派遣薬剤師の時給と高時給派遣求人の失敗しない探し方

派遣薬剤師 時給

「派遣薬剤師として働くと、時給はどの程度なんだろう?」と考えていませんか?

多くの転職サイトで「高時給の派遣薬剤師」との求人が出ている一方で、「高時給すぎる派遣薬剤師は、何か裏があるのでは…」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げますと、派遣薬剤師の時給が高い事は間違いありませんが、高時給すぎる求人には問題もあるケースが多いと言えます。

このページでは、転職コンサルタントとして数多くの薬剤師転職をアドバイスしてきた知見と経験をもとに、薬剤師派遣についてご紹介します。

  1. 派遣薬剤師の時給は高い!
  2. 高時給の派遣転職で、必ず注意すべき4つのデメリット
  3. 高時給以外にも派遣薬剤師のメリットは多い
  4. 派遣薬剤師の時給が高いのはなぜ?
  5. 地域別、派遣薬剤師の時給
  6. 派遣薬剤師の時給をアップさせる方法は?
  7. 失敗しない高時給派遣求人を探すコツ3選
  8. 高時給派遣に強く、必ず登録しておくべき転職サイト5選

このページを読めば、派遣薬剤師について理解が進み、「派遣薬剤師の時給」「高時給派遣薬剤師の探し方」がわかるでしょう。

目次
  1. 1. 派遣薬剤師の時給は高い!
    1. 1-1. 派遣薬剤師は、全体的に高時給
    2. 1-2. 薬剤師派遣の時給/年収モデル
    3. 1-3. 高時給派遣求人の割合
  2. 2. 高時給の派遣転職で、必ず注意すべき4つのデメリット
    1. デメリット1. 「短期間での職場変更…」
    2. デメリット2. 「雇用契約が守られない事も…」
    3. デメリット3. 「安定して長く働けない事が不安…」
    4. デメリット4. 「スキルアップできない…」
  3. 3. 高時給以外にも派遣薬剤師のメリットは多い
    1. 人気の秘密1. 「勤務条件を選ぶ事ができる」
    2. 人気の秘密2. 「サービス残業がない」
    3. 人気の秘密3. 「様々な職場を体験できる」
    4. 人気の秘密4. 「人間関係が煩わしければ転職できる」
  4. 4. 派遣薬剤師の時給が高いのはなぜ?
    1. 4-1. 採用の手間・コストが必要ない
    2. 4-2. 即戦力が期待できる
    3. 4-3. 緊急時の人員確保
  5. 5. 地域別、派遣薬剤師の時給
  6. 6. 派遣薬剤師の時給をアップさせる方法は?
    1. 短期的な時給アップはデメリットが大きい
    2. 時給アップのコツは、「次の職場では時給アップ」と派遣会社に交渉する
  7. 7. 失敗しない高時給派遣求人を探すコツ3選
    1. 7-1. 高時給の紹介予定派遣に絞る
    2. 7-2. 大手の薬剤師サイトに登録する
    3. 7-3. 「未経験」であれば、高時給派遣を避けた方が良い
  8. 8. 高時給派遣に強く、必ず登録しておくべき転職サイト5選
    1. 8-1. 薬キャリエージェント|スピーディで丁寧な就業サポート
    2. 8-2. ファルマスタッフ|派遣求人で業界最大級 高額求人も多い
    3. 8-3. お仕事ラボ|マッチング精度が高く満足度90%以上
    4. 8-4. アプロドットコム|派遣求人No.2 独立系 希望求人を紹介
    5. 8-5. ファルメイト|高時給派遣に特化
  9. さいごに
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1. 派遣薬剤師の時給は高い!

派遣薬剤師として働こうと考えていますが、時給はどの程度が相場なのでしょうか?

