【薬剤師73人に調査】仕事で大変なことは?その原因ややりがいと合わせて紹介

派遣薬剤師におすすめの派遣会社6社【あなたは派遣薬剤師に向いている?】

「薬剤師の仕事って大変なのかな…」
「薬剤師として働くのってどんな感じだろう?」

とお考えですね。

実際に、薬剤師の仕事は間違いが許されず、就職後も勉強を続ける必要があるなど、大変なことがとても多いと言えます。

そこで当サイトでは、薬剤師さんのリアルな声を集めるために、薬剤師73人を対象にアンケート調査を実施しました。

薬剤師アンケート

この記事では、これまで数多くの薬剤師転職を支援してきた私が、アンケート調査から得られた回答の中から薬剤師さんのリアルな声を抜粋し、やりがいや向いている人の特徴と合わせて紹介します。

  1. あなただけじゃない!薬剤師が「大変」「辞めたい」と感じる7つの理由
  2. 薬剤師の大変なこと【職場別に解説】
  3. 【職場別】薬剤師の働き方〜徹底比較
  4. 「もう限界かも…」と感じた時の具体的な対処法
  5. 薬剤師の大変な仕事の中でもやりがいを感じるとき
  6. 薬剤師が向いている人の特徴
  7. 【お悩み別】現役薬剤師のよくある質問Q&A

この記事を読めば、薬剤師の大変さとやりがいの両方が分かります。

 

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目次

1. あなただけじゃない!薬剤師が「大変」「辞めたい」と感じる7つの理由

多くの方が薬剤師になるまでに大変な勉強を重ねた後に、薬剤師免許を取得されていますが、実際に薬剤師として働き出してからも、多くの方が「薬剤師は大変…」と感じられています。

そこで当サイトでは、どのような場面において薬剤師の仕事が大変だと思うかについて、薬剤師さん73人を対象に調査を行いました。

この章では、薬剤師が大変だと感じる原因を、薬剤師さんのリアルな声をもとに紹介します。

早速、見ていきましょう。

1-1.患者さんへの接客が大変

多くの薬剤師さんが仕事を大変…と感じる理由の一つに、患者さんへの接客が挙げられます。無理難題や理不尽なことを言ってくる患者さんも多く、対応に苦慮する薬剤師さんが多く見られました。

クレーマーの対応が大変

口コミ・評判

調剤薬局勤務(26歳)
接客業務が最も大変でした。具体的には、クレーマーに近い患者さんの対応に苦労しました。期限の切れた処方箋をなんとかしろと言われたり、法律上不可能であることを無理強いする患者さんが多く、説得するのが大変でした。

1時間も説教を受けた

口コミ・評判

調剤併設型ドラッグストア勤務(37歳)
調剤の患者様が処方箋を持って来て、粉や一包化をして投薬している中、OTCのお客様の対応に困ることが、多かったです。中でも、調剤の患者様を対応して、投薬した直後に、別のレジに並んでいたお客様が、突然、こちらに来て、何でレジに入らないのかと、カバンで叩こうとして来て、その後、1時間あまり、説教を受けました。

薬剤師の仕事は患者さんありきであるため、患者さん対応の大変さからストレスを感じている薬剤師さんはとても多いのです。

1-2.業務が多忙すぎて大変

業務が多忙すぎて、大変…と感じている薬剤師さんも多いです。業務が多忙な理由はさまざまですが、一例に処方箋枚数の多さ、業務過多が挙げられます。

とにかく業務量が多い

口コミ・評判

病院勤務(30歳)
外来も院内処方の病院であったために、すごい量の外来処方を調剤監査して、ハイリスク薬はカウンターで説明して、なおかつ、担当病棟の薬剤師としての業務もして、チーム医療のカンファレンスにも入ってととにかく一日中時間に追われながら仕事をこなさないといけないことです。入院患者の処方内容もきちんと確認しないといけないので、把握するのが大変でした。

1日の平均処方箋枚数が300枚もあった

口コミ・評判

調剤薬局勤務(33歳)
1日の平均処方箋枚数が300枚程度で調剤、服薬指導、薬歴入力を行うだけで手いっぱいだった。前職では薬歴の締め切りがあって、月末には大量の薬歴を完成しなければならなかった。上司には薬歴をチェックされその内容について指導されることもあった。毎日数をこなすだけで精一杯だった。

ただでさえ薬剤師の仕事は間違いが許されない業務が多く、そんな中で 仕事に追われることは、体力的精神的にきついと感じる薬剤師さんはとても多いです。

1-3.在宅訪問の仕事がつらい

近年は在宅薬局の取り組みをする調剤薬局も増えていますが、その在宅訪問が大変…と感じている薬剤師さんも多いです。在宅訪問があるために仕事が終わらない、そもそも訪問がしんどいなど、多くの薬剤師さんが新たな悩みを抱えています。

仕事量が多くなかなか終わらず大変

口コミ・評判

調剤併設型ドラッグストア勤務(34歳)
施設在宅業務が大変でした。週に1回の往診があり、同行した後に調剤、監査を行っていました。医師やケアマネさんへの報告書の作成や、ご家族への請求書の作成など、店舗に配属された薬剤師がみんなで力を合わせて残業してやらなければ仕事が終わらない状況でした。薬剤師の人数が少なかったので、外来業務をしながら施設の準備をしなくてはならず、大変だったと感じます。

訪問することが精神的にしんどい

口コミ・評判

調剤薬局勤務(25歳)
在宅業務(居宅療養管理指導)で、主にガン末期患者さんの見取り専門の病院と提携しての居宅訪問が大変だった。ほぼ見取りで患者様自身もご家族もバタバタとした中で自宅に上がりこみ、訪問することが精神的にしんどかった。家族に訪問(配達)を断られることもしばしばあった。一度薬を届けただけで亡くなる方もいれば、度々急変して時間に関係なく麻薬の緊急配達などをしないといけない場合もあり、外来もこなしながら居宅に振り回されることで従業員全員が疲弊してしまっていた。

在宅薬局の仕事は店頭での接客とは異なる点も多く、かつ患者さんのご自宅への訪問はかなり気を遣うという声が多数聞かれました。また、多くの薬局が外来業務と並行しており、人手不足が大変さに拍車をかけていると考えられます。

