南アフリカランドのスワップポイントとスプレッドを比較！金利が高い理由やスワップポイントだけで生活できるのか解説！

南アフリカランドは高いスワップポイントがあると理解していても新興国通貨のため、トレードするのをためらうかもしれません。

本記事では南アフリカランドの特徴やリスク、スワップポイントが高いFX会社など南アフリカランドの情報をさまざまな観点から解説しています。

南アフリカランドのキャリートレードをはじめる上で必要な情報が網羅的に掲載されていて、安心してはじめることができるでしょう。

南アフリカランドはどんな通貨？

南アフリカランドは南アフリカ共和国で用いられている通貨で、通貨コードはZAR（ザール）で表記されます。

南アフリカランドは新興国通貨のなかで人気が高く、近年は多くの個人投資家が高いスワップポイントに着目して、キャリートレードの対象としています。

ここでは南アフリカランドに関する詳しい解説をするので、トレードをはじめる前に特徴を把握しておきましょう。

アフリカの経済大国の法定通貨

南アフリカランドは南アフリカ共和国の法定通貨です。

南アフリカ共和国はアフリカ大陸で唯一のG20参加国で、新興経済大国群の「BRICS」に含まれています。

国外からの投資で経済成長を促したり、南アフリカが慢性的な経常収支の赤字を抱えていたりなどの要因で、南アフリカ中銀は高金利を維持しています。

そのため、低金利の円を売り、高金利の南アフリカランドを買うスワップポイント狙いのトレーダーが多いです。

資源国通貨のひとつでもある

南アフリカは金やレアメタルなどの資源が豊富に埋蔵されており、世界有数の資源国です。

南アフリカランドは資源国通貨の1つとして認識されており、金やプラチナなどの商品価格に影響を受けやすいです。

金やプラチナなどの貴金属価格が上昇すると、南アフリカランド円は上昇しやすくなるため、スワップポイントとキャピタルゲインの両方の利益を狙えます。

南アフリカランド円のキャリートレードを狙う方は、金やプラチナの価格が下落しているときにロングを検討した方が効率がよいでしょう。

中国経済の影響を受けやすい

南アフリカの最大の貿易相手国は中国のため、南アフリカランドは中国経済の影響を受けやすいです。

中国が輸入している鉄鉱石やクロムなどの鉱物資源の需給で南アフリカランドの価格が左右される傾向にあります。

中国経済が好調で鉄鋼石やクロムを多く輸入すれば、南アフリカランドの価格が上昇しやすいため、南アフリカランドをトレードする際は中国経済の動向に注目しましょう。

南アフリカランドのスワップポイントを徹底比較

南アフリカランド円の通貨ペアを買うことでスワップポイントが入りますが、売るとスワップポイントを支払う必要があるため、注意しましょう。

次の表は、南アフリカランドの売りスワップと買いスワップをFX会社ごとに比較したものです。

FX会社	南アフリカランド円のスワップポイント
	買いスワップ	売りスワップ
GMOクリック証券（FXネオ）	20.2	−20.2
GMO外貨（外貨ex）	18.1	−18.1
DMM FX	19	−22
LINE FX	17	−22
松井証券FX	17	−27
外為どっとコム	18	−23
SBI FXトレード	18	−21
みんなのFX	18.1	−18.1
IG証券	18	−22
FXブロードネット	18	−36
マネーパートナーズ	3	−25
LIGHT FX	20.2	−20.2
ヒロセ通商	18	−37
auカブコムFX	18	−21
JFX	18	−30
外為オンライン	5	−35
楽天証券FX	14	−17

2024年8月時点で南アフリカランドの政策金利が8.25%で日本が0.25%のため、どのFX会社でも南アフリカランド円を買うとスワップポイントが入ります。

多くのFX会社のスワップポイントは10万通貨あたり1日で17〜20円（税込）ですが、マネーパートナーズは3円（税込）、外為オンラインは5円（税込）とやや少ないです。

