家を保有している方のなかには、家を担保にしてお金を借りられないか検討している方もいることでしょう。
家を担保にしてお金を借りる方法で、最も知名度が高いのは不動産担保ローンでしょう。
しかし、家を担保にしてお金を借りる方法には、不動産担保ローンのほかにも、リバースモーゲージやリースバックも考えられます。
本記事では不動産担保ローンとリバースモーゲージ、リースバックについてそれぞれの特徴や流れを解説します。
また、不動産担保ローンのメリットやデメリットを説明し、さらにおすすめ金融機関3選を紹介します。
家を担保にお金を借りたいと考えている方は参考にしてください。
土地・家を担保にお金を借りるとは?
担保とは、貸したお金が返されないときに、貸し手が損失を受けないために資金の回収を確保する手段を意味します。
金融機関は土地や家を担保にお金を貸す場合、担保となる不動産に抵当権を設定して、万が一の際の回収手段を確保します。
まずは抵当権の設定についてから説明しましょう。
自宅に抵当権を設定する
土地や家などの不動産を担保にお金を借りる場合、融資する金融機関は物件に抵当権を設定して担保とします。
抵当権とは、万が一返済が滞ったときに、金融機関が担保物件を売却し、売却代金から貸付金を回収するための権利です。
抵当権の設定は、法務局での登記によりおこなわれる法律に則った手続きです。
そのため、返済が滞れば、自身の自宅を処分する権利が強制的に金融機関に渡ることとなる点をよく理解する必要があります。
金融機関は不動産担保ローン提供の条件として、担保となる物件に抵当権の設定を要求するため、抵当権の設定なしではお金を借りることはできません。
住宅ローン残額が多いと担保にできない
不動産担保ローンは、自宅を担保にお金を借りられますが、住宅ローン残債がある場合は注意が必要です。
住宅ローンの残債が多いと、家を担保にお金を借りられない、もしくは借入額が限られる可能性があるでしょう。
金融機関は不動産担保ローンでの融資にあたり、担保となる不動産に抵当権を設定しますが、抵当権には優先順位があります。
住宅ローン残債がある場合には、すでに住宅ローンの融資をしている金融機関が抵当権を設定しており、不動産担保ローンの抵当権設定の優先順位は、住宅ローンの次です。
原則として金融機関は担保物件の評価から、住宅ローンの残債を差し引いた額を担保価値とみなします。
住宅ローン残債により担保価値がない場合や、担保価値が一定水準を超えない場合は、不動産担保ローンは利用できないでしょう。
家を担保にお金を借りる3つの方法
続いて家を担保にお金を借りる方法を次の通り3つ紹介します。
- 不動産担保ローン
- リバースモーゲージ
- リースバック
不動産担保ローン
不動産担保ローンは、自宅や土地などの不動産を担保にした資金の借り入れです。
資金の利用目的が住宅の取得資金やリフォームなどに限られる住宅ローンとは異なり、目的は自由で、事業資金や子どもの教育資金、娯楽や趣味の費用など、幅広い用途に利用できます。
不動産担保ローンの特徴は、無担保ローンと比較して金利が低い点や融資額が大きい点、借入期間が長い点など有利な条件になることが多いところです。
ただし、不動産担保ローンは、審査が厳しく、手続きに時間がかかる場合があります。
また、返済が滞ると、担保としている不動産が差し押さえられ、最悪の場合には失うリスクがあることも理解する必要があります。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージは、高齢者を対象とした金融商品で、自宅に住み続けながら、老後の生活資金確保を目的にして利用されることも多いです。
契約者が死亡したときに自宅の売却で一括返済するため、生前の返済負担を軽くでき、毎月の返済は利息のみ、なかには毎月の返済がないリバースモーゲージも存在します。
資金の使途も自由で、ローンの返済や生活費の補助だけでなく、家のリフォームや趣味の費用などにも利用可能です。
ただし、想定外に金利が上昇する場合や地価が下落する場合には、総返済額が増加し自宅の売却では返済できなくなるリスクがあります。
自宅の売却で返済できない場合には、原則として相続人に返済義務が引き継がれる点には注意が必要です。
リースバック
リースバックは、自宅を業者に売却し、同じ業者から自宅を賃貸する仕組みです。
売却後も住み慣れた家に住み続けられ、新住居探しや引っ越しなどの手間もかかりません。
