RBB TODAY SPEED TEST分析レポート
最新ネットワーク調査、全国の平均速度でソフトバンクが最速に
速度分布別にみたエリア分析で、高速エリアの充実度も確認

調査・マーケティング会社の株式会社イード（本社：東京都新宿区西新宿、代表取締役：宮川 洋　以下、イード）は、スマートフォン向けのスピード測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」のユーザーが計測したデータよりNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルのネットワーク速度を比較・分析した結果をまとめました。

今回の調査では、iPhone 6/6 Plusの発売以後の各キャリアのネットワーク整備状況を全体的に見るため、iPhone 5s/5c以前の機種やAndroid端末も含む計測データを使用。2014年9月19日から2014年10月31日までの約1ヵ月半に、ユーザーが実施した計測結果265,866件から平均値を算出しました。また、iPhone 6/6 Plusのみの結果に絞ったデータについては、全国をメッシュ状に切り分けてさらに細かくエリア別の分析を行いました。

【TOPICS】

■約26万件のデータを分析。iPhone／Android全国平均スループットは、上下ともにソフトバンクが1位

iPhone／Android合わせて265,866件のデータの平均値をみると、下りスループットは30.6Mbps、上りスループットは10.9Mbpsでいずれもソフトバンクが最速となりました。

■3パターンのメッシュに分けて、iPhone 6のエリア充実度を速度分布別に確認

今回は新たな試みとして、iPhone 6/6 Plusの計測結果について、500m、2.5km、5kmと3パターンのメッシュで全国をエリア分けし、それぞれのメッシュにおける平均速度を分析しました。

■20Mbps以上の高速エリアはソフトバンクが充実、10Mbps以下のエリアの少なさでもソフトバンクがリード

各メッシュ内における平均速度を、10Mpbs未満、10～20Mbps、20～30Mbps、30～40Mbps、40Mbps以上に区分して結果をまとめたところ、20Mbps以上の高速エリアの割合が最も多かったのはソフトバンクでした。逆に、10Mbps以下の低速エリアについては最も少ない結果となっています。

■約26万件のデータを分析。全国平均スループットは、上下ともにソフトバンクが1位

iPhone／Android合わせて265,866件の計測データをみると、全国の平均スループットで上下共にソフトバンクが最速となりました。下りは30.6Mbps、上りは10.9Mbpsを記録しています。7地方別でみてみると、東北を除く6地区でソフトバンクが最速になっています。また、都道府県別にみても、47都道府県中35箇所と、最も多くの場所でソフトバンクが下り最速に。次いで、KDDIが12箇所で下り最速を記録しています。OS別に見た時、iOSでは僅差でKDDIが優位になっていますが、Androidでソフトバンクが巻き返し、キャリアのネットワーク全体では最速という状況になっています。

• （参考図：全国の平均速度）
• （参考図：7地方別下りの平均速度）
• （参考図：7地方別上りの平均速度）

■3パターンのメッシュに分けて、iPhone 6のエリア充実度を速度分布別に確認

今回は新たな試みとして、iPhone 6／6 Plusの計測結果について、500m、2.5km、5kmと3パターンのメッシュで全国をエリア分けし、LTEの通信速度がそれぞれのメッシュにおいてどの程度なのかを調査しました。単なる全体の平均値ではなく、10Mpbs未満、10～20Mbps、20～30Mbps、30～40Mbps、40Mbps以上といった区分でメッシュを速度分布別に分け、ストレスなく通信ができるエリアがどれくらい広がっているのかを分析しました。

• （参考図：2.5kmメッシュ 東京周辺の分布）
• （参考図：2.5kmメッシュ 大阪周辺の分布）
• （参考図：2.5kmメッシュ 名古屋周辺の分布）

■20Mbps以上の高速エリアはソフトバンクが充実、10Mbps以下のエリアの少なさでもソフトバンクがリード

各メッシュ内における平均速度を上記の速度分布別に見たところ、全てのメッシュパターンにおいて20Mbps以上の高速エリアの割合が最も多かったのはソフトバンクでした。一番小さい500mメッシュでは74.4％、2.5kmメッシュでは76.4％、5kmメッシュでは76.3％と、いずれも高い割合で平均20Mbps以上のエリアとなっています。一方、ドコモはいずれのメッシュパターンでも20Mbps以上の割合が50％に満たず、全体の平均速度でソフトバンクと拮抗していたKDDIについては、60％台にとどまっています。40Mbps以上というさらに高速なエリアに絞ってみても、ソフトバンクが3キャリアでもっとも大きな割合を占める結果となりました。