スワップポイント狙いのトレードをする場合は、マネーパートナーズや外為オンラインは避けた方がよいでしょう。

スワップポイントの比較は次の記事でもおこなっています。他の通貨についても知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

南アフリカランドのスプレッドを徹底比較

ドル円やユーロドルなどのメジャーな通貨ペアはFX会社ごとのスプレッドの差があまりないです。

しかし、南アフリカランドのような新興国通貨はFX会社ごとのスプレッドの差が出る可能性があります。

各FX会社の公式サイトの情報をもとに、南アフリカランド円のスプレッドをまとめました。

FX会社
	南アフリカランド円のスプレッド
GMOクリック証券（FXネオ）	0.9銭
GMO外貨（外貨ex）	午前8時〜翌午前3時：1.3銭 上記以外の時間帯：2.1銭
DMM FX	午前9時〜翌午前5時：1.0銭 上記以外の時間帯：1.0〜2.9銭
LINE FX	午前9時〜翌午前5時：0.9銭 上記以外の時間帯：1.0〜4.5銭
松井証券FX	縮小スプレッド：0.4銭 通常スプレッド：1.0銭
外為どっとコム	午前9時〜翌午前3時：0.3銭　※1 上記以外の時間帯：0.9〜6.0銭
SBI FXトレード	基準値：0.78銭〜7.4銭
みんなのFX	午前9時〜翌午前5時：0.9銭
IG証券	随時変化
FXブロードネット	午前8時〜翌午前4時：16.4銭　※2
マネーパートナーズ	0.3銭〜8.1銭 3万通貨まで：0.1銭
LIGHT FX	公式サイトに記載なし
ヒロセ通商	0.8銭〜2.2銭
auカブコムFX	3.0銭
JFX	0.8〜2.2銭
外為オンライン	14.9銭　※3
楽天証券FX	0.9銭

