マイカー燃費管理サービス「e燃費」、2015年1—8月のスポーツカー実燃費ランキングを発表
株式会社イード(本社:東京都新宿区、代表取締役:宮川 洋 以下、イード)は、マイカー燃費&メンテナンス管理サービス「e燃費」(http://e-nenpi.com/)の全国のユーザー給油投稿を集計した2015年 スポーツカー実燃費ランキングを公開いたします。
【2015年1-8月 スポーツカーランキング】
■再び脚光を浴びつつある国産スポーツカーに注目
近年、ホンダ S660、ダイハツ コペン、レクサス RCやマツダ ロードスターなどスポーツタイプの車両が相次いで登場しており、国産スポーツカーに対する注目度が高まっています。
こうしたトレンドを受けて、今回e燃費ではスポーツカーカテゴリーの実燃費に注目し、本ランキングでは、ボディタイプが2ドアクーペもしくはオープンの車両に限定し、集計いたしました。
■新型軽スポーツは燃費性能も一級
- 1位はホンダ S660(JW5・MT)
- 実燃費18.7km/L。カタログ値(21.2km/L)に対する達成率は88%と、軽自動車としての初の採用となる6速MTの搭載が功を奏したのか、高出力のターボエンジン搭載車ながら極めて優れた値を示しています。
- 2位はダイハツ コペン(LA400K・MT)
- 実燃費18.0km/L。トップのS660とは0.7km/Lという僅差で、カタログ燃費(22.2km/L)達成率は81%。最新軽オープンの優れた燃費性能を実証しています。
■優勢な軽自動車勢にホンダ CR-Zとマツダ ロードスターが健闘
- 3位と4位はスズキ カプチーノ(EA21R・MT)とホンダ CR-Z(ZF1・CVT)
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実燃費17.1km/L を記録。e燃費ランキングのルールで方研ぐ燃費達成率が高いカプチーノが上位に入りました。ホンダCR-Zは、上位6位までの中で唯一の非軽自動車。ハイブリッドシステムの恩恵は走行性能だけでなく燃費性能にも大きなプラスとなっていることがこの数字によって分かります。
5位・6位には、ホンダ ビート(PP1)、マツダ AZ-1(PG6SA)の軽スポーツカーがランクイン。3位のカプチーノと合わせ、1998年に軽自動車が現在の規格に移行する以前の車両にもかかわらず上位に食い込みました。
オープンカーといえば、今年5月に10年ぶりのフルモデルチェンジがおこなわれたマツダ ロードスター(ND5RC)が7位にランクインしています。国内仕様は排気量を2リットルから1.5リットルへと大幅にダウンサイジングし、軽量化も図るなどした結果、実燃費は15.6km/Lという好記録を達成。このロードスターを含めてランクインしたトップ7は15km/L以上の燃費で、ライトウェイトスポーツの優れた経済性を証明する結果にもなったのではないでしょうか。
■優れたスポーツカーのカタログ燃費達成率
ランクインした車両で特徴的なのは、軒並みカタログ燃費達成率が高いこと。多くの車両で80%以上の達成率を記録しており、運動性能を重視した軽量ボディやMTの採用は、結果として燃費の面でも好結果をもたらしています。なお、トップ20のランクイン車両でカタログ燃費達成率が最も高かったのは、ホンダ S2000で、99%となっています。
ここでもう一つ注目したいのが、トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)とトヨタ 86(ZN6)との“新旧ハチロク”の燃費対決です。車重、排気量の違いこそあれ、ZN6とは発売時期に約30年の差があるAE86が、燃費の面でZN6を上回る形になりました。またトヨタ86(ZN6)とBRZ(ZC6)とは0.5km/Lの僅差で、BRZに軍配がありました。
10位以下のランキングでは、輸入車の存在がみられるようになります。輸入車は、プジョー RCZ(T7R5F02)とアウディ TTクーペ(8JBDA)が揃って11.2km/Lの燃費。その後に、メルセデスベンツ Eクラス クーペ(207336)が続き、最後に滑り込みでプジョー 206CC(A206CC)がランクインしました。TTは8月に新型が発表されていますので、こちらの燃費にも注目が集まるところです。
※グレーの網掛け部分では10.15モードの値を使用
- 集計サンプル数:
- 1015
- 集計期間:
- 2015年1月1日~2015年8月31日
■対象車種
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・以下に該当する車両は除外
商用車・4WD(ただし4WD専用車はOK)・現行車種の前型(例:20系プリウスは除外) - ・グレード違いは同車種(例: プリウス=プリウス G’s、ムーヴ=ムーヴカスタム)
- ・同型車種は最も燃費データが良いものを採用
- ・e燃費が同値の場合はカタログ燃費達成率の高い方を上位とする
※e燃費は純然たるハードウェア性能を計測するものではなく、エコ運転を意識するドライバーが多いか、また燃費に良い道路環境かどうかも含めての外部要因を含んだ数値です。
※e燃費の燃費ランキングでは標本数の少ない「マニュアル(以下、MT)」車は基本的に除外していますが、今回のランキングではMTであっても一定以上のサンプル数要件を満たす車両であればランキングに組みこんでいます。
【2015年1-8月 総合ランキング】
■スズキ アルトがハイブリッド勢を押しのけ総合トップ
スズキ アルト(HA36S)が1位。
実燃費は23.1km/L、達成率62.4%となりました。600km台前半の超軽量ボディ、アイドリングストップ機構はもちろん減、速時にエネルギーをバッテリーに回収して停車時の電装品駆動に用いる「エネチャージ」やアイドリングストップ時でもエアコンの冷風を維持する蓄冷機能「エコクール」などの小技を組み合わせてハイレベルな実用燃費を実現しています。今回は他にも多くの軽自動車がランクイン、20台中8台が軽自動車となりました。
