「仕事でミスばかりしてしまう」と悩んでいませんか。
仕事でミスを連発してしまう人には、実はある程度パターンがあります。どんな人がミスをしやすいのか、特徴を把握して適切な進め方をすれば、仕事でミスをする確率はグッと減らせます。
そこでこの記事では、元人事部で多くの労働者の働き方を改善させてきた筆者が、「仕事でミスばかりしてしまう場合の対処法」を解説していきます。ミスばかりする人の特徴や、気持ちの切り替え方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読むとわかること
- 仕事でミスばかりする人の特徴
- ミスを減らす対処法
- ミスをしたときの気持ちの切り替え方
この記事を読めば、ミスの減らし方や気持ちの切り替え方が分かり、仕事の質がさらに高まるでしょう。
働くことに悩み「自分の価値ってなんなんだろう」「もう、自分でも自分のことがわからなくなってしまった」とすら思ってしまっている人もいるのではないでしょうか。
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1. 仕事でミスばかりしてしまう人の特徴6選
筆者は人材育成の現場でミスばかりしてしまう人を数多く見てきましたが、主に以下のような特徴がありました。
まずは自分が該当していないかチェックしてみてください。
1-1. 自分の判断で仕事を進めてしまう
自分の判断で仕事を進めてしまうタイプの人は、ミスを起こしやすいです。
「確認はしていないけれど、おそらくこれで問題ないだろう」「この前はこうだったから、今回もこれでいいだろう」
このような感じで仕事を進めてしまってはいないでしょうか。
もちろん、能動的に自分で考えて動くことは大切です。しかし、自分の憶測だけで仕事を進めると、上司の考えとズレてしまったり、大きなミスにつながったりしやすいです。
自分の仕事の責任範囲や権限をしっかりと理解し、「上司や担当者に確認した方が良いかも」と少しでも感じた部分については必ず確認するようにしましょう。
1-2. ネガティブ思考
ネガティブ思考の人もミスをしやすいです。
「また同じミスをしてしまったらどうしよう」「次も失敗したら上司に怒られるかも」と、昔のミスを引きずりやすい傾向にあります。
失敗することを過度に恐れ、萎縮してしまうと、本来の集中力を発揮できません。その結果、かえってミスが増えてしまい、さらに失敗を恐れるようになります。
1-3. 睡眠不足
睡眠不足の人もミスを起こしやすい傾向があります。
翌日も仕事なのに夜遅くまで起きている人も多いのではないでしょうか。実は睡眠不足の状態では、注意力や判断力に関わる脳の前頭葉がダメージを受け、思考力が極端に下がると言われています。
適切な睡眠時間は個人差がありますが、目安はおおよそ6.5~7時間です。一説によると、6時間未満の睡眠を2週間程度続けた状態は、お酒に酔っぱらったのと同じくらい判断力が低下するという主張もあります。(参考:6時間睡眠の人は、「酔っ払い状態」で仕事しているのと同じだった!?)
寝不足の状態で脳機能が低下し、注意力や判断力が鈍った結果、普通では起こりえないようなケアレスミスが多くなってしまうのです。
1-4. 人に頼るのが苦手
人に頼るのが苦手な方も、ミスをしやすい傾向にあります。
何もかも自分一人で片付けようとすると、キャパオーバー状態になり、ミスが生じやすくなります。
仕事に行き詰った際に、上司や同僚に相談すると、解決策をもらえることは多いですが、人に頼るのが苦手な方は、なかなか周りに相談することができません。そのため、有効な解決策を得られずに、ミスを引き起こしてしまうケースが多いです。
1-5. 目の前のことだけに集中してしまう
目の前のことだけに集中してしまう人も、ミスをしやすいと言えるでしょう。
もちろん、今取り組んでいる仕事に没頭するのは良いことでもあります。しかし、目の前のことだけに集中し過ぎると、視野が狭くなり、周りの情報が頭に入ってこない場合があります。
例えば、業務内容の変更点を伝えられても、「今の作業とは関係ないから後でまた確認すればいいや」と聞き逃してしまうようなケースです。このようなことを繰り返していると、当然ミスが起こりやすくなるでしょう。
常に「この仕事の目的は何か」という一歩先のことを考えておくことが重要です。
1-6. 責任転嫁する傾向がある
責任転嫁する傾向がある人も要注意です。
「このミスは自分の責任ではない」と考えると、確かにその瞬間は楽な気持ちになるでしょう。