私の元に相談にくる転職希望者に、派遣薬剤師を希望される方が一定います。

正社員と比べると「社会的地位が低い?」「不安定?」に感じる人も多い派遣という働き方ですが、近年「高時給がもらえる」と大評判なのです。

スクリーンショット 2016-08-27 21.06.14

上記サイトは、日本調剤が経営する薬剤師転職サイトの『ファルマスタッフ』のページです。

時給4,000円以上と、極めて高時給の派遣求人特集を取り扱っています。

上記求人サイトのページで扱っている求人には、例えば下記のようなものがあります。

時給4,000円な上に、首都圏内、土日祝日休み、住居・引越し費用は全額会社負担と夢のような求人だと言えますね。

スクリーンショット 2016-08-27 21.12.18

時給4,000円で1日8時間・週5日働くと計算すると、なんと「月収70万円・年収768万円」となります。

正社員薬剤師の平均年収が553万円ですので、いかに薬剤師派遣の時給が高いか分かるでしょう。

1-1. 派遣薬剤師は、全体的に高時給

上記サイトを見ると、「高時給の求人は一部だけなのでは?」と思う方も多いと思いますが、それは間違いです。

『ファルマスタッフ』の求人サイトで、時給3,000円以上の高時給派遣求人を探すと1,800件近い求人が見つかります。

ファルマスタッフ派遣求人数

ファルマスタッフの派遣求人は全体で1,300件程度ですので、40%以上の派遣求人が「高時給求人」になっています。

世の中一般的な派遣社員の時給は、ほとんど2,000円以下だと言われていますので、薬剤師の派遣求人は極めて高時給だと言えるでしょう。

特に、薬剤師の数が多くない地方だと、派遣薬剤師の時給は3,000円以上がほとんどです。時給3,000円で1日8時間・週5日働くと「月収48万円・年収576万円」です。

1-2. 薬剤師派遣の時給/年収モデル

薬剤師派遣は「時給」での求人提示となっていますが、年収に換算するとどの程度が相場なのでしょうか?

下記表は、1日8時間・1ヶ月20日間働くと計算した際の時給/年収換算表です。

時給年収
2,000円2,000円×8時間×20日×12ヶ月=年収384万円
2,500円2,500円×8時間×20日×12ヶ月=年収480万円
3,000円3,000円×8時間×20日×12ヶ月=年収576万円
3,500円3,500円×8時間×20日×12ヶ月=年収672万円
4,000円
4,000円×8時間×20日×12ヶ月=年収768万円

薬キャリ職場ナビによると、日本全国の薬剤師平均年収は561万円です。

時給2,900円の派遣求人だと「薬剤師正社員の平均年収程度」の年収が見込めると計算できることになります。

時給4,000円の求人になると、年収はなんと768万円!かなりの高年収求人と言えそうですね。

1-3. 高時給派遣求人の割合

それでは、高時給の薬剤師派遣求人は、世の中にどの程度あるのでしょうか?

下記表は、薬剤師転職サイト大手である『薬キャリエージェント』上での求人割合です。

高時給求人とは「年収600万円の提示が可能な求人」となっており、派遣時給に換算すると「時給3,125円以上」です。

(※求人数調査:2024/5/7)

求人数高年収求人数高年収求人割合
全体20,579件7,413件36.0%
調剤薬局15,843件5,632件35.5%
ドラッグストア303件83件27.3%
病院1,354件213件15.7%
企業
86件28件32.6%

この求人は「600万提示が可能な求人」ですので、全ての人が年収600万以上を得ている訳ではありませんが、ご覧の通り、なんと60%近い求人が年収600万円以上求人となっています。

その中でも、特に高年収求人総数・割合ともに多いのが「調剤薬局」です。

「ドラッグストア」は高年収が期待できると評判の職場ですが、求人数・割合ともに低い数値となりました。

長時間労働を期待できる正社員だと高年収ですが、派遣社員への時給は高くない事が理由です。

高時給派遣を狙うなら、ドラッグストアは避けた方が良いでしょう。

関連記事:派遣薬剤師の年収と高年収求人を探すための全知識

2. 高時給の派遣転職で、必ず注意すべき4つのデメリット

派遣薬剤師の時給は、本当に高いのですね!今すぐ派遣薬剤師に登録しようかと思います。

1章でお伝えした通り、派遣薬剤師人気の大きな理由は「高時給」ですが、誰しもが派遣薬剤師をおすすめできる訳ではありません。「うまい話には、それなりの落とし穴がある」のです。

