株式会社イード

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e燃費ユーザー実用燃費調査 車種別カタログ燃費達成率ランキング
全国のe燃費ユーザー給油投稿集計結果の実燃費とメーカーカタログ燃費の差が小さい車種・メーカーは?

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株式会社イード(本社:東京都新宿区、代表取締役:宮川 洋 以下、イード)は、マイカー燃費&メンテナンス管理サービス「e燃費(イーネンピ)」(http://e-nenpi.com/)をご利用の全国のユーザー給油投稿を元に集計した、カタログ燃費と実用燃費の車種別達成率ランキングを公開いたします。

2016年5月、世間を騒がせた三菱自動車の燃費不正問題。25年前からカタログ燃費値を不正に操作し、実際よりも最大で5〜15%ほど高い数値を公表していたことで非常に大きな問題となりました。

これに続き、スズキも国が定める方法とは異なる形で燃費を計測していたという報道があり、正しい方法で燃費を測定した場合との乖離は誤差の範囲内であり、実際の燃費値を恣意的によく見せようとしていたわけではないと説明をしています。

こういった状況のなか、「実際のところ、どれくらいの燃費で走るのか?」「カタログ燃費の値は参考になるのか?」といった報道が連日テレビ・新聞・雑誌などのメディアを騒がせています。

「e燃費」では、ユーザーの方々から寄せられた過去1年間のデータを元に、『カタログ燃費達成率ランキング』を調査いたしました。これは各自動車メーカーが公表する「カタログ燃費」と、日常生活で実際に出る「実用燃費」の差がどれほど大きいのか、下記の表は達成率の高い(=差が小さい)順に並べたものです。

e燃費ユーザー実用燃費調査「車種別カタログ燃費達成率」ランキング
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■ランキング集計期間・対象

  • 1. 集計期間:2015年4月〜2016年3月
  • 2. 集計対象:日本で現行販売されている国内外の乗用車
  • 3. 集計対象車両数:1,482
  • 4. 集計対象標本数:33,427
  • 5. 上記集計期間に新車購入が可能な車両(期間中に販売が終了した車両も含む)
  • 6. 商用車・MT車・現行車種の前型(例:20系プリウス)は除外する
  • 7. OEM車は同一車種とする(例:スズキ アルトとマツダ キャロルなど)
  • 8. グレード違いは同一車種とする(例:プリウス=プリウス G’s、ムーヴ=ムーヴカスタムなど)
  • 9. 同型車種は最も達成率が良いものを採用
  • 10. 現行車種でもMC(マイナーチェンジ)前のデータは採用

■「e燃費」のランキング集計基準

「e燃費」が発表する車種別実燃費データは、全国の「e燃費」ユーザーの燃費データを型式ごとに集計したものです。しかしデータの中には、入力ミスなどによるイレギュラーな数値、非現実的な数値が混在しています。それらを除外するために、給油量、走行距離などに一定の基準を設け、それをクリアしたデータのみを集計しています。

統計的に充分なデータを確保できた車種のみを発表していますので、ユーザー数が少ない車種などについては、ランキングの対象から外しています。また「e燃費」における車種は、国土交通省登録の型式を基準とし、燃費に大きな影響を与えるトランスミッションの種類、過給器の有無、駆動方式で区別しています。また、「e燃費」の車種別燃費データの信頼性を表すための指標として、それぞれの車種の標本分散(※1)の値を参考値として表示しています。

※1 標本分散
標本分散は、標本データの「ばらつき」の度合いを表します。たとえば、どんな運転をしても燃費の変動が少ないクルマと、運転状況によって燃費が大きく変わるようなクルマのふたつの車種があったとします。
仮に、これらふたつの車種の平均値がまったく同じであったとしても、データの分布はかなり異なっていることが想像されます。どんな運転をしても燃費が一定のクルマならば、データは平均値付近に一点に集中しているでしょうし、運転の仕方で燃費が大きく変わるクルマならば、データは薄く広く散らばっているかもしれません。このように、おなじ平均値にもかかわらず分布が異なるケースをあらわす場合には、散らばりの尺度を用いなければなりません。分散は、その散らばりの度合いをあらわすものです。値が小さいほど、データは平均値付近に集中しています。

<ランキング解説>

■スポーツカー・SUV・ディーゼルが多数ランクイン

スポーツカーはスズキ『スイフト』、トヨタ『86』がTOP2に、ホンダ『CR-Z』が10位でランクイン。アクセルを踏んで元気よく加速していくイメージのあるスポーツカーが高い達成率を記録しているのは少し意外かもしれませんが、『スイフト』と『86』は80%を超える高い達成率を記録、『CR-Z』も75%を超える高い達成率を記録し堂々のランクインをしました。

