マイカー燃費管理サービス「e燃費」、2015年12月度の実燃費ランキングを発表
株式会社イード(本社:東京都新宿区、代表取締役:宮川 洋)は、マイカー燃費&メンテナンス管理サービス「e燃費(イーネンピ)」(http://e-nenpi.com/)の、全国のユーザー給油投稿を集計した、輸入・国産ディーゼル車ランキングと車種別の実燃費ランキングを公開いたします。
■輸入ディーゼル車部門はボルボが首位奪取、高級車/SUVもハイレベルな争い
集計期間:2015年6月1日~2015年12月31日
2015年は、クリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルが多数登場した年でした。力強い走りや低燃費による経済性もさることながら、快適性の向上など商品力も強化され注目を浴びるディーゼル車。今月のプレスリリースでは、ポスト新長期規制に適合したクリーンディーゼル車を対象に、e燃費に寄せられた過去半年間のデータを元にランキングを作成いたしました。
輸入ディーゼル車部門では、2015年中盤からボルボが主要モデルで導入を開始したクリーンディーゼル「D4」シリーズが上位にランクイン。ベーシックモデルの『V40』では、16.2km/ Lという好燃費を残し、先んじて国内市場に導入されているBMW『3シリーズ』のクリーンディーゼルエンジン搭載モデル『320d ブルーパフォーマンス』(セダン/ツーリング)を上回る結果に。Cセグメントのコンパクトなボディサイズに加えて、輸入ブランドでありながらデンソー製のインジェクターやアイシンAW製の高効率8速ATを組み合わるなど、日本のサプライヤーの部品を数多く採用するなどして、優れた経済性を実現しています。ボルボはV40 D4と同じパワートレーンを搭載する『V60 D4』も4位に食い込むなど、実用燃費の面で健闘を見せています。
5位以下はBMW『5シリーズ』やメルセデスベンツ『Eクラス』といった大型/高級車が食い込む結果に。一昔前はパワー重視の大排気量のガソリンエンジンを搭載し、燃費面では注目されることはありませんでしたが、販売の主力がディーゼルに移行することで、燃費性能も重視される項目になりつつあります。『ブルーパフォーマンス 523d』が13.4km/リットルで5位、ライバル車の『E350 ブルーテック』が12.8km/リットルで7位と、僅差の争いに。また中低速トルクに優れるディーゼルエンジンは、人気を博している重量級のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)とも相性が良く、BMW『X3 xDrive 20d ブルーパフォーマンス』が13.2km/リットルで6位に、メルセデスベンツ『Mクラス ML350 ブルーテック 4マチック』が9.7km/リットルで10位にランクインしました。標本数の最低ラインをクリアできなかったため、優れた燃費を達成しながらランクインを逃したモデルもありましたが、より普及が進む2016年以降の輸入ディーゼル車ランキングにも注目したいところです。
■国産ディーゼル車部門はマツダ勢が他社を圧倒
集計期間:2015年6月1日~2015年12月31日
国産ディーゼル車ランキングは、中核モデルにディーゼルエンジン(SKYACTIV-D)を搭載するマツダ車勢が上位を独占する結果となりました。
1位を獲得したのはコンパクトモデルの『デミオ XD』。小排気量1.5リットルのターボディーゼルエンジンとの組み合わせにより、19.5km/Lという優れた燃費を達成しました。この燃費は、トヨタ『プリウス』(3代目)やホンダ『アコード』などといったハイブリッドモデルと肩を並べる値となっています。
2位以下もマツダ勢が占め、基本的にデミオと同様のパワートレーンを搭載する『CX-3』が18.4km/Lで2位に。3位は2.2リットルのSKYACTIV-Dを搭載する『CX-5』(15.9km/L)、『アクセラスポーツ』(15.4km/L)、『アテンザセダン』(14.7km/L)、『アテンザワゴン』(12.8km/リットル)と、実にトップ6を独占。
7位には日産『エクストレイル』が12.3km/Lでランクイン。すでに販売を終了しているモデルですが、ポスト新長期規制にいち早く対応し、市場では根強い人気を保っており、e燃費への給油投稿数も5,000を超えています。8位には2015年6月に新たに登場した新型ディーゼルエンジン搭載モデルのトヨタ『ランドクルーザープラド』が11.0km/リットルにつけ、三菱『デリカ D:5』や日産『NV350キャラバン』をしのぐ結果となりました。
■実燃費のブレが少なく、安定した経済性が特長のディーゼルエンジン
上に載せたディーゼルランキングの表と下に掲示するe燃費の総合ランキングを見比べると、ディーゼル車ランキングのほうが総じてカタログ燃費達成率が70-80%台で安定し、「95%信頼区間」や「標本分散」が小さい値でまとまっていることが分かります。これはガソリンエンジン車やハイブリッド車と比較して、クリーンディーゼル搭載車は道路環境や天候・気温などの外部環境要因、またドライバーの運転技量による燃費変動が小さいということを意味します(もちろんこれはあくまでも全体としての傾向であり、急発進・急加速を繰り返すような運転をしていればクリーンディーゼルエンジン搭載車であろうと著しい燃費の悪化を避けることはできません)。
2015年の秋ごろにはフォルクスワーゲン(VW)の不正ソフトウェアプログラム問題でイメージダウンが懸念されましたが、2016年には輸入車を中心にさらに多くのクリーンディーゼルエンジンがラインナップされることが明らかとなっており、今後の実燃費ランキング争いはより熾烈なものになることが予想されます。