デメリットだと感じる理由は人それぞれだと思いますが、代表的なケースをご紹介します。

高時給の派遣薬剤師、4つのデメリット

  • 短期間での職場変更…
  • 雇用条件が守られない事も…
  • 安定して長く働けない事が不安…
  • スキルアップできない…

デメリット1. 「短期間での職場変更…」

とても高時給求人だったのですが、半年で契約期間が切れたので次に移ることになりました…。

一つ目のデメリットは、「短期間での職場変更」です。

高時給求人を見てみると、その多くは「調剤薬局の新店開店」募集になっています。

開店日から薬剤師が必要なため、不足分を派遣社員で採用するのですが、半年ほどの契約期間内で正社員が採用できれば、派遣社員は契約切れとして職場変更になるケースが多いのです。

「働きやすい職場であれば、長く勤めたい」と思う人は、次章でご説明する通り「紹介予定派遣」がおすすめです。

デメリット2. 「雇用契約が守られない事も…」

16時までと聞いていたのですが、18時勤務が常態化していました…。

二つ目のデメリットは、「雇用契約の問題」です。

派遣社員のメリットとして「勤務条件を選ぶ事ができる」とお伝えしましたが、高時給で採用された職場の多くは、人が足りていないのが現状です。

例えば処方する枚数が多く残業が常態化している調剤薬局や、調剤業務と聞いていたのに在庫の確認や搬入作業ばかり手伝わされるドラッグストアなど。

あまりに酷い時は、派遣会社に相談しましょう。

この時に大事な点は「派遣会社が、派遣先にしっかりと要望できるだけの力を持っているか」。力を持つには、ある程度大手の派遣会社がおすすめです。

デメリット3. 「安定して長く働けない事が不安…」

派遣切りに合う事もあるので、正社員でないという働き方は将来が不安です…。

三つ目のデメリットは、「不安定な雇用条件」です。

派遣薬剤師の需要はとても大きいものの、雇用先から「辞めて下さい」と宣告されればすぐに職場を移る必要があるのが、「派遣」という働き方です。

派遣会社への支払いもあるため、薬剤師正社員に比べてコストが高い事もあり、経営状況が悪くなれば、真っ先にコストカットとして切られる事になります。

そんな状況で長く働こうと思っても、常に不安を感じてしまいますよね。長く仕事を続けたいという方は、正社員薬剤師に切り替えた方が良いと思います。

デメリット4. 「スキルアップできない…」

決められた業務が中心なので、スキルアップは難しいですね…。

最後のデメリットは、「スキルアップの難しさ」です。

派遣薬剤師は、基本的に業務が決められているので、派遣契約期間の間は「同じ業務に携わる」事になります。

もちろん、正社員より仕事は簡単なケースが多く、「楽に高時給で働ける」メリットはあるのですが、スキルアップできないというデメリットもあります。

将来、管理薬剤師などのポジションとして働きたいと考えている方には、おすすめできない働き方と言えるでしょう。

3. 高時給以外にも派遣薬剤師のメリットは多い

デメリットも多い働き方なんですね…。時給以外に、派遣薬剤師のメリットはありますか?

薬剤師派遣としての働き方にはデメリットがあるとは言え、「自由な時間設定で働ける」などといった多くのメリットがある事も事実です。

派遣薬剤師人気の大きな理由は「高時給」ですが、それ以外にも派遣で働くメリットをご紹介します。

高時給の派遣薬剤師、4つの人気の秘密

  • 勤務条件を選ぶ事ができる
  • サービス残業がない
  • 様々な職場を体験できる
  • 人間関係が煩わしければ転職できる

人気の秘密1. 「勤務条件を選ぶ事ができる」

何と言っても、子供の成長に併せて勤務条件を選ぶ事ができるのは嬉しいですね!

