【2023年最新版】パート薬剤師の年収|年収を左右する条件、気を付けたい年収の壁、年収アップの方法を徹底解説

「パート薬剤師の年収はどれくらいなの?」
「扶養控除内で働くにはどうしたらいい?」

と思っていませんか。

パート薬剤師の平均時給は2,000円前後ですので、勤務条件によっては正社員並みに稼ぐことも可能です。

とはいえパート勤務の場合、扶養控除のことを考えて働く必要がある方が多いため、いわゆる「年収の壁」についても知識を得ておいたほうが良いでしょう。

この記事では、これまで薬剤師の転職をサポートしてきた私が、パート薬剤師の平均年収や平均時給、「年収の壁」の基礎知識、さらにパート薬剤師として年収アップをさせる方法まで、ご紹介します。

(目次)

  1. パート薬剤師の平均時給・年収の相場
  2. パート薬剤師が気を付けたい「年収の壁」
  3. パート薬剤師がもっと年収をアップさせる方法
  4. 【プロが厳選】パート薬剤師に強い転職エージェント5選
  5. よくあるお悩み解決Q&A
  6. さいごに

この記事を読めば、安心してパート薬剤師として職場復帰ができるようになるはずです。

目次

1. パート薬剤師の平均時給・年収の相場

まず初めに、パート薬剤師の時給や年収について解説します。

さらに、パートの年収を左右する3つの条件、パートで働くメリット・デメリットを解説します。

  1. パート薬剤師の年収と手取り額
  2. パート薬剤師の職場別平均時給額

順番に見ていきましょう。

1-1.パート薬剤師の年収と手取り額

一般的なパート薬剤師の時給は、全国平均で1,800円~2,200円程度です。

ここでは時給2,000円と設定し、年収計算しました。

結果は以下の通りです。

・フルタイムで勤務した場合(1日8時間・週5日勤務/1ヶ月20日勤務を想定)

2,000(円)×8(時間)×5(日)×4(週)×12(ヶ月)=384万円(年収)

・時短勤務の場合(1日6時間・週3日勤務/1ヶ月12日勤務を想定)

2,000(円)×6(時間)×3(日)×4(週)×12(ヶ月)=172万円(年収)

・超時短勤務の場合(1日5時間・週2日/1ヶ月8日勤務を想定)

2,000(円)×5(時間)×2(日)×4(週)×12(ヶ月)=96万円(年収)

手取り額の計算方法ですが、一般的に手取りは、総支給金額の75~85%になるといわれており、おおまかな金額を知りたいのであれば、額面(年収)に0.75~0.85を掛ければわかります。

上記の例であれば、手取り額は以下の通りです。

年収384万円の場合/手取り288万円~326万4,000円
年収172万円の場合/手取り129万~146万2,000円
年収96万円の場合/手取り72万~81万6,000円

次にパート薬剤師の年収を決める3つの条件について解説します。

(1).パート薬剤師の年収を決める3つの条件

  1. 働く時間帯
  2. 働く地域
  3. 働く職場
1.働く時間帯

働く時間帯によって時給は変動します。

午後5時以降の勤務であれば、日中の時給の25%増になる店舗もありますし、夜勤の時給はさらにアップするのが普通です。

遅い時間帯に勤務可能であれば、高い収入が望めるでしょう。

2.働く地域

薬剤師は全国どこでも働く場所がありますが、働く地域によって時給に開きがあります。

一般的に同じ職種で比べた場合、地方よりも都市部のほうが時給が高くなることが多いのですが、薬剤師の場合は逆です。

都市部は薬剤師が余っているため時給は低めで、人手不足が深刻な地方では時給が高くなります。

交通の便が悪い地方ほど人手は足りなくなるので時給も上がっていき、時給が3,000円を超える地域もあるのです。

3.働く職場

調剤薬局、ドラッグストア、病院、製薬会社など、勤務先によって時給は変わります。

年収アップをしたいのであれば、高い時給が望める職場を選ぶようにしましょう。

次章の「1-2.パート薬剤師の職場別平均時給額」で職場ごとの平均時給をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

