看護師はストレスがやばい!?8つの原因と今すぐできるストレス対処法

看護師の仕事はストレスだらけ
辛くてどうしていいかわからない

とお悩みですね。

看護師は、医師の指示通りに動くだけではなく、患者さんひとりひとりに寄り添い献身的なケアを提供します。患者さんの生命と向き合いながら仕事をしているので、強い緊張感からストレスを感じてしまいますよね

しかし、治療やケアが必要な患者さんの前では弱音を見せることは許されず、ご自身の感情をコントロールしながら働くことに限界を感じている方もいるでしょう

厚生労働省の調査によれば、看護師はストレス強度が高くメンタルヘルスケアが欠かせない職種であるといわれています。(参考:厚生労働省|令和2年度 過労死等の労災補償状況

しかし、現場の看護師への配慮は不十分であり、過酷な労働環境で働く方も多いのが現実です。

患者さんに尽くす職業だからこそご自身を労わることは重要ですが、日々の業務に追われてしまい、セルフケアまで気が回らない方がほとんどでしょう。

そこでこの記事では、多くの看護師の相談に乗ってきた私が、看護師のストレスの原因や効果的なストレスの解消方法について、以下の流れで解説します。

  1. 看護師がストレスを感じる8つの原因
  2. 【セルフチェック】あなたのストレスは限界?危険度がわかる10のサイン
  3. やって後悔…ストレスを感じても止めておきたい4つの行動
  4. 転職だけじゃない。「休職」で心と体を守る選択肢と手続き
  5. 根本的な解決を求めるなら転職も考える

この記事を読めば、仕事のストレスとの付き合い方や対処法がわかり、あなたに合ったストレスの解消法が見つかるでしょう。

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※2025年10月10日更新
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目次

1.看護師がストレスを感じる8つの原因

仕事をしていると、どうしてもストレスを感じてしまう場面は多くありますよね。

とくに看護師は求められるスキルが多く、仕事の質が患者さんの生命に直結することもあるので気が抜けません。そのため、仕事が終わる頃にはドッと疲れてしまう方もいるでしょう。

この章では、そんな看護師がストレスを感じる8つの原因をご紹介します。

順を追って見ていきましょう。

1-1. 人間関係

看護の現場では、人間関係のストレスを感じる場面が多くありますよね。

どの職場にも必ずといっていいほど、嫌な上司やトラブルメーカーの同僚など、悩みの種になる人がいるものです。

先輩に怒られストレスに

口コミ・評判

匿名(22歳)

先輩に怒られながらの毎日がストレスです。プリセプターさんには「1年目でも、患者さんから見たらプロの看護師なんだからしっかりしないと!」と言われるのですが、それがプレッシャーでさらにストレスを感じます

早く仕事ができるようになりたいのにうまくいかず、最近は出勤するだけで胃が痛いです。

仕事を習得するにはある程度の時間が必要ですが、必要以上に怒られたりプレッシャーをかけられたりすると、強いストレスを感じてしまいますよね。

ほかにも、医師との意見が食い違い悩んでいる方もいます。

医師との意見の食い違いに悩む

口コミ・評判

匿名(30歳)

とある患者さんの治療方針で、医師と対立した経験があります。

その方は先天性の心臓疾患で、小さい頃からA先生と共に治療に励んできており、本人も家族もA先生を信頼していました。

ある時、体調悪化により入院することになり、心臓に負担をかけないように厳しい水分制限が決められました。最初は患者さんも治療に協力的でしたが、体調が悪くなるにつれ「思いっきり水が飲みたい」と訴える日が増えました。

しかし、A先生は「まだ治療の余地はある。〇〇さんの命を諦めるのか?」と言い、薬剤の投与を続けて…。看護師がどれだけ患者さんの気持ちを代弁しても、A先生は機嫌が悪くなるだけ。関わるだけで、ストレスでした

結局、入院から1カ月も経たず患者さんは亡くなり…無力感や後悔が残りました。。

看護師が仕事をする上でコミュニケーションは欠かせませんが、思いがけない対立に巻き込まれると、ストレスを感じずにはいられませんよね。

1-2. 夜勤や残業などの労働環境

労働環境が良くない職場で、ストレスを感じながら働いている方もいますよね。

とくに、看護師の場合は夜勤や残業の多さが問題視されており、悩まれている方も多いでしょう。

夜勤がストレス

口コミ・評判

匿名(22歳)
夜勤が辛いです。人手が足りず、若いからという理由だけで、今月も10回以上夜勤に入らなくちゃいけません。夜勤が続くと曜日感覚無くなるし、時間間隔もおかしいのか、目が覚めるといつも「遅刻した!!」と焦ってしまいます。何も気にせず眠りたいです。

残業しないと陰で言われる

口コミ・評判

匿名(24歳)
3年目までの若手看護師は、始業時間の30分以上前に来て、終業後は先輩が終わるまで帰れません。そうしないと、先輩に陰口を言われるんです。一度目を付けられると仕事に支障が出そうで、反論できず従ってます。こんな職場、やばいですよね…。ストレスも多いし、早く辞めたいです

世間一般では働き方改革やワークライフバランスが叫ばれていますが、医療の現場では過酷な労働環境で働く方も多くいます。

こうした労働環境を改善するためには、個人の努力ではどうにもならないことも多く、頭を悩ませてしまいます。

関連記事:看護師の辛い・キツイ夜勤の乗り越え方|どうしても限界な時の夜勤のない働き方

1-3. 患者さんの対応

患者さんへの対応でストレスを感じることもありますよね。

看護の現場では献身的な姿勢が求められますが、暴言や暴力を振るったり、ハラスメントをする患者さんの対応に苦慮している方もいます。

暴力は個人で対策するしかない

口コミ・評判

匿名

認知症の利用者さんが多い介護施設で、利用者さんに思いっきり頭を叩かれてビックリしました。

その方は認知症のせいで暴力が絶えず、他の職員や利用者さんも被害にあってました。

先輩に相談しても「あの人、手が出やすいよね。こっちが気を付けるしかないんだよね。」と言われ、職場は守ってくれないという現実に、さらにショックを受けました。

患者さんや家族から標的にされた

口コミ・評判

匿名(27歳)