売却時にまとまった資金を受け取れるため、住宅ローンの返済や老後資金の確保、子どもの教育資金など、さまざまな用途に活用できます。
ただし、リースバックは自宅を売却する必要があるため、所有権は買い取り業者に移り、相続の対象とはなりません。
リースバックでは賃貸契約が一定期間で終了するケース多く、資金を用意して再度買い戻しをする場合を除けば、将来的に自宅を退去しなくてはいけない可能性があります。
また、売却時に受け取る金額は、通常の不動産市場での売却価格より低くなる点もデメリットです。
家を担保にお金を借りるときの流れ
次に家を担保にお金を借りるときの流れを解説します。
家を担保にお金を借りる場合、家の担保価値を調べる必要があり、金融機関による仮審査や査定を受けることから手続きが始まります。
不動産担保ローンとリバースモーゲージ、リースバックの順で、それぞれの流れを見てみましょう。
不動産担保ローンの流れ
不動産担保ローンを申し込む際の流れは次のとおりです。
- 仮審査の申し込み
- 本審査の申し込み
- 金融機関による審査と査定
- 審査通過と契約手続き、抵当権の設定
- 融資実行
不動産担保ローンの申し込みでは、まず仮審査をおこない、仮審査を通過したあとに本審査へ進む流れが一般的です。
仮審査は、金融機関の窓口や公式サイトから申し込みできます。
仮審査の結果で融資可能と判断されれば、本審査に申し込みできるようになり、金融機関で本審査と対象物件の査定をおこないます。
本審査に通過して物件の査定結果がでると、同時に融資可能額も判明するでしょう。
融資可能額に納得すれば、金融機関と契約を結びますが、同時に金融機関は担保となる不動産の抵当権設定をおこないます。
抵当権設定登記が完了すると、融資が実行され、指定の口座に借入金が振り込まれます。
リバースモーゲージの流れ
リバースモーゲージを利用する際は、次のような流れで手続きを進めます。
- 金融機関へ相談
- 申し込み
- 金融機関による審査と査定
- 審査通過と契約手続き、抵当権の設定
- 融資実行
まず、金融機関に相談すると、リバースモーゲージの仕組みや条件についての説明を受けることができます。
内容を理解し条件に納得すれば、申し込みをおこない、金融機関による審査を受けましょう。
審査に通過すると、金融機関と契約を結び、 金融機関は担保となる物件に抵当権を設定します。
抵当権設定が完了すると、融資が実行され、一括受取や毎月受取など申し込み者が選択した方法で、借入金の受け取りが可能です。
リースバックの流れ
リースバック契約の流れは次のとおりです。
- 査定依頼
- 査定結果と契約内容の提示
- 売買契約と賃貸借契約
- 売却代金の受取
- 家賃支払い開始
リースバックでは、まず業者に相談して、自宅の査定を依頼します。
査定額は、売却価格や毎月の家賃に影響する重要な評価ですが、業者により金額が異なるため注意が必要です。
査定額と賃貸契約に関する条件を業者に提示してもらい、内容に納得できれば、売買契約と賃貸借契約を結びます。
リースバックには、自宅の買い戻しができる特約を契約に盛り込めるものもあります。将来に買い戻しを希望する方は、特約付きの契約を結ぶとよいでしょう。
売買契約が完了すると、自宅の売却代金が指定の口座に振り込まれ、同時に賃貸契約が開始されて毎月の家賃を支払います。
家を担保にお金を借りるときの注意点
ここから家を担保にお金を借りる場合の注意点について説明します。
注意点には次の3点があります。
- 審査基準を確認しておく
- 必要書類を準備しておく
- 融資限度額や物件条件がある
審査基準を確認しておく
家を担保にお金を借りる場合は、審査基準を確認しておくことが重要です。
不動産を担保にするローンでは、申し込み者の信用力と担保物権の評価の2つの審査基準が存在します。
申し込み者の信用力についての基準は主に次のとおりです。
- 年齢
- 年収
- 職業と勤務先
- 勤続年数
- 信用情報
担保物権の評価についての基準は主に次のとおりです。
- 土地の評価
- 建物の評価
信用力で重視されるのは、申し込み者に安定した収入があるかどうかで、収入額に加えて勤続年数も長い方が評価も高まります。
また、クレジットカードやローンの利用履歴である信用情報も調査され、過去に支払いや返済の延滞があると、審査では不利になる可能性があるでしょう。
担保物件については、所有権が確かであることや、すでに別のローンの担保でないか確認されます。