次にパート勤務と正社員勤務の比較をしてみます。

(2).正社員との比較

パート勤務の場合、正社員よりも年収が下がってしまうことは明らかです。

しかし、パート勤務であっても、時給が高ければ正社員の平均年収を超える収入を得ることは可能です。

正社員と同程度もしくはそれ以上の年収をパート勤務で得るには、

  • 時給3,000円以上
  • フルタイム勤務(1日8時間、週5日勤務は必須)

上記の条件で働く必要があります。

ここでパート薬剤師として働くメリット・デメリットを整理しておきましょう。

メリットデメリット
  • プライベート優先で働ける
  • 仕事と家庭の両立が可能
  • 育児・子育てもできる
  • 残業がない
  • 転勤がない
  • 同じ職場で長く働くことが可能
  • ボーナス・退職金は基本的に出ない
  • シフト状況によっては希望額が稼げない
  • 勤務時間を減らされてしまうこともある
  • 福利厚生がパートは対象外の職場もある

パート勤務は、出産・育児の時期を経て、正社員として薬剤師に復帰するための準備として働きたいママ薬剤師や、家庭を優先したい人、趣味が長期旅行の人など、プライベートな時間を大切にしながら働きたい方に向いています。

次に、職場別の時給をご紹介します。

1-2.パート薬剤師の職場別平均時給額

薬剤師が活躍できる主な職場のパートの平均時給は以下の通りです。

職場種別時給相場シフト柔軟性スキルアップこんな人におすすめ
調剤薬局2,000~2,500円★★★★☆
平日日中中心
土日休みが多い
急な休みに対応しやすい
★★★☆☆
調剤・服薬指導に特化
在宅医療経験可能
かかりつけ薬剤師を目指せる
・調剤スキルを極めたい人
・患者さんとじっくり関わりたい人
・ワークライフバランス重視
・少人数の職場で働きたい人
ドラッグストア1,800~2,700円★★★★★
営業時間が長い
土日・夜間勤務も選択可
短時間から対応可能
★★★★☆
OTC医薬品の専門知識
接客・販売スキル
小売業全般の経験
・高時給で効率よく稼ぎたい人
・接客が好きな人
・幅広い業務を経験したい人
・夜間・土日に働ける人
病院・クリニック1,800~2,000円★★☆☆☆
平日日中が中心
シフトは比較的固定
急な休みは調整が必要
★★★★★
チーム医療の経験
注射薬調製など専門業務
医療安全への関与
・専門性を高めたい人
・チーム医療に参加したい人
・安定した勤務時間を望む人
・医療現場での経験を積みたい人

出典:マイナビ薬剤師

 

薬剤師に人気の「製薬会社」は、正社員・派遣・パート全てにおいて求人が少ないです。

 

2023年10月時点でネット上で調べた結果、パート募集をしていた製薬系企業の時給は「2,500~2,800円」と高額時給でした。

2. パート薬剤師が気を付けたい「年収の壁」

パート薬剤師として働く際に注意したほうがいいことに「年収の壁」があります。

年収の壁とは、税制上や社会保険上の扶養控除を受けられる年収の上限のことで、別の表現にすれば、「税金の壁」です。

年収の壁は複数ありますが、大きく影響が出る壁は下記のとおりです。

  1. 130万円の壁
  2. 150万円の壁
  3. 201万円の壁

それぞれの「年収の壁」を超えるとどうなるか、くわしく見ていきましょう。

2-1.130万円の壁

「130万円の壁」は「社会保険加入の壁」と言えます。

年収が130万円を超えると、配偶者の社会保険上の扶養から外れるので、自分で社会保険などに加入する必要が出てくるのです。

この金額は月々約3万円程度、1年間でおよそ36万円程度の差が生じます。

では、年収130万円を超えないようにするにはどうしたらいいでしょうか?