1-4.社会人になっても勉強し続けなくてはならない

薬剤師として社会に出てからも、勉強し続けなくてはならないことが大変…と感じている薬剤師さんもとても多いです。実際に、2年に一度の調剤報酬改定や、新薬の知識、勤務先特有の情報など、薬剤師である期間は勉強し続けることになります

大学で学んでいない内容を学ばなくてはならない

口コミ・評判

調剤薬局勤務(26歳)
漢方(中医学)も取り扱っていたが、その内容は大学では全く学んでいない内容だったので、一から学ばなければならなかった。それに加えて通常の西洋薬もかなりの種類扱っていたので、勉強するべきことがとても多かった。残業で帰りも遅かったので、それ以外に自分で勉強する時間を作って学んでいくことは、体力的にかなり難しかった。

社会人になると勉強時間は仕事後や休日に確保しますが、仕事が多忙でその時間が取れない、体力的に厳しいという声は大変多いです。

知識をつけて業務を楽にするために勉強する必要性を感じていても、残業が多くてその時間が取れないために、業務が大変なまま…という負のスパイラルにはまってしまう方もいらっしゃいます。

1-5. 1人での対応にプレッシャーを感じる

勤務先のシフト状況や人手不足などにより、1人で患者さんの対応をすることにプレッシャーを感じる…という薬剤師さんの声もありました。頼れる人がいないことや、緊急事態に対応できないなど、悲痛な叫びが聞かれています。

セルフチェックしかできないのは精神的にキツイ

口コミ・評判

調剤薬局勤務(37歳)
薬局の開店前に患者さんが列を作って待っている日があり、事務1人薬剤師1人で対応しなくてはならなかったこと。クレーム対応しつつ急かされながら1人で調剤や投薬をするのも大変で、せめて朝の分の人員を増やして欲しかった。セルフチェックしかできないというプレッシャーもあった。

1人でもスピード感と正確さを求められるのが大変

口コミ・評判

調剤薬局勤務(28歳)
一人で薬の内容をパソコンに入力・他の薬との相性や飲む量など問題ないか(特にお子様は体重や年齢も含めて)の確認、薬を用意(粉や水薬の場合混ぜる事もある)し、間違い無いか確認。職業として当たり前の作業だが一人の場合、早さと正確さを両立させるのが大変だった。遅いと当然迷惑をかけるし、かといって手抜きやミスはダメなので。

薬剤師さんは責任感の強いかたが多いですが、1人で対応することは業務量とストレス面の双方で厳しく、多くの薬剤師さんがプレッシャーに耐えながら仕事をされています。

薬剤師の増員を依頼しても対応してもらえないなど、過酷な状況下で働かれている薬剤師さんも多いです。

1-6.医師の対応に苦痛を感じる

処方箋をチェックした際に、医師に照会を行う対応が苦痛…と感じる薬剤師さんも多いです。医師の中には癖の強い人も多く、連絡しただけで怒られる、話を聞いてもらえないなど、苦慮しながらも対応せざるを得ないために気が重い、という声が聞かれました。

医師への疑義照会は気が重い

口コミ・評判

病院勤務(38歳)
処方内容の確認。薬によっては飲み合わせに問題があったり、特定の疾患の方に処方してはいけない薬があるので、処方箋を見て気になる点があればその都度医師に確認しなければいけないところが大変だった。外来患者の処方だと、医師の診察中に問い合わせなきゃいけないこともあり、医師によっては問い合わせただけで声を荒げてしまう人もいたので、確認する時は気が重くなった。

医師への疑義照会は、薬剤師法24条によって義務付けられており、処方内容に疑問点が発生した場合は必ず行わなくてはなりません。ただでさえ多忙を極める中で、憂鬱になりながら医師の対応をしている薬剤師さんは多くいらっしゃいます。

1-7.管理職ゆえの大変さがある

薬剤師として順調にキャリアを積んでいても、管理職特有の大変さがある…という薬剤師さんもいらっしゃいます。管理職として部下を持ち、何か起きたときに責任を取るというプレッシャーは、調剤や接客とは異なる大変さがあるのです。

管理職としての責任は重い

口コミ・評判

病院勤務(50歳)
多くの業務を経験しましたが、やはり薬剤部の管理職が最も大変でした。業務だけこなすのであれば自分の努力で何とかなる場合もありますが、管理職だと他部門との折衝や何か問題が起こった時には責任を取る立場になるので、常に緊張感と部員の状況を把握する必要がありました。これが疲れました。

人を管理する立場となると、全く予期しない出来事が起きたり、そもそもマネジメントするうえでのお手本となる人がいなかったりと、職場によってその大変さは異なります。さまざまな部下を抱え、毎日手探りで仕事を進めている管理職の方も多いでしょう。

2.薬剤師の大変なこと【職場別に解説】

この章では、薬剤師が大変だと感じることを職場別に解説します。ご自身が希望する職場の情報をぜひチェックしてみてください。

早速、見ていきましょう。

2-1.調剤薬局|人間関係と薬局特有の大変さがある

調剤薬局で働く薬剤師さんから聞かれる大変さの多くは、人間関係にあります。狭い空間の中で多くの人が働くため、良くも悪くも人間関係が密になってしまい、トラブルにつながることもあるのです。

また、門前薬局の場合、その診療科特有の苦労も多いと言えます。

小規模薬局ゆえの負担が大きかった

口コミ・評判

調剤薬局勤務(39歳)
個人調剤薬局で働いていたこともあり、正社員は社長と私の二人で、働いて数年で管理薬剤師になりました。また、社長も薬局にいない時間も多かったので、しわ寄せなどは多く、負担が大きかったです。また、薬局はあいてる時間が長いため、パートの方が多いと自然と正社員が長時間労働することもあり、体力勝負でした。個人薬局のため、薬剤師が一人になる時間もあったため、患者さんが重なると大変でした。

精神科門前薬局の勤務はつらい

口コミ・評判

調剤薬局勤務(33歳)
精神科の方への投薬、服薬説明や体調変化確認など。伝えすぎても不安にさせてしまうため、どの情報を伝えるべきか、とても気を使い大変な店でした。また入浴を毎日しない方がほとんどだったため、夏になると非常に体臭が強くなったり、尿の匂いが一気に薬局内に充満するため、それをこらえながら薬についての確認をするのは大変でした。

