「介護ってどんな仕事をするの?」
「自分にもできるのかな…?」
と考えていませんか。
介護職の主な仕事内容は、入浴介助や食事介助など、利用者さんの身の回りのお世話です。
介護の仕事は体力面や高齢者とのコミュニケーションの難しさなどハードな点も多いですが、利用者さんから「ありがとう」をいただいた際や、キャリアアップを目指せる点でやりがいを感じている介護士さんは実はとても多いと言えます。
この記事では、元介護士で転職コンサルタントの私が、介護職の仕事内容についてお伝えします。
この記事を読めば、介護職の仕事内容の全てが分かります。
1.介護の仕事内容【代表的なものを紹介】
介護の仕事内容は、主に利用者さんの介助とレクリエーションなどの業務です。また、無資格未経験の方が介護の仕事をする場合の仕事内容も紹介します。
利用者さんの介助 | |
その他の業務 | |
無資格未経験の方の業務 |
早速ご紹介します。
1-1.食事介助
食事介助は、自分で食事ができない利用者さんの手助けをおこなうことです。高齢になると味覚や嗅覚、噛む力が衰えるため、高齢者の方の健康維持をサポートするためにも食事介助は重要な役割を果たします。
食事介助のポイント
- 食べ物を口に入れてから咀嚼するまでの適切な指導をおこなう
…誤嚥や窒息などの事故が起こらないようにするため - 食事の時間を心から楽しんでもらう
…毎回の食事が楽しみになるよう、介護士が工夫をほどこしながら進める - 利用者さんのペースに合わせる
…利用者さんによって食べるスピードがまちまちであり、急かさないことが大切 - 食事前の体調チェックや口腔ケアも大切
…日常と違った点があれば、食事の量や内容の変更が必要なことも
1回の食事量はティースプーンに軽く一杯の量が目安です。利用者さん自身が飲みこみできるよう、時間をかけながら進めましょう。主食・副食・水分とバランスよく食べていただくことも大切です。
どうしても食べようとしないかたもいるなど、食事介助には大変なポイントも多くあります。ただ、食事の時間が長すぎると疲れてしまうため、30分を目安にすると良いでしょう。
1-2.入浴介助
入浴介助は、身体を清潔に保ち感染症を予防するという目的があります。身体をきれいに保つことは、人としての最低限の欲求であり、入浴はとても重要です。
入浴介助は注意すべきポイントが多い
- 入浴前体調チェックは重要
血圧、発熱、脈拍数、呼吸数、表情などを確認 - 水温が適温か(38〜40度くらい)を確認
体に負担をかけないように、心臓から遠い足元からお湯をかける - 脱衣所と浴室を温めておく
ヒートショック(急な温度変化で血圧が大きく変動し、心臓や血管の疾患が起こること)を引き起こす危険性があるため - 入浴時間は短めに
お湯に浸かる時間は5分ほど。長時間の入浴は、のぼせやめまい、熱中症、脱水症状を引き起こす恐れがある - お風呂場で滑らないように注意する
足の裏が濡れていると滑りやすいため、しっかりと拭く
このように、入浴介助は注意すべき点が多いうえ、介護の仕事の中でも体力を要しますが、利用者さんの喜ぶ顔を見られることにやりがいを感じる介護士さんも多いです。
1-3.排せつ介助
排せつ介助は、お手洗いへの誘導や排せつの手伝い、おむつ交換などの対応です。
排せつ介助のポイント
- 介護を受ける利用者さんの自尊心を傷つけないようにすることが何より重要
…排せつは人間の尊厳をともなうとてもデリケートな行為であるため - 自力でできることは手伝わずに見守りながら利用者さん本人に任せる
…ときにケアマネジャーとケアプランを練り直し、利用者さんの自立を支える
また、夜中に利用者さんからナースコールを受けた際のお手洗いへの誘導や、決められた時間で2~3回おむつ交換をおこなうことも仕事です。
1-4.トランス介助
トランス介助とは、ベッドから車椅子などへ自力または介助で乗り移ることです。
歩行が困難な利用者さんにとっては、車椅子やトイレ・椅子などへの移乗ができるかどうかは、寝たきりを防ぐ観点からもとても重要と言えます。