精神科領域の患者から「あなたは私をいつも睨んでくる」「夜道に気を付けたほうが良いですよ」と言われたことがあります。

なにかをした覚えもなく、不安と恐怖でストレスがやばかったです

結局、担当医や師長さんが間に入ってくれて、その患者さんは退院し外来で継続治療をすることにしたようですが…。あんな体験は2度とご免ですね。

看護師は患者さんにとって1番近い存在ですが、それゆえやり場のない気持ちをぶつけられやすく、戸惑った経験のある方も多いようです。

1-4. 責任の重さ

責任の重さがのしかかり、ストレスを感じた経験もありますよね。

「小さなミスが命に関わるかもしれない」というプレッシャーは、想像以上のストレスに繋がっています。

救急外来の初療対応は責任重大

普通に歩いてきたりとか、車いすで外来の入り口から来た人が SAH(クモ膜下出血)だったりとか。

症状がそこで進行したりはなかったんだけど、なんか怖いなっていつも思ったり。責任という意味ではやっぱり一番最初に出会って、話聞いたのが自分だなっていうので、思ったりします

引用:松江市立病院医学雑誌|救急外来における看護師のストレスの実態

急患や急変対応の多い診療科では患者さんの命に直面する場面も多く、その責任は重大です。

また、看取りケアを行う看護師のなかにはストレスのあまり患者さんを避けてしまったと話す方もいます。

看取りケアを避けてしまうことも

人の死をそんなに間近で見たことがなかったからちょっと無意識,意識的,無意識かわかんないんですけど,ちょっとずつ避けてた部分があって

引用:南九州看護研究誌|一般病棟で終末期がん患者の看取りにかかわる

看護師には患者さんの生命を守る役割がありますが、医療のプロである前に一人の人間です

責任の重さがストレスに変わると、仕事を続けるのが難しくなってくるかもしれません。

1-5. リリーフやオンコールなどの勤務体制

リリーフやオンコールなど、日によって勤務体制が変わるのはストレスですよね。

慣れない場所で仕事することや、常に緊急対応の準備をしなくてはならない状況が続くことで、ストレスを感じている方もいます。

急なリリーフに戸惑ってしまう

口コミ・評判

匿名(32歳)

以前勤めていた病院では、4年目以上の看護師を対象に院内留学(リリーフ)が行われていました。

5年目だった私も当然対象だったのですが、朝出勤したら急に「10時から胸部外科に行ってきて」「午後から消化器内科のヘルプお願いね」と声かけられることが多く、正直戸惑いました。

せめて数日前に言ってくれたら、心の準備ができるのに…と何度思ったかわかりません。

人手不足のなかでのオンコール対応はつらい

口コミ・評判

匿名
それぞれのステーションはそれぞれ人数もそこまで多くないため、退職者が出た際のオンコール対応は特に地獄です。また、頻繁に連絡してくる特定の利用者がいると大変です。

リリーフやオンコールなどの業務では、臨機応変さ、要領の良さなどが求められることも多く、対応に一苦労することも多いでしょう。

1-6. 給料の低さ

業務量に見合った給料がもらえないと、不満が募りますよね。

看護師の給料は給与規定で決められている職場がほとんどで、頑張った分給料が増える訳ではありません。

そのことは理解できていても、業務量と給料のバランスが取れていないと「正当に評価してもらえない」と感じる方もいるのです。

どれだけ頑張っても給料に反映されない

口コミ・評判

匿名(28歳)

通常業務はもちろん、残業、後輩指導、リーダー業務、看護研究、休日の勉強会…。

これだけやっても、ここ数年の昇給は年間数千円程度。

ストレスからネットショッピングで衝動買いが止まりません。

日本労働調査組合が行った調査では、看護師が仕事を辞めたくなった理由の第1位が給与や待遇への不満だという結果が出ています。(参考:日本労働調査組合|看護師の退職動機に関するアンケート

看護師の仕事は数字だけで評価できるものではありませんが、やはり給料が低いとモチベーションが下がり、結果的に離職に繋がってしまうケースもあるようです。

1-7. 仕事量の多さ

仕事量が多く、負担が大きいとストレスを感じますよね。

とくに人手不足の職場で働く看護師は、一人では到底こなせない業務量を抱えており、苦労が絶えないようです。

リーダーしながらの後輩指導はキャパオーバー

口コミ・評判

匿名(27歳)

後輩指導をしながらリーダー業務もこなすのは無理です。やることが多すぎて、ストレスがやばいです。

本当なら、後輩にも優しく接したいのに、余裕がなくてついキツイ言い方をしてしまいます。

中途採用なのに、即戦力を期待されて辛い

口コミ・評判

匿名(24歳)

人手不足なのはわかるけど、中途採用は即戦力としてカウントしないでほしい。

たしかに経験が豊富な人もいるけど、場所が違えば誰だって戸惑うし、慣れるのに時間が必要です。

勝手に期待されて「○○できないの?」とか言われると、落ち込みます。転職してまだ日が浅いけど、早くもストレスが溜まってきています…。

やるべきことが多く忙しいと、仕事の質にも影響が出てしまいます。

仕事量の多さは個人でコントロールするのは難しく、疲弊しながら働いている方も多くいるでしょう。

1-8. 感染症への対策・対応

昨今の感染症流行で対策や対応に追われ、ストレスを感じている方も多くいますよね。

2020年の新型コロナウイルスの発生から、仕事内容や生活が一変したと話す看護師は多いです。

見通しの立たない不安がある

口コミ・評判

匿名(46歳)

