RBB TODAY SPEED TEST分析レポート
自宅・職場Wi-Fiネットワーク調査 2014年もっとも速かった事業者・ISPを地域別に抽出!
調査・マーケティング会社の株式会社イード(本社:東京都新宿区西新宿、代表取締役:宮川 洋 以下、イード)は、スマートフォン向けのスピード測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」のユーザーが計測したデータより自宅・職場におけるWi-Fiネットワークの速度を比較・分析した結果をまとめました。
今回の調査では、契約している回線事業者、ISP(インターネットサービスプロバイダ)によって自宅・職場におけるWi-Fiネットワーク環境がどう異なっているのか確認するため、Wi-Fi種別で「自宅・職場」と選択された計測データを使用。2014年1月1日から12月31日までの1年間に計測された200万件を超えるデータから、通信速度の平均値を算出、「事業者総合」「事業者ギガ」「ISP総合」「ISPギガ」の4部門に分けて地域別ランキングを作成しました。
※部門について
総合部門はすべてのプランが対象。ギガ部門は下りの最大速度1Gbps以上のプランのみ対象としています。プランの判別はユーザー任意の選択によります。
【TOPICS】
- ■KDDI(auひかり)が全国的に優勢 ギガプランではNTT東も健闘
- 「事業者総合」では中部・近畿をのぞく8地域でKDDI(auひかり)が平均速度1位となりました。一方「事業者ギガ」部門ではNTT東日本が関東、北信越など4地域で1位、KDDI(auひかり)は中国、九州など4地域で1位となりました。
- ■中部・近畿はCTCとケイ・オプティコムがトップ!地域特化の意地を見せる
- 「事業者総合」「事業者ギガ」ともに、中部地域は中部テレコミュニケーション(CTC)、近畿はケイ・オプティコムがそれぞれ1位となりました。いずれも地域に特化したサービス展開をしており、全国企業に対して意地を見せた形と言えます。
- ■群雄割拠のISP部門
- ISP部門は、地域によって顔ぶれが大きく異なる結果となりました。「ISP総合」では北海道、東北、関東の3地域をSo-netが制しましたが、それ以外は北信越がDTI、中部がコミュファ、沖縄がau one netなどすべてことなるプロバイダが1位を獲得しています。「ISPギガ」についても、OCN、Yahoo!BB、BIGLOBE、@niftyなど地域によって様々なプロバイダが最速となりました。
■KDDI(auひかり)が全国的に優勢 ギガプランではNTT東も健闘
回線事業者対象の2部門で特筆すべきは、KDDI(auひかり)が全国的に優勢だったこと。特に、すべてのプランを対象にした「事業者総合」では、中部と近畿を除いた8地方で1位を獲得しています。下り最大1Gbps以上のプランを対象にした「事業者ギガ」についても、中国・四国・九州・沖縄といった西日本の4地方でKDDI(auひかり)が1位と強さを見せました。一方東日本では、北海道・東北・関東・北信越の4地方でNTT東日本が1位となり、NTT系も意地を見せました。特に関東および北信越では下りの平均速度が80Mbpsを超えて他社を引き離しています。
■中部・近畿はCTCとケイ・オプティコムがトップ!地域特化の意地を見せる
回線事業者におけるもうひとつのトピックとして、中部・近畿においては地域系の2社がNTT、KDDIをおさえて1位を守っていることが挙げられます。「事業者総合」「事業者ギガ」ともに、中部は中部テレコミュニケーション(CTC)が、近畿はケイ・オプティコムが1位となりました。ケイ・オプティコムは2部門ともに2位のKDDI(auひかり)と1~3Mbps程度の接戦を制して1位を死守。中部テレコミュニケーション(CTC)は、「事業者総合」においては2位のキャッチネットワークと約1Mbpsの僅差ですが、「事業者ギガ」においては2位のKDDI(auひかり)に10Mbps近い差をつけて圧勝しています。
■群雄割拠のISP部門