例)パートの時給2,000円で計算

年収130万円÷12(ヶ月)≒ 月額10万8,300円程度

1ヶ月の上限額は、10万8,300円程度となります。

108,300(円)÷2,000(円)= 54.15(時間)

1ヶ月の勤務時間は、54時間以下にする必要があります。

1ヶ月4週とすると、週に12~13時間程度の勤務が上限になります。

パート薬剤師の平均時給(2,000円)で計算すると、130万円の壁を超えないように働くためには、週12~13時間程度の勤務時間に抑えなければいけません。

非常に短時間の勤務となりますので、希望の就業先に勤務可能かどうか相談する必要があります。

2-2.150万円の壁

年収が150万円を超えると、税制上の扶養から外れ、配偶者特別控除を満額で受けることができなくなります。

これによって、大きく収入が減ることはありませんが、150万円をボーダーに「扶養手当」を設定している企業も多いです。

このため、年収が150万円を超えると、平均して年間約20万円の扶養手当がもらえなくなる恐れがあるので注意が必要となります。

夫・妻の就業先の扶養手当の条件を確認して、150万円以下に抑えたほうがいいのか、それを超えて稼いだ方がいいのかをしっかり検討しましょう。

ちなみに、パート薬剤師(時給2,000円の場合)が年収150万円に抑えるためには、1ヶ月62時間以下、週15時間程度まで勤務時間を抑える必要があります。

2-3.201万円の壁

年収が201万円を超えると、全ての扶養から無条件で外れて、自ら所得税等を納めることになります。

150万円の壁と同じく、税制や社会保険上の大きな収入の変化はありませんが、年収200万円以下を扶養手当の対象としている企業も多く存在します。

201万円の壁についても、150万円の壁と同じく、扶養手当の対象を確認し、いくらまで稼ぐのが一番損がないのか、事前にしっかりシミュレーションしておきましょう。

なお、パート薬剤師(時給2,000円の場合)が年収を201万円以下に抑えるには、勤務時間を1ヶ月83時間以下、週20時間以下で抑える必要があります。

「年収の壁」まとめ

今までご紹介した3つの壁を超えないように働く目安に、以下のシフト例を参考にしてください。

希望年収働く時間(シフト例)
130万円未満週12時間(週2日/1日6時間)
150万円未満週15時間(週3日/1日5時間)
201万円未満週20時間(週4日/1日5時間)

※時給2,000円で計算

さらに、「夫もしくは妻の収入が1,120万円以下であるかどうか」等の細かい条件も存在するので、自分の家庭に最適な働き方ができる職場を探している場合は、転職サイトを利用して相談することをおすすめします。

ここまで、パート薬剤師が意識するべき3つの年収の壁と、それを超えないようにする働き方について解説しました。

次章では、パート薬剤師が年収アップをさせる方法についてくわしく解説します。

3. パートで働くということ|薬剤師が知るべきメリット・デメリット

薬剤師としてパートで働くことを検討している方にとって、この働き方の良い面と注意すべき点を理解することは非常に重要です。

厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、パート薬剤師の平均時給は2,845円と、一般的なパートタイム労働者の平均時給1,248円の約2倍という高い水準を維持しています。

しかし、高時給だけでなく、ワークライフバランスや将来的なキャリア形成の観点からも、パート勤務の特徴を正しく把握することが大切です。

パート勤務を選ぶ5つのメリット

1. ワークライフバランスの実現

パート薬剤師の最大のメリットは、自分の生活に合わせた働き方ができることです。

マイナビ薬剤師によると、「子どもの帰宅時間に合わせて16時までに勤務を終えたい」「親の介護があるため火曜日と木曜日は働けない」といった具体的な要望に応えられる柔軟性があります。

実際に、子育て中のママ薬剤師の場合、「子どもを幼稚園に預けている10時~15時の間だけ働く」「週3日勤務で家事や育児の時間を確保する」といった働き方が可能です。

アプロ・ドットコムのデータでは、パート薬剤師はシフト勤務が多く、残業や急な出勤は基本的にないため、プライベートの予定を立てやすいという特徴があります。

2. 高時給による効率的な収入獲得

薬剤師のパート時給は職場によって以下のような相場となっています:

  • ドラッグストア:2,500~3,000円
  • 調剤薬局:2,000~2,500円
  • 病院・クリニック:1,800~2,200円

時給2,200円で週4日、1日6時間勤務した場合、年収は約253万円となり、短時間でも十分な収入を得ることができます。

特に夜間勤務(17時以降)では+500円程度、土日・祝日では+100~300円の時給アップが期待できるため、家族の協力が得られる場合はさらに高収入を目指せます。

3. 時間の融通が利く働き方

子育て中の急な休みにも対応しやすいのがパート勤務の大きな魅力です。

アプロ・ドットコムの調査では、小さい子どもがいるママ薬剤師は、子どもの急な発熱や病気、けがにより突発的な休みを取ることがありますが、パートの業務量なら他の薬剤師で仕事を賄えることが多いため、正社員よりも突発的な休みに寛容な職場が多いとされています。

また、有給休暇も「雇い入れの日から6ヵ月が経過」「その期間の全労働日の8割以上出勤」という条件を満たせば取得可能で、保育園や学校の行事に合わせた休暇も計画的に取得できます。

4. 異動・転勤がない安定性

パート薬剤師は基本的に採用時の職場から異動することがありません。

マイナビ薬剤師によると、大手チェーンであっても引っ越しを伴うような異動はなく、せいぜい近隣の店舗への異動程度です。

これにより、慣れた職場環境で継続して勤務でき、子どもの転校などの心配もありません。

5. ダブルワークでキャリアの幅を拡げる

パート勤務では複数の職場での勤務が可能です。

「今の病院は職場環境がいいので辞めたくないけど、違う診療科の病院でも働いてみたい」「調剤薬局での経験を活かしながら、ドラッグストアでの市販薬販売も経験したい」といった希望を実現できます。

様々な職場を経験することで、薬剤師としてのスキルアップと人脈の拡大が期待できます。

注意すべき3つのデメリット

1. 収入の不安定性とキャリアアップの制限

パート薬剤師の大きなデメリットは、時給制による収入の不安定さです。アプロ・ドットコムの分析では、休日や祝日が多い月は収入が減少し、お盆や年末年始の長期休業では大幅な収入減につながる可能性があります。また、昇給がない、あったとしても昇給額がわずかという職場が多く、ボーナスや退職金も期待できません。

キャリア面では、勤務時間が限られるため責任を伴う業務を任されることが少なく、管理薬剤師やエリアマネージャーといった役職に就くことは基本的にありません。かかりつけ薬剤師の要件である週32時間以上の勤務条件を満たせないケースも多く、キャリアアップの機会が制限される傾向があります。

2. 福利厚生の制限と雇用の不安定性

パート薬剤師は、家賃補助や家族手当、健康診断補助や保養所の利用といった法定外の福利厚生に制限が設けられているケースが一般的です。また、企業の業績が悪化した際には、真っ先に人員整理の対象となるリスクがあります。

実際にコロナ禍で受診控えが起こった際には、経営難に陥った薬局で正社員の雇用を守るため、パートの勤務日数や時間が減少するケースもありました。長期的な雇用の安定性では正社員に劣る面があることを理解しておく必要があります。

3. 業務範囲の限定と成長機会の不足

マイナビ薬剤師によると、パート薬剤師は投薬、調剤、監査など調剤室内の業務が中心となり、在庫管理や書類作成などのマネジメント業務はあまり行いません。同じ職場で働き続けると、同じような業務が続いて単調になりがちで、薬剤師としての成長機会が限定される可能性があります。

また、企業の研修制度があっても対象は正社員のみであることが多く、パートは限定的または受けられないケースが多いため、継続的な学習とスキルアップの機会が制限される傾向があります。