正確に調剤をおこなうことの大変さに加え、それぞれの薬局ごとに特徴があるため、どのような職場環境なのかは薬局ごとに異なる点も多いのです。

現役薬剤師の声

【29歳・調剤薬局勤務・女性薬剤師】

 「小規模薬局で働いていますが、人間関係の濃さが本当にきつかったです。狭い空間で毎日同じメンバーと顔を合わせるので、一度関係が悪くなると逃げ場がありません。特に薬歴がたまった時は残業が続き、昼休みも薬歴書きに追われて心が休まりませんでした。」

【35歳・門前薬局勤務・男性薬剤師】

「精神科門前薬局での勤務経験がありますが、患者さんの対応が想像以上に大変でした。症状により感情の起伏が激しい方もいらっしゃり、時には1時間近く説教を受けることも。待ち時間のクレーム対応では『いつまで待たせるの?急いでいるんだけど』と言われても、安全な調剤のためには時間が必要で板挟み状態でした。」

【26歳・一人薬剤師・女性薬剤師】

「一人薬剤師として働いていた時期は、有給休暇がほとんど取れませんでした。薬剤師が私一人なので、体調を崩しても簡単に休めず、常にプレッシャーを感じていました。ダブルチェックができないため、調剤ミスへの不安も大きかったです。」

参考:体験者が語る「一人薬剤師」のメリット・デメリット薬剤師は大変な仕事?実体験とやりがい・魅力を紹介 – 薬読

2-2.ドラッグストア|調剤や医薬品販売以外の業務が多く大変

ドラッグストアは業務の幅が広く、かつ扱う医薬品が多いことに大変さを感じる薬剤師さんが多いです。お客様から見ると、誰が薬剤師なのかの見分けはつかないため、日用品販売や品出しなどの調剤以外の業務も対応する必要があります。

中には、利益至上主義の会社もあり、薬剤師の存在意義を疑問を感じる方もいらっしゃいます。

会社の方針に疑問を感じる

口コミ・評判

調剤併設型ドラッグストア勤務(26歳)
薬剤師としてのスキル向上はにのつぎで、会社全体としての売り上げを常に意識し、研修会などが開催されていました。
また自社ブランドのオリジナル商品があり積極的に買ってもらうよう接客の研修が行われ、薬剤師として疑問を感じていました。
また毎日日報を書き、上司へ提出することが義務付けられ、仕事が終わり家に帰っても日報を書くばかりで、薬の勉強する時間がうまく取れませんでした。

薬剤師以外の仕事が多く、長時間労働だった

口コミ・評判

ドラッグストア(OTC販売)勤務(25歳)
薬剤師なのにドラックストアなので、他の仕事が多く、薬剤師としての仕事は少ない方でした。なのに長い時間働いていないといけなかったり、勉強する時間の確保ができなかったりと、自分のスキルをアップすることができないまま時間が経過していくことに納得できない自分もいました。直接患者さんとたくさん関わっていたかったです

ドラッグストアは朝から晩まで営業している店舗も多く、正社員薬剤師は長時間勤務となる人も多いです。会社によっては研修会もあり、自分の時間がない…と悩まれるかたもいらっしゃいます。

現役薬剤師の声

【28歳・大手ドラッグストア勤務・男性薬剤師】

 「ドラッグストアでは調剤業務以外にも品出し、レジ業務、重い栄養ドリンクのケース商品の運搬など肉体労働が多く、想像以上にきつかったです。立ち仕事で売り場を動き回ることも多いので、足がパンパンになって家に帰ると立ち上がれない日もありました。」

【31歳・調剤併設ドラッグストア勤務・女性薬剤師】

「調剤併設店舗で働いていますが、調剤業務をしながらドラッグストア側の業務もこなさなければならず、まさに『マルチタスク地獄』でした。処方箋の投薬中にお客様からOTCの相談を受けることもあり、頭の切り替えが大変です。土日の休みも取りにくく、友人との予定が合わせづらいのが悩みです。」

【24歳・新人ドラッグストア薬剤師・女性薬剤師】

「大学で学んだ内容と現場が違いすぎて戸惑いました。保険点数やレセ業務が想像以上に複雑で、幅広いOTC知識も必要。化粧品や雑貨品の知識まで求められ、最初は勉強が追いつきませんでした。でも研修制度がしっかりしていたので、徐々に慣れることができました。」

参考:1年目の新人薬剤師がつらい8つの理由 現役ドラッグストア薬剤師が解説

2-3.病院|求められる薬学レベルの高さと医師や看護師との関わり

病院薬剤師は、他の薬剤師職種とくらべて業務の幅が広く、最新の薬学知識も求められます。また、医師や看護師などのコメディカルとの関わりも多く、各専門分野への理解や、高いコミュニケーション能力が必要とされやすいです。

中には薬剤師に強く当たる医師や看護師もいるため、人間関係に悩む薬剤師さんも多いです。

院内処方が多く病棟に行けないうえ、院長の指示が絶対だった

口コミ・評判

病院勤務(25歳)
平日は午前中から昼過ぎまでは、大抵、外来患者さんの院内調剤業務ばかりで終わってしまい、ほとんど病棟活動に行くことが出来ないし、とても調剤室が狭いので身動きするのも大変だった。また、院長が言うことが絶対な雰囲気だったので、他で代用できるような薬剤も絶対に用意しなくてはならない状況だった。

認知症の方の担当をしたときはつらかった

口コミ・評判

病院勤務(32歳)
ご高齢の認知症を患っている患者さんへのお薬の説明が一番大変でした。本当に理解されているのか、薬はきちんと説明をしないと命に関わることなのでとても大変でした。体力的には全く問題はなかったのですが、精神的に非常に疲れてしまう作業でした。認知症の方の担当をするのは自分自身がうつ病になってしまうかもしれないと思うほど大変でした。

