「介護資格にはどんな種類があるのだろう」
「私にも取れる資格はあるかな?」
とお考えですね。
介護資格には介護福祉士、ケアマネジャーを筆頭に、数えきれないほどの種類の資格が存在します。
この記事では、元介護士として多数の資格を取得し、現在は転職コンサルタントの私が、介護の資格の種類について解説します。
この記事を読めば、どのような介護資格があるのかが分かり、ご自身のキャリアアップに役立つでしょう。
1.介護の主な資格の種類5選【介護職として働くなら取ることをおすすめ】
介護職には数多くの資格があり、取得することで介護士としてのキャリアアップに役立てられます。
出典:介護ワーカー
早速見ていきましょう。
1-1.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の仕事をするうえでの入門資格と言えるものです。食事、着替え、入浴など、高齢者や障がい者への専門的なサポートをするための基本的な知識と技術を身に付けることができます。
取得にかかる時間 | 費用 |
130時間 | 約5~10万円(スクールによって異なる) |
スクールで全講座を修了したのちに、修了試験に合格すると修了証明書が交付され、晴れて資格取得となります。
受験するために必要な資格や経験はないため、介護職未経験のかたでもチャレンジできる資格です。
1-2.介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、前述の初任者研修から一段階上がった資格となります。初任者研修と同様に無資格未経験でも受講することが出来ますが、他に介護資格を保有していると、スクールでの受講科目が省略されます。
取得にかかる時間 | 費用 |
最大450時間 | 約10~20万円(初任者研修修了者の場合) |
また、初任者研修よりも講義や演習の内容が幅広く、専門的かつ実践的な知識や技術を身に付けるため、初任者研修を未取得のかたは、そちらを先に取得することがおすすめです。
講義のほとんどは通信で学ぶことが可能ですが、一部の講義は通学が必須であるため、働きながら取得したいかたはスクール選びとスケジューリングをしっかりとおこなうことが大切です。
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実務者研修を働きながら取得するには?スクールの選び方や費用を抑える方法まで全解説
1-3.介護福祉士
介護福祉士は、介護職として現場での実務経験を積み、実務者研修を修了した人が「介護福祉士国家試験」に合格することで取得できる国家資格です。
介護福祉士は、介護現場でのリーダー的存在として、介護サービスの提供に加え、介護サービスの利用者や家族からの相談対応、職員である介護スタッフのマネジメントなど、管理者業務にも携わります。
「実務者研修の取得+介護の実務経験3年以上」「介護福祉士養成施設の卒業」など、介護福祉士になるためにはいくつかのルートがある点が特徴です。
介護福祉士を取得すると、介護のプロとして認められ、資格取得後に5年以上の実務経験を積むことで、ケアマネジャーの受験資格も得ることができます。
実務者研修取得にかかる時間 | 費用 |
最大450時間 | 約10~20万円(国家試験受験料10,650円が別途要) |
※実務経験ルートで実務者研修を取得する場合
取得にかかる時間と費用は受験ルートごとに異なります。福祉系大学や養成校の卒業生でない場合、実務経験ルートで取得を目指すのが良いでしょう。
1-4.認定介護福祉士
認定介護福祉士は、一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構が、2015年から認定・認証を開始した民間資格です。
介護福祉士の上位資格に位置付けられ、介護福祉士よりもさらに多様な利用者さんや環境に対応するための知識やスキルの習得、介護職員のサービスの質を向上させるための指導スキルと実践力を磨きます。
また、認定介護福祉士は、看護師や理学療法士などの他職種との連携やコミュニケーションを図るための中核的役割が求められる点が特徴です。
受験資格 | |
| |
取得にかかる時間(養成研修) | 費用 |
600時間 | 約60万円(初任者研修修了者の場合) |
受験費用に関しては、補助金制度がある地域や、施設によっては資格取得をサポートしてくれる場合もあるため、まず確認してみると良いでしょう。