一つ目の理由は、「勤務条件を選ぶ事ができる」です。

特に調剤薬局に勤めている薬剤師の中には「ママさん薬剤師」も多くいるのですが、一様に聞くのは「子供の成長に併せて働く環境を変えたい」というご要望です。

「小さい時は保育園から徒歩圏内、16時で必ず帰る事ができる職場」という働き方は、正社員だとなかなか難しいものです。

家庭と仕事のバランスを取って、その時々の自身のライフスタイルに合った働き方を選択する事ができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

人気の秘密2. 「サービス残業がない」

以前働いていた小規模の調剤薬局はサービス残業が当たり前だったのです…。

二つ目の理由は、「サービス残業がない」です。

「働いた分だけ対価を得たい」と感じる人は派遣社員を選ぶ事をおすすめします。

実は知られていない派遣社員のメリットですが、派遣社員はタイムカードで勤務時間を管理しており、勤務時間に従って給料が支払われるのでサービス残業という概念がありません

もちろん、タイムカードの時間通りに申請を通さない職場もあります。

そのような職場に当たったら「ブラック」の可能性が高いので、派遣会社に伝えて変えてもらうようにしましょう。

人気の秘密3. 「様々な職場を体験できる」

3年ぐらいで職場を変えています。同じ職場だと飽きてしまうので、3年周期がちょうど良いのです!

三つ目の理由は、「様々な職場を体験できる」です。

「薬剤師としてのキャリア」を大切にされる人とは逆に、実は「様々な職場を体験する」事を大きな魅力として派遣社員になる方は(特に女性に)多くいらっしゃいます。

慢性期病院を経験した後に、門前調剤薬局に行き、OTCも経験したいからドラッグストアに転身するが、やはり調剤薬局が合っているなと感じ…、という具合です。

「飽き性」の方や、「人生一度きりだから、色んな働き方をしてみたい」と思う人には、打ってつけの働き方と言えるでしょう。

人気の秘密4. 「人間関係が煩わしければ転職できる」

職場の人間関係が良くない時に、勤務先を自由に変える事ができるのは大きなメリットですね!

四つ目の理由は、「人間関係が煩わしければ転職できる」です。

過去に職場の人間関係やトラブルなどで辛くなった人は、派遣社員としての働き方をおすすめします。

正社員や契約社員として働くと人間関係が基本変わらず、職場でどうしても好きになれない人がいたとしても耐えるしかありません。

職場の人間関係に煩わしさを感じている人は、ぜひ派遣社員としての働き方を検討してみてください。

4. 派遣薬剤師の時給が高いのはなぜ?

なぜ、派遣薬剤師の時給はこれほど高いのでしょうか?裏がありそうで怖いのですが…。

もしあなたが薬剤師派遣に興味を持ち、薬剤師転職サイトを探せば、高時給派遣求人がすぐに見つかるでしょう。

一方で、「裏がありそうで怖い…」と不安になる転職者も多くいらっしゃいます。

同じ調剤薬局の求人であったとしても、アルバイト薬剤師は時給2,500円、派遣薬剤師は時給3,500円というパターンもあるほどです。

派遣薬剤師の時給が高いのはなぜでしょうか?