ディーゼル車両も5車種がランクインしており、総じてカタログ燃費達成率が70-80%台で安定し、「標本分散」が小さい値でまとまっていることが分かります。これらの数値から全体的な傾向として、クリーンディーゼル搭載車はガソリンエンジン車やハイブリッド車と比較して道路環境や天候・気温などの外部環境要因、またドライバーの運転技量による燃費変動が小さい傾向があると見ることができます。

そして今回最もランクイン数が多かったのがSUVで、大小合わせて8車種がランクインしました。これもスポーツカー同様、ボディサイズが大きく車重がある車両が数多くランクインするのは意外かもしれませんが、総じてカタログ燃費達成率が70%後半を記録しています。これは各自動車メーカーが公表しているカタログ燃費値が、実際の値に近い車両が多い傾向がある、と見ることができます。

■三菱とスズキもランクイン

また今回のランキングには三菱自動車の『デリカD:5』とスズキの『スイフト』も高い達成率でランクインしており、車種によっては燃費不正の影響が小さい三菱車両や、国が定める方法とは異なった形で燃費測定を行いつつも集計対象車両中No.1の達成率を記録している車両もあることが分かりました。このことから、今回の一連の燃費問題は、カタログ燃費の値だけを見るのではなく、カタログ燃費の計測の仕方・表記の仕方を含め、考えていく必要があるといえるでしょう。

■燃費満足度の高い、車両セグメント

「e燃費」では、毎年e燃費ユーザーに対して「e燃費アンケート」という燃費値に関する意識度調査を行っています。2015年度の調査では、セグメント別に見ると、スポーツカーやSUV車両のオーナーは燃費に関する満足度が比較的高い傾向が出ていると見ることができます。

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■燃費満足度に寄与する要素

2015年度に行った「e燃費アンケート調査」では、「燃費満足度を構成する要素は何か?」というところまで踏み込んで調査を行いました。具体的には、「燃費満足度」を目的変数、「カタログ燃費達成率」「エアコン使用時の実燃費」「市街地/高速走行時」などの個別満足度を説明変数として、重回帰分析を行い、個別項目と燃費満足度との関係を見ています。この調査により、燃費満足度に影響を与えている項目(満足度を構成する要素)を明確化しました。

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全体で見ると、寄与度は「カタログ燃費達成率」が23.3で最も高く、次いで、「実燃費の経時変化」「市街地走行時」「夏場のエアコン使用時」といった要素が「燃費満足度」への影響が大きいことが分かります。

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そのため、消費者の「燃費満足度」を向上させようとした場合、自動車各メーカーは「カタログ燃費値」よりも、「カタログ燃費達成率」つまり「実用燃費」を向上させることが、近道だと考えられます。

e燃費では、今後もより多くのユーザー投稿データを取得・分析し、燃費問題を継続して調査していきます。

資料元:『e燃費アンケート2015-2016』
http://www.iid.co.jp/news/press/2016/031101.html

■「e燃費」とは

e燃費はクルマの燃費を携帯電話・スマートフォンから登録し、マイカーをオンラインで管理する“楽しく節約、楽しくエコロジー”するサービスです。実燃費の計測、全国のスタンド情報、ユーザー同士のクチコミ情報など、様々なコンテンツを用意しています。その他にもe燃費では、ガソリン車だけでなく電気自動車(EV)をはじめとする、次世代自動車に関するサービスのご提供や調査レポートも行っております。

e燃費は今後とも「クルマ」「エコ」「社会」などをテーマに情報発信し、皆様のエコカーライフを応援してまいります。

「e燃費」:http://e-nenpi.com/
「e燃費」アプリ:http://e-nenpi.com/info/lp/

■イードのリサーチ事業について

イードでは、定量・定性・海外調査などの幅広いコンサル・リサーチを行っております。「e燃費」データを扱った分析や検証や、「e燃費」登録ユーザーへの追加アンケート調査と合わせた分析の他にも、各種ログデータ・アンケートを組み合わせた調査・分析などが可能です。お問い合わせ・お見積りは無料ですので、お気軽にご相談ください。

UXコンサルティング&リサーチ「U-Site」:http://u-site.jp/research/
調査業務のお問い合わせ:https://www.iid.co.jp/contact/usite_contact.html

■本リリースに関するお問合せ
担当:e燃費事業部 石原 正義 問合せ窓口はこちら
■取材などのお問合せ
広報担当 渡邊 穂波 問合せ窓口はこちら
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