1-5.ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、2000年に導入された介護保険制度の施行とともに誕生しました。
ケアマネジャーは介護福祉系資格の中では難関資格の一つであり、ケアマネジャーの質の向上を目的とし、年々試験が難しくなっているようです。
「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格後、「介護支援専門員実務研修」を受講し、修了後3ヶ月以内に登録申請が必要となります。
受験資格 | |
以下のいずれかを満たすことが必要
| |
実務研修にかかる時間 | 費用 ※都道府県により異なる |
87時間 | 受験費用:約8千円~1.5万円 実務研修費用:約2万~5.5万円 スクールに通う場合:数万~約10万円 |
尚、資格を取得すると、介護保険サービス利用者が要介護認定された場合に必要な『ケアプランの作成』ができるようになります。
2.介護の仕事に役立つ資格の種類【主な資格に加えて取得すると差がつく】
この章では、介護の仕事に役立つ資格の種類について紹介します。前述したもの以外にも介護資格には多くの種類があり、ここでは以下のようなカテゴリーに分けてお伝えします。
各項目に記載の難易度は、取得方法や試験の有無、必要な時間を総合的に考慮し、判定いたしました。興味のある項目内容からご覧ください。
2-1.要介護者の暮らしや健康をサポートする資格
ここでは、要介護者の暮らしや健康をサポートする資格をご紹介します。介護現場での需要が高く、取得しやすい資格も多いため介護職として働くなら取得しておいて損はないでしょう。
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資格名 | 取得方法 | 費用 | 難易度 | 必要な時間 |
訪問介護員(ホームヘルパー) | 初任者研修の修了 | 5~10万円 | 中 | 最短130時間 |
レクリエーション介護士 | 指定のスクールで講座を受講後、試験に合格 | 3.5~4万円 | 低 | 最短12時間 |
介護予防運動指導員 | 指定のスクールで講習を受講後、試験に合格 | 7~9万円 | 中 | 31.5時間 |
介護食士 | 講習会の受講後、筆記試験・実技試験の合格 | 7~9万円 | 3級:低 2級:中 1級:高 | 各72時間 |
早速見ていきましょう。
訪問介護員(ホームヘルパー)
訪問介護員(ホームヘルパー)は、在宅で生活している方々のお宅に訪問し、介護や生活援助を提供する仕事です。
介護には施設で働く介護職と同じ身体介助に加え、外出支援などの移動介助が含まれます。また、生活援助として、調理、選択、買い物などの援助や代行も担います。
訪問介護員(ホームヘルパー)になるには
- 介護職員初任者研修の修了が必要
2012年度までの旧資格を保有している場合
- 旧ホームヘルパー2級:初任者研修修了相当
- 旧ホームヘルパー1級:実務者研修修了相当
※履歴書などに記載する際は旧資格名のまま記載します
初任者研修は在宅・施設問わず役立つ資格であるため、取得しておくことがおすすめです。
レクリエーション介護士
レクリエーション介護士は、高齢者の生活の質の向上を促し、健康維持・促進をサポートする方法の一つとして、レクリエーションの企画や運営に携わり、楽しく安全なレクの実施をする役割を担います。
資格の目的
- 高齢者へ喜びや生きがいを与え、笑顔にできる介護士の育成
取得するメリット
- 資格を取得することで高齢者の方とのコミュニケーションを図る場面で役立つスキルを身につけられる
一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会認定機関での講座受講後に、筆記(選択式50問)と添削課題の試験を受験します。
受講は通学と通信のいずれかを選択でき、通学の場合は2日間(合計約12時間)での受講が可能です。
介護予防運動指導員
介護予防運動指導員は、高齢者が自立した生活を送れるように適切なサポートをおこなう専門家です。筋力向上トレーニングなどの介護予防プログラムの作成や運動指導などをおこなう役割です。
介護予防運動指導員になるには