【2015年12月度 総合ランキング】
- 集計対象標本数:19,504
- 集計対象車両数:1,032台
- 集計期間:2015年12月1日~2015年12月31日
■スズキ『アルト』がハイブリッド勢を抑えて1位に浮上
12月度の実燃費総合ランキングでは、スズキ『アルトL/S/X』(HA36S)が1位となりました。実燃費は23.9 km/L、達成率64.6%となりました。
2015-2016の日本カー・オブ・ザイヤースモールモビリティ部門を受賞したスズキアルト。 先月は集計条件から外れ、ランクインを逃しましたが、今月は投稿数を伸ばし、晴れて1位に輝きました。
先月1位だったホンダ『グレイス』(GM4)が22.6km/Lで今回は2位となり、先々月1位だった、トヨタ『アクア』(NHP10)が21.5km/Lで3位になるなど上位車種が続々と順位を落としています。
4位はホンダ『フィット(ハイブリッド)』(GP5)で21.0km/L、5位はダイハツ『ミライース』(LA300S)20.5km/Lでした。
■今月のカタログ燃費達成率トップはトヨタ『プリウスα』(ZVW40W)
12月度のランキングで、トップ20にランクインした車両のうち、もっともカタログ燃費達成率が高かったのはトヨタ『プリウスα』(ZVW40W)で、達成率は70.6%となりました。
前回のランキングから全体的な燃費、達成率の低下が見られます。
先月のランキングに比べ、ランクインしている車両の平均燃費が1.0km/L降下し、平均達成率も3.6%降下しております。
前回のプレスリリースにも記述しましたが、気温の低下を顕著に反映してるといえます。
※気温の低下は完全暖機までの時間を長くしてしまう原因となり、アイドリング回転数が高めに維持され、アイドリングストップ等の燃費向上機能が働かないための燃費悪化を誘発します。
■総合ランキング対象車種
- 上記集計期間に新車購入が可能な車両(期間中に販売が終了した車両も含む)
- 以下に該当する車両は除外
商用車・4WD(ただし4WD専用車はOK)・MT車・現行車種の前型(例:20系プリウスは除外) - OEM車は同一車種とする(例:スズキ アルトとマツダ キャロルなど)
- グレード違いは同一車種(例:プリウス=プリウス G’s、ムーヴ=ムーヴカスタムなど)
- 同型車種は最も燃費データが良いものを採用
- 現行車種でもMC(マイナーチェンジ)前のデータは採用
- 「e燃費」が同値の場合はカタログ燃費達成率の高い方を上位とする
【「e燃費」のランキング集計基準】
「e燃費」が発表する車種別実燃費データは、全国の「e燃費」ユーザーの燃費データを型式ごとに集計したものです。しかしデータの中には、入力ミスなどによるイレギュラーな数値、非現実的な数値が混在しています。それらを除外するために、給油量、走行距離などに一定の基準を設け、それをクリアしたデータのみを集計しています。
統計的に充分なデータを確保できた車種のみを発表していますので、ユーザー数が少ない車種や信頼区間(※1)の幅が大きすぎる車種については、ランキングの対象から外れています。また「e燃費」における車種は、国土交通省登録の型式を基準とし、燃費に大きな影響を与えるトランスミッションの種類、過給器の有無、駆動方式で区別しています。また、「e燃費」の車種別燃費データの信頼性を表すための指標として、それぞれの車種の信頼区間と標本分散(※2)の値を参考値として表示しています。
※1信頼区間
「e燃費」の平均値と、実際に世の中を走っているクルマの本当の燃費の平均値に違いがあると仮定します。そのことを踏まえて、信頼区間とは、「e燃費」の平均値と本当の平均値が、一定の確率(信頼係数といい、ここでは 95%になっています)で同じ区間に入る場合の、その上限(下限)を求める手法です。
※2標本分散
標本分散は、標本データの「ばらつき」の度合いを表します。たとえば、どんな運転をしても燃費の変動が少ないクルマと、運転状況によって燃費が大きく変わるようなクルマのふたつの車種があったとします。仮に、これらふたつの車種の平均値がまったく同じであったとしても、データの分布はかなり異なっていることが想像されます。
どんな運転をしても燃費が一定のクルマならば、データは平均値付近に一点に集中しているでしょうし、運転の仕方で燃費が大きく変わるクルマならば、データは薄く広く散らばっているかもしれません。このように、おなじ平均値にもかかわらず分布が異なるケースをあらわす場合には、散らばりの尺度を用いなければなりません。分散は、その散らばりの度合いをあらわすものです。値が小さいほど、データは平均値付近に集中しています。
■「レスポンス」とは
レスポンスは“いま”のクルマを商品・ビジネス・環境視点で立体的に理解し、IT・デザイン・環境において付加価値創造の手助けをすることをモットーとした日本最大級のモビリティニュースサイト。
■「e燃費」とは
「e燃費」はクルマの燃費をスマートフォンやPCから登録し、マイカーをオンラインで管理する“楽しく節約、楽しくエコロジー”するサービスです。実燃費のランキングを初めとして、全国のスタンド情報、ユーザー同士のクチコミ情報など、様々なコンテンツが用意されています。スマートフォンアプリでは面倒な数値入力が不要で、レシートやオドメーターの画像を撮影して送るだけで燃費登録が可能となっています。
また「e燃費」では、電気自動車(EV)用の充電スタンド検索サービスも提供するとともに、全国の燃料電池車(FCV)向け水素ステーションデータベースも公開しています。