しかし、自分がミスをしたことを受け入れない限り、根本的な解決は望めません。失敗から学べないので、また同じミスを繰り返す可能性が高いです。
ここまでのまとめ
仕事でミスをしやすい人の特徴を解説しました。
- 自分の判断で仕事を進めてしまう
- ネガティブ思考
- 睡眠不足
- 人に頼るのが苦手
- 目の前のことだけに集中してしまう
- 責任転嫁する傾向がある
これらに該当していないか、まずは普段の仕事の進め方・状態を見直してみてください。ミスの原因を知るだけで、意識すべきことが分かってきます。
では次章からは、ミスを減らすには具体的にどうやって仕事を進めれば良いのか、対処法を紹介していきます。
2. ミスを減らすための8つの対処法
この章では、ミスを減らすための8つの対処法を紹介します。即効性のあるものや簡単なものから順に紹介しているので、「これならできそう」と思えるものを、まず一つピックアップし、明日からの仕事に取り入れてみてください。
- 2-1. メモを取る習慣をつける
- 2-2. マルチタスクはNG
- 2-3. 作業の手順化を行う
- 2-4. チェックリストで確認する
- 2-5. スケジュール管理と振り返りを徹底する
- 2-6. デスクやPC周りの整理整頓を行う
- 2-7. ダブルチェックをする
- 2-8. 長時間集中しようとするのではなく、短い集中を繰り返す
ぜひ参考にしてみてください。
2-1. メモを取る習慣をつける
まずは、メモを取る習慣をつけることをおすすめします。
何か仕事を頼まれた時に、すかさずメモを取っておけば、忘れる心配がありません。
メモを取る際に重要なのは、「どんな些細なことでも文字に残す」姿勢です。
例えば、「明日の9時までにコピーとっておいて」程度の指示であれば、さすがに忘れるはずがないとメモを取らない人も多いです。しかし、結局コピーをとるのを忘れてしまう人は少なくありません。
「9時までにコピー」というたった一言のメモを残しておくだけで、このような事態を防げます。
また、注意されたことや一度ミスした内容をメモしておき、時折見返すことで、ミスの再発防止にもつながります。
2-2. マルチタスクはNG
マルチタスクを行うことは避けましょう。
人間の脳は、そもそもマルチタスクが得意ではありません。複数の作業を同時進行すると脳がダメージを受け、脳機能が低下していき、ミスも起こりやすくなるのです。
例えば、プレゼンの資料作成を行っている最中に、メールのチェックや返信も行うのは良くありません。
このように気の散っている状態は、仕事の進捗を滞らせ、生産性は40%も低下すると言われています。
資料作成が完全に終わった後でメールをまとめて返すなど、作業を完全に分けた方が効率的で、ミスも少なくなります。
2-3. 作業の手順化を行う
作業の手順化を行うこともおすすめです。
作業手順書やマニュアルのようなものを作り、仕事の手順や段取りを分かりやすくまとめてみてください。いつも同じように作業できるようになるので、業務の効率化やミスの軽減に大きく役立ちます。
普段行っている業務を細分化し、順序立てて整理することが大切です。また、間違いやすい箇所に赤線を引くなど、ミスを減らす工夫をしてみるのも良いでしょう。
2-4. チェックリストで確認する
チェックリストを作るのも効果的です。
業務内容や確認事項などを項目ごとに並べ、実際に業務が完了したり、確認が済んだりしたものからレ点を入れていきます。
チェックリストを活用しながら仕事をした場合、「自分がどの作業まで行ったのか」「まだ行っていない作業は何か」「確認していないポイントはどこか」などが一目で分かるようになるでしょう。
そのため、作業ミスや業務の抜け漏れを防ぐことができます。
2-5. スケジュール管理と振り返りを徹底する
スケジュール管理を徹底することも重要です。
スケジュール管理を怠っていると、納期に遅れたりダブルブッキングしたりと、様々な失敗が起こりやすいです。また、仕事の順番や時間配分が複雑になり、生産性も低下してしまうでしょう。
このような事態を防ぐためには、「何の仕事をいつやるのか」を明確にしておく必要があります。
さらに、一日の終わりや一週間の終わりなどに、スケジュールの達成度を振り返ることも大切です。反省点や改善点を探すことで、次回への教訓を得られます。
2-6. デスクやPC周りの整理整頓を行う
デスクやPC周りの整理整頓を行うことも欠かせません。
作業場所が散らかっていると、視界に入ったものが気になってしまい、集中力が落ちます。その結果、ミスが起こりやすくなります。