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが指定するスクールでカリキュラムを修了(合計31.5時間)後、試験に合格する
必要に応じて、他の医療福祉職との連携や、介護予防プログラムの効果を客観的に示すために事前・事後での比較評価をすることもあります。
講習では転倒予防や認知症予防、うつや閉じこもり予防など、高齢者の健康について重要なことを幅広く学ぶ点が特徴です。
介護食士
介護食士は、介護に携わる人たちの調理技術を向上させる目的で設けられた資格であり、内閣総理大臣認定の民間資格です。要介護者向けの食事提供における専門知識を学ぶことができます。
高齢になって歯が抜けたり、飲み込みにくくなったりという障害が出た際に、要介護者や高齢者の心身の健康を食事からサポートすることが目的です。
資格を取得するためには
介護食士講座講習会を受講し、筆記試験・実技試験において60点以上をクリアする
<補足>介護食士は3級から順番に取得する
- 介護食士は1級~3級まであるが、3級から順番に取得する
- 1級を受験するには、2級までの合格に加え、2年以上の介護食調理業務の経験も必要
日々の介護業務や暮らしに必要な知識と技術がしっかりと学べるため、食事面のスキルをつけたいかたは受験すると良いでしょう。
2-2.要介護者の毎日を充実させるための資格
要介護者の毎日を充実させるための資格は以下の通りです。資格取得で仕事の幅が広がることや、職場によっては資格手当がつくこともあるため、積極的に取得すると良いでしょう。
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資格名 | 取得方法 | 費用 | 難易度 | 必要な時間 |
移動介護従業者(ガイドヘルパー) | 所定の研修を受講 | 2~3万円 | 低 | 20時間程度 |
福祉住環境コーディネーター | 資格試験に合格 | 3級:4,400円 2級:6,600円 1級:11,000円 | 3級:低 2級:中 1級:高 | 各2~3ヶ月 |
福祉用具専門相談員 | 講習受講と修了評価試験の合格 | 4~6万円 | 中 | 50時間 |
福祉ネイリスト | 認定校での講習受講と卒業試験の合格 | 88,000円 | 中 | 25時間 |
それぞれ見ていきましょう。
移動介護従業者(ガイドヘルパー)
移動介護従業者(ガイドヘルパー)とは、全身性障がいや視覚障がい、知的障がいなどを持つかたで1人で外出が困難なかたのサポートや介助をおこなう人のことです。
具体的には、外出時の歩行介助や身体介助、買い物の際にメニューや値札を代読するなどのコミュニケーション介助をおこないます。
ガイドヘルパーには3種類ある
介助を受ける人がどのような障害を持っているかによって以下の3種類に分かれています。
- 全身性障害者ガイドヘルパー
- 視覚障害者ガイドヘルパー
- 知的障害者ガイドヘルパー
各都道府県や指定された福祉系の学校、社会福祉協議会などで実施されているガイドヘルパー養成研修でも、それぞれの課程が用意されています。
資格取得のための費用や会場は主催団体によって異なり、約20時間の研修修了で資格取得が可能です。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者の住む家や使用する道具などを、より使いやすくかつ生活しやすい環境に整える役割を担います。
福祉住環境コーディネーターの仕事
- 住宅改修や福祉用具、介助用具の選定アドバイス
…ケアマネジャーなどご本人の体の状態を把握している福祉の専門家と連携して進める - 住宅改修費支給申請の理由書作成
…自治体から改修工事費の支給を受けるために必要な書類
福祉住環境コーディネーターの資格は1級から3級までありますが、2級以上を保有していると入社後に資格手当がつく職場もあるため、取得するなら2級以上を目指すと良いでしょう。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員とは、福祉用具に関するアドバイスをおこなう専門家のことです。公的資格であり、介護保険制度における福祉用具貸与事業をおこなう事業所では、2名以上の配置が義務付けられています。
福祉用具専門相談員の仕事
- 福祉用具に関するアドバイスや相談を受ける
…福祉用具を使用するかたやその家族、担当のケアマネジャーと話をし、要介護者の状態や使用環境に適切なものを選ぶ - 福祉用具の使用に関するケアプランの作成