4-1. 採用の手間・コストが必要ない

最大の理由は、「採用の手間・コストが省ける」事です。

一般的に人を採用しようとすると、「求人募集(広告費)」「履歴書の確認」「応募者への合否・面接案内連絡」「面接」「職場見学」「内定出し」「条件交渉」など、採用担当者は多くの手間とコストをかける必要があります。

もちろん、正社員採用だけでなく、アルバイト採用でも同じです。

それほど手間をかけてアルバイト採用したにも関わらず、半年ほどで辞めてしまう事になると、人事としては「人材派遣会社から採用した方がラクだ」となり、多少時給が高くても派遣薬剤師を雇う事にメリットがあるのです。

4-2. 即戦力が期待できる

次の理由は、「即戦力が期待できる」事です。

大手の派遣会社の多くは薬剤師の皆さんを自社に派遣登録する際に、「何ができるか」「何が得意か」「どの程度の経験を積んでいるか」などについてヒアリングしており、薬剤師の経験や能力を把握しています。

調剤薬局やドラッグストアは「人が足りていない」から新しく雇用するわけなので、「アルバイト薬剤師を採用したら、全く調剤業務ができなかった」なんて事になると、現場は大混乱してしまいます。

ある程度即戦力を期待する事ができるので、時給が高くても派遣薬剤師を雇う事ができるのです。

4-3. 緊急時の人員確保

中には、「緊急時の人員確保」として派遣採用しているケースもあります。

小さな薬局や、交通の便が良くない立地の薬局などで急に薬剤師が辞めてしまうと、後任の薬剤師確保がとても大変です。

複数店舗を持つ薬局だと、他店舗から人を回してもらう事が可能ですが、単独の薬局だとどうしようもありません。

よって、正社員薬剤師を採用できるまでに、高時給でもいいので派遣薬剤師を雇う必要性が出てくるのです。

5. 地域別、派遣薬剤師の時給

派遣薬剤師の時給が高い事は分かりました!地方によって、時給に違いはあるのでしょうか?

一般的に、薬剤師の収入は「大都市が低く地方が高い」となっていますが、派遣薬剤師の収入はどうでしょうか?

まず、薬剤師全体の都道府県別年収ランキングは下記の通りです。

東京・大阪・愛知といった大都市での薬剤師年収は、全国平均(553万円)と比べても低い事が分かります。

薬剤師都道府県別年収

参考:薬キャリ職場ナビ

一方で、大手の薬剤師転職サイトである『薬キャリエージェント』を使って、都道府県別の派遣薬剤師求人を調べてみると、下記の傾向が分かりました。(※求人数調査:2024/5/7)

派遣求人高時給求人高時給求人割合
静岡84件0件
群馬185件0件
広島34件0件
東京 924件0件
大阪340件0件
愛知182件0件

薬剤師全体の傾向と同じく、派遣薬剤師の求人でも地方求人の方が高時給求人だと分かります。

ただ、地方だと求人数自体が多くないので、ブラックな派遣先に当たらないように力のある派遣企業を選ぶようにしましょう。

6. 派遣薬剤師の時給をアップさせる方法は?

今働いている部署がとても忙しく、時給をアップさせるコツはあるのでしょうか?

実は、派遣薬剤師が時給をアップさせる方法は簡単で、派遣会社に「時給をアップさせる事は可能ですか?」と聞いてみる事です。

しかし、性急に時給アップを狙う方法はオススメできません。

短期的な時給アップはデメリットが大きい

時給アップしようとすると、「派遣会社」か「勤め先」に交渉する必要があるのですが、どちらもデメリットが発生してしまいます。

派遣会社:扱いづらい薬剤師というレッテルを貼られる

派遣会社は多くの薬剤師と契約しているので、「忙しいから時給アップして」と伝えてくる薬剤師に良い印象を持たない事は、仕方ないとも言えるでしょう。次の派遣先を紹介してもらえないというデメリットもあります。

勤め先:短期的に時給アップしても、派遣切りされる可能性がある

今の仕事が不当に忙しい・難度が高い場合は、しっかり交渉すると時給アップする可能性があります。

しかし、こちらも勤め先から良い印象を持たれないので、しばらくした後に派遣切りされるデメリットがあります。

時給アップのコツは、「次の職場では時給アップ」と派遣会社に交渉する

私の周りで、うまく時給アップできる薬剤師の方は、すぐに時給アップさせずに「次の職場では時給アップできますか?」と派遣会社に交渉されているケースです。

派遣会社は「自分たちのマージンを減らさなくて良い」ので、しっかりと次の職場に交渉してくれるのです。

紹介予定派遣のケースでも同様で、「正社員になる時に条件アップをお願いできますか?」と交渉する事をおすすめします。

7. 失敗しない高時給派遣求人を探すコツ3選

デメリットだけでなくメリットもあるのですね。薬剤師派遣で働く事を、どう決めれば良いのでしょう?

