「介護職、やってられない!」
「このまま続けたら精神を病みそう」
と悩んでいませんか。
介護職の仕事はとにかく体力的にハードで、一日中動きっぱなしです。仕事が終わることにはぐったり疲れ果てることもありますよね。腰痛などの体の不調を感じる方も多いと思います。
加えて、同僚との人間関係や利用者やそのご家族とのコミュニケーションの問題など、精神的にしんどい場面も多いですよね。
この記事では介護職経験者を対象にどんなことで「やってられない」と感じるのかを調査しました。集まった介護職スタッフの声をまとめて紹介します。
1.介護職をやってられない!と感じるとき【経験者に聞きました】
当サイトでは、介護職経験者向けに独自にアンケートを取得し、どのようなときに「介護職やってられない!」と感じるかを調査しました。
そこからは、介護の仕事に励んでいるからこその「やってられない!」という悲痛な声が、多く聞こえてきました。
- 1-1.スタッフ間の人間関係が悪い
- 1-2.利用者と家族からのハラスメントが苦痛
- 1-3.給料が安すぎる
- 1-4.業務量が多すぎる
- 1-5.休みが取れない
- 1-6.腰痛や体調不良が辛い
- 1-7.上司との関係がストレス
気になる項目をぜひご覧ください。
1-1.スタッフ間の人間関係が悪い
アンケート結果で最も多かったのは、スタッフ間の人間関係の悪さから「やってられない!」と感じるという内容でした。
仕事でのストレス以上に、
- 職員間のいじめや嫌がらせ
- 長年勤務しているスタッフとの不和
- 女性特有の人間関係
- 厄介ごとの押し付け合い
これらに耐えられないという声が多く聞かれています。また、スタッフの年代による価値観や意見の違いが引き金となって、人間関係が悪化してしまうこともあるようです。
職員間のいじめが耐えられない
厄介ごとを押し付け合っている
私の働いていた支店では、くせのある利用者の担当を私や、他の、いわゆる押しに弱そうな人に押し付ける文化がありました。
当時、一番若かったこともあり、おば様の職員(パートさん)から仕事を押し付けられることが多く、辛かったことが「辞めたい」に繋がりました。
年齢層が広く、風通しが悪い
愚痴を聞くのに疲れた
職場で孤立してしまった
女性特有のあつれきに嫌気がさした
1-2.利用者と家族からのハラスメントが苦痛
利用者やその家族からのハラスメント・暴言に耐えられないと苦しんでいる介護職も多いです。
体力的にキツイ中でなんとか頑張ってケアをしているのに、その当人から罵倒されたり嫌がらせをされては、やってられないですよね。もう我慢の限界になってしまうのも当然でしょう。
実際に、叩かれる、物を投げられるなどの身体的な暴力や、怒鳴られる、理不尽なことを言われるなどの精神的な暴力が横行されていました。
認知症利用者の暴言暴力が耐えられない
利用者から命令される
家族からのクレーム対応が疲れる
1-3.給料が安すぎる
多くの介護職が、仕事に対して給料が安すぎることに苦痛を感じています。
介護職員の仕事の満足度調査によると、賃金への満足度は低く、約4割が不満と回答しています(参考:厚生労働省「介護労働の現状」)。ただでさえ劣悪な労働環境で仕事をしている介護職は多く、職場環境と合わせて給与への不満を感じている方は非常に多いです。
給料が上がらない
仕事内容や業務量に対して給料が低い
1-4.業務量が多すぎる
人手不足で一人当たりの業務量が多すぎるという声も聞かれています。
スタッフが足りないために利用者の介助が追いつかず、人によっては仕事を押し付けられるなど、苦しんでいる介護職が多く見受けられました。
仕事量が多すぎる
業務量が多いうえに煩雑でストレス
1人で20人分の食事を作った
多くの業務をこなしても、文句を言われる
少人数での夜勤対応は疲弊する
1-5.休みが取れない
人手不足による長時間労働や、休みの少なさが限界で苦しんでいる介護職も多いです。
介護業界は慢性的な人手不足であり、長時間労働、サービス残業、夜勤過多、休日出勤など、多くの介護職が労働環境の悪さに苦しんでいます。「せっかくの休みも、疲れで何もできない」という悲痛な声も聞かれました。
年間を通してまとまった休みが取れない
休日は疲労回復して終わる
シフトの組み方に無理がある
残業や休日出勤が多すぎる
1-6.腰痛や体調不良が辛い
腰痛や体調不良が原因で「やってられない!」と感じる方も多いです。