【チェックリスト】あなたはどっち?正社員 vs パート勤務の向き不向き

パート勤務に向いている人

 ワークライフバランスを重視したい

  • 子育てや介護と両立させたい
  • プライベートの時間を確保したい
  • 残業や急な出勤を避けたい

 働く時間・場所に制約がある

  • 子どもの帰宅時間に合わせたい
  • 特定の曜日は働けない事情がある
  • 転勤・異動を避けたい

 短期間で効率的に収入を得たい

  • 高時給を活かして短時間で稼ぎたい
  • 扶養範囲内で働きたい
  • 複数の職場での経験を積みたい

正社員勤務に向いている人

 安定した収入とキャリアアップを求める

  • 月収を安定させたい
  • ボーナスや退職金を重視する
  • 管理職やスペシャリストを目指したい

 薬剤師として幅広い業務に挑戦したい

  • かかりつけ薬剤師として患者さんと深く関わりたい
  • 在宅医療や24時間対応業務に携わりたい
  • マネジメント業務や後輩指導を経験したい

 長期的な安定雇用を重視する

  • 福利厚生の充実を求める
  • 研修制度でスキルアップしたい
  • 一つの職場で長く働きたい

判断のポイント

アプロ・ドットコムでは、「ママ薬剤師の場合、お子さんの成長につれて、働ける時間や業務内容は変わっていく」ため、長期的な視野でキャリアプランを考えることが重要だと指摘しています。

「子どもの手がかからなくなってきたら正社員になってバリバリ働きたい」「扶養内に抑えたいので、ずっとパートで働きたい」など、ライフステージの変化を見据えた働き方の選択が大切です。パート勤務で経験を積んだ後、正社員登用の実績がある職場を選べば、将来的なキャリアチェンジの道筋も描けるでしょう。

4. パート薬剤師がもっと年収をアップさせる方法

パート薬剤師が年収をアップさせる方法は以下の3つです。

  1. 今より時給の高い地方に転職する
  2. 平均時給の高い製薬会社に転職する
  3. 転職サイトを利用する

ひとつずつ見ていきましょう。

3-1.今より時給の高い地方に転職する

手っ取り早く年収をアップしたいのであれば、今より時給の高い職場で働くことです。

実は、薬剤師の平均時給や平均年収は他の業界と違って、都市部よりも地方のほうが高めとなっています。

2019年、パート薬剤師の全国平均時給は、2,197円でした。

2019年・薬剤師の都道府県別パートの時給ベストテンは以下になります。

1位島根県2,800円
2位高知県2,700円
3位青森県2,575円
4位岩手県2,550円
5位鳥取県2,520円
6位長崎県2,500円
7位宮崎県2,500円
8位福井県2,500円
9位山口県2,480円
10位大分県2,480円

ちなみに東京、愛知、大阪、福岡などの時給は以下になります。

24位東京2,214円
30位愛知2,188円
31位大阪2,186円
43位福岡2,029円

データ出典:賃金構造基本統計調査

薬剤師が余っている都市部と異なり、 地方は薬剤師が不足しています。

このため、パート薬剤師の需要が高くなり、高時給となっているのです。

つまり、交通の便が悪い地方ほど人手が足りない状況であるため、時給も上昇する傾向があります。

また、地域によっては時給3,000円以上で募集するケースもありますので、お住まいの近隣県の時給なども確認してみましょう。

3-2.平均時給の高い製薬会社に転職する

製薬会社でのパート勤務は平均時給が高いので、年収アップしたい方におすすめします。

しかし、製薬会社は非常に狭き門となっていて、正社員はもちろんパートや派遣の募集も非常に少ないのが実情です。

土日祝に休める製薬会社を希望するパート薬剤師は多く、たまにパートの求人があれば競争率も非常に高くなります。

どうしても、企業でパート薬剤師がしたいと希望している方は、次の章でご紹介する転職サイトを利用しましょう。

転職サイトには、非公開の求人も多く、製薬会社のパート勤務のようなレアな求人も見つかる可能性が高まるからです。

3-3.転職サイトを利用する

年収アップのための転職を成功させる最大のポイントは転職サイトを利用することです。

補足:転職サイトとは

    一般的な求人サイトと異なり、求職者一人に対してキャリアコンサルタントが担当し、転職活動をサポートしてくれるサービスです。求人の紹介から、面接対策まで、転職活動を総合的に支援してくれます。