トランス介助のポイント
- 利用者さんそれぞれの体格や力、障害の程度に合わせた介助をする
- 利用者さんごとの違いを丁寧に確認し、声掛けをしながら対応する
利用者さんの転倒は骨折につながりやすく、ケガの影響で寝たきりになってしまうこともあるため、細心の注意を払いながら対応します。
注意!トランス介助は腰痛を発症する原因にもなりやすい
トランス介助は、介護士が腰痛を発症する原因の一つと言われています。
自身の体への負担を軽減させるためにも、正しい方法で行うことが重要です。
1-5.就寝介助
就寝介助とは、就寝に関する一連の介助を指します。
就寝介助とは
- 利用者さんの寝間着への着替え
…利用者さんが快適に寝られるように整える - 就寝前の歯磨き
- 就寝中の体位変換(約1~2時間に1回の寝返りの手伝い)
…寝返りが出来ないことによる床ずれを防止する目的
特に就寝前の準備は、着替えなどの作業をするだけでなく、「靴下を履いて寝たい」「パジャマの上はズボンの中に入れる」など、利用者さんの好みやこだわりに寄り添った対応をすることも介護士の仕事です。
また、高齢で自分で寝返りを打てない利用者さんの体位変換は、身体の大きな男性や、身体が硬くなった高齢者の場合は非常に力がいる作業と言えます。
1-6. レクリエーション
レクリエーションは、利用者さん一人ひとりの介護度や状態に合わせたゲームや体の回復機能につながる動きを取り入れながら、施設の他の利用者さんと一緒に楽しむ時間です。
レクリエーションで重要なのは、利用者さんと一緒に楽しむこと
利用者さんとコミュニケーションを取りながら一緒に自分も楽しむことで、より距離を縮める時間にもなる
工作や歌、風船やボールを使ったゲームなど、そこにいる利用者さん全員が楽しめるような内容を考えることも介護士の仕事です。
1-7.口腔ケア
口腔ケアは、主に歯磨きをすることを意味します。口の中の細菌や汚れを除くこと、口腔機能を高めることや口の中をマッサージすることを目的としています。
口腔ケアが重要となる理由
口腔内を清潔に保つことで、全身の健康を維持するため
(口腔内の細菌が全身に波及すると、発熱や体調不良、免疫力の低下、他の臓器機能に障害を及ぼすことがある)
利用者さんの介護度によって介助の度合いは変わりますが、できるだけご本人がブラッシングをおこない、不足分のケアを介護士がおこないます。介護士がブラッシングする場合も、できるだけ一緒に手を添えておこなうことが大切です。
1-8.【無資格・未経験なら】介護助手からスタート
無資格未経験から介護現場で働く場合、介護助手の仕事に携わることになります。
利用者の食事介助、排せつ、入浴など、身体に触れる介護の仕事をするには、介護職員初任者研修以上の資格が必要であり、無資格者は利用者さんの身体に触れることはできません。
無資格でできる介護の仕事
- 生活援助
食事作りや買い物などの支援 - 掃除、洗濯
利用者さんの衣類の洗濯や、施設の環境整備など - 送迎業務
通所型施設などにおける要介護者の送迎(普通自動車免許が必要) - 事務系業務
請求事務や郵送物の発送、備品の発注、お客様の応対など
介護施設で働く場合、上記のような利用者さんの身体に直接触れない業務も多数あります。これらの業務を介護助手がおこなうことで、その他スタッフが利用者さんの身体介護に集中できるというメリットもあるのです。
ただ、無資格者が求人に応募しようと思っても、必ず「介護助手」という枠で募集をかけられているとは限らないうえ、仕事内容の詳細や業務範囲は施設によって異なります。このため、事前に詳細を確認しておくことがおすすめです。
2.【施設別】介護の仕事内容の特徴
介護の仕事内容は、施設別に働き方や特徴の違いも見受けられます。この章では、施設別の特徴や仕事内容の違いについて解説します。
施設の種類 | 特徴 | 施設 |
2-1.入居型施設 | 介護の方針が施設ごとに異なる | 特別養護老人ホーム 介護付き有料老人ホーム 認知症型グループホーム |