新型コロナウイルスが流行してから、仕事のストレスが増えましたね。

私たちがどれだけ感染予防を徹底していても、変異株が出たり、大きなイベントがあったりして感染拡大が何度も繰り返されているのを見ていると、終わりのない不安に疲れてしまいます。

ある調査では、コロナ患者に直接関わる業務に従事する看護師の9割以上がストレスを抱えながら仕事しており、とくに感染の恐れや業務量や業務内容の変化などにストレスを感じているという結果が出ています。(参考:レバレジーズメディカルケア株式会社|看護師実態レポート 2021年 ~新型コロナウイルス感染症拡大の影響~

感染状況や変異株の出現、それらによって変化する政策や世論に柔軟に対応せねばならず、疲弊しきっている方もいますよね。

新型コロナウイルスは未だ収束の目途が立っておらず、今後も感染予防対策や陽性者対応は必要です。こうした見通しの立たない状況が、ストレスを増長させているようです。

ここまで、看護師のストレスの原因を8つご紹介しました。

しかし、原因がハッキリしていても、具体的な解決策がわからないとストレスは溜まる一方です。

そこで、次の章では「そもそもストレスとはなにか?」「ストレスに対処するにはどうしたら良いか」をご紹介していきます。

2. 【セルフチェック】あなたのストレスは限界?危険度がわかる10のサイン

日々の業務に追われ、「これくらい大丈夫」と自分の体調や心の変化を見過ごしていませんか。看護師として患者さんのケアに専念するあまり、自分の心身の限界サインに気づくのが遅れがちです。厚生労働省の職場ストレスチェックでは、ストレス反応を「身体面」「心理面」「行動面」の3つの側面から評価することが推奨されています。

ここでは、あなたが今どの段階にいるのかを客観的に把握できるよう、現場で働く看護師に多く見られる具体的な症状をもとにセルフチェックリストを作成しました。

身体にあらわれる危険サイン

ストレスが蓄積すると、まず身体症状として現れることが多いのが特徴です。日本看護協会の「個人での対応(セルフケア)」によると、身体面でのストレス反応には入眠障害や中途覚醒などの不眠、易疲労感、頭痛や肩こり、腰痛、めまいや動悸、腹痛、食欲低下、便秘や下痢などの症状があります。

夜勤後も眠れない慢性的な不眠 「疲れているのに眠れない」「浅い眠りで何度も目が覚める」といった睡眠障害は、ストレス過多の初期症状です。夜勤明けであっても、興奮状態が続いて入眠困難になる場合は要注意。

頭痛・めまいの頻発 勤務中に頻繁に起こる頭痛やめまいは、精神的緊張による血管収縮や自律神経失調が原因となることが多く、休憩を取っても改善しない場合は限界のサインです。

食欲不振・胃腸の不調 「食事が喉を通らない」「胃がムカムカする」「下痢や便秘を繰り返す」などの消化器症状。特にコーヒーや刺激物でしか食欲が湧かない状態は危険です。

慢性的な肩こり・腰痛の悪化 長時間の立ち仕事による身体的負担に加え、精神的ストレスが筋肉の緊張を増大させ、通常のマッサージやストレッチでは改善しない頑固な痛みとなって現れます。

動悸・息切れ・手の震え 急患対応時以外でも心臓がドキドキする、階段でもないのに息が切れる、患者さんへの処置時に手が震えるなどは、自律神経系の過緊張を示す重要なサインです。

心にあらわれる危険サイン

心理面でのストレス反応は、看護の質に直結するため早期発見が重要です。厚生労働省の指針では、不安や抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)、イライラ、意欲の低下、集中力の低下などが心理面でのストレス反応として挙げられています。

感情のコントロールが困難 患者さんや同僚に対して必要以上にイライラしたり、些細なことで涙が出そうになったりする。特に「いつもなら笑って流せることが気になる」状態は要注意です。

仕事への意欲・達成感の喪失 「何のために看護師をしているのか分からない」「患者さんが回復しても嬉しくない」など、看護への情熱や使命感が感じられなくなった状態。

極度の不安・心配の増大 「ミスをするのではないか」「患者さんに何かあったらどうしよう」といった不安が常に頭から離れず、業務に支障をきたすレベルまで達している状態。

絶望感・無価値感 「自分はダメな看護師だ」「患者さんの役に立てていない」など、自己否定的な思考が止まらない状態。特に休日でも気分が晴れない場合は深刻です。

集中力・判断力の著しい低下 いつもなら簡単にできる薬剤計算や記録業務に時間がかかる、重要な情報を聞き落とす、優先順位がつけられないなど、認知機能の低下が顕著に現れている状態。

行動にあらわれる危険サイン

行動面でのストレス反応は、周囲からも発見しやすく、職場での安全管理上も重要な指標となります。厚生労働省のストレス軽減ノウハウでは、飲酒量や喫煙量の増加、食欲亢進、ひきこもり、欠勤や遅刻の増加、仕事でのミスやヒヤリハットの増加などが行動面でのストレス反応として示されています。

ミス・ヒヤリハットの増加 薬剤投与のダブルチェック忘れ、患者間違い、転倒転落事例への関与など、普段なら起こさないようなインシデントが続発している状態。

遅刻・欠勤・早退の増加 「起きられない」「出勤するのが辛い」といった理由で、勤務時間に関するトラブルが増加。特に理由を説明できない体調不良による欠勤が目立つ場合。

同僚・患者との関係回避 休憩時間に一人でいることが多くなる、患者さんとの何気ない会話を避ける、チームカンファレンスでの発言が極端に減るなどの社会的引きこもり行動。

アルコール・買い物への依存傾向 ストレス発散のつもりで始めた飲酒や買い物が止められない、量や頻度が明らかに増えている、借金をしてまで続けているなどの依存的行動。

生活習慣の著しい乱れ 食事を抜く、コンビニ弁当ばかり食べる、入浴や歯磨きなどの基本的な衛生管理ができない、部屋が片付けられないなど、セルフケア能力の低下。


【総合チェックリスト】あなたのストレス危険度診断

以下の15項目について、当てはまるものにチェックを入れてください。

身体症状(5項目)

