飲んべえの街としての横浜
横浜といえば洗練された、おしゃれな雰囲気を思い浮かべるかもしれない。しかし横浜ランドマークタワーのおひざ元、桜木町駅からほど近い「野毛」は国内でも有数の飲み屋街だ。碁盤の目の小道に沿って、100店舗以上の居酒屋が軒を連ねる。
今回はどんな酒にもよく合う焼き鳥の特集。焼き鳥は、串に刺して焼くだけのシンプルな料理のようだが、焼きの技術は奥が深いもの。炭火の当て方、タレ、香りまで職人のこだわりが詰まった珠玉の名店を10店選んだ。
横浜駅のおすすめ焼き鳥のお店 10選(目次)
店舗 | 特徴や内容 |
① 炭火やきとり 伝兵衛 南 | 名物「三日五回炙りのかわ」が絶品 |
② はな家 | おでん屋の絶品焼き鳥 |
③ お加代 本店 | 駅前で大評判×ハイコスパの老舗 |
④ 炭屋 串兵衛 | レトロな古民家風一軒家の居酒屋 |
⑤ 地葉はなれ | スタイリッシュ焼き鳥 withワイン |
⑥ 焼鳥ダイニング 串禄 | ムーディーな隠れ家焼き鳥 |
⑦ 濱横酒場 串兵衛 | 湘南発の人気串酒場 |
⑧ 横濱 里葉亭 鶴屋町店 | 職人にすべてを委ねる”お任せコース”一本 |
⑨ 今村商店 | 大衆酒場の焼鳥をほお張る |
⑩ とりとんたん 横浜西口店 | ジャンルは”ネオ割烹” 鶏・豚・タンの三刀流 |
①炭火やきとり 伝兵衛 南
三日五回炙りのかわ
西口から徒歩7分にある伝兵衛は週末予約必須の人気店。自慢の焼き鳥は注文を受けてから1本1本を15〜20分かけて炭火でじっくり焼き上げる。日本酒を傾けながら待つ時間もまた一興か。
その名物はなんといっても地鶏串焼きだ。手間暇かけて丹念に焼き上げており、熟成された味としっかりとした歯ごたえで酒のお供にもぴったり。
名物「三日五回炙りのかわ」は余分な脂は落ちているけれど皮の弾力と柔らかな食感は健在、そしてタレがしっかり染みている逸品だ。比較的さっぱり食べられるのでヘルシーなのも魅力。
そんな美味なる串が1本180円というコストパフォーマンスにも感心だ。
鶏半身揚げは南店だけのオリジナルメニュー。丸一日つけこんだ鶏を素揚げして提供。皮はパリパリ、肉はジューシーに仕上がっている。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸2-13-22
アクセス: 横浜駅西口より徒歩7分
営業時間: [月曜-木曜・日曜・祝日] 17:00-23:00(L.O.フード22:00 ドリンク22:30)
[金曜・土曜・祝前日] 17:00-23:30(L.O.フード22:30 ドリンク23:00)
定休日: 年中無休
②はな家
おでん屋の絶品焼き鳥
横浜駅近くの「狸小路」は昭和の風情が残る飲み屋街だ。気を張っていないと見落としてしまいそうな小さな入り口から小道へ入ると、狭い敷地に「ハシゴ」したい名店がひしめいている。
そんな横丁でも最古参といわれる「はな家」はおでんのおいしい居酒屋だ。そこであえておすすめしたいのが焼き鳥。
焼き鳥盛り合わせは「おでん屋」の域を超えた大評判の味だ。本業のおでん、もつ鍋などと少しづつ、つまんで食べあわせるのが楽しい。
どこか懐かしい横丁のディープな名店で、熱燗をすすりたい。そんなあなたにおすすめ。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸1丁目2-3
アクセス: JR横浜駅 西口から徒歩2分
営業時間: 17:00-23:30
定休日: 日曜・祝日
③お加代 本店
駅前大評判×コスパ
横浜駅西口からすぐの賑やかな通りにある、全席カウンターの昭和27年創業の老舗。名店の風格あるレトロな雰囲気のなかでさまざまな串が楽しめる。
王道ど真ん中をいく焼き鳥屋で、揚げ物や刺身は提供せず、こだわりの串で一本勝負。串は1種類2本からの注文で、1本180円という安心価格だ。2人での来店にはちょうど良いかもしれない。
そんな店自慢の串は、どれも尋常ではない旨さ。特にねぎ肉は、肉質だけでなく絶妙な焼き(焦がし)加減、そしてタレの味の濃厚な甘辛さがなんとも良い。地元のサラリーマンたちに愛され続ける、アットホームな雰囲気も店の魅力だろう。
タン、ラム肉などの鶏肉以外も圧巻の出来栄え。「今日はとにかく焼き鳥だ!」そんな気分の時にはお加代へ。