2-2.通所型施設 | 施設に通う利用者さんの心身の健康維持が目的 | デイサービス デイケア |
2-3.訪問介護 | ご自宅で生活する利用者さんの日常生活をサポートする |
順番に見ていきましょう。
2-1.入居型施設|介護の方針が施設ごとに異なる
入居型施設は、介助やレクリエーションなどの仕事内容は大きく変わらないものの、施設によって運営主体や利用者さんの介護度が異なるため、介護の方針は施設ごとに定められている点が特徴です。
施設の種類 | 運営主体 | 受け入れ介護度 | 認知症の受け入れ | 看取り |
特別養護老人ホーム | 公的施設 | 要介護3~要介護5 | 〇 | 施設による |
介護付き有料老人ホーム | 民間施設 | 自立~要介護5 | 軽度まで | 施設による |
認知症型グループホーム | 民間施設 | 要支援2~要介護5 | 〇 | × |
基本的には夜勤もありますが、日勤だけの勤務や短時間のパート勤務ができる施設も多くあります。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、在宅での生活が困難になった要介護3以上の高齢者が入居できる公的介護保険施設の一つです。主に自治体や社会福祉法人が運営し、利用者の財産の範囲で月額の利用料金がなどが決まる点が特徴です。
特別養護老人ホームの種類
- 従来型
相部屋の多床室を持つ施設 - 新型/ユニット型
個室を持つ施設 - 混合型
「従来型」と「新型(ユニット型)」の両方を持つ施設
比較的安価な場合が多いため、都市部は常に満床の状態が続いており、入居待ちの高齢者も多いです。
要介護3以上の高齢者の入居が基本であるため、寝たきりの方も多く、身体介護も多い点は特徴の一つでしょう。また、お祭りなどの行事の付き添いによる外出や、施設内でのレクリエーション運営もおこなっています。
介護付き有料老人ホーム
有料老人ホームは「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類に分けられ、その種類によって利用者さんの介護度や提供するサービスが大きく異なります。
「介護付き」がもっとも介護度が高く、「健康型」は要介護のかたの受け入れはおこなっていない点が特徴です。
ホームによって料金の幅が広く、金額が数千万円する施設もあります。利用者さんも金額相応のサービスを求めることが多く、きめ細かなケアや接遇マナーが求められることも多いです。
要介護度が高いかたが多い施設ほど介護士の負担は多くなりやすく、施設によって設備やケアの仕方、介護をするうえでのこだわりが異なるため、有料老人ホームで働く際は、どのような施設なのかを事前に把握しておくと安心と言えます。
認知症型グループホーム
認知症型グループホームは、認知症の利用者さんが家事を分担しながら共同生活を送る施設です。9人までを1つの単位(ユニット)として、家庭のような空間で生活をしながら介護をおこないます。
利用者さんの認知症の進行を少しでも遅らせることを目的としているため、介助の業務に以外にも、一緒に家事をすることや、外出する機会が他のホームより多いことが特徴です。
精神疾患を持つかたや、行動が活発なかたもいらっしゃるため、介護士のコミュニケーション力や手腕が問われます。利用者さんが落ち着いて過ごせるよう、心を通わせられるような介護に努めることが大切です。
また、看護師の配置基準がないことから、バイタルチェックや服薬管理などは介護士が対応することは認識しておく必要があります。
2-2.通所型施設|施設に通う利用者さんの心身の健康維持が目的
通所型施設とは、利用者さんが日帰りで施設に通い、食事や入浴などの日常生活での介護や、レクリエーションなどを通じて機能訓練などを受けられるサービスです。
定期的に施設に通うことで、利用者さんの閉じこもりの解消や、心身の健康、また家族の介護の負担が軽減されるというメリットもあります。
デイサービス