…介護保険制度で福祉用具を利用する場合、ケアマネジャーなどと相談して進める
資格取得のためには、全50時間のカリキュラムで構成されている福祉用具専門相談員指定講習を受講し、修了評価試験の合格が必要です。
福祉ネイリスト
福祉ネイリストは、高齢者・障がい者の方を対象にマニキュアを使用したネイルを行います。出来上がりの美しさだけではなく、高齢者のかたや障がい者のかたの体調を見ながら、その人に合わせた環境設定や施術方法を工夫する点が特徴です。
高齢者に笑顔をもたらすことも仕事
福祉ネイリストの仕事は、ネイルを施術するだけではありません。
昔の懐かしい写真や音楽や馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合いながら施術します。
これは「回想法」と呼ばれる心理療法で、施術後も心の安定が続くことを目的としています。
認定校にて一定のカリキュラムを修了し、卒業試験に合格後、実地研修を講師とともにおこなうことで資格取得となります。
2-3.認知症介護にまつわる資格
ここでは、認知症介護にまつわる資格をご紹介します。少子高齢化に伴い認知症の方も増えており、認知症専門の資格を取得することで、最適な認知症ケアや介助ができるようになります。
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資格名 | 取得方法 | 費用 | 取得の難易度 | 必要な時間 |
認知症介護基礎研修 | 所定の講義を受講 | 無料~約2千円 | 低 | 1日 |
認知症介護実践者研修 | 所定の講義と演習・実習を修了 | 無料~約3万円 | 中 | 講義と演習35時間+実習2週間 |
認知症介護実践リーダー研修 | 所定の講義と演習・実習を修了 | 約2~3万円 | 中 | 講義と演習55時間+実習4週間 |
認知症ケア専門士 | 筆記と論述試験に合格の後、倫理研修の受講 | 2万円 | 高 | 約5ヶ月 |
順番に見ていきましょう。
認知症介護基礎研修
認知症介護基礎研修は、認知症の基礎知識やスキルを、講習と演習を通じて身に付けるための研修です。
各都道府県や自治体が主体となって開催されており、介護保険施設・事業所を通じて申込をするため、既に介護職として働いているかたは、勤務先の上長に確認することがおすすめです。
無資格の介護職員は認知症介護基礎研修の受講が必須
2021年4月、無資格の介護職員に対して認知症介護基礎研修の受講が義務付けられました。
3年間の経過措置期間を経て、2024年度からは完全義務化に移行します。
認知症介護実践者研修
認知症介護実践者研修は、認知症の方の能力を活かす介護方法の習得や、権利を守る方法、家族を上手に支援する方法などを身に付けるための研修です。ある程度の介護現場での経験を積んだ介護職向けの研修となっています。
認知症介護実践者研修の詳細
- 対象者:ある程度の現場での経験を積んだ介護職向け
- 特徴:講義や演習、ディスカッション、実習を通じて、認知症について深く理解ができるようになり、ご本人や家族の気持ちに寄り添いやすくなる
尚、アセスメントとケアの実習に協力していただくために、施設の利用者で認知症のかたをひとり選ぶ必要があるため、ご本人やご家族の了解や理解、職場の協力も欠かせません。
認知症介護実践リーダー研修
認知症介護実践リーダー研修は、先に紹介した認知症介護実践者研修の次のステップとなる研修です。
認知症介護実践リーダー研修の詳細
- 対象者:認知症介護実践者研修を修了し1年以上経過している介護職員
- 特徴:認知症に関する最新技術の習得や、チームで認知症ケアを効果的に行う方法、認知症ケアに関する教育・指導方法などを学ぶ
勤務している職場においてケアチームのリーダーやリーダー候補であり、介護現場経験が5年以上あるなど、ベテラン介護職の方向けの研修となっています。
また、施設内で指導する介護職員をひとり選び、実習に協力してもらう必要がある点も特徴です。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士とは、認知症ケアに対する優れた学識と高度な技術や倫理観を備えた「認知症ケアのプロ」を養成し、日本の認知症技術の向上と保険福祉への貢献を目的としています。
取得すると多くの施設で重宝されやすい!