高時給での薬剤師派遣という働き方は、デメリットが大きく、安易に飛びつかない事をおすすめします。

ただ、デメリットをできる限り減らしながら派遣求人を探すコツがあり、下記方法を必ず試すようにしてください。

7-1. 高時給の紹介予定派遣に絞る

紹介予定派遣という働き方は、派遣と同じく派遣会社に籍を置くのですが、一定期間派遣社員として働いた後に「本人」「派遣先会社」「派遣会社」の3者間で合意が取れれば、派遣先会社に就職ができる制度です。派遣期間は、半年〜1年程度です。

ポイントは派遣期間終了後に、正社員登用される際の「条件交渉」です。

1年間の間に信頼を得る事ができれば、高年収の正社員として登用される可能性が高くなりますので、条件交渉して損する事はありません。

7-2. 大手の薬剤師サイトに登録する

3章でお伝えした通り、高時給派遣の求人は基本的に人手が足りていない職場なので、「16時勤務と聞いていたが18時勤務が常態化していた」など雇用契約が守られないケースもあります。

あまりに酷い時は派遣会社から派遣先に要望してもらう事になるのですが、「派遣会社が力を持っているか」どうかがポイント。

必ず大手の薬剤師サイトに登録するようにしましょう。

7-3. 「未経験」であれば、高時給派遣を避けた方が良い

もし、あなたが薬剤師派遣に未経験なのであれば、初めは「高時給求人」を避けた方が良いでしょう。

高時給派遣求人の多くは人が集まらない求人であるため、一人で業務に当たるケースが多く、「慣れない業務につらい…」「思っていた以上に業務量が多く失敗した…」と後悔される方もいます。

薬剤師派遣が未経験の方は、未経験でも最高の条件で薬剤師派遣として働くための全知識を参考にして下さいね。

【参考】紹介予定派遣ではなく、短期・単発派遣を希望される方は、下記サイトを参照にして下さい。

8. 高時給派遣に強く、必ず登録しておくべき転職サイト5選

派遣求人を保有する薬剤師向け転職サイトの中から、以下の3点を基準に、「総合評価の高い転職サイト」をピックアップしました。

総合評価を導き出す3つの基準

  1. 派遣求人の質・量:派遣求人の量や質は十分かどうか
  2. 提案力:求職者のニーズにぴったりの提案をしてくれるかどうか
  3. サポート力:コンサルタントからの手厚いサポートを受けられるかどうか

さらに、当サイトが薬剤師500人を対象に行った独自アンケートの調査結果を加味し、利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下の通りとなりました。

転職サイト派遣求人の質・量提案力サポート力
1位.薬キャリエージェント
約4000件

4.3

4.1
2位.ファルマスタッフ
約2,400件

4.2

3.7
3位.お仕事ラボ
約580件

3.8

4.1
4位.アプロドットコム
約670件

3.4

4.1
5位.ファルメイト
約4,500件

3.9

3.4

※求人数:2024年5月更新

どこに登録すればいいかわからない方は 、口コミ評判が高く求人の幅が広い『薬キャリエージェント』と、転職エージェントのノウハウに評判が集まっている『ファルマスタッフ』を同時に登録して、2社とも試しに面談を受けてみるとスムーズに転職活動が進むでしょう。