デイサービスとは、要介護状態となった場合でも、利用者さんが可能な限り自宅で生活すること維持するために、持っている能力に応じて生活機能の維持や向上を目指したサービスです。
利用者が楽しく通えるように、書道、陶芸、生け花、リズム体操などレクリエーションが充実している点も特徴の一つであり、利用者さん同士のコミュニケーションの促進も大切な仕事です。
利用者さんの性格やその日の体調がそれぞれ異なるため、見守りながらも臨機応変な対応をおこないます。
デイサービスの中には、利用者がそのまま宿泊できる「お泊りデイ」を実施していることがあり、その場合はシフト制で夜勤勤務が発生することがあります。
デイケア
デイケアは、利用者さんが日中に施設に通い、利用するという点ではデイサービスと同じですが、「通所リハビリテーション」とも呼ばれ、医師の指示のもと、リハビリに重点を置いている点が異なります。
また、機能の回復に重点を置いたサービスですが、食事や入浴など一定の生活介護サービスを受けることができる点も特徴の一つです。
リハビリの対応は、医師や看護師、理学療法士がおこなうため、介護士は食事や入浴、排せつの介助、送迎やレクリエーションなどの仕事を中心となっておこないます。
2-3.訪問介護|ご自宅で生活する利用者さんの日常生活をサポートする
訪問介護では、ご利用者のご自宅に訪問し、生活の介護や身体介護をおこないます。料理や掃除・洗濯などの家事全般から、買い物の代行、食事や入浴、排せつの身体介助が仕事の中心となります。
1日に複数のご自宅を訪問することが多く、訪問時の利用者さんの状況やおこなった介助業務を記録し、ケアマネジャーに報告することも訪問介護での重要な仕事です。
また、夜間に対応している訪問介護もあり、その場合は定期的な巡回に加え、利用者さんからの都度の連絡で自宅を訪問し、介助をおこないます。
なお、訪問介護は要介護者の普段の暮らしをサポートする役割であるため、年末の大掃除や庭の草刈り、お客さん用の食事作り、大掃除に近い窓ふきなど、大掛かりな家事は支援の対象外となります。
3.介護の仕事内容で大変なところ
この章では、介護の仕事をするうえで多くの介護士さんが大変だと思うところをピックアップしました。これから介護の仕事をしようと考えているかたは、押さえておく必要があるでしょう。
順番に見ていきましょう。
3-1.体力面で大変なことが多い
一つ目の大変なところは、体力面で大変なことが多い点です。介護は体力仕事であり、利用者さんの体重を支えることや、動き回って座れないことが多いこと、しゃがむ動作やかがむ動作などがあり、身体に大きな負担がかかりやすいと言えます。
身体に負担がかかり続けた結果、腰痛や膝痛を発症する介護士さんも多く、働きたくても働けなくなってしまうこともあるのです。事実、介護職員のおよそ9割が腰痛を抱えていると言われています。
また別の調査では、腰痛を抱える職員の14.6%は「立てないくらいの痛みを抱えている」という結果も報告されています。(参考:介護職者の腰痛事情)
移乗の際に人力ではなく、移乗リフトやスライディングボードなどの福祉用具を用いる「ノーリフト」の概念を取り入れている介護施設もあるものの、全ての施設に取り入れられているわけではありません。
「ノーリフト」とは人力のみで人の移乗をおこなわないこと
ノーリフトとは人力だけで患者や要介護者を持ち上げないことです。人力で持ち上げる代わりに、移乗リフトやスライディングボードと呼ばれる特殊な補助具を使用します。
これは、要介護者の不快感や皮膚の損傷の軽減、リフトを使って体を起こすことで視界が変わり、自立への意識が高まる効果を目的としていますが、同時に介助者の身体的負担を軽減し、腰痛を防止する効果もあります。
このため、体力面で不安があるかたは、施設にどのような設備があるのか、職場環境と合わせて確認しておくことがおすすめです。
3-2.利用者やその家族とのコミュニケーションが難しい
二つ目の大変なことは、利用者さんとのコミュニケーションが難しいことです。介護士になりたてや仕事を始めたばかりのときは特に、利用者さんとの信頼関係構築や、コミュニケーションに苦労するかたはとても多いと言えます。