□ 夜勤明けでも眠れない、または睡眠が浅く何度も目覚める

□ 勤務中に頭痛やめまいが頻繁に起こり、休憩を取っても改善しない

□ 食欲がない、または胃腸の調子が悪い日が週の半分以上ある

□ 肩こりや腰痛がマッサージをしても改善せず、日常生活に支障が出る

□ 急患対応時以外でも動悸・息切れ・手の震えが起こる

心理症状(5項目)

□ 患者さんや同僚に対してイライラすることが明らかに増えた

□ 看護の仕事にやりがいや達成感を感じられなくなった

□ 「ミスをするのでは」という不安が常に頭から離れない

□ 「自分はダメな看護師だ」と思うことが多く、休日でも気分が晴れない

□ いつもできる簡単な業務に時間がかかったり、集中できない

行動変化(5項目)

□ インシデント・ヒヤリハットの報告が明らかに増えた

□ 遅刻・欠勤・早退が以前より増加している

□ 同僚との会話や患者さんとのコミュニケーションを避けるようになった

□ アルコール摂取量や衝動的な買い物が増えた

□ 食事を抜いたり、入浴や掃除などの基本的な生活習慣が乱れている

危険度判定

  • 0~3個:軽度注意レベル
    現在は大きな問題はありませんが、定期的な自己チェックを継続しましょう。

  • 4~8個:中等度警戒レベル
    ストレス蓄積のサインが現れています。上司や産業医への相談、生活習慣の見直しを検討してください。

  • 9~12個:高度危険レベル
    早急な対策が必要です。医療機関への受診や休職の検討を含めた包括的な対応が求められます。

  • 13個以上:緊急対応レベル
    即座に専門医への相談が必要です。無理な継続勤務は避け、適切な治療と休養を優先してください。

このチェックリストは自己診断の参考であり、医学的診断に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療専門家に相談してください。

3. 今すぐできる!看護師のためのストレス解消法10選

毎日の激務に追われ、「ストレス解消って言っても何をすればいいの?」と悩んでいませんか。抽象的なアドバイスではなく、今日から実践できる具体的な方法をご紹介します。これらの方法は厚生労働省のストレス対処指針日本看護協会のセルフケアガイドに基づいた、科学的根拠のある実践法です。

1日1分の瞑想を習慣化する

「瞑想なんて難しそう」と思うかもしれませんが、実は1分でも十分効果があります。夜勤明けの興奮状態や、失敗を引きずる思考パターンから解放されるために、呼吸に意識を向ける簡単な方法から始めましょう。

具体的なやり方

  1. 背筋を伸ばして座る
  2. 4秒間かけて息をゆっくり吸い込む(おなかを膨らませながら)
  3. 8秒間かけて息をゆっくりと吐き出す(おなかをへこませながら)
  4. 何か別のことを考えそうになったら即座に呼吸に意識を戻す
  5. これを1~5分間繰り返す

休憩室や更衣室で、シフトの合間にできる手軽さが魅力です。スマートフォンのタイマーをセットして、まずは1日1分から始めてみてください。

家族や友人に思いを打ち明ける

一人で抱え込んでいる悩みを声に出すだけで、驚くほど心が軽くなります。「話しても解決するわけじゃない」と思いがちですが、実は話すこと自体に治癒効果(カタルシス効果)があることが科学的に証明されています。

効果的な話し方のコツ

  • 「アドバイスは不要、ただ聞いてほしい」と最初に伝える
  • 感情をそのまま表現する(「悔しい」「つらい」「不安」など)
  • 具体的な出来事よりも、その時の感情に焦点を当てて話す
  • 週に1回、30分程度の時間を確保する

家族や友人が忙しい場合は、厚生労働省のSNS相談窓口のLINE相談も活用できます。

趣味に没頭する時間を確保する

「忙しくて趣味どころじゃない」という声をよく聞きますが、趣味の時間は心の栄養補給です。週に1時間でも自分の好きなことに没頭することで、仕事のパフォーマンスも向上します。

看護師におすすめの趣味活動

  • 読書:15分の休憩時間でも可能、知識欲も満たせる
  • 映画鑑賞:夜勤明けのリラックスタイムに最適
  • 音楽:通勤時間も有効活用できる
  • 手芸・クラフト:集中力が必要で、雑念を忘れられる
  • ガーデニング:生命を育てる喜びで看護の原点を再確認

趣味がない場合は、散歩やヨガなどの軽い運動から始めてみてください。厚生労働省のメンタルヘルスサイトでは、1日20分の運動でストレス軽減効果があることが示されています。

しっかりと睡眠時間を確保する

不規則な勤務で睡眠パターンが崩れがちな看護師にとって、質の良い睡眠は最も重要なストレス解消法です。夜勤明けでも効果的な睡眠を取るための具体的な方法をお教えします。

夜勤明けの効果的な睡眠方法

  • 帰宅後2時間以内:軽食を取り、アイマスクと耳栓を使用
  • 室温設定:18~20度に設定し、遮光カーテンで暗くする
  • 睡眠時間:4~6時間を目安に、無理に8時間寝ようとしない
  • 起床後:短時間の散歩で体内時計をリセット

連続する夜勤の場合は、仮眠を取れなくても横になるだけで疲労回復効果があります。

健康的な食習慣を心がける

ストレスが溜まるとつい甘いものや刺激物に走りがちですが、栄養バランスの崩れがさらなるストレスを生む悪循環に陥ります。忙しい看護師でも実践できる食事のコツをご紹介します。