大学病院勤務の場合、担当の診療科によって対応が大きく変わることもあります。また病院特有の夜勤があることも、大変なことの一つと言えます。

現役薬剤師の声

【27歳・総合病院勤務・女性薬剤師】

 「夜勤中は一人で医師や看護師、患者の対応をしなければなりません。救急外来ではイレギュラーな事態も起こり、研修医から『どの薬を出したらいいか』と相談されることも。一人きりの勤務による精神的プレッシャーは相当なものでした。当直明けは1日使い物にならず、生活リズムが崩れて自律神経が乱れました。」

【33歳・大学病院勤務・男性薬剤師】

「病院内でのヒエラルキーが弱すぎて、医師には存在をスルーされ、看護師にはこき使われます。カンファレンスや勉強会に出席しても薬剤師には発言権がほとんどなく、たまに雑用をこなすだけ。『チーム医療の一員』と言われますが、実際は格下扱いされることが多く、存在が空気のような状態でした。」

【30歳・民間病院勤務・女性薬剤師】

 「業務外の学会発表や勉強会の準備で、少ない休みを奪われることが多かったです。日中は通常業務でバタバタ、帰ってから発表資料を作る日々で毎日が寝不足。発表がプレッシャーすぎて体調を崩したこともありました。給料も他職種と比べて低く、責任とスキルに見合った報酬がもらえていない感じがします。」

参考:病院薬剤師こんなはずじゃなかった!絶対に失敗しない病薬転職のコツ – HOPステップ転職

2-4.企業|薬学の専門性を追求するからこその大変さがある

企業に勤務する薬剤師にはさまざまな職種があり、その仕事内容によって大変なことは異なります。調剤などの業務はなくても、研究開発などの専門性を極める仕事が多い点が特徴です。

企業によっては、薬剤師が1人しかいないという職場も多く、全ての業務を1人でこなすことは、体力的精神的にも辛いと感じるかたは多くいらっしゃいます。

アイデアを出すことと新規商品の立ち上げのプレッシャー

口コミ・評判

企業勤務(研究開発)(31歳)
研究開発職だったので、新規商品の開発が当然大変でした。何もないとこからの開発なので知識が豊富とかだけでは解決しません。時には突拍子もないアイデアなども必要でした。いつまでも定番商品だけでやっていけるような業界だけではなかったので新規商品の立ち上げというプレッシャーと戦いながら仕事をしてました。しかし市場に自分の使った商品が出回っているという嬉しさもありました。

部署に薬剤師が自分だけで全ての責任を担っていた

口コミ・評判

企業勤務(管理薬剤師)(28歳)
企業の管理薬剤師として働いており、資格をもっているのは自分1人であった。薬剤師でしかなれない業務も多く、廃棄物からISO、労働基準に関連する業務など専門業務は多岐に渡っていた。それら専門業務について、仕事の意思決定や資料作成は自分1人の判断で決まった。時折、査察や監査などがあり、不明な点があっても上司は分からず、査察などの結果は自分1人が背負っていた。

企業薬剤師として勤務することは、調剤薬局とは違う業務の幅広さや責任の重さがあり大変と感じる薬剤師さんが多いです。

現役薬剤師の声

【31歳・製薬会社研究開発部門・男性薬剤師】

 「研究開発職として働いていますが、新規商品の開発プレッシャーが想像以上でした。何もないところからの開発なので、豊富な知識だけでは解決できない問題ばかり。アイデアを出すことと新規商品の立ち上げの責任の重さに、常にストレスを感じています。失敗したときの会社への影響を考えると、夜も眠れないことがありました。」で、全ての薬事業務の責任を一人で担っていました。承認申請業務、安全性情報の管理、規制対応など業務範囲が広く、常に勉強し続けなければついていけません。調剤薬局とは違う専門性の高さと責任の重さで、プレッシャーを感じながら働いています。」

【35歳・CRO企業・男性薬剤師】

「臨床開発モニター(CRA)として働いていますが、医師との折衝や治験の進行管理で高いコミュニケーション能力が求められます。プロトコルからの逸脱があった場合の対応や、症例報告書の確認作業は非常に神経を使います。出張も多く、ワークライフバランスを保つのが難しい職種です。」

3.【職場別】薬剤師の働き方〜徹底比較

以下の比較表は、各職場で働く薬剤師の実際の声と業界データを基に作成しています。

📊 薬剤師職場別比較表

比較項目🏥 調剤薬局🛒 ドラッグストア🏥 病院
主な業務内容・処方箋調剤
・服薬指導
・薬歴管理
・在宅訪問
・かかりつけ薬剤師業務
・処方箋調剤(併設店舗)
・OTC販売・相談
・品出し・レジ業務
・商品陳列・発注
・健康相談対応
・調剤業務
・病棟薬剤業務
・注射薬調剤
・薬物療法モニタリング
・チーム医療参加
大変さの種類・狭い職場での人間関係
・薬歴業務による残業
・待ち時間クレーム対応
・一人薬剤師の負担
・門前特有のストレス
・調剤以外の多業務
・立ち仕事による体力消耗
・土日休み取得困難
・売上ノルマプレッシャー
・長時間労働
・夜勤・当直による体力負担
・医師・看護師との関係性
・専門知識の高度要求
・学会発表等の業務外負担
・院内ヒエラルキーの低さ
メリット・患者との継続的関係構築
・専門性を活かした服薬指導
・比較的安定した勤務時間
・地域医療への貢献実感
・転職市場での需要高
・幅広い知識・スキル習得
・他職種より高収入
・コミュニケーション力向上
・キャリアアップ機会豊富
・福利厚生の充実
・最先端医療知識習得
・チーム医療参加経験
・専門薬剤師取得可能
・医療従事者としての充実感
・高度な臨床スキル向上
向いている人・患者と深く関わりたい
・安定した環境で働きたい
・薬学専門性を重視
・地域貢献意識が高い
・継続的な関係を好む
・幅広い業務に挑戦したい
・収入重視
・体力に自信がある
・コミュニケーション好き
・販売・接客スキル向上志向
・最新医療を学びたい
・専門性を極めたい
・チーム医療に参加したい
・研究・学会活動に興味
・高い責任感を持つ

📈 職場別データ比較

項目調剤薬局ドラッグストア病院
平均年収¹517万円514万円474万円
勤務薬剤師数²約19万人約4万人約6万人
求人数の多さ⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
転職難易度易しい易しいやや難しい
夜勤の有無なしなしあり
土日出勤少ない多いシフト制