また、話しかけても無視されたり、暴言を吐いたりするなど、多くの介護職員が利用者やその家族からのハラスメントに悩んでいます。
ハラスメントの例
- 身体的暴力(たたかれる、コップをなげつけられる)
- 精神的暴力(威圧的な態度で文句を言い続ける、理不尽な要求をする)
- セクシャルハラスメント
事実、介護職員の7割以上が「利用者やその家族からのセクハラ・暴力等を受けたことがある」と答えています。(参考:日本介護クラフトユニオン『ハラスメント実態調査』)
また、ハラスメントを受けた経験のある方の中には、身体面に影響が出たり、退職を考えたりする方もいるようです。
ハラスメントを受けたことにより、けがや病気になった職員は1~2割、仕事を辞めたいと思ったことのある職員は、2~4割となっています。
参考:厚生労働省『介護現場におけるハラスメント対策マニュアル 』
介護士になって誰もが通る道であるため、同僚のスタッフにそれぞれの利用者さんとのコミュニケーションについて相談するなど、焦らずに信頼関係を築きつつ、悩んだらすぐに相談すると良いでしょう。
3-3.人手不足による負担が大きい
三つ目の大変なことは、人手不足による負担が大きいことです。2021年6月時点の介護職の有効求人倍率は4.04倍と、人手不足が顕著に表れています。(参考:厚生労働省)
介護職全体の人手不足は、働いている介護士の業務量や負担の増加につながっています。また、人手不足による無理なシフト勤務や有給取得が困難であること、時間外労働の増加など、厳しい労働環境の職場が多いのです。
出典:介護労働実態調査
また、業務過多により、利用者さんとのコミュニケーションの時間が減ってしまう問題も起きており、介護職の人手不足は、介護士の仕事に大きな影響を及ぼしていると言えます。
4.介護の仕事内容が大変でも続けられる理由
介護の仕事内容が大変でも、介護職にやりがいや魅力を感じている介護士さんはたくさんいらっしゃいます。この章では、介護の仕事が大変でも続けられる理由について、紹介します。
- 4-1.利用者の心からの「ありがとう」を聞くことができる
- 4-2.利用者とその家族の負担を減らすことができる
- 4-3.未経験からチャレンジでき、キャリアアップが望める
- 4-4.性別や年齢に関係なく活躍しやすい業界である
- 4-5.働き方の選択肢が多い
それぞれ見ていきましょう。
4-1.利用者の心からの「ありがとう」を聞くことができる
利用者さんからの心からの「ありがとう」を聞くことができるのは、介護士の仕事を続ける大きなやりがいと言えます。
介助をしていて利用者さんが笑顔になったとき、元気がなかった高齢者がレクリエーションなどで楽しそうにしているときなど、人のお役に立てていると感じて、同時に嬉しくなるという介護士さんはとても多いです。
また、多くの介護士さんが人と社会のために役に立てる仕事という誇りとやりがいを持って働かれているため、人と接することが好きで、思いやりがある人には最適な仕事であると言えるでしょう。
4-2.利用者とその家族の負担を減らすことができる
利用者さんとその家族の負担を減らすことができる点も、介護士の仕事の魅力の一つです。
自分の働きで、利用者さんはもちろんご家族の負担も減らすことができる点において、仕事へのやりがいを感じる介護士さんもとても多いと言えます。
一端の介護士としては、認知症の方が平穏に過ごし、家族の精神的・身体的な負担を少しでも減らせるように微力ながら尽力したい。
出典:Twitter
自力での生活が困難なかたを支えることは、たとえ家族でもとても大変です。食事や入浴、精神的なケアなど、家族という近い距離だからこそ、大きな負担を感じてしまうこともあるでしょう。
それを手助けし軽減できること自体が、介護士としての大きな喜びと言えるのです。
4-3.未経験からチャレンジでき、キャリアアップが望める
介護職のやりがい三つ目は、未経験からチャレンジができ、キャリアアップが望めることです。