プリンストン大学神経科学研究所が2011年に行った研究によると、人間の脳は秩序を好むことが明らかになっています。無秩序な状態が視界に入り続けた場合、認知資源(脳の活動資源)が消耗し、集中力が下がってしまうそうです。
そのため、デスクやPC周りは常にキレイな状態にしておくことをおすすめします。
2-7. ダブルチェックをする
ダブルチェックを行うことも重要です。
ダブルチェックとは、自分が行った作業を、自分以外の第三者がチェックすること。これにより、ミスの発生確率を下げることが可能です。
例
- Aさん:ミス率1%
- Bさん:ミス率1%
→ダブルチェックすれば、ミスが発生する確率は1%×1%で0.01%(1万回に1回しかミスしない)
これはあくまでも理論上の一例ですが、ミスの許されない医療業界などでは徹底的にダブルチェックが行われています。
これはどのような仕事においても強力な効果を発揮するので、ぜひダブルチェックの導入を検討してみてください。
2-8. 長時間集中しようとするのではなく、短い集中を繰り返す
集中力がなくて何度もミスをしてしまう方は、「短い集中を繰り返す」ことをおすすめします。
脳の性質上、そもそも人間の集中力は長時間持続しません。90分程度が限界と言われています。
集中力を維持しながら、ミスすることなく高いパフォーマンスを発揮するためには、長時間集中ではなく、短時間集中の繰り返しが効果的です。
例えば、ポモドーロテクニックという短時間集中法があります。これは、「25分の作業+5分の休憩」を繰り返していくテクニックのことです。
具体的な手順は以下の通りです。
- 1. タイマーを25分にセットする
- 2. タイマーが鳴るまで作業に集中する
- 3. タイマーが鳴ったら5分間休憩する
- 4. 手順1~3を4セット繰り返したら、30分間休憩する
緩急をつけて仕事を行うことで、集中力の持続時間が長くなり、ミスの軽減につながるでしょう。
関連記事(集中力のメカニズムについて詳しく解説)
≫仕事に集中できない時はどうすればいい?対処法を原因別に分類しながら徹底解説
3. 気持ちの切り替え方|ミスを繰り返し落ち込んでいる方へ
ミスを繰り返してしまい、辛い思いをしたり落ち込んだりしている方も多いと思います。この章では、そのような場合の気持ちの切り替え方を紹介していきます。
- 3-1. 友人や家族に相談し、辛い気持ちを吐き出す
- 3-2. 運動をして軽く汗を流す
- 3-3. 「3・2・15の丹田呼吸法」を行う
- 3-4. 音楽を聴いたり歌を歌ったりする
- 3-5. 6時間半~7時間半の睡眠をとる
3-1. 友人や家族に相談し、辛い気持ちを吐き出す
まずおすすめしたいのは、友人や家族に相談することです。
辛い気持ちを吐き出したり、愚痴ったりすることで、気持ちが楽になることもあるでしょう。
また、第三者の視点で、客観的なアドバイスをもらえる可能性もあります。辛い気持ちや悲しい気持ちを一人で抱え込まないようにしてください。
3-2. 運動をして軽く汗を流す
いったん運動をして汗を流し、気分を切り替えるのも有効です。
運動をすると、セロトニンという脳内で働く神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは、精神を落ち着かせる役割や、不安・怒り・恐怖感を抑える効果があると言われています。
なお、激しい運動をする必要はなく、息が上がらない程度の軽い運動で問題ありません。例えば、以下のようなイメージです。
- 積極的に階段を使ってみる
- あえて一回り遠い道を歩きながら帰宅する
- 10回だけスクワットする
血流改善による疲労回復効果も期待できるので、ぜひ習慣的に運動してみてください。
3-3. 「3・2・15の丹田呼吸法」を行う
呼吸を改善することで、不安を軽減したり心を整えたりすることも可能です。
精神的に落ち込んでいたりストレスを受け続けていたりすると、脳は酸素をたくさん消費するので、酸素不足状態になります。また、全身の筋肉が緊張ぎみになり、必要な酸素が脳に供給されにくくなってしまうでしょう。その結果、息苦しさや体調不良につながり、さらにネガティブ思考が加速します。
そこで大切なのが「呼吸」です。ゆっくり深呼吸することで脳に酸素が行きわたり、ポジティブな状態に切り替わっていきます。
特におすすめしたいのは、明治大学の教授である斎藤孝氏が提唱した「3・2・15の丹田呼吸法」というもの。具体的な手順は以下の通りです。
- ①. 3秒かけて鼻から息を吸う