上記のように、時間帯や状況によるFX会社ごとにスプレッドの差が大きいことが分かります。

マネーパートナーズは3万通貨まで0.1銭（税込）で、3万通貨を超える取引でも通常時は0.3銭（税込）と他社と比較して非常にスプレッドが狭いです。

ただし、2024年7月に流動性が低下したときのスプレッドの拡大時は最大8.1銭（税込）まで開いた事例があるため、注意しましょう。

スプレッドが拡大する状況は、重要な経済指標が発表されたときや、流動性が低下したときなどが挙げられます。

スプレッドの急拡大で思わぬ損を被ることがないように、取引する前に現在のスプレッドをしっかりと確認しておきましょう。

南アフリカランドの取引をするメリット

南アフリカランドの取引をするメリットとして、次の二つが考えられます。

• 南アフリカの政策金利の高さ
• 少額からトレード可能

の2つが挙げられます。

それぞれ詳しく解説します。

政策金利が高い

南アフリカの2024年8月時点の政策金利は8.25%です。

米国の政策金利は5.25%で、日本は0.25%なのをふまえると、南アフリカの政策金利は世界の中でも比較的高めに設定されていることがわかります。

政策金利が高い国の通貨を買い、低い国の通貨を売ると、スワップポイントが毎日もらえます。

南アフリカの金利は日本よりも高いため、日本円を売って南アフリカランドを買うことでスワップポイントによる利益を狙うことができるでしょう。

少額でも始められる

FX取引における必要証拠金は、為替レート×取引数量÷25（レバレッジ25倍の場合）で決まるため、為替レートが小さいほど必要証拠金が少なくなります。

2024年8月時点で、南アフリカランド円は8円前後で推移しています。ドル円は147円前後、ユーロ円は160円前後で推移しているため為替レートは相当低いです。

仮に為替レートが8円のときに10,000通貨の取引する場合は、8×10,000÷25=3200のため、3200円（税込）あれば取引が可能になります。

取引経験が浅くて不安な人や、トレード資金が多くない方でも気軽にトレードできるため、南アフリカランドは取引の経験をつみやすいです。

ただし、FXブロードネットや外為オンラインのように最低取引数量を10万通貨からに設定しているFX会社もあるため、注意しましょう。

南アフリカランドの取引をするデメリット

南アフリカランドはスワップポイントが非常に高くて魅力的な面がある一方で、新興国通貨特有のリスクもあります。

南アフリカランドを取引する前にデメリットを理解しておきましょう。

価格急落のリスクがある

南アフリカは新興国であり、貴金属の輸出が経済を支える資源国でもあるため、投資家がリスクオフに入るとランドの価格は急落する傾向があります。

実際に南アフリカランド円はコロナショック時や2022年の株価急落局面で大きく価格を下げましたが、2023年からの株価上昇局面では上昇基調に回帰しました。

価格変動が激しい通貨であることを考慮し、一気にポジションを入れず、少しずつポジションを入れて購入単価を平準化するようにしましょう。

現地の情報が入手しにくい

日本では、南アフリカのニュースを発信しているメディアの数が多くありません。そのため、現地の情報を入手するのが難しい点はデメリットになる恐れがあります。

為替の動向は、現地の情勢や景気に左右されます。情報が手に入らないと為替変動のきっかけになる出来事を把握することができず、大損する危険性が否めません。

為替変動に機敏に対処するには、南アフリカの最新情報を取得できる環境を整える必要があるでしょう。

南アフリカランド取引に使うFX口座の選び方

南アフリカランドの取引に使うFX口座を選ぶ際は、次の点を意識しましょう。

• スワップポイントの高さ
• 南アフリカの情報を手に入れやすいか

それぞれについて、詳しく解説します。

スワップポイントの高さ

南アフリカランドの最大の長所はスワップポイントの高さのため、スワップポイントが高還元のFX会社がおすすめです。

上述したように2024年8月2日時点で、南アフリカランド円を10万通貨保有したときの1日のスワップポイントのボリュームゾーンは17円〜20円（税込）あたりです。

スワップポイントは政策金利動向や為替レートなどの影響で日々変化しますが、FX会社ごとのスワップポイントの水準はあまり変わりません。

安定して高水準のスワップポイントを受けとりたい方は、高いスワップポイントを売りにしている「GMO外貨」や「LIGHT FX」などがおすすめです。

南アフリカの情報を手に入れやすいか

南アフリカの情報を入手しやすいFX会社は、外為ドットコムが挙げられます。

外為どっとコムは週間テクニカル分析レポートや南アフリカランドの見通しレポートなど、南アフリカランド取引をサポートするコンテンツが豊富です。

口座開設してなくてもコンテンツをみられるため、情報収集に利用して他のFX会社でトレードしても大丈夫です。

政策金利動向やGDPなどの南アフリカの経済指標は、多くのFX会社が情報提供しているため、取引する上でそこまで差はないでしょう。

南アフリカランドの取引におすすめのFX口座5選！

南アフリカランドの取引におすすめのFX口座を5つ紹介します。紹介した以外のおすすめFX口座を知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