認知症ケア専門士は一般社団法人日本認知症ケア学会が主催する民間資格であり、最先端の技術や理論を根拠に認知症ケアがおこなえるようになる点が特徴です。
資格に高い知名度と権威性があるため、多くの施設で重宝されるというメリットがあります。
受験するためには、2011年4月1日から2021年3月31日までの間に、3年以上の認知症ケアの実務経験が必要です。(2021年7月時点)
2-4.医療系資格
ここでは、介護職に役立つ医療系の資格を紹介します。医療の観点で知識やスキルをつけることで、介護職としてより深い業務に携われるようになります。
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資格名 | 取得方法 | 費用 | 取得の難易度 | 必要な時間 |
喀痰吸引等研修 | 自治体や自治体指定の専門スクールで研修を受講 | 8~15万円 | 中 | 講義50時間+演習 |
医療介護福祉士 | 研修受講と修了テスト合格が必要 | 9万円 | 中 | 6日間 |
それでは、見ていきましょう。
喀痰吸引等研修
喀痰吸引等研修は、たんの吸引などの実施に必要な知識やスキルを身につけるための研修です。自力でたんを出すことが出来ず、介護職員によるたん吸引が必要なかたや、口から食事ができずに経管栄養により栄養を摂るかたを支えるためのスキルを習得します。
取得するなら「第1号研修」がおすすめ
喀痰吸引等研修には、第1号・第2号・第3号研修の3種類があり、実行可能な行為と対象者が分かれています。
第1号研修が一番時間と費用がかかるものの、行為・対象者ともにもっとも幅が広いため、可能なら第1号研修を取得しておくと良いでしょう。
また、研修は基本演習(講義・演習)と実地研修に分かれています。
研修の詳細
- 基本演習
講義:50時間
演習:6種類の項目を5回以上(5種類)または1回以上(1種類) - 実地研修
項目数:5種類
研修実施回数:各項目を10回以上(1種類)または20回以上(4種類)
尚、演習や実地研修は、回数をクリアするだけでなく、修得していると認められた場合にその課程が修了となります。(参考:厚生労働省)
医療介護福祉士
医療介護福祉士とは、介護福祉士としてより知識の幅や経験の幅を広げていく働き方の一つであり、介護の第一線で働きたい方におすすめの資格です。
仕事や職場の幅を広げるためのスキルとしても役立てやすい
医療介護福祉士は、チーム医療のメンバーとして活躍できる介護福祉士の育成を目的であり、緊急時の対応や、事故防止といった介護の質を向上させるための知識を学べます。
このため、介護や医学の知識をさらに深められ、スキルアップにも役立つ点が特徴です。
受講対象は介護福祉士としての実務経験が1年以上ある人で、6日間の研修と、24単位(講義と現場実習)を取得した後、修了テストに合格すると医療介護福祉士の認定書が授与されます。
2-5.介護の仕事に役立つその他資格の種類
介護の仕事に役立つその他の資格の種類は以下の通りです。研修を受講修了することで資格取得となるものも多いため、ぜひチェックしてみてください。
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資格名 | 取得方法 | 費用 | 取得の難易度 | 必要な時間 |
重度訪問介護従事者養成研修 | 自治体や自治体指定の専門スクールで研修を受講 | 各課程2~5万円 | 低 | 3~5日 |
同行援護従業者養成研修 | 自治体や自治体指定の専門スクールで研修を受講 | 一般:2~5万円 応用:2~4万円 | 低 | 2~3日 |
行動援護従業者養成研修 | 自治体や自治体指定の専門スクールで研修を受講 | 2.5万円~4.5万円 | 低 | 3~4日 |