仕事が好きでも、痛みに耐えながら続けることは難しいですよね。同じような悩みを持つ方は多く、介護職の約8割は腰痛を抱えているとさえ言われています。
仕事は好きだが腰痛がきつい
仕事でぎっくり腰になった
日々の重労働が腰や体に響く
1-7.上司との関係がストレス
上司との関係にストレスを感じる介護職も多いです。
自分の介護観と上司の方針が違うことや、責任逃れをする上司など、多くの介護職が上司へのストレスを抱えており、結果として精神的に追い詰められてしまう方も見受けられました。
上司とのやりとりで心が折れた
業績を上げろと言われてキツイ
精神的に追い詰められた
無理難題を言われる
上司が責任逃れをしている
法律違反に加担させられた
作成時間帯も業務終了後の18:30から早くて22:00まで一年間毎日。違法な会社だった為、出勤簿は定時で記入するよう強要され、残業代もありませんでした。
ここまで、介護職の方々の「もう辛い、やってられない」と感じる瞬間をお伝えしました。仕事に本気で向き合うからこそ、いかにキツく大変なことが多いかが分かります。
そこで次章では、介護職の仕事をやってられない!と感じたときのストレス解消法をお伝えします。
2.介護職をやってられないときのストレス解消法
この章では、介護職が「やってられない!」感じたときに、試してほしいストレス解消法を紹介します。適度にストレスを解消しながら仕事を続けるためにも、以下の内容をまず試してみてください。
それでは、ご紹介します。
2-1.家族や同僚などの身近な人に相談する
一つ目は、家族や同僚などの身近な人に相談することです。
仕事への悩みによってストレスを感じている場合、家族や同僚などの身近な人に相談してみましょう。相談することによって、以下のような効果があります。
家族や同僚に相談することのメリット
- 人に話すことで脳内が整理される
- 解決策が見つかる可能性がある
- (解決しなかったとしても)ガス抜きとなりストレスが軽減される
このように、人に話すだけでストレスが軽減されるのです。このため、何を話したら良いのかまとまっていない状態でも、まず相談してみると良いでしょう。
また、意識的に笑うことも大切です。笑うことで体内でストレスを解消するメカニズムが働くと言われており、声を出して笑うとさらに癒しや幸福感を得やすくなります。
2-2.体を動かして気持ちを切り替える
二つ目は、適度な運動などで体を動かして気持ちを切り替えることです。
仕事以外の時間を家で何もせずに過ごしていると、仕事のことが頭をよぎるだけでなく、ネガティブな考えが浮かびやすくなってしまいます。頭の中で堂々巡りになってしまうことも多く、考えても答えが出ないことも多いでしょう。
今すぐできる!体を動かす方法
- 自宅の周辺を散歩(ウォーキング)する
- 自宅近くを軽くジョギングする
- 家の中で軽い筋トレやストレッチをする
このように、まずはできる範囲からで構いませんので、適度に体を動かして気持ちを切り替えることが大切です。慣れてきたら徐々に運動量を増やしても良いでしょう。
運動をすることでストレスを解消させるホルモンが分泌されることがわかっており、気持ちの切り替えや心の安定につながりやすくなります。
2-3.十分な睡眠時間を確保する
三つ目は、十分な睡眠時間を確保することです。
ストレスが増えると眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりと、睡眠の質が悪くなることがあります。睡眠の質が悪化した結果、ストレスが解消されず、睡眠障害からうつ病などを引き起こすこともあるため注意が必要です。
毎日の仕事にストレスを感じているときは、まずはしっかりと睡眠時間を確保することに加え、その他のストレス解消法も試しながら、リラックスした状態でしっかり眠ることに努めましょう。
2-4.仕事を忘れてリフレッシュする
四つ目は、仕事を忘れてリフレッシュすることです。
真面目な人ほど、仕事後や休みの日も仕事のことを考えてしまい、心が休まらない状態が続いてしまう人はとても多いです。映画鑑賞や読書、音楽、美味しいものを食べるなど、自分が興味があるものを積極的に楽しむ時間を持ちましょう。
心から楽しいと感じる時間を過ごすことでストレスが軽減され、「趣味や休みの日を楽しむために仕事を頑張ろう」とモチベーションを持つこともできます。
3.介護職やってられない、精神病みそうと感じたときの対処法
この章では、「どうしても介護職の仕事がキツい、これ以上続けると精神を病みそう」と思った場合の対処法をお伝えします。
