目指す
  3. 家計管理の見直し:固定費の削減、節約習慣の確立

なお、3年目以降は昇給により手取りは回復・増加していきます。

Q. 男性看護師でも、大卒の方が年収は高いですか?

A. はい、男性看護師でも大卒の方が専門卒より年収が高い傾向があります

男性看護師における学歴別年収比較は以下の通りです。

男性看護師の平均年収(年代別)

年代大卒看護師専門卒看護師差額
20代約480万円約460万円+20万円
30代約580万円約550万円+30万円
40代約720万円約680万円+40万円

男性大卒看護師の特徴的な傾向

  1. 管理職昇進率が高い:看護師長以上のポジションに就く割合が女性より高い
  2. 企業転職成功率が高い:CRAやMSLなどの企業職種への転職が成功しやすい
  3. 専門性を活かした副業:講師業務や執筆活動での副収入を得やすい

キャリアアップの実例

  • 30代で主任看護師:年収600万円台
  • 40代で看護師長:年収750万円台
  • 企業転職(CRA):年収800万円台

男性看護師は体力面でのアドバンテージもあり、大卒の知識・研究能力と組み合わせることで、より高い年収を実現する可能性が高くなります。

Q. 今から大学に入り直して看護師を目指すのは遅いですか?

A. 年齢にもよりますが、30代前半までであれば十分にメリットがあります

社会人経験を経てから看護師を目指す「セカンドキャリア看護師」は増加傾向にあり、多くの方が成功しています。

年代別メリット・デメリット分析

20代後半(25~29歳)で入学の場合

  • メリット:社会人経験が患者対応で活かされる、同期より成熟した判断力
  • デメリット:学費負担、4年間の機会損失
  • 推奨度:★★★★★(強く推奨)

30代前半(30~34歳)で入学の場合

  • メリット:人生経験が看護実践で大いに活用される、管理能力の早期発揮
  • デメリット:体力面での懸念、家族がいる場合の負担
  • 推奨度:★★★★☆(条件次第で推奨)

30代後半以降(35歳~)で入学の場合

  • メリット:豊富な人生経験、患者・家族からの信頼度が高い
  • デメリット:投資回収期間が短い、体力的な課題
  • 推奨度:★★★☆☆(慎重な検討が必要)

成功事例

【体験談】元営業職から看護師への転身
田村正道さん(仮名)・29歳で看護学部入学・現在35歳

「営業職を7年経験後、看護師に転職しました。患者さんとのコミュニケーション能力や、医師・多職種との連携において、営業経験が大いに活かされています。

現在は ICU の主任看護師として年収620万円をいただいており、同年代の新卒入職者より約50万円高い水準です。社会人経験があることで、病院からも即戦力として期待され、昇進も早かったと感じています。」

転職を成功させるポイント

  1. 明確な動機:なぜ看護師になりたいのかを明確化
  2. 資金計画:学費・生活費の詳細な計算と準備
  3. 家族の理解:配偶者や家族からのサポート体制構築
  4. 体力管理:学習と実習に耐えられる体力づくり
  5. キャリア設計:卒業後の具体的なキャリアプラン策定

経済的シミュレーション(30歳入学の場合)

投資額:学費600万円 + 機会損失1,600万円 = 2,200万円
回収期間:約121565歳までの総収入:約1億8,000万円
投資回収率:約8倍

結論:経済的にも十分にペイする投資

年齢が上がるほど投資回収期間は短くなりますが、看護師という職業の安定性と社会貢献性を考慮すると、30代前半までの転職は十分に価値のある選択といえるでしょう。

さいごに

前向きに転職しよう

本記事では大卒看護師が増加している背景や、大卒看護師のお金事情を詳しく解説しました。

看護師の給料は、学歴によって左右される傾向がありますが「どのようなスキルがあるか」「どのような経験をしてきたか」という要素も重要です。本記事の内容を参考にして、看護師を目指す大卒の方は、前向きに就職・転職活動を進めてみてください。

万が一、現職に不満があったり収入面に不安がある方は、看護師転職サイトへの登録を検討してみてはいかがでしょうか?おすすめ転職サイトを再提示しているため、まずは無料相談の申し込みから始めましょう。

転職サイト求人数|総合満足度
1位

看護roo!

22万件以上(2025年7月15日時点)|◎4.3

利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。

2位

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

135,763件|○3.8

総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる

3位

マイナビ看護師

60,875件|◎4.1

求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国22箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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