あわせて担保物権の査定がおこなわれますが、土地も建物も都市部の物件や利便性の高い物件は評価が高く、築年数が古い物件や交通の便が悪い物件は、低く評価される傾向があるでしょう。
必要書類を準備しておく
家を担保にお金を借りる際には、さまざまな書類を準備する必要があります。
主な必要書類は、本人確認書類と収入証明書類、不動産に関する書類で、具体的に利用できる書類は次のとおりです。
必要書類 | 利用できる証明書 |
---|---|
本人確認書類 (申し込み者本人を証明する書類) | ・運転免許証 ・パスポート ・マイナンバーカード ・住民票 |
収入証明書類 (申し込み者の収入を証明する書類) | ・源泉徴収票 ・確定申告書 ・給与明細 |
不動産に関する書類 (不動産の所有権と状況や位置を説明する書類) | ・登記事項証明書 ・固定資産評価証明書 ・住宅地図 |
ローン利用後の返済計画や事業計画が必要となる場合もあります。
また、審査通過後に契約する際には、印鑑と印鑑証明書が必要となります。
融資限度額や物件条件がある
ローンには融資限度額や物件条件があるため注意が必要です。
家を担保にする場合の融資額は、通常は担保評価額の60~80%程度が上限となります。
しかし提供する金融機関には、融資額の上限が設定されていることが通常であり、担保評価額が高くとも上限を超えて融資を受けることはできません。
融資額の上限は金融機関により異なり、5000万円から1億円程度であることが多いですが、なかには3億円以上の高額融資をおこなう金融機関もあります。
物件の条件については、金融機関により、融資対象となる物件の所在地や種類などを限定している場合があります。
たとえば、都市部の不動産でないと担保にできない場合や、マンションのみを担保の対象としている場合などがあるでしょう。
家を担保にローンを利用する際には、事前に金融機関の融資限度額や物件条件を確認する必要があります。
不動産担保ローンの4つのメリット
家を担保にしてお金を借りるローンのなかでも、知名度の高い商品が不動産担保ローンです。
不動産担保ローンでは、大きな資産価値を持つ不動産を担保に提供しているからこそ得られるメリットがあります。
ここからは、不動産担保ローンのメリットを次の通り4つ解説しましょう。
- 低金利で返済額を抑えられる
- 借入可能額が高い
- 借入期間が長い
- 使い道は自由に決められる
低金利で返済額を抑えられる
不動産担保ローンは、無担保ローンと比較して、低金利で返済額を抑えられる点が大きなメリットです。
担保があるため金融機関から見ると貸し倒れのリスクが低い分、金利を抑えられるためです。
カードローンやフリーローンのような無担保ローンでは、金利が10%を超えることも珍しくありません。
一方、不動産担保ローンの場合、多くは10%以内で設定され、条件次第では金利が1%台から利用できる場合もあります。
借入額や返済期間にもよりますが、金利が1%違えば総返済額には大きな差が生じます。
低金利で借り入れできる不動産担保ローンは、返済負担を抑えたい方には魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ただし、保証料や事務手数料など、別途費用が発生する場合があるため注意が必要です。
借入可能額が高い
不動産担保ローンは、担保となる不動産の価値を基に借入額が決まるため、一般的に無担保ローンよりも借入可能額が高くなります。
カードローンやフリーローンなどの無担保ローンは、個人の信用情報や年収を基に審査がおこなわれます。
借入可能額は数十万円から数百万円程度に設定されることが多く、最大でも1,000万円程度です。
一方で、不動産担保ローンの融資上限額は、担保とする物件評価額の60~80%程度が一般的です。
不動産の価値は数千万円から数億円となる物件もあり、物件次第では借り入れ可能額も大きくできるでしょう。
大きな金額の借入をおこないたい場合、不動産担保ローンは有力な選択肢の一つです。
借入期間が長い
不動産担保ローンは、借入期間が長期に設定できる点もメリットの一つです。
10年以上の借り入れが可能で、35年といった長期間のローンを提供している金融機関もあります。
借入期間が長い理由は、不動産が長期的に価値を維持できる資産であり、長期間の契約後でも売却できる可能性が高いため、金融機関がリスク管理しやすいからです。
借入期間が長いと、毎月の返済額を抑えることができ、無理のない返済計画を立てやすくなります。
また、子どもの教育費用や事業資金のような長期的に利用したい資金の借り入れにも適しているでしょう。