¹ 出典:m3.com薬剤師調べ(2024年)
² 出典:厚生労働省「薬剤師・歯科衛生士等確保対策検討会」資料

💡 職場選択のポイント

🎯 重視する要素別おすすめ職場

💰 収入重視 → ドラッグストア・調剤薬局
📚 専門性重視 → 病院・専門薬局  
⚖️ ワークライフバランス重視 → 調剤薬局
🚀 キャリアアップ重視 → ドラッグストア・病院
🏠 安定性重視 → 調剤薬局

🔍 転職時の注意点

転職パターン注意すべき点成功のコツ
病院→調剤薬局給与面での期待調整臨床経験をアピール
調剤薬局→ドラッグストア業務範囲の拡大準備接客スキルの習得
ドラッグストア→病院収入減への覚悟学習意欲の強調
未経験→各職場研修制度の確認積極的な学習姿勢

4. 「もう限界かも…」と感じた時の具体的な対処法

薬剤師として働く中で「このままでいいのだろうか」「もう限界かもしれない」と感じることがあるのは、決して珍しいことではありません。実際に、薬剤師73人への調査では、多くの方が同様の悩みを抱えていることが分かりました。

しかし、重要なのは「悩んだ後にどう行動するか」です。この章では、段階を踏んだ具体的な対処法をご紹介します。

4-1. ステップ1:まず現職で試せる改善アクション

転職を考える前に、今の職場でできることがないか検討してみましょう。問題によっては、意外と身近なところに解決策があるかもしれません。

上司・同僚への上手な相談の切り出し方

効果的な相談のポイント:

✅ 相談のタイミング
- 忙しい時間帯を避ける
- 1対1で話せる環境を選ぶ
- 事前にアポイントを取る

✅ 伝え方のコツ
- 感情的にならず、具体的な事実を伝える
- 「困っている」ではなく「改善したい」という前向きな表現を使う
- 自分なりの解決案も一緒に提案する

相談例文:

「お疲れ様です。○○の件でご相談があるのですが、10分ほどお時間をいただけますでしょうか。最近、薬歴業務で残業が続いており、患者さんへの対応時間に影響が出そうで心配しています。効率化のために、こんな方法はいかがでしょうか…」

日々のストレスを軽減するメンタルセルフケア

すぐに実践できるストレス対処法:

場面具体的な対処法効果
患者対応中深呼吸を3回、心の中で「大丈夫」と唱える冷静さを保つ
休憩時間5分間の瞑想アプリを活用リラックス効果
帰宅後その日の「良かったこと」を3つ書き出すポジティブ思考の習慣化
休日薬剤師以外の友人との時間を大切にする視野の拡大

業務の優先順位付けと効率化で負担を減らすコツ

薬剤師の業務効率化テクニック:

  1. 薬歴作成の効率化

    • テンプレートの活用
    • 音声入力ソフトの導入検討
    • 投薬後すぐの記録習慣化
  2. 患者対応の工夫

    • よくある質問のQ&A集作成
    • 説明用の視覚的資料準備
    • 待ち時間短縮のための動線見直し
  3. 時間管理の改善

    • 重要度・緊急度マトリックスの活用
    • 「完璧」を求めすぎない意識改革
    • 同僚との業務分担の見直し

4-2. ステップ2:環境を変える選択肢を検討する

現職での改善が難しい場合は、環境を変えることも大切な選択肢です。いきなり転職ではなく、段階的に検討していきましょう。

後悔しないための異動交渉の進め方

チェーン薬局・大手企業の場合:

📋 異動交渉の準備リスト

□ 異動希望の明確な理由を整理
□ 希望勤務地・店舗の具体的な提示
□ 現在の業務の引き継ぎ計画
□ 異動時期の希望(繁忙期を避ける)
□ 人事担当者との面談アポイント

交渉のポイント:

  • 「逃げたい」ではなく「成長したい」という動機を強調
  • 会社にとってのメリットも併せて提示
  • 3~6ヶ月程度の余裕を持った時期設定

自分の市場価値を知ることから始める転職活動

転職準備の段階的アプローチ:

段階実施内容期間目安
情報収集転職サイト登録、求人動向調査1-2週間
自己分析スキル棚卸し、希望条件整理2-3週間
市場価値確認エージェント面談、年収相場把握1週間
選考準備履歴書作成、面接対策2-4週間
転職活動応募、面接、内定獲得1-3ヶ月

💡 転職活動のコツ

  • 在職中に活動することでリスクを最小化
  • 複数の転職サイト・エージェントを活用
  • 面接では転職理由をポジティブに表現

4-3.【体験談から学ぶ】先輩薬剤師が転職で解決したこと

実際に転職を経験した薬剤師の方々が、どのような問題をどう解決したのか、リアルな声をご紹介します。

人間関係の悩みから解放された事例

✅ 解決事例:狭い職場のストレスから解放

【Aさん・26歳・調剤薬局→大手チェーン薬局】
転職前の悩み:「正社員とパートが入り混じっており、人間関係があまり良くなかった。異動相談も住居から離れた場所を提示され、配慮してもらえなかった」

転職後の変化:「新しい職場では年齢層が近いスタッフが多く、お互いを尊重し合える環境。異動希望も通勤時間を考慮してもらえ、ワークライフバランスが改善された」

転職成功のポイント:職場見学時に実際の人間関係を観察し、スタッフ同士の会話や雰囲気を確認したこと

✅ 解決事例:パワハラから脱出

【Bさん・34歳・ドラッグストア→調剤薬局】
転職前の悩み:「上司のパワハラを受け、精神を病んでしまった。友人の助言でようやく転職を決意」

転職後の変化:「管理薬剤師の方が非常に理解のある方で、業務の進め方も丁寧に教えてくれる。精神的な負担が大幅に軽減され、薬剤師の仕事が楽しいと思えるようになった」

転職成功のポイント:面接時に職場の教育方針や上司の人柄について質問し、パワハラのない環境であることを確認したこと

労働環境の改善を実現した事例

✅ 解決事例:残業地獄からの脱出

【Cさん・32歳・病院→調剤薬局】
転職前の悩み:「残業が多い割に賃金が少なく、自分の時間がなかなか取れなかった」

転職後の変化:「定時退社が基本で、有給も取りやすい環境。年収も50万円アップし、プライベートの時間も確保できるようになった」

転職成功のポイント:面接で具体的な残業時間や有給取得率を質問し、労働条件を事前に確認したこと

✅ 解決事例:休日確保の実現

【Dさん・35歳・ドラッグストア→調剤薬局】
転職前の悩み:「調剤併設のドラッグストアのため営業時間が長く、休みが取れなかった」

転職後の変化:「完全週休2日制で土日休みも可能。家族との時間が増え、ストレスが大幅に軽減された」

転職成功のポイント:「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いを理解し、確実に休める職場を選んだこと