ストレス軽減に効果的な食材

  • トリプトファン豊富な食品:バナナ、乳製品、大豆製品(セロトニン生成を促進)
  • ビタミンC:キウイ、いちご(抗ストレスホルモンの生成)
  • カルシウム:牛乳、小魚(神経の興奮を抑制)
  • マグネシウム:ナッツ類、海藻(筋肉の緊張緩和)

実践的な食事プラン

  • 夜勤前:消化の良いおにぎりとヨーグルト
  • 夜勤中:ナッツとドライフルーツで血糖値を安定化
  • 夜勤明け:温かいスープと卵料理で胃腸に優しく栄養補給

スマホ・パソコンのデジタルデトックス

情報過多の現代において、意識的にデジタル機器から離れる時間を作ることが重要です。新宿ストレスクリニックの研究では、1日2時間以上のスマホ使用でうつ症状のリスクが高まることが示されています。

効果的なデジタルデトックス方法

  • 就寝1時間前:スマホを別の部屋に置く
  • 食事中:デジタル機器を使わない
  • 休日の朝:起床後1時間はスマホを見ない
  • 通勤時間の活用:音楽や読書に変更する

代替活動として、手帳への日記記入や、アナログ時計での時間確認を習慣化してみてください。

嫌なことをノートに書いて破る

感情を言語化し、物理的に破棄することで心理的な解放感を得る方法です。デジタル入力では得られない、手書きならではの効果があります。

ストレス解放ライティングの手順

  1. 用意するもの:安いノート、ボールペン
  2. 書き方:その日の嫌な出来事を5~10分間、思いつくまま書く
  3. 破り方:書いた紙をできるだけ小さく破る
  4. 処分:破った紙は即座にゴミ箱へ
  5. 頻度:週2~3回、ストレスが高い日に実施

「○○さんに理不尽に怒られた」「患者さんに八つ当たりされて悔しい」など、感情をそのまま書くことがポイントです。

温泉・旅行で非日常を体験する

環境を変えることで、仕事から完全に離れた時間を作りましょう。コロナ禍でも安全に楽しめる方法をご提案します。

手軽な非日常体験

  • 日帰り温泉:個室露天風呂付きの施設を利用
  • 近場のホテル宿泊:「ステイケーション」で贅沢な時間
  • グランピング:自然の中でのリフレッシュ
  • 旅館の個室食事:プライベート感を重視した宿泊

自宅でできる非日常体験

  • 高級入浴剤での長時間入浴
  • 旅行先グルメのお取り寄せ
  • オンライン旅行ツアーの参加
  • 部屋の模様替えや香りの演出

専門家のカウンセリングを受ける

「カウンセリング=重篤な精神疾患」というイメージがありますが、実際は予防的なメンタルヘルスケアとして多くの看護師が利用しています。

カウンセリングの選び方

  • 医療機関:精神科・心療内科での保険適用カウンセリング
  • EAP(従業員支援プログラム):勤務先が契約している無料相談
  • オンラインカウンセリング:時間の制約が少なく、プライバシー保護
  • 公的相談窓口厚生労働省「こころの耳」の無料相談

初回は相性確認のつもりで受け、違和感があれば遠慮なく他の専門家を探しましょう。

「まあいいや」思考で完璧主義から解放される

看護師に多い「○○すべき」思考を緩めることで、無用なストレスを軽減できます。これは認知行動療法の「オーウェル思考」と呼ばれる手法です。

実践例

  • 「朝のラウンド前に点滴調剤すべき」→「急ぎでなければ患者観察を優先してもいい」
  • 「完璧に勉強してから質問すべき」→「ある程度調べたら聞いてもいい」
  • 「夜勤の仮眠は絶対取るべき」→「眠れなくても体を休めればいい」

注意点

  • 患者安全に関わる業務では適用しない
  • 「手抜き」ではなく「効率化」として捉える
  • チーム医療に支障が出ない範囲で実践する

これらの方法を全て実践する必要はありません。あなたの生活スタイルや性格に合うものを2~3個選んで、まずは2週間継続してみてください。小さな変化の積み重ねが、大きなストレス軽減につながります。

4. 【比較】一人で抱えないで。プロに頼れる相談窓口と具体的な利用方法

看護師として患者さんをケアする立場にいると、「自分のことは自分で解決すべき」と考えがちです。しかし、専門的な支援を受けることは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、プロの力を借りることで早期回復し、質の高い看護を継続できる重要な選択肢なのです。

ここでは、看護師が利用できる3つの主要な相談窓口について、それぞれの特徴と具体的な利用方法を比較してご紹介します。

産業医・産業保健スタッフ

厚生労働省の産業保健総合支援センターによると、産業医や産業保健スタッフは職場のメンタルヘルス対策の中核を担う存在です。医療現場特有のストレス要因を理解しているため、看護師にとって最も身近で実践的な支援を受けられます。

職場環境を知り尽くしたプロの支援

産業医は医師免許を持つ医学の専門家として、あなたの職場環境や業務内容を熟知しています。「夜勤による生活リズムの乱れ」「患者さんとの関係で感じるストレス」「同僚との人間関係」など、看護師特有の悩みに対して具体的で実効性のある助言を提供できます。

また、必要に応じて業務量の調整や配置転換の提案、職場環境の改善要請など、組織的な解決策を講じることも可能です。保健師や看護師などの産業保健スタッフも、同じ医療従事者として共感的な理解を示しながら支援してくれます。

利用時の注意点

最大の懸念は職場内の人間関係への影響です。相談内容が直属の上司や同僚に知られるリスクがあり、特に小規模な医療機関では情報の機密性に限界があります。また、産業医の専門性によってはメンタルヘルスの深い知識が不足している場合もあります。

専門カウンセリング

精神科・心療内科での専門的なカウンセリングは、医学的根拠に基づいた最も確実な治療法です。保険適用の条件を満たせば経済的負担も軽減できます。

医学的診断に基づく確実な治療

精神科医や公認心理師による専門的なカウンセリングでは、うつ病や適応障害などの正確な診断のもと、認知行動療法や精神分析的療法など、科学的に効果が実証された治療法を受けることができます。