住所: 神奈川県横浜市西区北幸1-1-2
アクセス: JR横浜駅から徒歩3分
営業時間: 17:00-22:30
定休日: 日曜・祝日
④炭屋 串兵衛
レトロな古民家風一軒家の居酒屋
横浜駅西口から鶴屋町へ歩いて200mの落ち着いた焼き鳥屋。川を渡った先にある3階建ての和風の建物が大繁盛の串兵衛だ。
ここまで紹介した「焼き鳥屋」らしい焼き鳥屋とは毛色の違う、モダンで洗練された内装のお店。焼き鳥デートで利用したいグルメだ。
どの串もいい塩梅の焼き加減で絶品。創業以来貫いてきた手刺しと備長炭が特色だ。
素材はこだわり抜いた安曇野の地鶏を使用している。肉質のしまりが良く、さっぱりなのにジューシーで旨みがたっぷり。
さらにここで紹介するのは名物の「ハツのたたき」。新鮮な厚木豚のハツを低温調理でしっとりいただける。きれいなピンクの色味に、柔らかく臭みのない味わいだ。
住所: 神奈川県横浜市西区高島2-10-25
アクセス: JR横浜駅 東口より徒歩5分
営業時間: 17:30-24:00
定休日: 年中無休
⑤地葉はなれ
スタイリッシュ焼き鳥 withワイン
横浜・関内のおまかせコースのみの焼鳥屋「地葉」が、横浜駅に「地葉 はなれ」をオープン。西口近くの、著名な建築家・隈研吾氏が手がけたビルのなかにある。
従来の焼き鳥の概念を覆すようなスタイリッシュな内装と、この道一筋の店主が繰り出す焼鳥を横浜で味わえる。広くておしゃれな店内は女子会、デートにも持ってこい。
定番のモモ串はがっつり、ゲンコツのような無骨な形。中はしっとりジューシーで弾力もある。タレは肉を引き立てる程度の控えめな主張だ。
焼鳥に合わせるお酒はソムリエや利き酒師が厳選したワインや日本酒を取り揃える。
通常メニューにはKENZO ESTATEのワインが並び、別なワインリストには種類が少ないながらも、様々な国のものがラインナップ。焼鳥屋としてはかなりの品揃え。
住所: 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1-7-1 デリス横浜ビル 4F
アクセス: JR横浜駅 北西口改札から徒歩5分
営業時間: 17:00-24:00
定休日: 日曜
⑥焼鳥ダイニング 串禄
ムーディーな隠れ家
横浜駅から徒歩5分、賑やかな地区の静かな小路にある「焼鳥ダイニング 串禄」。通り過ぎてしまわないように。
暗めの照明が「怪しさ」すら漂わせる穴場の焼き鳥屋。一席あたりが広くゆとりがあるところが過ごしやすさを演出する。
さび焼きはよく焼きでいてとてもジューシー。ねぎまも鶏の柔らかさ、甘みを引き出す逸品だ。
日本酒も種類豊富で、獺祭をはじめ、醸し人九平次は雄町と山田錦の二種類の米で用意するこだわりぶり。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸2-7-10
アクセス: JR横浜駅 西口から徒歩5分
営業時間: 17:00-24:00
定休日: 年中無休
⑦濱横酒場 串兵衛
湘南発の人気串酒場
「やきとり」と言われると、北海道や埼玉を始め、一部地域出身の方は豚肉やもつ焼きを思い浮かべる方もいるとか。
そんなやきとん・もつやきと、焼き鳥両方をコスパよく提供すると人気のお店が、狸小路入口にて営業中の「濱横酒場 串兵衛」である。
信州安曇野から毎朝届く「朝一鶏」や、くさみのない新鮮な国産豚を使用した焼とり・焼とんは熟練の職人が焼き上げる逸品。
それぞれレバーが180円からと追加しやすいお値段。人気どころが6本で1,150円の「串兵衛6本セット」からはじめて、頼みたい串を足していくのがおすすめだ。
アルコールメニューもビールや日本酒・焼酎の他に、サワーやホッピー、果実酒など、無骨すぎ幅広い層が楽しめる品揃え。
狸小路初心者でもふらっと立ち寄って楽しめる気楽なお店だ。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸1-2-2
アクセス: 各線横浜駅 北西口から徒歩1分
営業時間: 15:00-23:00
定休日: 元日のみ
⑧横濱 里葉亭(りばてい) 鶴屋町店
職人にすべてを委ねる”お任せコース”一本
神奈川でも名声1,2を争う焼き鳥の名店「里葉亭(りばてい)」。関内駅が最寄りの本店よりも少しリーズナブルに名店の味やこだわりを楽しめるのが横浜駅最寄りの鶴屋町店である。