面談を受けて、最終的に転職をしないことに決めても全く問題ないので、まずは気軽な気持ちで一歩を踏み出してみて下さいね。

登録自体は3分程度です。もちろん完全無料で費用等は一切かかりません。

【注意】登録する際は、薬剤師転職エージェントサービスなのかどうかを確認するようにしてください

不安な方は、転職エージェントサービスの各公式ページはそれぞれ下記の通りですので登録前にご参考ください。

8-1. 薬キャリエージェント|スピーディで丁寧な就業サポート

薬キャリエージェント_LP

『薬キャリエージェント』は、人気な薬剤師転職支援サイトです。15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていたこともあり、病院や医療施設などにおいて圧倒的な知名度を誇ります。

その特徴は何と言ってもオールマイティさ。転職人気の高い病院薬剤師(業界1位)や、調剤薬局(業界3位)以外にも、企業薬剤師求人数も業界1位(※エムスリーキャリア調べ)様々な職種に強い転職サイトです。病院とのコネクションが強く、業界や転職の裏事情にも強いと評判です。

また、何よりも「親会社が調剤薬局で無い」ことが一番のメリット。ほとんどの派遣薬剤師の勤め先は調剤薬局になりますが、特定薬局の求人を強くプッシュされる事もありません。

就業サポートが抜群にスピーディとも評判ですので、希望店舗の内情をしっかりヒアリングしてみてはいかがでしょうか?

薬キャリエージェント公式サイト:
https://agent.m3career.com

8-2. ファルマスタッフ|派遣求人で業界最大級 高額求人も多い

『ファルマスタッフ』は大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。

もともと、出身母体である調剤薬局を中心に扱っていた転職サイトですが、そのネームバリューで病院・ドラッグストアなどでも求人を多く掲載しており、「求人の質・量」は業界トップという評価です。

薬剤師転職求人・派遣求人ともに業界1位です。業界トップだからこそ「好条件求人」が多く集まり、「派遣先への交渉」もしっかりと行える事は大きな魅力です。

また口コミ評判によると、面接が不安な方向けの面接同行サービスも高い評価を受けています。

薬剤師派遣としての働き方を考えている人は、必ず登録しておく事をおすすめします。

ファルマスタッフ公式サイト:
https://38-8931.com

8-3. お仕事ラボ|マッチング精度が高く満足度90%以上

お仕事ラボは、薬剤師特化の選任コンサルタントが転職をサポートしてくれる転職サイトです。

派遣やパートなど、具体的な要望が固まってない段階でも、ライフスタイルに即した働き方を提案してもらえるので、気軽な気持ちで相談しにいけることが特徴です。

また、利用者からの評判だと、満足度は90%、定着率も95.6%と高水準なので、ぜひ利用してみることをおすすめします。

公式サイト
https://www.oshigoto-lab.com/

8-4. アプロドットコム|派遣求人No.2 独立系 希望求人を紹介

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『アプロドットコム』は1998年に設立された薬剤師転職支援サービスです。

独立系の転職サイトとしてスタートしたので調剤薬局などの後ろ盾が無く、転職希望者のニーズを徹底的に聞いて求人を探す」事をモットーに成長してきました。

「XX駅の近くで」と要望があった時は、XX駅周辺の薬局に全てコンタクトを取って求人を探す姿勢が高評価を受けています。

独立系ですので、特定の求人を強くおすすめされる事もありません。

今の職場に満足しておらず、フラットに次の働き方を考えている人は、必ず登録しておきましょう。

アプロドットコム公式サイト:
https://lp.apuro.com

8-5. ファルメイト|高時給派遣に特化

スクリーンショット 2016-03-13 12.52.05

『ファルメイト』は関東・関西圏に絞った派遣求人を行っており、「高時給派遣」に特化している珍しい転職サイトです。

関東エリアでは2,800円以上、関西エリアでは2,700円以上を最低保証しているため、派遣求人数自体は少ないのですが、「高時給で働きたい!」という派遣薬剤師の方には打ってつけと言えるでしょう。