薬物療法と組み合わせることで、症状の根本的な改善が期待できます。また、診断書の発行により休職制度や傷病手当金の活用も可能になり、経済的不安を軽減しながら治療に専念できます。

費用と心理的ハードルの課題

保険適用外のカウンセリングは1回あたり5,000~15,000円と高額になる場合があります。また、精神科受診に対する偏見や、「精神的に弱い」というレッテルを恐れる心理的抵抗感も大きな障壁となります。

初診までの待機期間が長い医療機関も多く、緊急性の高いケースでは適切なタイミングでの支援が受けられない可能性があります。

公的な相談窓口(こころの耳など)

厚生労働省「こころの耳」をはじめとする公的相談窓口は、匿名性を保ちながら無料で専門的な助言を受けられる貴重なリソースです。

完全匿名での安心相談

最大のメリットは完全な匿名性です。職場や家族に知られることなく、専門的な知識を持つカウンセラーに相談できます。24時間対応の窓口もあり、夜勤明けや休日など、あなたの都合に合わせて利用可能です。

電話、メール、SNS(LINE)など多様な相談方法が用意されており、話すことが苦手な方でも文字での相談ができます。また、継続的な支援が必要な場合は適切な医療機関や専門機関への紹介も行ってくれます。

限界と適切な活用法

一回の相談時間に限りがあり、深い治療的介入は期待できません。また、相談員が毎回変わる可能性があり、継続的な関係性の構築が困難です。緊急性の高い自殺念慮などがある場合は、即座に医療機関受診を促される場合があります。

相談窓口比較表

相談先特徴(メリット)注意点(デメリット)費用利用方法
産業医・産業保健スタッフ・職場環境を熟知した具体的助言
・業務調整や配置転換の提案可能
・医療従事者としての共感的理解
・迅速な対応と継続支援
・職場内での情報漏洩リスク
・人間関係への影響の可能性
・専門性のばらつき
・小規模施設では機密性に限界
無料勤務先の人事部や健康管理室に相談予約
定期健康診断時の面談申し出
ストレスチェック後の面接指導依頼
専門カウンセリング・医学的診断に基づく確実な治療
・認知行動療法など科学的手法
・薬物療法との併用可能
・診断書発行で休職制度活用
・保険適用外の場合は高額
・精神科受診への心理的抵抗
・初診までの待機期間が長い
・通院継続の負担
保険適用:1,500~3,000円/回
保険適用外:5,000~15,000円/回
精神科・心療内科への電話予約
かかりつけ医からの紹介状取得
EAP(従業員支援プログラム)の活用
公的な相談窓口・完全匿名での安心相談
・24時間対応で利用しやすい
・多様な相談方法(電話・メール・SNS)
・適切な専門機関への紹介
・一回の相談時間に制限
・継続的な治療的介入は困難
・相談員が毎回変わる可能性
・緊急時の即座対応に限界
無料こころの耳
・電話:0570-064-556
・SNS相談(LINE)
・メール相談
日本看護協会の相談窓口

状況別おすすめ利用パターン

軽度のストレス・予防段階 まずは公的相談窓口で状況を整理し、必要に応じて産業医面談を申し込む

中等度の症状・職場環境が原因 産業医との面談を最優先とし、改善が見られない場合は専門医療機関へ

重度の症状・治療が必要 精神科・心療内科での専門治療を受けながら、職場調整のため産業医とも連携

緊急性が高い場合 こころの耳(0570-064-556)に即座に電話し、同時に最寄りの精神科救急医療機関を受診

これらの窓口は併用することも可能です。一人で抱え込まず、あなたの状況に最も適した支援を積極的に活用してください。

5. やって後悔…ストレスを感じても止めておきたい4つの行動

ストレス解消にはご自身に合った対処法を行うのが一番です。

しかし、ストレス解消のつもりでやった行動で「こんなつもりじゃなかったのに…」と後悔した経験のある方もいますよね。

ここでは、ストレスを感じても止めておきたい4つの行動を解説いたします。

順番にご説明していきます。

5-1. 暴飲暴食

ストレスが溜まるとやりがちな暴飲暴食ですが、言うまでもなく止めたほうが良いです。

食べすぎ・飲みすぎが続くと、胃腸に負担がかかり体調不良に繋がってしまいますし、体重増加や肌荒れなどの外見の変化を招きかねません。

また、暴飲暴食が睡眠の質の低下や自律神経の乱れを引き起こし、仕事に支障が出ることだってあるのです。

過食が原因で15kgの体重増加

口コミ・評判

匿名(看護師3年目)

ストレスのせいか、帰りもただでさえ遅いのにコンビニによってお酒とおつまみを買ってきて飲んでしまったり、友達との飲みの時にもいっぱい飲んでいっぱい食べてしまいます。

それもあって、入職時と比べて15キロも太ってしまいました。

頑張った自分へのご褒美として、美味しい食事や甘いスイーツ、ビールや酎ハイなどを楽しむことは大切ですが、際限のない過食や深酒はおすすめできません。

食べすぎや飲みすぎを防ぐ仕組みを作り、ご自身の健康を守ることが大切です。

暴飲暴食を防ぐ方法の例)

  • 家にあるお酒やお菓子は、目につかない場所に隠す
  • 買いだめを避ける
  • 全身がうつる鏡を置く
  • 食事は、GI値の低い野菜→たんぱく質→炭水化物の順に食べる
  • 食べ終わったらすぐ歯を磨く
  • お酒は、休肝日を作る