ただし、借入期間が長いほど、総返済額は多くなる傾向にあるため、無用な長期借入はやめましょう。
自身の返済能力にあわせて、適切な借入期間を選択することが大切です。
使い道は自由に決められる
不動産担保ローンは、借入資金の使い道が自由に決められる点が大きな特徴です。
住宅ローンや自動車ローンのように、住宅購入や自動車購入など使途を限定されることなく、幅広い用途に利用できます。
とくに事業を営んでいる方が運転資金や設備投資資金として活用できる点は、不動産担保ローンの大きなメリットといえるでしょう。
さらに、自由に利用できる資金があると、急な病気やケガ、失業などの人生における万が一の事態にも対応ができるため、日々の生活に余裕を持つことができるでしょう。
ただし、あくまで返済の必要がある借金ですから、計画性のない利用は避ける必要があります。
不動産担保ローンの3つのデメリット
不動産担保ローンにはメリットだけでなく、デメリットもあります。
不動産担保ローンの主なデメリットとして次の3点を解説しましょう。
- 手数料が高い
- 審査に時間を要する
- 差し押さえのリスクがある
手数料が高い
不動産担保ローンでは、費用として支払い利息のほかに手数料が発生します。
借入時に必要な手数料として、必要なものは次のとおりです。
手数料 | 概要 |
---|---|
保証料 | 返済が滞った場合に備え、保証会社に支払う費用 |
事務手数料 | 金融機関において融資に関する事務手続きにかかる費用 |
印紙税費用 | 契約書に貼付けする印紙税の費用 |
抵当権設定費用 | 登記手続きをするための司法書士への事務委託費用 |
火災保険料 | 担保物権にかける災保険の支払い費用 |
また、契約後、繰り上げ返済をおこなう際に手数料が必要となるケースがあります。
完済時に抵当権を抹消する手続きをおこなう際にも、司法書士への事務委託手数料が発生するでしょう。
不動産担保ローンでは金利のみならず、利用にかかる手数料をよく確認してから契約をしないと、あとから後悔する可能性があります。
審査に時間を要する
不動産担保ローンでは、申し込みから融資実行までに時間を要するため、注意が必要です。
カードローンでは、最短即日で審査を完了して、融資の実行までできるサービスがあります。
一方で、不動産担保ローンでは申し込み者の信用情報に加えて、担保となる不動産の評価もおこない、かつ融資額も大きくなる傾向があるため審査に時間がかかります。
審査期間は、金融機関や担保物権の状況により異なりますが、早くて1~2週間程度、長い場合は1ヶ月以上かかることもあるでしょう。
個人事業主や法人経営に利用する事業資金を借りたい場合には、融資実行までの期間が非常に重要になるケースも想定されます。
急いで資金が必要な場合は、事前に金融機関で審査期間を確認した方がよいでしょう。
差し押さえのリスクがある
不動産担保ローンは、自宅などの不動産を担保にお金を借りますが、返済が滞ると担保物件が差し押さえられるリスクがあります。
前述の通り、不動産担保ローンの提供にあたり金融機関は担保物権に抵当権を設定し、返済が滞ったときには強制的に売却できる権利を有します。
返済がおこなわれないと、金融機関から督促状の送付や電話連絡などがおこなわれますが、返済しない状況が続くと、裁判所を通じて競売手続きが進められ、最終的に担保物権を失う可能性があるため注意が必要です。
とくに自宅を担保としている場合には、住むところがなくなり大きなトラブルとなるでしょう。
差し押さえを防ぐためには、余裕を持った返済計画を立てて、着実に返済を実施していく必要があります
不動産担保ローンのおすすめ3選
ここからは、実際に提供されている不動産担保ローンについておすすめ商品を3点紹介します。
おすすめの不動産担保ローンを取り扱う金融機関は次の3点です。
- 楽天銀行
- 住信SBIネット銀行
- ろうきん
楽天銀行
楽天銀行は、国内最大手ECサイトである楽天市場を運営する楽天グループに属するネット銀行です。
楽天銀行は知名度の高いネット銀行で、預金や投資信託の金融商品の提供のみならず、融資もしており、不動産担保ローンの提供もしています。
楽天銀行不動産担保ローンは、借り入れ金額が最大1億円で、借入期間は最長25年です。
融資実行のスピードに優れる点が特徴で、申し込みから最短翌営業日に事前審査の結果が得られ、申し込みから融資までの期間は、最短で3週間程度です。