ISPの2部門は、いずれも地域によってTOP3の顔ぶれが大きく異なる結果となりました。「ISP総合」では、北海道、東北、関東の3地域をSo-netが制しましたが、その他は地域ごとにプロバイダの勢力図が目まぐるしく入れ替わっています。中でも、中部のコミュファは2位のOCNに約10Mbps、中国ではASAHIネットが2位のOCNに約12Mbps、四国ではBIGLOBEが2位のPikaraに約30Mbpsと大きく差をつけています。「ISPギガ」についても様々なプロバイダが1位を獲得しており、北海道ではOCNが下り約79Mbps、四国ではBIGLOBEが下り約98Mbpsなど特に速い平均速度を記録しています。
【総評】
今回、初の試みとして、自宅・職場のWi-FIネットワーク環境を確認するという切り口から計測結果を分析しました。あくまでスマートフォンアプリによるWi-Fi接続時の計測であるため、契約している回線の実力のみならず、端末の性能や無線LANルータの性能などによっても数値は大きく左右されます。そういった意味では、家庭内での無線環境構築について、たとえば最新無線規格のルータをオプションで提供していたり、ユーザーに利用方法を啓蒙していたりといった部分も結果に影響しているかもしれません。
結果を振り返ると、回線事業者別に見た時、多くの地域でKDDI(auひかり)とNTT東西の2強体制になっていることが分かりました。一方、中部の中部テレコミュニケーション(CTC)、近畿のケイ・オプティコムなど地域系の事業者が力を発揮していることも興味深い結果です。さらにISP部門では多くのプロバイダが全国でしのぎを削っている様子が見て取れました。また同じ回線事業者でも、プロバイダによってやはり大きく差があることも分かります。今後、理論値1Gbps以上のサービスがますます普及する中で、こうした格差が是正されていくのかどうかにも注目していきたいところです。
【参考】
各地域 TOP3までのランキング
【調査概要】
- 利用データ:
- スマートフォン向けスピード測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」のユーザー計測データ
- 調査対象期間:
- 2014年1月1日〜2014年12月31日
- 調査対象:
- Wi-Fi接続時に、Wi-Fi種別「自宅・職場」が選択されたもの。且つ、回線事業者およびプロバイダが選択されているもの
- 対象端末:
- 対象期間中に計測されたスマートフォン
- 対象エリア:
- 全国
- サンプル数:
- 「事業者総合」2,568,193件、「事業者ギガ」597,514件、「ISP総合」2,246,739件、「ISPギガ」572,383件
- 対象OS:
- iOS/Android
- 分析手法:
- 全国の平均速度を「事業者総合」「事業者ギガ」「ISP総合」「ISPギガ」の4部門で集計。地域別に下り速度ランキングのTOP3を作成。なお、回線事業者・ISPともにサンプル数が1,000件未満のものは対象外とした。
■RBB SPEED TESTについて
イードが運営するIT総合ニュースサイト「RBB TODAY」は、PC向けに通信速度計測サービス「speed.rbbtoday.com」を提供しており、その経験とノウハウをもとに、2012年5月8日、Android版をリリース。同年7月25日、iPhone版をリリースしました。アプリのダウンロード数は全国で100万ダウンロードを記録しており、イードの提供する測定サーバとの間でデータを送受信することで、回線速度を計測しています。
■アプリの入手方法について
アプリ名:RBB TODAY SPEED TEST
カテゴリ:ツール(Google Play)/ユーティリティ(AppStore)
動作環境:AndroidOS 2.3.3以上 iOS 6.0以上
※配布ページへはこちらが便利です。
■speed.rbbtoday.comについて
speed.rbbtoday.comは、RBB TODAYが提供するパソコン向けブロードバンド回線の速度測定サービスです。2002年2月のサービス公開以来、ダイヤルアップからFTTHまでをカバーする高精度の測定サービスとして、ブロードバンド利用者の回線速度への意識を高めるとともに、日本のインターネットの高速化に寄与してまいりました。
サイトURL http://speed.rbbtoday.com/
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