また、必要な栄養素が足りていないことで暴飲暴食を繰り返してしまうケースもあります。

適切な栄養バランスの目安が知りたい方は、食品大手のmeijiが紹介する食の栄養バランスチェックを参考にしてみると良いでしょう。

お酒の適量が知りたい方には、アルコール販売の大手SUNTORYが紹介するお酒の正しい付き合い方をおすすめします。ぜひ、参考になさってください。

5-2. 散財

看護師がついしがちな散財も、ストレスが溜まっている時にはおすすめしません。

ストレスにより判断力が低下している時は、予算オーバーの買い物をしたり、欲しくないものまで買ってしまうこともあるからです。

たとえば、夜勤や残業帰りに買い物に行って着る予定のない服を購入したり、ネットショッピングをくり返し翌月の請求額に驚いたりした経験がある方もいますよね。

頑張って働いたお金は、心から欲しいと思える物や体験に使うべきです。

余計な散財を防ぎ、必要な時にお金が使えるように、買い物の前はしっかり休息してから出かける、ネットショッピングは欲しいものを一度カートに入れたまま時間を置いてから再度検討するなどの対策をしましょう。

5-3. 人や物に当たる

ストレスが原因で人や物に当たってしまう方は、代わりとなるストレス解消法を見つけましょう。

当然のことですが、人や物に当たってばかりいると、いつか大切な人や物を失うことになってしまいます。

これは筆者の体験談ですが、看護師1年目の時に仕事量の多さや人間関係にストレスを感じて、ささいなことで友人を怒らせてしまったことがあります。

筆者の余計な一言が原因の喧嘩だったので、すぐに謝罪し仲直りできましたが、友人への申し訳なさからしばらく自己嫌悪に陥ってしまった経験があります。

このように、ストレスを人や物にぶつけてしまうのは健全なストレス解消法とはいえません。

既にご紹介したストレスコーピングを参考に、ご自身に合ったストレス解消法を試していきましょう。

5-4. 過度のストレスを放置する

ストレスを我慢したり、放置したりするのは今すぐ止めましょう。

心身へのダメージが大きく、仕事が続けられなくなるだけでなく、日常生活を送ることさえ難しくなってしまいます。

ストレスを我慢した結果、夢だった看護師の道を諦めることに

口コミ・評判

匿名(34歳)

小さい頃入院したことをきっかけに看護師に憧れ、国家試験に合格した時はとても嬉しかったです。

でも実際の現場は壮絶で、覚えることがたくさん…。僕が男だったせいか、先輩にイジられることも多く、そうしたコミュニケーションにストレスが溜まっていきました。

だんだん食事がとれなくなり、夜も眠れず、結局2年目の途中で離職し1年近く仕事ができない状態が続きました。看護師に復職するのが怖く、今は一般職で働いています。

忙しい看護師ほど、ご自身のストレスを軽く考えがちです。しかし、その結果仕事を辞めるまで追い込まれる方がいるのも事実なのです。

忙しくご自身のことを後回しにするお気持ちはわかりますが、日頃から意識してご自身を労うことを忘れないようにしましょう。

6. 転職だけじゃない。「休職」で心と体を守る選択肢と手続き

働き方に限界を感じたとき、多くの人は「転職か、続けるか」の二択で考えがちです。しかし実際には、心身の健康を守りながら現在の職場で働き続けるための「第三の選択肢」が存在します。それが休職制度の活用です。

休職制度とは?退職との違いとメリット・デメリット

休職制度は、病気やケガなどの理由で一時的に働けなくなった従業員が、雇用関係を維持したまま業務を休むことができる制度です。

厚生労働省の職場復帰支援の手引きによると、メンタルヘルス不調による休職者への適切な支援が重要視されています。

退職との決定的な違い

休職は「雇用契約の一時停止」であり、退職は「雇用契約の完全な終了」です。休職中は社会保険の被保険者資格を維持できるため、健康保険や厚生年金の恩恵を受け続けることができます。

休職制度のメリット

  • 雇用関係を維持したまま療養に専念できる
  • 傷病手当金により生活費の約3分の2をカバー可能
  • 職場復帰時の心理的負担が転職より軽い
  • 有給休暇や退職金の勤続年数が継続される
  • 健康保険・厚生年金の被保険者資格が継続

デメリットと注意点

  • 休職期間中は基本給の支給がない(傷病手当金で補填)
  • 会社の休職制度によっては期間に上限がある
  • 職場復帰時に元のポジションが保証されない場合がある
  • 休職理由によっては人事評価に影響する可能性

【図解】傷病手当金の申請から受給までのフロー

休職中の生活を支える最重要制度が傷病手当金です。全国健康保険協会(協会けんぽ)が定める手続きに沿って、以下のフローで申請を進めます。

支給の4つの条件

  1. 業務外の病気・ケガ:通勤災害や労災は対象外
  2. 就労不能状態:医師が就労困難と診断した状態
  3. 連続3日の待期後:有給・公休日も含む連続3日間の後、4日目から支給
  4. 無給状態:会社からの給与支給がないこと

申請手続きの実際のステップ

  1. 初期対応(休職開始)

  2. 待期期間の確認

    • 就労不能となった日から連続3日間が待期期間
    • 土日祝日、有給休暇も待期にカウント
  3. 申請書類の準備

    • 被保険者記入欄:本人が症状や休業期間を記載
    • 事業主証明欄:会社が賃金支払状況や勤務実態を証明
    • 療養担当者意見書:主治医が病状と就労可否を記載
  4. 提出と審査

    • 協会けんぽまたは健康保険組合に郵送または持参
    • 審査期間は通常2〜4週間程度
  5. 支給決定と振込

    • 支給額:標準報酬日額の3分の2
    • 指定口座への振込(月単位での支給が一般般的)