- ②. 2秒間息を止める
- ③. 15秒かけて口から少しずつ息を吐いていく
これを数回繰り返すだけで、呼吸を深めることができます。皆さんも、ぜひ「3・2・15の丹田呼吸法」を試してみて、脳に十分な酸素を送ってください。
3-4. 音楽を聴いたり歌を歌ったりする
気持ちを切り替える上で、音楽も非常に効果的です。
耳から入った音は脳へ伝わり、身体中に影響を及ぼします。自律神経に作用することで心拍や血圧が変わり、興奮を鎮めたりリラックスを促したりする効果が認められています。
スマホで「落ち込んだ時に聴く曲」などと検索してみれば、様々な音楽が出てくると思うので、ぜひ聴いてみてください。
また、歌を聴くだけでなく、実際に歌うことも効果的です。歌を歌うことで、コルチゾールというストレスホルモンが減少するという研究結果もあります。結果、気分が向上し、緊張・抑うつなどのネガティブ勘定も減退します。(参考:カラオケで気分スッキリには、科学的根拠があった)
なかなか楽しいことをする気持ちにならないかもしれませんが、思い切ってストレス発散のためにカラオケに行くのも一つの手だと言えるでしょう。
3-5. 6時間半~7時間半の睡眠をとる
前述の通り、睡眠不足はミスに直結します。
睡眠時間が少ないと、脳の代謝機能が低下し、先ほど触れたコルチゾールというストレスホルモンの分泌が増えてしまいます。そのため、不安感や抑うつ感などが発生しやすくなると言われています。
一方で、しっかりと睡眠時間を確保できれば、ストレスや不安感を軽減することが期待できます。
睡眠研究の第一人者である、カリフォルニア大学サンディエゴ校のDaniel Kripke教授によると、理想的な睡眠時間は6時間半から7時間半だそうです。
もちろん最適な睡眠時間は人によって異なりますが、一つの目安として、6時間半~7時間半の睡眠時間を確保してみると良いでしょう。
4. 何年も仕事しているのにミスばかりの人は、仕事が合っていない可能性も
「3年も同じ仕事をしているのにミスばかり」「もう5年目なのにミスが多い。もしかして向いていないのだろうか?」このように感じている方も多いでしょう。
1年目の新入社員であれば、分からないことばかりで、ミスが多くなるのも当然と言えます。
2~3年目になれば、初歩的なミスは少なくなるものの、初めて行う仕事やイレギュラーなトラブルでミスが生じることもあるでしょう。
ただし、5年目以降で初歩的なミスを繰り返してしまう場合は、環境もしくは職種が自分に合っていない可能性があります。
このような方は、転職をして環境・職種を変えてみると改善するケースも多いです。
例えば、以下のような適性診断・適職診断を受けてみると、自分にどのような仕事が向いているのかが分かります。無料で利用できるので、ぜひ一度試してみてください。
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補足:ADHDの可能性もゼロではない
いくつか対処法を試してみてもミスが減らない場合は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の可能性もあります。
ADHDは大人の発達障害のひとつであり、以下のような症状が出やすいです。
- 注意力が散漫になり、仕事でミスを多発する
- 集中力が続かない
- 物をなくしやすい
- 常に落ち着かず、無意識的に体を動かしてしまう
- 思ったことをすぐに口に出してしまい、良い人間関係を構築できない
- スケジュール管理が苦手
ADHDの方は、枠にとらわれない発想をすることが得意なので、Webデザイナーやイラストレーターのようなクリエイティブ職種、画家やミュージシャンなどの芸術系職種を選ぶのがおすすめです。
また、じっとしていることが苦手なので、事務職などよりは、営業職や販売職の方が向いていると言えるでしょう。
まとめ
元人事部で多くの労働者の働き方を改善させてきた筆者が、「仕事でミスばかりしてしまう場合の対処法」を解説しました。
今回紹介した対処法は以下の8つです。
- 1. メモを取る習慣をつける
- 2. マルチタスクはNG
- 3. 作業の手順化を行う
- 4. チェックリストで確認する
- 5. スケジュール管理と振り返りを徹底する
- 6. デスクやPC周りの整理整頓を行う
- 7. ダブルチェックをする
- 8. 長時間集中しようとするのではなく、短い集中を繰り返す
ぜひこの記事を参考にしながら、いくつかの対処法を試し、仕事の質をさらに高めてください。