難病患者等ホームヘルパー | 自治体や自治体指定機関で所定の講座を受講 | 約1万円 | 低 | 1日 |
サービス介助士(ケアフィッター) | 自宅学習+オンライン講座+対面教習 | 41,800円 | 低 | 約1ヶ月間 |
音楽療法士 | 受験認定校の卒業 or 所定の講座を修了+5年以上の臨床経験の後、筆記&面接試験に合格 | 取得方法によって異なる | 高 | 最短2年※受験資格を得るまで |
詳しくご紹介します。
重度訪問介護従業者養成研修
重度訪問介護従業者養成研修とは、重度の肢体不自由者(障害程度区分4~6)または重度の知的障害・精神障害により日常的なサポートが必要なかたへ介護サービスを提供するための研修です。
重度訪問介護従業者は、利用者さんの自宅を訪問し、食事や入浴、排せつなどの介助をおこなうこと、調理・洗濯・掃除などの日常サポートや外出時の移動中の介護が仕事となります。
修了課程によって介護サービスを提供できる人が異なる
重度訪問介護従業者養成研修は、基礎課程と追加過程に分かれており、その修了課程によって、以下のかたへ介護サービスを提供することができます。
- 基礎課程修了:障害程度区分4・5の利用者
- 追加課程修了:障害程度区分6の利用者
- 統合課程修了:医療的ケア(痰の吸引や経管栄養など)を提供できる
同行援護従業者養成研修
同行援護従業者養成研修とは、視覚障害者ガイドヘルパーのカリキュラムに「情報支援と情報提供」「代筆・代読の基礎知識」が追加されたものです。視覚障がい者の自立と、地域社会への参加をサポートすることを目的としています。
同行援護従業者の仕事内容
視覚障がいにより移動が著しく困難な利用者さんに対して、以下をおこないます。
- 外出の同行と移動の援護
- 外出時の必要な援助(代読や代筆、食事や排せつなど)
一般課程と応用課程の2種類があり、一般課程は障がい者福祉サービスの同行援助をおこなっている訪問介護事業所などに勤務する際に必要な資格です。
行動援護従業者養成研修
行動援護従業者養成研修とは、知的障がい者や精神障害・発達障害で行動上の困難があり、日常的に介護が必要な方への援護に必要な知識・スキル習得をするための資格です。
日常生活や外出時にサポートが必要な知的障がい者や精神障害・発達障害をお持ちのかたに対して、行動するうえでの適切な介護サービスを提供することが仕事となります。
行動援護従業者研修を受講し、講義と演習によって、行動障害に関する項目を主とした知識や支援するための介護スキルを習得します。
研修は、各自治体や自治体指定の事業所・専門スクールで受講します。研修期間は3~4日程度でどなたでも受講が可能です。
業務をする場合、1年以上の実務経験が必須
行動援護従事者として業務をおこなう場合、知的障害児もしくは精神障がい者の直接業務1年以上の実務経験が必須です。
難病患者等ホームヘルパー
難病患者等ホームヘルパーとは、難病や特定疾患によって日常生活でのサポートが必要な患者の在宅介護をおこなう人のことです。多様化するニーズに対して患者のQOL向上のために、適切なホームヘルプサービスを提供します。
各都道府県や地方自治体の指定する機関で養成研修がおこなわれており、全カリキュラムを履修することで修了証が授与されます。
保有資格によって受験資格が異なる難病患者等ホームヘルパー養成講座には以下のカリキュラムがあり、保有資格ごとに受験資格が異なります。
- 入門講座:ホームヘルパー3級、介護福祉士
- 基礎課程I:ホームヘルパー2級、初任者研修の修了者または履修中のかた、介護福祉士
- 基礎課程II:ホームヘルパー1級、介護職員基礎研修終了者、実務者研修の修了者または履修中のかた、介護福祉士
なお、いずれの過程も1日で修了が可能です。
サービス介助士(ケアフィッター)
サービス介助士(ケアフィッター)は、お年寄りや体の不自由な人に対する「おもてなしの心」と「安全な介助技術」を身に付けるための資格です。