支給期間と金額

  • 期間:支給開始日から通算1年6ヶ月
  • 金額:過去12ヶ月の標準報酬月額平均÷30日×2/3

スムーズな職場復帰のコツ

職場復帰は慎重かつ段階的に進めることが成功の鍵です。厚生労働省の職場復帰支援マニュアルでは、5段階のステップが推奨されています。

復職準備の3つの段階

第1段階:生活リズムの安定化

  • 規則正しい睡眠・食事パターンの確立
  • 通勤時間帯の起床・外出練習
  • 集中力を要する作業(読書、軽い事務作業など)の段階的増加

第2段階:主治医との復職相談

  • 症状の安定化確認
  • 就労可能レベルの医学的判断
  • 職場での配慮事項の相談
  • 復職診断書の発行依頼

第3段階:会社との復職調整

  • 産業医面談の実施
  • 復職条件(勤務時間、業務内容など)の協議
  • 段階的復職プラン(試し出勤制度など)の検討
  • 職場環境の調整確認

復職成功のための実践的アドバイス

主治医との連携強化

  • 復職希望時期の2〜3ヶ月前から相談開始
  • 職場の業務内容や労働環境の詳細を医師に説明
  • 服薬継続の必要性や副作用への対処法を確認

会社との建設的な対話

  • 復職への意欲と準備状況を具体的に伝える
  • 無理のない復職プランを提案(時短勤務、業務軽減など)
  • 再発防止のための職場環境改善要望を適切に伝達

段階的復職の活用

  • 試し出勤制度:週2〜3日、4〜6時間からスタート
  • 業務内容の段階的拡大:定型業務→判断業務→責任業務
  • ストレス要因の段階的露出:会議参加→顧客対応→プレゼンテーション

休職は決して「逃げ」ではなく、長期的なキャリア継続のための戦略的選択です。適切な制度活用により、健康を回復させながら職業生活を継続することで、転職市場での競争に巻き込まれることなく、現在の職場で新たなスタートを切ることができます。

7.根本的な解決を求めるなら転職も考える

どんなに効果的なストレス対処法を試しても、原因の根本的な解決ができないとストレスが消えることは無いですよね。

しかし、現職で感じているストレスを根本的に解決するためには、多くの時間とエネルギーが必要です。

職場の環境を改善するために問題解決に取り組むのは大切ですが、ストレスを抱えた状態で取り組んでも疲弊してしまい、さらなるストレスを抱えてしまっては元も子もありません。

根本的な解決を求めるのであれば、転職して新しい環境に身を置くことも一つの手です。

現職のストレス解決のために転職する場合、慌てて次の職場を決めるのではなく、しっかりと余裕を持って行動することが大切です。

そこでこの章では、ストレスを抱えた看護師が転職する時に押さえておきたいポイントを紹介します。

  • 6-1. 転職する前にストレスの原因を明確にする
  • 6-2. 情報収集をしっかり行う

6-1. 転職する前にストレスの原因を明確にする

まずは、ストレスの原因をはっきり言葉にすることから始めましょう。

「今の職場のどこに不満を感じているか」を明確にすることで、転職先を選ぶ基準ができ失敗を避けられます。

例)人間関係が悪く、退職する人も多いので夜勤や残業が多い。数年以内に結婚したいと考えているが、この環境だと結婚後も続けるのは無理だと感じるので、早いうちに転職しておきたい
→ストレスの原因:人間関係、夜勤や残業などの労働環境
→転職先を選ぶ基準:人間関係と労働環境が整っている職場、結婚しても続けやすい職場

このように、職場の不満を言葉にすることでストレスの原因が明らかになり、同じような職場に転職してしまうリスクを減らすことができます。

関連記事:転職で後悔する看護師に共通する特徴|失敗しない転職活動のコツ

6-2. 情報収集をしっかり行う

ストレスの原因を洗い出したら、転職先を選ぶ基準をもとに情報収集をしましょう。

ストレスが原因で転職をする場合、情報不足の状態で転職をすると、新しい職場でも同じストレスに悩まされるかもしれません。

情報収集には「ナスコミ」「ナース専科」「medico」などの口コミサイトをチェックしたり、後述する転職サイトの担当者に職場の人間関係について尋ねたりと、多くの方法を活用しましょう。

とにかく早く転職して、今のストレスから逃れたいという気持ちは理解しますが、ここは一度落ち着いて、転職先候補の情報収集をしっかりと行うことが大切です。

ストレスのない職場はある!看護師におすすめの病院以外の職場

ストレスの多い看護師には、基本的に夜勤がなく、病棟のような慌ただしい看護業務がない職場をおすすめします。

ストレスの多い看護師におすすめの職場の例)

  • 一般のクリニック
  • 健診センター(労働衛生機関)
  • 保育園
  • 児童養護施設
  • 大学の保健室
  • 治験医療機関
  • 企業(産業看護師)

気になる職場があれば、ぜひチェックしてみるとよいでしょう。

関連記事:病院以外に転職したい看護師におすすめの職場15選【夜勤なし&高収入も可】

転職を検討中の方は転職サイトへの登録がおすすめ

 

 

転職を視野に入れて検討している方は、転職サイトに登録し、キャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。

 

キャリアアドバイザーは看護師転職支援のプロで、あなたの希望条件をヒアリングしたうえで最適な職場・求人を紹介してくれます。

 

人気が高い良質な求人ほど、非公開求人として転職サイト利用者だけに限定公開されているので、登録しておくだけで選択肢をグッと増やせますよ。

 

大手サイトだと『看護roo!』や『レバウェル看護(旧 看護のお仕事)』などが有名です。評判の良いサイトを詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。

 

8. さいごに

看護師がストレスを感じやすい原因と効果的な対処法をご紹介しました。

適度なストレスは成長のきっかけになることもあるので、ご自身に合った方法でストレスとうまく付き合う方法を探すことが大切です。

また、ストレスを感じる機会が多い看護師だからこそ、真っ向からストレスに立ち向かうのではなく、受け流すことも覚えておくと良いでしょう。

ストレスは自覚しにくいものなので、客観的に捉えるために厚生労働省のストレスチェックを活用することもおすすめです。(参考:厚生労働省|こころの耳

あなたがストレスとうまく付き合い、楽しく仕事ができるよう願っております。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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