複数の不動産物件を担保にできるため、担保価値を累積して融資を受けられ、高額な資金借入れが可能な点も楽天銀行不動産担保ローンの特徴でしょう。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とネット証券大手のSBIグループが共同出資により運営するネット銀行です。
ネット銀行で人件費がかからない利点を活かして、低金利の融資を提供している点も特徴で住宅ローンやカードローンに加えて、不動産担保ローンの提供もしています。
住信SBIネット銀行の不動産担保ローンは、借り入れ金額が最大1億円、借入期間は最長35年です。
仮審査がネットで完結でき、住宅ローン返済中でも一定の担保価値が認められれば利用可能な点が大きな魅力です。
すでに複数の借入がある方が、総借入額に対する金利を低下させて、返済事務負担を軽減させたいときに、住信SBIネット銀行の不動産担保ローンで借入をまとめることも考えられます。
ろうきん
ろうきんとは、労働組合や生協などが出資してつくった共同組織の金融機関です。
ろうきんの有担保フリーローン(不動産担保型)は、中央労働金庫に出資している労働組合団体の会員、もしくは生協会員が利用可能です。
ろうきんの有担保フリーローン(不動産担保型)は、借り入れ金額が最大1億円、借入期間は最長40年になります。
手数料の支払い方法をタイプ別に選択できる点が特徴で、「手数料定率型」「手数料定額型(保証料一括前払い方式)」「手数料定額型(保証料実月次後払い方式)」の3つが用意されています。
家を担保にせずお金を調達する方法は?
不動産担保ローンのように家を担保にせず、お金を調達する方法もあります。
ここからは、家を担保にしないでお金を調達する方法を3つ紹介しましょう。
- 親族や知人に頼む
- 生命保険を解約する
- 無担保ローンで借りる
親族・知人に頼む
家や土地を担保にせずにお金を借りる方法の一つとして、親族や知人に頼む選択肢があります。
親族や知人からお金を借りる場合、金利が発生しない、もしくは低金利で借りられるなど、金融機関よりも有利な条件で借りられる可能性があります。
また、金融機関を通さないため、審査や手続きが不要で、スピーディーに資金調達できるのもメリットです。
しかし、親族や知人との間で金銭トラブルが発生するリスクも考慮しなければなりません。
返済が遅れたり、返済できなくなったりした場合、人間関係に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
やむを得ずお金を借りる場合でも、トラブルとならないよう、かならず計画的に返済をおこないましょう。
生命保険を解約する
家や土地を担保にせずにお金を借りる方法として、加入している生命保険を解約する手段があります。
生命保険を解約すると解約返戻金を受け取ることができ、まとまった資金を調達できるでしょう。
なお、生命保険の解約返戻金は、契約の種類や加入期間、払込保険料などにより異なります。
一般的には、貯蓄性の高い終身保険や養老保険の方が、掛け捨ての定期保険よりも解約返戻金が高額になる傾向があるでしょう。
しかし、生命保険を解約すると、万が一の保障がなくなるデメリットがあります。
また、解約返戻金は、払い込んだ保険料よりも少ない金額になることが多く、元本割れとなる可能性もあります。
生命保険を解約する際は、解約返戻金の額とともに、将来に必要な保障内容も含めて、慎重に判断しましょう。
無担保ローンで借りる
家や土地を担保にせずにお金を借りたい場合は、無担保ローンを利用する選択肢があります。
申し込み者の収入を中心とした信用力で審査を判断するため、担保を必要とせず、不動産を所有していない方でも利用できるでしょう。
無担保ローンには、銀行や信用金庫が提供するものや、消費者金融が提供するものなど、さまざまな種類があります。
メリットは、担保や保証人が不要なため、手軽に申し込みでき、審査期間が短い点です。
最短で申し込み即日に審査をおこない、融資まで実行できるサービスも存在します。
しかし、無担保ローンは、担保がない分、金利が高めに設定されており、借入限度額も不動産担保ローンと比較して低く設定されている傾向があります。
非常に便利なサービスですが、便利すぎるため利用しすぎるデメリットが存在する点を、よく理解して活用しましょう。
家を担保にお金を借りるときによくある質問
最後に家を担保にお金を借りるときによくある質問と回答を紹介しましょう。
よくある質問として次の3点を取り上げます。
- いくらまで借りられる?