20Mbps以上の分布で苦しんだドコモですが、10Mbps～20Mbpsの速度帯においては、各メッシュパターンとも30％前後で比較的高い割合を示しています。通信負荷の大きい動画再生などを頻繁にしないのであれば、この速度帯でもそれなりに快適な通信が可能と考えられます。但し、ドコモは10Mbps以下の速度帯も他2キャリアと比較して多い傾向にあり、もっとも細かくエリア分けした500mメッシュにおいて、25.3％がこの速度帯に属してしまっています。なお、500mメッシュにおける10Mbps以下エリアの割合は、KDDIが14.4％、ソフトバンクは8.6％となっており、ソフトバンクは10Mbps以下の割合では逆にもっとも低いという結果になりました。

• （参考図：500mメッシュにおける速度分布）
• （参考図：2.5kmメッシュにおける速度分布）
• （参考図：5kmメッシュにおける速度分布）

【総評】

今回、iPhone 6/6Plus発売後のキャリアネットワーク全体を見るという切り口から、Androidも含めた計測結果を分析しました。その結果、全体の平均速度の比較では、ソフトバンクが最速となりました。iOS／Android双方に向けて、高速ネットワーク環境を提供できていると考えられます。また、平均速度だけをみると、50Mbpsを超えるようなスループット値が全体の値を引っ張ることもありますが、たとえば10Mbps～40Mbps程度の速度が広いエリアで安定して出ることも、キャリアを選択する指標としては重要になってきます。実質的なユーザーの体感としては、こうしたストレスなく通信ができるエリアの充実も重要であると考え、今回、iPhone 6/6 Plusのデータについては速度分布とメッシュ切り分けというかたちで詳細に分析を行いました。今後も、キャリアのネットワークづくりを見ていく上で、様々な切り口からデータの分析を行っていきたいと思います。

【調査概要】

利用データ：

スマートフォン向けスピード測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」のユーザー計測データ

調査対象期間：

2014年9月19日〜2014年10月31日

調査対象：

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルのスマートフォン端末における実測値

対象端末：

対象期間中に計測されたスマートフォン

対象エリア：

全国

サンプル数：

全国265,866件

対象OS：

iOS／Android

分析手法：

全国の平均スループットをキャリア別に集計。また全国を3パターンのメッシュでエリア分けし、速度分布別に各キャリアの結果を集計。

■RBB SPEED TESTについて

イードが運営するIT総合ニュースサイト「RBB TODAY」は、PC向けに通信速度計測サービス「speed.rbbtoday.com」を提供しており、その経験とノウハウをもとに、2012年5月8日、Android版をリリース。同年7月25日、iPhone版をリリースしました。アプリのダウンロード数は全国で100万ダウンロードを記録しており、イードの提供する測定サーバとの間でデータを送受信することで、回線速度を計測しています。

■アプリの入手方法について

• アプリ名：RBB TODAY SPEED TEST
• カテゴリ：ツール（Google Play）／ユーティリティ（AppStore）
• 動作環境：AndroidOS 2.3.3以上　iOS 4.0以上
• ※配布ページへはこちらが便利です。

■speed.rbbtoday.comについて

speed.rbbtoday.comは、RBB TODAYが提供するパソコン向けブロードバンド回線の速度測定サービスです。2002年2月のサービス公開以来、ダイヤルアップからFTTHまでをカバーする高精度の測定サービスとして、ブロードバンド利用者の回線速度への意識を高めるとともに、日本のインターネットの高速化に寄与してまいりました。
サイトURL http://speed.rbbtoday.com/