GMOクリック証券（FXネオ）

GMOクリック証券は今回紹介する口座の中で南アフリカランド円の買いスワップが一番高く、スプレッドは比較的狭いです。

売りスワップが買いスワップと同水準のため、南アフリカランド円のヘッジ取引がしやすく、相場状況に応じて柔軟なトレードも可能です。

ただし、最低取引数は10万通貨からです。より少ない通貨数で取引したい方は、別のFX口座を選びましょう。

GMO外貨（外貨ex）

GMO外貨はスワップポイントは比較的高水準ですが、先ほど紹介したGMOクリック証券と比較して買いスワップは年間7,000円（税込）以上低いです。

大きな金額でポジションをもつほど年間のスワップポイントの差が大きくなるため、効率よくスワップポイントを稼ぐにはやや不向きでしょう。

また、南アフリカランドのスプレッドがコアタイム（午前8時〜翌午前3時）で1.3銭（税込）とやや高いです。

ただ、キャリートレードをする方は基本的に長期保有で取引回数が多くないため、そこまでスプレッドは影響ないでしょう。

一方でGMO外貨はレバレッジが「1倍コース」、「10倍コース」、「25倍コース」の3つに分かれているため、リスク管理がしやすいです。

取引に慣れるまではレバレッジを低く抑えて取引できるため、FX初心者の方でも安心して始められるでしょう。

DMM FX

DMM FXはスワップポイントが先ほど紹介したGMO外貨よりも高く、スプレッドが狭いため、効率よくスワップポイントをためられます。

GMOクリック証券よりはスワップポイントが低いですが、10,000通貨から取引できるため、少ない必要証拠金でトレードが可能です。

効率のよいキャリートレードを小資金から始めたい方にあったFX口座といえるでしょう。

LINE FX

LINE FXはこれまで紹介したFX口座よりもスワップポイントが劣るものの、1,000通貨から取引可能で、必要証拠金が数百円で済みます。

スプレッドが比較的狭いため、ある程度のスワップポイントがほしいけど、1,000円（税込）未満の資金から始めたい方に適している可能性があります。

また、LINEと連携すると経済指標がLINE通知から確認できたり、LINEアプリから簡単に口座開設できたりするため、FXを身近に感じやすくなるでしょう。

松井証券FX

松井証券FXは、FXを気軽に始めたい方に非常に適したFX口座です。

1通貨から取引可能なため必要証拠金が1円（税込）で済み、縮小スプレッドのときは南アフリカランドのスプレッドが0.4銭（税込）でコストが安いからです。

1円（税込）から取引可能な上に、松井証券のマネーサテライトはFX初心者向けの動画が充実しているため、FX初心者に寄り添ったFX口座といえるでしょう。

南アフリカランドについてよくある質問

南アフリカランドについてよくある質問に3つ答えていきます。

南アフリカランドの今後の見通しは？

南アフリカランドの価格は

• 政策金利
• 金やプラチナなどの商品価格
• 消費者物価指数
• 失業率
• 政治的要因
• 南アフリカの人口増加による経済成長

などの要因で変動すると考えられます。

南アフリカランドは南アフリカの失業率の高さや電力不足、商品価格の下落などのリスクを抱えています。

ですが、南アフリカの人口増加で経済成長する可能性があることや、高い政策金利が維持される可能性が高いことを考えると、底堅い値動きが予想されるでしょう。

南アフリカランドの金利が高い理由は？

南アフリカランドの金利が高い理由はつぎのとおりです。

• 南アフリカの恒常的な高インフレ
• 外資の流出を阻止するため
• 雇用環境の改善のため

南アフリカは恒常的なインフレに悩まされており、高金利にしてインフレを抑制する必要があります。

また、南アフリカは一般的に失業率が30%前後あるため、高金利政策を維持して雇用環境をよくする狙いもあります。

南アフリカランドのスワップポイントだけで生活できる？

不可能ではありませんが、相当資金がないと難しいため、現実的には難しいでしょう。

単身者の場合は月20万円（税込）、4人家族の場合は月40万円（税込）必要ということを前提にどれくらいの金額が必要かシュミレーションします。

年間240万円（税込）稼ぐには約320万通貨、年間480万円稼ぐには約640万通貨のポジションを入れる必要があります。

レバレッジ25倍の取引で南アフリカランドが下落した場合を想定すると、FX口座に3000万円（税込）〜5000万円（税込）くらい入れておく必要があるでしょう。

3000万円以上の資金をもつ人は限られるため、ほとんどの方は南アフリカランドのスワップポイントだけの生活は難しいです。

なお、トルコリラであればスワップポイントだけで生活することもできる可能性があります。トルコリラのスワップポイントについては次の記事で解説しているため、参考にしてください。

まとめ

南アフリカランドはスワップポイントが高い魅力的な通貨である一方、新興国特有の下落リスクがあるため、トレードする際は注意が必要です。

当面は南アフリカの高金利が維持される可能性が高いため、南アフリカランドの下値は限定的だと予想されます。

南アフリカランドのキャリートレードに興味がもてた方は、少しずつ南アフリカランドの積立をしてスワップポイント収入を獲得しましょう。