2位はホンダ グレイス(GM4)で22.7km/L、3位はトヨタ アクア(NHP10)で22.3km/Lき、4位はダイハツ ミライース(LA300S)で22.0km/L。5位ホンダ フィットハイブリッド(GP5)、6位トヨタ カローラハイブリッド(NKE165)、そして7位ダイハツ ムーヴ(LA150S)と続き、ハイブリッド勢と軽自動車勢とで20km/L超えのハイレベルな争いを繰り広げています。
5位以降で注目すべきは、9位にランクインしたアコードハイブリッドの健闘ぶり。Eセグメントクラスの大ぶりなボディながら、2000ccエンジン+2モーターの“スポーツハイブリッド i-MMD”と名付けられた高効率パワートレーンにより、19.9km/Lのコンパクトクラスのハイブリッドカーに匹敵する燃費を達成しています。このクラスの車両の用途は、ロングツーリングに利用されることも多い傾向があることも、燃費を押し上げる要因になっています。
■カタログ燃費達成率はマツダ デミオ XDがランクイン車中トップ
トップ20にランクインした車両のうち、もっともカタログ燃費達成率が高かったのはマツダ デミオ XD(DJ5FS)で、達成率は73.9%でした。実燃費の面でも19.5km/Lで12位とハイブリッド勢/軽自動車に肉薄しています。軽油の価格がレギュラーガソリンよりも25-30円程度安いということを踏まえると、デミオ XDは走行経済性に最も優れる1台といえるかもしれません。
また、本集計において輸入車はランクインしませんでしたが、ディーゼル車を取り扱うボルボやBMW、メルセデスベンツ等などの欧州ブランドも積極的にディーゼルエンジン搭載モデルを投入しており、今後どれだけ上位に食い込んでいくかも注目されます。
- 集計対象標本数:
- 30493
- 集計対象車両数:
- 1402台
- 集計期間:
- 2015年1月1日~2015年8月31日
■対象車種
- ・上記集計期間に新車購入が可能な車両(期間中に販売が終了した車両も含む)
- ・以下に該当する車両は除外 商用車・4WD(ただし4WD専用車はOK)・MT車・現行車種の前型(例:20系プリウスは除外)
- ・OEM車は同一車種とする(例:スズキ アルトとマツダ キャロルなど)
- ・グレード違いは同一車種(例: プリウス=プリウス G`s、ムーヴ=ムーヴカスタムなど)
- ・同型車種は最も燃費データが良いものを採用
- ・現行車種でもMC前のデータは採用
- ・e燃費が同値の場合はカタログ燃費達成率の高い方を上位とする
- 【e燃費のランキング集計基準】
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e燃費が発表する車種別実燃費データは、全国のe燃費ユーザーの燃費データを各型式ごとに集計したものです。しかしそれらのデータの中には、入力ミスなどによるイレギュラーな数値、非現実的な数値が混在しています。それらを除外するために、給油量、走行距離などに一定の基準を設け、それをクリアしたデータのみを集計しています。
統計的に充分なデータを確保できた車種のみを発表していますので、ユーザー数が少ない車種や信頼区間(※)の幅が大きすぎる車種については、ランキングの対象から外れています。また e 燃費における車種は、国土交通省登録の型式を基準とし、燃費に大きな影響を与えるトランスミッションの種類、過給器の有無、駆動方式で区別しています。また、e燃費の車種別燃費データの信頼性を表すための指標として、それぞれの車種の信頼区間と標本分散(※)の値を参考値として表示しています。
※信頼区間
e燃費の平均値と、実際に世の中を走っているクルマの本当の燃費の平均値に違いがあると仮定します。そのことを踏まえて、信頼区間とは、e 燃費の平均値と本当の平均値が、一定の確率(信頼係数といい、ここでは 95%になっています)で同じ区間に入る場合の、その上限(下限)を求める手法です。例えば総合ランキングトップのスズキ アルトエコ(HA35S)の場合、不整データを排除したデータの平均値は 23.3km/L ですが、世の中を走っているすべてのインサイトの燃費を平均すると、95%の確率で 23.1±1.0km/L の中に含まれる、ということになります。
※標本分散
標本分散は、標本データの「ばらつき」の度合いを表します。たとえば、どんな運転をしても燃費の変動が少ないクルマと、運転状況によって燃費が大きく変わるようなクルマのふたつの車種があったとします。仮に、これらふたつの車種の平均値がまったく同じであったとしても、データの分布はかなり異なっていることが想像されます。
どんな運転をしても燃費が一定のクルマならば、データは平均値付近に一点に集中しているでしょうし、運転の仕方で燃費が大きく変わるクルマならば、データは薄く広く散らばっているかもしれません。このように、おなじ平均値にもかかわらず分布が異なるケースをあらわす場合には、散らばりの尺度を用いなければなりません。分散は、その散らばりの度合いをあらわすものです。値が小さいほど、データは平均値付近に集中しています。
■「e燃費」とは
e燃費はクルマの燃費をスマートフォンやPCから登録し、マイカーをオンラインで管理する“楽しく節約、楽しくエコロジー”するサービスです。実燃費のランキングを初めとして、全国のスタンド情報、ユーザー同士のクチコミ情報など、様々なコンテンツが用意されています。スマートフォンアプリでは面倒な数値入力が不要で、レシートやオドメーターの画像を撮影して送るだけで燃費登録が可能となっています。
またe燃費では、電気自動車(EV)用の充電スタンド検索サービスも提供するとともに、全国の燃料電池車(FCV)向け水素ステーションデータベースも公開しています。