大都市での高時給派遣は数が少ないので、関東・関西エリアの薬剤師はぜひ『ファルメイト』への登録をおすすめします。

ファルメイト公式サイト:
https://www.pharmate.jp/

関連記事:派遣薬剤師におすすめの転職サイトランキング7選|300人の口コミ評判

さいごに

高時給の薬剤師派遣について、コツやノウハウをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

お伝えした通り、高時給薬剤師派遣は「雇用形態が守られない」というデメリットもあります。

ポイントは「派遣先に要望できる力のある派遣会社を選ぶ」「薬剤師派遣に強い転職サイトに登録する」の2点。

これだけで満足いく転職可能性をぐっと高める事ができます。ぜひ、転職成功に向けてトライしてみる事をおすすめします!

高時給薬剤師派遣に強く、必ず登録しておくべき転職サイト5選

※薬剤師が転職する時の注意点

薬剤師は転職率が高く、「年収アップ」などの理由で転職する人が多い業界ですが、口コミの通り、職場雰囲気の悪さや長時間労働に後悔するケースが多いのも事実です。薬剤師の転職で失敗しない!体験談と転職ノウハウの全てを見て、後悔しない転職を実現してください。

特に初めて転職する人は、職場雰囲気のヒアリングや面接対策などのため、転職エージェントを活用することをお勧めします。薬剤師のための転職エージェント全知識|1から理解し徹底活用!を参考にすると良いでしょう。

転職活動は、将来のキャリアや待遇などに悩み、すぐに決められるものではありません。しっかり考えた上で、次の一歩を踏み出してくださいね。

あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

目次
  1. 1. 派遣薬剤師の時給は高い!
    1. 1-1. 派遣薬剤師は、全体的に高時給
    2. 1-2. 薬剤師派遣の時給/年収モデル
    3. 1-3. 高時給派遣求人の割合
  2. 2. 高時給の派遣転職で、必ず注意すべき4つのデメリット
    1. デメリット1. 「短期間での職場変更…」
    2. デメリット2. 「雇用契約が守られない事も…」
    3. デメリット3. 「安定して長く働けない事が不安…」
    4. デメリット4. 「スキルアップできない…」
  3. 3. 高時給以外にも派遣薬剤師のメリットは多い
    1. 人気の秘密1. 「勤務条件を選ぶ事ができる」
    2. 人気の秘密2. 「サービス残業がない」
    3. 人気の秘密3. 「様々な職場を体験できる」
    4. 人気の秘密4. 「人間関係が煩わしければ転職できる」
  4. 4. 派遣薬剤師の時給が高いのはなぜ?
    1. 4-1. 採用の手間・コストが必要ない
    2. 4-2. 即戦力が期待できる
    3. 4-3. 緊急時の人員確保
  5. 5. 地域別、派遣薬剤師の時給
  6. 6. 派遣薬剤師の時給をアップさせる方法は?
    1. 短期的な時給アップはデメリットが大きい
    2. 時給アップのコツは、「次の職場では時給アップ」と派遣会社に交渉する
  7. 7. 失敗しない高時給派遣求人を探すコツ3選
    1. 7-1. 高時給の紹介予定派遣に絞る
    2. 7-2. 大手の薬剤師サイトに登録する
    3. 7-3. 「未経験」であれば、高時給派遣を避けた方が良い
  8. 8. 高時給派遣に強く、必ず登録しておくべき転職サイト5選
    1. 8-1. 薬キャリエージェント|スピーディで丁寧な就業サポート
    2. 8-2. ファルマスタッフ|派遣求人で業界最大級 高額求人も多い
    3. 8-3. お仕事ラボ|マッチング精度が高く満足度90%以上
    4. 8-4. アプロドットコム|派遣求人No.2 独立系 希望求人を紹介
    5. 8-5. ファルメイト|高時給派遣に特化
  9. さいごに
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