キャリアアップを実現した事例

✅ 解決事例:専門性の向上

【Eさん・29歳・市中病院→大学病院】
転職前の悩み:「オールラウンダー育成方針で、専門的で高度な技術を学べなかった」

転職後の変化:「がん専門薬剤師の資格取得に向けた支援を受けられ、専門性を深められている。学会発表の機会も増え、やりがいを感じられるようになった」

転職成功のポイント:転職先の教育制度や専門資格取得支援について詳しく調査し、成長機会のある職場を選んだこと

💡 まとめ:段階的アプローチで最適な解決策を

薬剤師として働く上での悩みは、必ず解決策があります。重要なのは:

  1. まずは現職でできることを試す(ステップ1)
  2. 改善が困難な場合は環境変更を検討(ステップ2)
  3. 先輩たちの成功事例から学ぶ

一人で抱え込まず、信頼できる同僚や転職エージェントに相談しながら、あなたにとって最適な道を見つけてください。薬剤師という専門職の強みを活かし、より充実したキャリアを築いていきましょう。

5. 薬剤師の大変な仕事の中でもやりがいを感じるとき

薬剤師は仕事が大変だからこそ、やりがいを感じることも多くあります。この章では、薬剤師さんが日々の仕事の中で感じているやりがいについて、お伝えします。

早速見ていきましょう。

5-1.患者さんから感謝されたとき

薬剤師さんがやりがいを感じるときとして最も多く挙げられたのが、患者さんから感謝されたときです。患者さんのお役に立てたことを実感し「ありがとう」の言葉を受け取ったときは、大変な薬剤師を頑張ってきてよかったと思う瞬間と言えるでしょう。

リピーターになってくれると嬉しい

口コミ・評判

調剤薬局勤務(25歳)
お薬をお渡しする際に、じっくりと患者さんとお話が出来るところ。その後感謝されたり、リピーターになってくれた際はとても嬉しいです。あとは在宅でお伺いした際に、他の職種の人が手が回りにくい事を処理し、感謝された際もやりがいを感じます。

「ありがとう」と言ってもらえる仕事

口コミ・評判

調剤薬局勤務(30歳)
外来の患者さんとの窓口でのやりとりがとてもやりがいがあります。薬局のアットホームさが伝わっているのか、お薬の相談や健康相談される方が多くいらっしゃいます。病院では聞きづらかったことなどを聞かれたりもするので、自分の知識を増やさなければならないと感じさせてもらえます。「ありがとう」と言っていただけると仕事だと日々感じています。

この一言をもらったときに、日頃の疲れやネガティブな感情が全て報われるとおっしゃる薬剤師さんもいらっしゃいました。

5-2.患者さんと信頼関係を築けたと感じたとき

患者さんと信頼関係を築けたと感じたときも、多くの薬剤師さんがやりがいを感じるときとして挙げられました。長く薬局に来られている患者さんや、かかりつけ、在宅など接点が多い患者さんとの信頼関係を築けたとき、薬剤師としての存在意義とやりがいを感じるという声が多く聞かれています。

患者さんが心を開いてくれるようになった

口コミ・評判

調剤薬局勤務(37歳)
やりがいがあると感じるのは、薬剤師として同じ薬局で長く勤務することで、患者さんに顔覚えてもらいやすく、継続してフォローアップできる点です。顔見知りになることで、徐々に心を開いてくれる方も増えて、いろんな相談や悩みを受けられるようになったり、診察内容も話してくれるようになることが、薬剤師としてやりがいを感じます。

患者さんが相談をしてくださるようになった

口コミ・評判

調剤薬局勤務(28歳)
薬局をかかりつけにしている患者さんとの信頼関係が強くなり、くすりのことなど相談されたときはなしを聞き、解決してあげられると患者さんが喜ぶし感謝されるので嬉しい。服用しているくすりの種類が多いと相談され、病院に相談して数を減らすことに成功した時、やりがいを感じた。

患者さんのためにお役に立ちたいと思い、その努力が実ったときの喜びは何にも代えがたいものと言えるでしょう。

5-3.患者さんの回復を間近で感じられたとき

患者さんの回復を間近で感じられたときも、多くの薬剤師さんがやりがいを感じるとおっしゃっています。薬を通じて患者さんを支え、回復されて元気になった姿を見たときの喜びはとても大きなものでしょう。

入院時から退院までを見届けられることがやりがい

口コミ・評判

病院勤務(29歳)
入院患者の持参薬を鑑別し、服薬状況の確認、新規薬剤と持参薬の飲み合わせから医師へ処方提案や疑義照会を行うときは、薬剤師として知識をフル活用するためやりがいを感じます。また入院中はさまざまな検査を行うため、薬の効果がリアルタイムにわかる時がありとても勉強になる機会が多いです。退院時には、本人及び家族へ薬の説明を行い、退院後も適切な薬服用ができるよう服薬指導書を作成します。病院は入院から退院まで患者の経過を追うため、自分の知識を活かし患者の状態が良くなる様子を見ている時にとてもやりがいを感じます。

処方した薬が患者さんに適切な効果を現したときはもちろん、薬剤師さんがヒヤリングして勧めた科で原因が分かり、症状の改善につながったという喜びの声も聞かれました。

5-4.職員間で協力して大量の業務を進められたとき

職員間で協力して、大量の業務を進められたときも、薬剤師さんがやりがいを感じるときとして挙げられています。薬剤師の職場は人手不足や業務過多などの理由で、忙しいところは大変多いです。そんな中で、同僚と協力して大量業務を進められたときは、やりがいとして大きな達成感や爽快感を得られるのでしょう。