「食べログアワード」や「焼き鳥 EAST 百名店」などの選出履歴は凄まじい。同等の受賞歴を持つお店と比べれば本店も実はかなり良心的な価格設定だ。
鶴屋町店では8,000円からいただけるおまかせコース。
里葉亭では「食べる量によって支払いが変わるためあくまで最低料金」とのことだが、口コミ予算も1万円-1万5,000円までに収まっているのでお酒含めてそのぐらいを用意して伺いたい。
白レバーやちょうちんなど、職人技の光る串が絶品なことはもはや当たり前。こちらでは一品料理や〆まで楽しみきりたい。
90年受け継がれてきたぬか漬けに始まり、手羽の唐揚や季節の茶碗蒸し、そして代名詞ともいわれる「フライライス(カレーピラフ)」。
どれも土産話になること間違い無しの逸品揃いだ。
住所: 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-15-3 クレイン横浜ビル 5F
アクセス: JR横浜駅 きた西口から徒歩1分
営業時間: 17:00-22:00
定休日: 月曜 ほか火曜不定休あり
⑨ 今村商店
大衆酒場の焼鳥をほお張る
焼き鳥とお酒は、戦後の焼き鳥の流行以降切っては切り離せない関係にある。
焼き鳥屋だけでなく、大衆酒場、小料理屋、この記事ではおでん屋も先ほど紹介したとおり、それぞれの店に個性があり、それぞれの串にファンがいるだろう。
横浜駅西口から徒歩1分の大衆酒場「今村商店」にも、焼き鳥のファンが多い。
メニューでは「今村商店の焼鳥」として掲載されている。一本税込み196円からと、コスパが全体的に良いこのお店では目立たない程度のお値段。
しかしながら常連らしきお客さんが注文した焼き鳥が炭火で仕上がるのを見れば耐えられる人は少ないだろう。
このお店での焼き鳥の楽しみ方は、「どかっと漁師盛り」「桜えびかき揚げ」など人気の海鮮メニューや、「作りたてポテサラ」のような定番居酒屋メニューの中に、お気に入りの数串をはさみ込む注文方法だ。
食べたいものを楽しく注文して大満足。腹太鼓を打って帰るのにぴったりのお店だ。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸2-1-31 アルテックスビル1F
アクセス: JR横浜駅各線 西口から徒歩1分
営業時間: 11:30-翌5:00
定休日: 年中無休
⑩とりとんたん 横浜西口店
ジャンルは”ネオ割烹” 鶏・豚・タンの三刀流
横浜でも新流の焼き鳥店としておすすめしたい「とりとんたん」。
床はコンクリート、天井は黒塗りで配管や空調が見えるなど大変シンプルな造りながら、椅子やテーブルは清潔、そして明るい雰囲気と、気軽に入りやすい”ネオ”ジャンルのお店である。
2010年代後半の出現以降、段々とハードルの上がりつつある「ネオ〇〇」だが、こちらのお店もそのハードルを超えて評価されつつある。
焼き鳥のお値段はもも・ささみなどが1本264円からと決してお安くない設定。しかしながらネオ割烹と名乗るだけあって仕事が丁寧なため、一本一本が美しいや黄色で提供され、口コミも好評だ。
ほかにも鶏メニューなら「つくね盛り合わせ」や「うずらどんぐり」など、楽しく美味しいラインナップ。
ただ、一番のインパクトを残すメニューは「牛タンてっさ」だろう。
まるでふくのてっさのように美しく並べられたタンには低温調理が施され、たれにつけてそのままいただく贅沢極まりない一皿だ。
住所: 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-15-3 クレイン横浜ビル 5F
アクセス: JR横浜駅各線 みなみ西口より徒歩4分
営業時間: 16:00-24:00
定休日: 年中無休
洗練だけではない。個性を磨く横浜焼き鳥
ここまで、愛される老舗から高級店、大衆酒場におでん屋まで幅広いジャンルのお店から人気の焼き鳥を紹介した。
一口に焼き鳥のお店と言っても、シーンによっておすすめしたいお店はさまざま。この記事での紹介から漏れてしまったお店は、ぜひ口コミサイト「食べログ」からチェックしてほしい。
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