- 何歳まで借りられる?
- 不動産担保ローンは総量規制の対象になる?
いくらまで借りられる?
不動産担保ローンの借入可能額は、主に担保物権の評価額により決まります。
一般的には、担保物権の評価に基づいて借入可能額が算出され、査定額の60~80%程度が上限となるでしょう。
ただし、申し込み者の信用力により、借入可能額は変動する可能性があります。
申し込み者の年収が高く信用状況もよい場合は、返済能力が高いと評価され、借入可能額は金融機関における限度額の上限で決定される可能性があるでしょう。
一方で、申し込み者の年収が低い場合や勤続年数が少ない場合など信用力が低いと判断されたときには、借入可能額が低くなる可能性があります。
また、担保物権の評価とは別に、通常は金融機関ごとに融資額の上限が設定されており、上限を超える借入はできません。
何歳まで借りられる?
不動産担保ローンを利用できる年齢は、金融機関により異なります。
一般的には、借入時の年齢の下限は20歳以上で、年齢の上限は65歳程度で設定されているケースが多いです。
しかし、年齢の上限は金融機関や借入れ内容により異なり、とくに融資を完済する時の年齢に70歳や80歳のような条件を設定している金融機関は多く存在します。
たとえば、申し込み時の年齢が60歳と条件を満たしても、完済時の年齢が70歳との条件があれば、10年を超える融資は受けられません。
一方で、完済時の年齢条件を満たせば、70歳以上の高齢者にも融資をする金融機関も存在します。
年齢制限は金融機関により異なる部分が多いため、Web上の公式サイトをよく調べて、自身に適したローンの選択をする必要があります。
不動産担保ローンは総量規制の対象になる?
不動産担保ローンは、原則として総量規制の対象外です。
総量規制とは貸金業者が個人にできる融資の上限に関する規制で、利用者の年収の3分の1を超えて貸し出すことを禁止する貸金業法の規定です。
不動産担保ローンを提供する業者には、銀行や信用金庫、貸金業者などが存在します。
まず、貸金業者ではない銀行や信用金庫、信用組合からの融資は、総量規制の対象とはなりません。
さらに貸金業者で不動産担保ローンを利用する場合も、不動産を担保とする貸付は総量規制の適用除外要件に該当するため、総量規制の対象とはなりません。
ただし、個人が自宅を担保にして貸金業者のローンを利用する場合には、総量規制の適用除外要件に該当しない、つまり総量規制の対象となるため、注意が必要です。
まとめ
家を担保にしてお金を借りる方法には、不動産担保ローンやリバースモーゲージ、リースバックが考えられます。
不動産担保ローンは担保を提供するため金融機関の融資条件が無担保ローンよりもよい特徴があります。
一方で、リバースモーゲージは高齢者でも審査に通過しやすいメリットが、リースバックは自宅の売却であるため返済不要な資金が手に入るメリットがあります。
本記事では不動産担保ローンとリバースモーゲージ、リースバックについてそれぞれの特徴や流れを解説しました。
また、不動産担保ローンのメリットやデメリットを説明し、さらにおすすめ金融機関3選を紹介しました。
家を担保にお金を借りたいと考えている方は参考にしてください。