パート勤務でも転職サイトを利用できるの?と思うかもしれませんが、雇用形態にかかわらず転職サイトの利用が可能であり、おすすめです。

なぜなら、薬剤師に特化した転職サイトを利用することによって、一般に公開されているよりも条件のいい求人を見つけやすくなるからです。

転職サイトを利用すると、以下のようなメリットがあります。

  • 転職活動に必要なサポートを全て無料で受けられる
  • 自分のキャリアを客観的に見つめ直すことができる
  • 表には出ていない非公開求人を探してきてくれる
  • 面接では伝えきれないあなたの魅力を、人事に別途プッシュしてくれる
  • 面倒な手続きや調整を代理で行ってくれるので手間が減る

転職サイトはあなたの悩みや希望をヒアリングして、適切な求人を紹介してくれます。

もちろん、転職そのものに悩んでいる段階でも利用が可能です。

「できるだけ残業の少ない職場がいい」
「子育てが終わったら正社員になりたい」

といった希望にも、丁寧に対応してくれるでしょう。

次の章では、数ある転職サイトの中から、薬剤師の転職におすすめの会社を厳選して紹介します。

5.【プロが厳選】パート薬剤師に強い転職エージェント5選

パート薬剤師の方におすすめの転職サイトを5つ選びました。

下記は、200名の口コミの結果から採点した薬剤師転職サイトの総合ランキングです。

 

求人数・質提案力サポート力
薬キャリエージェント
4.1

4.3

4.1
マイナビ薬剤師
4.2

4.2

3.7
ファルマスタッフ
3.9

3.8

4.1
ファーマキャリア
4.2

3.4

4.1
 

リクナビ薬剤師

 


4.2

3.9

3.4

転職サイトは、担当するキャリアアドバイザーの相性や質が重要ですから、数社登録して面談をしてみて、一番良いと思ったところを活用することをおすすめします。

面談を受けて、最終的に転職をしないことに決めても全く問題ないので、まずは気軽な気持ちで一歩を踏み出してみましょう。

それでは、ひとつずつご紹介します。

1位.薬キャリエージェント|求人数が多く、交渉力が強い転職サイト

薬キャリ

『薬キャリエージェント』は、総合満足度No1の薬剤師転職サイトです。
(※薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月エムスリーキャリア調べ)

運営会社のエムスリーキャリアは、15年以上前から医療業界に特化したビジネスを行っていることもあり、サポート力や薬剤師転職ノウハウには信頼があります。

また、病院や医療施設などに強いコネクションを築いており、人気の高い転職先である調剤薬局や病院の求人数は業界1位、(※エムスリーキャリア調べ)調剤薬局では業界3位と、他サービスを圧倒する求人数・質を誇ります。

業種・年齢・地域問わず、転職を考えるすべての薬剤師におすすめです。

公式サイト:
https://agent.m3career.com/

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2位.マイナビ薬剤師|豊富な求人数と面談の安定感

マイナビ薬剤師

 

※マイナビのプロモーションを含みます。

『マイナビ薬剤師』は、転職業界大手のマイナビグループが運営する薬剤師専門の転職サイトです。

マイナビグループの知名度と営業力を活かして全国の求人情報を網羅しており、54,673件の求人を掲載しています

また、転職サポート力に定評があり、応募者との「面談」に力を入れているという点も特徴的です。

親身にアドバイスをしてくれるため、はじめての方でも安心して転職活動を進められるでしょう。

全国の主要都市に支店を持っており、地方在住の薬剤師の方にもおすすめです。

公式サイト:
https://pharma.mynavi.jp/

※マイナビのプロモーションを含みます。

3位.ファルマスタッフ |20代正社員薬剤師から高評価&派遣も対応

ファルマスタッフ』は、大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する薬剤師転職支援サービスです。