チームワーク良く業務をおこなったときに達成感がある

口コミ・評判

調剤薬局勤務(36歳)
私が就職した薬局が何個も病院が同じビルの中に入っている門前の薬局でした。皮膚科・小児科・眼科などのいくつかの分野の処方箋が混在してこなしていくので、患者さんが多い時期は大変でしたが、チームワークも良かったため1日、数をこなした後は言葉に表せないぐらいの達成感はありましたし、いろんな分野も勉強できるので、自分もスキルアップになりました。

忙しいときでも、職員同士で協力して仕事が進められる職場環境であることは、働きやすさややりがいを得るという観点でとても大切なことであると言えます。

5-5.チーム医療で仕事をしていると感じるとき

チーム医療で仕事をしていると感じるときも、多くの薬剤師さんからやりがいを感じるとの声が聞かれました。医師や看護師と連携しながら、患者さんの回復のお役立てができることは、医療者の一員であることを強く感じ、自身の役割を果たしていると実感できるためと考えられます。

他のコメディカルから頼られると嬉しい

口コミ・評判

病院勤務(28歳)
看護師入院患者さんへの服薬指導などといった、本来病院で働くメリットである病棟活動がたくさん行えたり、医師、看護師、ほかのコメディカルと連携して医療者の一員であることを感じる事ができる。その他の医療者からも薬剤師が重宝されていたので、とても働きやすいと思う。処方の提案や、患者からの感謝の言葉が直接聞けるのは嬉しい。

チーム医療により最適な医療を提供している実感がある

口コミ・評判

病院勤務(25歳)
チーム医療に参加し、他職種と連携、情報共有を行い最適な医療を提供する機会があります。共有した情報をもとに薬の提案を行い、治療が行われるとリアルタイムで患者の状態が分かり、本で得る知識以上に知識が身につけられます。また定期的な勉強会も開催されており、スキルアップもできるので、やりがいだけでなくモチベーションも上がります。職場の環境も良いため、仕事のことや、勉強のことで相談ができ薬剤師として長く働いていける環境が整っています。

今後はチーム医療の重要性がより一層求められることから、チームワークで仕事ができる薬剤師のニーズは高く、同時にやりがいを感じる人も増えるでしょう。

6. 薬剤師が向いている人の特徴

この章では、薬剤師の仕事が向いている人の特徴をお伝えします。大変と言われる薬剤師ですが、以下に当てはまるかたは、薬剤師に向いていると言えます。

早速見ていきましょう。

6-1.正確さを求められる細かい作業が好きな人

正確さを求められる細かい作業が好きな人は、薬剤師に向いていると言えます。

薬剤師の調剤業務では、量を少しでも間違えると患者さんの健康に影響が出てしまうため、誤差を許さない細かい作業が求められるからです。

ミリ単位での調剤となることも多く、慎重さをもって正確に作業することが何よりも求められます。スピーディーな作業が求められる状況下でも、正確さは薬剤師として絶対に外せないポイントです。

6-2.患者の健康に対して責任感を持って仕事ができる人

患者さんの健康に対して責任感を持って仕事ができる人も、薬剤師に向いている特徴の一つです。

薬剤師の調剤や処方箋対応は、ただ医師の指示通りの処方をすればよいのではなく、内容をしっかりと確認し、疑問点があれば医師に照会をおこなうなどの対応が必要となります。

このため、薬を正しく提供することはもちろん、自身の処方が薬剤師として患者さんの健康に直接影響を及ぼすことを認識し、責任や緊張感をもって対応することが求められているのです。

6-3.継続的に勉強する向上心のある人

継続的に勉強する向上心を持つことは、薬剤師として欠かせません。

学生時代に一通りの薬学を勉強していても、入社後にも新薬の発売や調剤報酬の改定など、薬剤師は変化がとても多い業界です。また、副作用についても新たに発見されることが多く、従来の知識のまま調剤をすると、患者に健康被害が及ぶリスクがあります。

また、厚生労働省は薬剤師の養成において、以下を発表しています。(出典:厚生労働省

薬学部6年卒業時に必要とされている資質(一部抜粋)

薬学・医療の進歩に対応するために、医療と医薬品を巡る社会的動向を把握し、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を有する。

このように、患者さんにより良い医療を提供するために、継続的に勉強を続ける向上心は必須と言えます。

6-4.コミュニケーション力のある人

コミュニケーション力のある人も、薬剤師に向いている特徴の一つです。

薬剤師は患者さんに薬を渡すとき、薬の効果効能や副作用、服用法について説明する義務があります。患者さんへ正しく説明をおこなうためには、薬学の正しい知識に加え、相手に理解してもらうためのコミュニケーション力が求められるのです。

患者さんへ説明をする際は、極力専門用語などの難しい言葉を使わず、相手の目線に立って理解ができるような説明をすることが非常に重要です。

薬剤師の説明能力によって、患者さんの理解度が変わり、薬を正しく服薬されるかどうかも変わってくるため、コミュニケーション力がある人でも、伝え方を磨き続けることは薬剤師として大切と言えます。

6-5.薬学に加えて化学が好きな人

薬学に加えて化学が好きな人も、薬剤師に向いている人の特徴と言えます。

薬学は化学の分野に属する学問であり、薬が患者に及ぼす効果を正確に知るためには、薬の成分などについて化学的視点から正しい知識を得ることが必要です。

また、化学の知識があれば、各物質にどのような効果があるのかや、最新の薬学の理論なども理解しやすいため、安全な調剤が可能となります。

化学好きであることで、継続的な勉強がしやすくなる点も大きなメリットと言えるでしょう。

7.【お悩み別】現役薬剤師のよくある質問Q&A

薬剤師として働く中で誰もが直面する悩みや不安について、実際の対策や解決策をQ&A形式でお答えします。

これらの悩みを乗り越えることで、より充実した薬剤師ライフを送ることができるでしょう。

Q. 新人でミスが続いて怖い…どう乗り越えればいい?

A. まずは「新人がミスしやすい」のは統計的事実であることを理解し、段階的な対策を講じることが重要です。

日本薬剤師会の調査データによると、調剤経験年数1〜3年の薬剤師が最もインシデント(ヒヤリ・ハット事例)を起こしやすいという結果が出ています。

参考:日本薬剤師会「新任薬剤師のための調剤事故防止テキスト」

これは経験不足による自然な現象であり、決してあなただけの問題ではありません。

具体的な対策方法:

  1. 基本的な確認手順の徹底

    • 製品名・剤形・規格(含量)を必ず3回確認
    • 用法・用量は常用量・用法と照らし合わせて確認
    • 初めて調剤する薬剤は事前に用法・用量等を必ず調べる
  2. 先輩薬剤師との連携強化

    • 不明な点は自己判断せず必ず質問する
    • 疑義がある処方せんは無理に読み取ろうとせず照会を行う
    • ダブルチェック体制を活用し、確認を求める
  3. 知識の体系的な習得

新人の間にミスを経験することで、より慎重で優秀な薬剤師に成長できます。焦らず、一つずつ確実にスキルを積み上げていきましょう。

Q. 患者さんからの理不尽なクレームにどう対応すべき?

A. 冷静な対応と適切な報告体制を活用し、組織全体でカスタマーハラスメント(カスハラ)に対処することが大切です。

近年、薬局での患者クレームが深刻化しており、日本薬剤師会では2025年2月から「クレーム対応費用保険」を新設するなど、組織的な対策が進められています。

参考:日本薬剤師会「クレーム対応費用保険」について

理不尽なクレームへの対応手順:

  1. 初期対応の基本

    • 感情的にならず、まずは話を最後まで聞く
    • 「申し訳ございません」という謝罪ではなく「ご不便をおかけして」といった共感的な言葉を使用
    • 事実確認を行い、改善できる点があれば対応する
  2. エスカレーション(上司への報告)の判断基準

    • 暴言や威圧的な態度が見られる場合
    • 正当な理由なく過度な要求をされる場合
    • 長時間の拘束や他の患者への迷惑行為がある場合
  3. 組織的な対応

    • 沖縄県薬剤師会の資料にあるように、「薬剤師に確認してまいりますのでしばらくお待ちください」など、時間を稼いで管理者に相談
    • 複数人での対応体制を整える
    • 必要に応じて警察への相談も検討

重要なのは、理不尽なクレームは決してあなた個人の問題ではないということです。適切な対応を行い、組織のサポートを受けながら冷静に対処しましょう。

Q. 医師や看護師との人間関係を円滑にするコツは?

A. 相互理解と専門性を活かした積極的なコミュニケーションが、良好な人間関係構築の鍵となります。

多職種連携において、薬剤師は医師や看護師との架け橋的な役割を担うことが重要です。マイナビ薬剤師「チーム医療における薬剤師の役割」によると、効果的な情報共有と治療計画の共有が連携成功の要因とされています。

人間関係を円滑にする具体的なコツ:

  1. コミュニケーション能力の向上

    • 相手の専門分野を尊重し、薬剤師としての専門知識を適切にシェア
    • 疑義照会時は相手の立場を理解し、「確認のため」という姿勢で対応
    • 医療機関での多職種連携事例のように、定期的なカンファレンスへの積極参加
  2. 情報提供の工夫

    • 処方提案時は根拠となるデータや文献を準備
    • 患者の服薬状況や副作用情報を積極的にフィードバック
    • トレーシングレポートを活用した効率的な情報共有
  3. 相互理解の促進

    • 医師や看護師の業務内容や時間的制約を理解
    • 薬剤師の専門性(薬物相互作用、副作用モニタリング等)を適切にアピール
    • チーム医療の一員として患者中心のケアを共通目標とする

特に新人薬剤師の場合、まずは「頼られる薬剤師」を目指すことが重要です。正確な情報提供と迅速な対応を心がけることで、自然と信頼関係が構築されていきます。

Q. AIに仕事を奪われる将来が不安です…

A. AIは薬剤師の業務を代替するのではなく、対人業務の充実を支援するツールとして活用されるため、適切なスキルアップで将来性は十分確保できます。

厚生労働省の「薬局薬剤師DXの推進について」によると、薬剤師の将来像は「対物業務から対人業務へのシフト」が明確に示されており、AIによってルーティン業務が効率化される一方で、薬剤師にしかできない専門的な対人業務の重要性が高まるとされています。

参考:厚生労働省「薬局薬剤師DXの推進について」

AI時代に求められる薬剤師スキル:

  1. 患者フォローアップ能力の強化

    • IoTデバイスやPHR(Personal Health Record)データを活用した個別化医療
    • オンライン服薬指導における高度なコミュニケーション技術
    • 慢性疾患管理や重症化予防への積極的関与
  2. デジタル技術との融合

    • 電子処方箋システムの活用による効率的な業務運営
    • AIが提供するデータ分析結果の適切な解釈と活用
    • 遠隔での患者モニタリング技術の習得
  3. 専門性のさらなる向上

    • 薬物療法の高度化に対応した継続的な学習
    • 多職種連携におけるリーダーシップの発揮
    • 地域医療での「かかりつけ薬剤師」としての役割強化

実際に、アメリカの研究では「薬剤師(Pharmacist)」の仕事がAIに代替される可能性はわずか1.2%とされている一方、「薬剤技師(Pharmacy technicians)」は92%となっており、専門的判断を要する薬剤師の業務は高い将来性があることが示されています。

重要なのは、AIを脅威ではなく、より良い薬剤師業務を支援するパートナーとして捉え、継続的なスキルアップを図ることです。

患者との直接的なコミュニケーションや複雑な薬物療法の判断など、人間にしかできない業務に集中することで、AIと共存しながら価値のある薬剤師として活躍し続けることができます。

さいごに

薬剤師の仕事で大変なことや、やりがいについて、薬剤師さんの声をもとに解説しました。

薬剤師は調剤において間違いが許されないことや、入社後も勉強をし続ける必要があるなど、大変なことが多い点は事実です。

その反面、患者さんとの信頼関係を築けたときには大きなやりがいも得られる仕事と言えます。

あなたが薬剤師になる選択をされ、充実した人生を送られることを応援しています。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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