自宅学習(約1週間)+オンライン講座(6〜7時間相当)+対面教習1日で学びます。
サービス介助士は多業界で需要が高い
サービス介助士は社会的ニーズの高い資格の一つです。
運輸業・小売業・観光業・レジャー産業など、介護以外の業界でもサービス介助士は育成されています。
介助の方法などを取得するホームヘルパーとは異なる点が特徴であり、難易度はそれほど高くありません。
資格取得後は3年に1度、資格の更新が必要です。(更新料2,200円)
音楽療法士
音楽療法士は、音楽の持つ力と人との関わりを通じて、医療や介護の現場での患者さんや利用者さんを支援する役割を担います。
特に、言語を用いた治療法が難しいかたに有効的な方法のひとつであり、音楽療法を受けた方のQOLを向上させる仕事です。
受験資格を得るためには、資格試験受験認定校(大学・短大・専門学校)で必要単位を取得後、面接試験に合格する必要があります。
3.働きながら介護資格を取得するために時間を生み出すコツ
働きながら介護資格を取得することは可能ですが、実際に仕事と勉強を両立することが大変…と感じるかたは多いでしょう。そこでこの章では、働きながら介護資格を取得するために時間を生み出すコツについてお伝えします。
ぜひチェックしてみてください。
3-1.やらないことを決める
仕事と勉強を両立するための時間を生み出すには、やらないことを決めることはとても大切です。
やるべきことの優先順位付けをしっかり行うことも大切ですが、その中でも「やる必要性が低いもの」を見極めて、やらないと決めることも重要と言えます。
予定が忙しくなってくると時間が限られてくるため、やらなくても大丈夫なものを削ることで余計な稼働時間が減り、大事なことに時間を充てることができるでしょう。
3-2.隙間時間を使って勉強する
隙間時間を使って勉強することも、時間を生み出すうえでおすすめの方法です。
勉強のためにまとまった時間を確保することは大切ですが、仕事が多忙であるなどさまざまな理由でそれが難しいこともあるでしょう。
このため、移動中や仕事後に帰宅してから家事を終えた後に30分など、隙間時間を上手く活用して勉強を進めていくことがおすすめです。
また、時間を決めて勉強することで、集中力が上がりやすいというメリットもあります。
3-3.派遣・パートとして働いて負担を減らす
派遣やパートとして働き、仕事の負担を減らすことは、資格の勉強と仕事を両立するための時間を生み出すうえで最もおすすめの方法です。
派遣やパートの働き方は、時間で業務が区切られているため、正社員とくらべると勉強時間を創出しやすいというメリットがあります。
特に派遣介護士の時給の相場はおよそ1,200円~1,700円であり、高時給の求人も多くあります。このため、職種や働く場所によって違いはありますが、正社員よりも高収入になることもあり得るのです。
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また、実務者研修を取得すると受験資格を得られる介護福祉士も、キャリアアップ応援制度の対象であるため、長期的に介護職としてキャリアを積みたいかたに、『かいご畑』の派遣スタッフとして働くことは非常におすすめです。
さいごに
介護の資格にはどのようなものがあるのか、その種類についてお話しました。
介護業界には多数の資格があり、資格を取得することでキャリアアップしやすくなります。
また、介護士専門の転職サイトである『かいご畑』に登録し、派遣スタッフとして就業すると、実務者研修を0円で受講することができます。
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資格取得によって、あなたの介護士人生が充実したものになるよう願っています。