40代資格なし未経験。
求人の選択肢が限られるのが現実。
そのなかで介護職は需要が高く資格取得などでキャリアアップ、年収アップの可能性も。
大変だけどチャレンジする価値アリ。
出典:Twitter
介護労働実態調査結果によると、現在介護業界で働く人のうち、前職が介護・福祉・医療関係以外の仕事だった人は全体の6割以上を占めており、多くのかたが未経験から介護士にチャレンジしていることが分かります。
また、無資格未経験からのスタートでも、働きながら資格取得ができる職場もあるなど、キャリアアップを支援している施設が多い点も介護職の特徴です。
介護の仕事は知識や技術だけでなく、思いやりや仕事への姿勢などの「心」の部分も重視されるため、「利用者さんのお役に立ちたい」という想いがあれば、成長が早く、即戦力として働けるでしょう。
4-4.性別や年齢に関係なく活躍しやすい業界である
介護の仕事は、性別や年齢に関係なく活躍しやすい業界であることも理由の一つであると言えます。
介護職員の年齢構成は、施設などに勤務する介護職員は30~49歳で約半数の47.0%、訪問介護員は40~59歳で45%と比較的高い割合を占めています。(参考:厚生労働省)
また、50歳以上のシニア層の雇用に積極的に取り組む施設も増えていることや、介護業界で働く人の約8割が女性であるなど、長期的に活躍しやすい業界であることは間違いないでしょう。
4-5.働き方の選択肢が多い
介護の仕事には働き方の選択肢が多いことも、仕事を続けられる人が多い理由の一つです。
一言で介護職と言っても、介護サービスや施設には多くの種類があり、介護士の働き方もさまざまな選択肢があるからです。
介護士の働き方の一例
- 平日の日中だけデイサービスで働く
- 訪問介護の仕事で直行直帰をする
- 夜勤専従スタッフとして効率よく高給与を得る
- 子育てをしながら扶養の範囲内でパートとして働く
また、近年では「登録ヘルパー」として訪問介護事業所に自分が働ける曜日と時間を登録することで、短時間かつスポットで訪問介護士の仕事をすることもできます。
このように、自分の都合やプライベートに合わせた働き方がしやすい点も、介護職の魅力の一つであると言えるでしょう。
介護職への転職を考えている方は転職サイトのコンサルタントに相談してみるのもおすすめ
「介護職に挑戦してみようかな」「どんな求人があるんだろう」と考えているかたは、『レバウェル介護(旧:きらケア)』や『かいご畑』などの、介護士転職サイトに相談してみるのもおすすめです。
転職サイトに登録すると、ご自身の希望を伝えることで、転職のプロであるコンサルタントから求人を無料で紹介してもらうことができます。
また、『介護職300人が選ぶ転職サイトおすすめ比較!口コミ評判&求人数ランキング』では、当サイトが独自に取得したアンケートから、利用者満足度の高い転職サイトを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
5.介護の仕事に必要な資格は?キャリアアップしたい人へ
介護職には数多くの資格があり、取得することで介護士としてのキャリアアップに役立てられます。
出典:介護ワーカー
早速見ていきましょう。
5-1.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
介護職員初任者研修は、介護の仕事をするうえでの入門資格と言えるものです。
食事、着替え、入浴など、高齢者や障がい者への専門的なサポートをおこなうための基本的な知識と技術を身に付けることができます。
スクールで全130時間の講座をを修了したのちに、修了試験に合格すると修了証明書が交付され、晴れて資格取得となります。
受験するために必要な資格や経験はないため、介護職未経験のかたでもチャレンジできる資格です。
5-2.介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)
介護福祉士実務者研修は、前述の初任者研修から一段階上がった資格となります。