特に調剤薬局の求人は、数・量ともに業界トップクラスです。薬局への転職を検討している方は、登録必須の転職サイトと言えるでしょう。正社員求人だけでなく、派遣求人も多く扱っています。

20年以上にわたる転職支援実績があり、蓄積されたノウハウを得られる点も大きな魅力です。

薬剤師転職では、どういった点をアピールすればよいのか、調剤薬局への転職を成功させるにはどのように準備しておけば良いのか、など具体的な方法を知ることができるでしょう。

公式サイト:
https://www.38-8931.com/

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4位.ファーマキャリア |希望に沿った好条件求人を提案

『ファーマキャリア』は、オーダーメイド求人が魅力の転職サイトです。あなたの希望に合わせた好条件求人を、キャリアコンサルタントが厳選して提案してくれます。

求人の数よりも質を重視したい方におすすめです。

また、優秀なキャリアコンサルタントが担当してくれる点も特徴的です。

一人ひとりがより満足のいく転職を実現するために、非常に親身なサポートを実施しています。

公式サイト:
https://pharmacareer.jp

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5位.リクナビ薬剤師|優秀なコンサルタント・ドラッグストア求人1位

リクナビ薬剤師

『リクナビ薬剤師』は、人材紹介最大手のリクルートが運営する薬剤師を専門に扱ったサイトです。

サービスの規模も大きく、数多くの転職実績があります。

 

ドラッグストアの求人や、高収入の求人が多い点も特徴です。

また「日本一の人材紹介会社」としてのノウハウが豊富であり、特に優秀なコンサルタントがいるという点も大きな強みです。

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6. よくあるお悩み解決Q&A

パート薬剤師への復職を考える際、「ブランクがあって不安」「年齢的に大丈夫?」といった個人的な悩みを抱える方は少なくありません。

そうした不安にお答えし、安心して新たな一歩を踏み出していただけるよう、よくあるお悩みを解決いたします。

Q. 5年以上のブランクがありますが、復職は可能ですか?時給は下がりますか?

A. 5年程度のブランクであれば、復職は十分可能です。時給についても、研修期間を除けば大幅に下がることはありません。

薬剤師は慢性的に人手不足の業界であり、ブランクがある方を歓迎する職場は数多く存在します。厚生労働省の「薬剤師確保のための調査・検討事業報告書」によると、薬剤師の61.6%が女性で、出産・育児によるブランクからの復職者を積極的に受け入れる環境が整備されています。

復職成功のポイント:

  • 復職支援プログラムの活用:各都道府県の薬剤師会では復職支援研修を実施しており、最新の調剤業務や服薬指導を学び直せます
  • 段階的な復帰:最初はパート勤務から始めて、慣れてきたら時間を延ばすなど、無理のないペースで復帰できます
  • 研修制度のある職場選び:大手調剤薬局やドラッグストアでは、ブランクがある薬剤師向けの研修制度が充実しています

時給に関しては、パート薬剤師の平均時給2,000円~2,500円から大きく下回ることは稀で、むしろ薬剤師不足により好条件の求人も豊富にあります。

実際に5年のブランクから復職した35歳女性(愛媛県薬剤師会復職支援研修受講者)は「実習で調剤の感覚を取り戻せて安心できた。これから新しい知識も身につけていきたい」と前向きにコメントしています。

Q. 40代・50代からでもパートの求人はありますか?

A. 40代・50代の薬剤師に対する需要は非常に高く、豊富な求人が用意されています。

実際の求人例として以下のようなものがあります:

40代歓迎の求人例:

  • 時給2,000円~2,500円
  • 週1日から勤務可能
  • 未経験・ブランクOK
  • 車通勤可、残業月20時間以内

50代歓迎の求人例:

  • 時給2,200円~2,800円
  • 50代以上応募可
  • 復職支援あり
  • 研修制度完備

薬剤師業界では経験と知識を重視する傾向があり、年齢よりもむしろ「長期間安定して働ける人材」として40代・50代の薬剤師が歓迎されています。特に地方では薬剤師不足が深刻で、島根県では時給2,800円、高知県では2,700円といった高時給の求人も多数存在します。

年齢を活かせるポイント:

  • 豊富な人生経験:患者さんとのコミュニケーションで信頼関係を築きやすい
  • 安定性:長期間継続して勤務できる安心感を雇用側に与えられる
  • 責任感:これまでの社会経験を活かした責任ある業務遂行が期待される

Q. 将来的に正社員を目指せるパート求人はありますか?

A. パートから正社員への登用制度を設けている薬局・ドラッグストアは数多くあり、キャリアアップは十分可能です。

多くの薬局チェーンでは「正社員登用制度」を導入しており、パート勤務で実績を積んだ後に正社員への転換が可能です。

正社員登用のメリット:

  • 段階的なステップアップ:まずはパートで復職し、慣れてから正社員を目指せる
  • 職場環境の事前確認:実際に働いてから正社員になるか判断できる
  • スキルアップ機会:管理薬剤師や店長などの管理職を目指すキャリアパスが開ける

登用実績のある職場の特徴:

  • 大手調剤薬局チェーン(日本調剤、アイン薬局、クオール薬局など)
  • 全国展開のドラッグストアチェーン
  • 在宅医療に力を入れている薬局

実際に、MR(医薬情報担当者)から調剤薬局のパートを経て正社員になり、在宅医療分野で活躍している薬剤師も多数います。MR時代のコミュニケーション能力や営業経験が、在宅医療での医師・看護師・ケアマネージャーとの連携に活かされるケースもあります。

Q. 未経験の分野(例:在宅医療)にパートで挑戦できますか?

A. 未経験分野への挑戦は、パート勤務から始めることで無理なく可能です。特に在宅医療分野では未経験者歓迎の求人が増えています。

在宅医療は今後の医療業界で重要度が増している分野で、多くの薬局が参入を検討しており、未経験者向けの研修制度を整備しています。

在宅医療分野の特徴:

  • 新規参入職場が多い:皆で一から学んでいく環境が整っている
  • 高い需要:高齢化社会の進展により今後も成長が見込まれる分野
  • やりがい:患者さんの在宅生活を直接支援する充実感が得られる

未経験分野挑戦のステップ:

  1. 基礎知識の習得:e-ラーニングや研修会で基本的な知識を身につける
  2. パート勤務での実践:週1~2日から始めて徐々に経験を積む
  3. 専門スキルの向上:実務を通じて在宅医療の専門知識を深める

例えば、調剤未経験のMR経験者が在宅薬剤師として転職する際、コミュニケーション能力の高さや人間観察能力、患者さんからの親しみやすさなど、これまでのキャリアを活かして成功するケースが多数報告されています。

サポート体制の充実した職場を選ぶポイント:

  • 在宅医療専任薬剤師が在籍している
  • 定期的な勉強会や症例検討会を実施している
  • 他職種との連携体制が整備されている

これらのQ&Aを通じて、ブランクや年齢に関する不安が少しでも軽減されることを願っています。

薬剤師としての新たなスタートを切るために、まずは信頼できる転職サイトに相談し、ご自身に合った職場を見つけることから始めてみてください。

参考:厚生労働省「薬剤師確保のための調査・検討事業報告書」

7.さいごに

パート薬剤師の年収は、「働く時間帯」「働く地域」「働く職場」の3つの条件で大きく変わります。

できるだけ高い時給でパート勤務したい、自分のライフスタイルに合わせた働き方がしたいと考えているのであれば、ぜひ下記の転職サイトに登録し、相談してみてください。

あなたの転職活動がうまくいくよう、心から願っています。

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この記事を書いた人

現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。

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