順番にご紹介します。
3-1.施設長や上司、信頼できる同僚がいれば相談する
あなたの職場にいる施設長や上司、同僚の中で、信頼できる人がいるなら、まず相談してみることがおすすめです。
社内の人間関係が悪いことによるいじめや、ハラスメント、仕事に起因した体調不良など、何らかの形で業務に影響が出ている場合、迅速に対応してもらえることもあるでしょう。
上司との関係の悪さに悩んでいる場合は、施設長などのさらに上の役職者に話すことがおすすめです。また、話すことで気が楽になることも多いですが、愚痴を言うことよりも「どのようにしたら改善されるか」という観点で相談することを意識してみてください。
こころの耳電話相談【職場に相談できる人がいないとき】
職場に相談できる人がいないという場合、『こころの耳電話相談』を頼ってみることもおすすめです。厚生労働省が運営しており、働く人からの相談を電話で受け付けています。
以下のような仕事の悩みを無料で相談することができ、最長20分間訓練を受けた産業カウンセラーなどの相談員が対応してくれます。
- メンタルヘルス不調(こころ・人間関係・仕事の悩み)
- 過重労働による健康障害(長時間労働による健康への影響、職場における健康管理状況)
- ストレスチェック制度
働く人の「こころの耳電話相談」
- Tel:0120-565-455
- 月曜日・火曜日 17:00~22:00/土曜日・日曜日 10:00~16:00(祝日、年末年始はのぞく)
3-2.休職する
毎日仕事を頑張っているからこそ、自分ではどうしようもできないと感じてしまったら、休職することも一つの手段です。
介護職の仕事は夜勤があるものも多く、不規則な生活になりやすいです。さらに、人手不足による膨大な業務量や介護職として人の命を預かるという大きな責任が負荷されて、ストレスから身体的だけでなく精神的にも体調を崩してしまう人はとても多いのです。
このため、一度十分な休息を取り自分を取り戻すことは、長期的に仕事を続けるという観点からも非常に大切な時間であると言えます。
3-3.職場を変える
どうしても仕事が辛い、これ以上仕事を続けるのは厳しいと感じる方は、職場を変えるしかありません。
職場を変えるのには、介護職のまま勤務先の施設や業種を変える方法と、介護職以外の異業種に転職する方法の2種類があります。
施設や職種によって仕事内容や忙しさは異なる
「介護の仕事は好きだけれど、今の職場は厳しい」という方は、勤務先の施設や業種を変えましょう。特に、夜勤や腰痛がキツイと感じている場合、職場や施設を変えることで、体への負担を大きく減らすことができます。
- 夜勤がきつい
→デイサービス、訪問介護、日勤のみの職場に転職 - 力仕事による腰痛
→ケアマネージャー、生活相談員を目指す - レクリエーションがつらい
→病院、訪問看護、ショートステイ
他の施設への転職を考えている方は『介護職300人が選ぶ転職サイトおすすめ比較!口コミ評判&求人数ランキング』を参考にしてください。
また、スタッフ間や上司との人間関係や、極度の人手不足などで職場環境が悪い場合、身につくはずのスキルが身に付かなかったり、萎縮してしまい本来の力が発揮できなかったりすることもあります。この場合も、他の施設への転職がおすすめです。
業界内での違う職種や他業界に転職も選択肢のひとつ
利用者への介助業務など、介護職の業務内容が合わないと感じる場合、異業種に転職することも一つの手段です。
自分に合った仕事を選べば、精神的・体力的にきつい毎日を抜け出しやすいでしょう。介護職での経験を活かし、介護業界での別の職種に転職する方や、全く別の業界へ転職する方は多くいらっしゃいます。
他業界への転職を考えている方は『介護職からの転職におすすめの仕事16選!介護経験の強みを活かしてキャリアチェンジ』の記事を参考にしてください。
仕事に行くこともままならないほど辛い場合、一度介護職から離れてみても良いでしょう。その際は、未経験が歓迎されやすい職種を選ぶと、仕事が見つかりやすくなります。
さいごに
「介護職をやってられない!」と感じる方の実際の声や、その際の対処法についてお伝えしました。
多くの介護職の方が、仕事において体力的・精神的にハードな毎日を送られています。キツイと感じた際は、この記事で紹介したストレス解消法や対処法を、ぜひやってみてください。
あなたの未来が明るいものになるよう願っています。