初任者研修と同様に無資格未経験でも受講することが出来ますが、保有する介護資格によって、スクールでの受講科目が省略されます。
また、初任者研修よりも講義や演習の内容が幅広く、専門的かつ実践的な知識や技術を身に付けるため、初任者研修を未取得のかたは、そちらを先に取得することがおすすめです。
講義のほとんどは通信で学ぶことが可能ですが、一部の講義は通学が必須であるため、働きながら取得したいかたはスクール選びとスケジューリングをしっかりとおこなうことが大切です。
関連記事≫
実務者研修を働きながら取得するには?スクールの選び方や費用を抑える方法まで全解説
5-3.介護福祉士
介護福祉士は、介護職として現場での実務経験を積み、実務者研修を修了した人が「介護福祉士国家試験」に合格することで取得できる国家資格です。
介護福祉士は、介護現場でのリーダー的存在として、介護サービスの提供に加えて、介護サービスの利用者やその家族からの相談対応、職員である介護スタッフのマネジメントなど、管理者としての業務にも携わります。
「実務者研修の取得+介護の実務経験3年以上」「介護福祉士養成施設の卒業」など、介護福祉士になるためにはいくつかのルートがある点が特徴です。
介護福祉士を取得すると、介護のプロとして認められ、資格取得後に5年以上の実務経験を積むことで、ケアマネジャーの受験資格も得ることができます。
5-4.認定介護福祉士
認定介護福祉士は、一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構が、2015年から認定・認証を開始した民間資格です。
介護福祉士の上位資格に位置付けられ、介護福祉士よりもさらに多様な利用者さんや環境に対応するための知識やスキルの習得、介護職員のサービスの質を向上させるための指導スキルと実践力を磨きます。
また、認定介護福祉士は、看護師や理学療法士などの他職種との連携やコミュニケーションを図るための中核的役割が求められる点が特徴です。
受験資格は「介護福祉士の資格取得後、5年以上の実務経験」「認定介護福祉士養成研修にて600時間の講義を受講」の条件をクリアする必要があり、介護福祉士として一定のキャリアを重ねていることが必要となります。
5-5.ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、2000年に導入された介護保険制度の施行とともに誕生しました。
各都道府県で年1回実施される「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格後、87時間の「介護支援専門員実務研修」を受講し、修了後3ヶ月以内に登録申請をすることで、ケアマネジャーの資格が得られます。
また、ケアマネジャーは介護福祉系資格の中では難関資格の一つであり、ケアマネジャーの質の向上を目的とし、年々試験が難しくなっているようです。
資格を取得すると、介護保険サービス利用者が要介護認定された場合に必要な『ケアプランの作成』ができるようになります。
さいごに
介護の仕事内容や、施設別の特徴、やりがいや大変なところについてお話しました。
介護の仕事はハードですが、多くの介護士さんが利用者さんからの笑顔や、社会のために役に立てていることに喜びを感じながら仕事をされています。
介護の仕事に興味があるというかたは、『レバウェル介護(旧:きらケア)』や『かいご畑』などの介護士転職サイトに相談すると、求人を紹介してもらえることに加え、どのような働き方がしたいのかなどの相談も可能です。
転職サイトへの登録・相談は無料です。自分に合う求人や担当者を見つけるためにも、2~3社を併用し、ご自身に合うところを見つけてみてください。
あなたに充実した仕事が見つかるよう願っています。
別に嫌いって訳でもないし、楽しいから重度訪問介護やってるんだけど
“助かる!”とか“ありがとう!”って言われるとちゃんと利用者さんと向き合ってて良かった!ってなる
出典:Twitter