第二部セミナーレポート

デザインイノベーションによるクラウドサービスビジネスの進化

富士通デザイン株式会社 デザイン企画開発部 部長 兼
富士通株式会社 サービスビジネス本部 デザインプロデューサー 森岡亮 氏

森岡氏からは、クラウドサービスビジネスにおいて、デザイン的アプローチをすることでビジネスが 拡がって行くという内容で様々な事例を紹介頂きながらご講演いただきました。

森岡亮 氏 富士通デザインでは世界的に厳しいものづくり競争において、日本のものづくりの良さを 「トラステッドなビジネスサービス」とし、これを日本のマインドの象徴と捉えて生活そのものや、 仕事の仕方をデザインしていこうとしている事が紹介されました。

例えば、ただ綺麗なショールームをデザインするといった表面的な事ではなく、 人間の仕事の仕方や快適な仕事環境をデザインすることによって、『安心安全なサービスを 「エンドユーザー=クライアントにとってのお客様」まで届けることを目指す』といった事を トータルデザインと捉えているということです。

デザインのプロセスにおいて、エスノグラフィーを行ったりすることや、ペルソナやシナリオの 作成をする事などは、20年以上前から常套手段として行われてきています。

しかし、これを単にデザインの手法としてではなくビジネスのインキュベーションの場面で行う事で、 新しいビジネスサービスの本質を見抜くことができます。そしてそこには体験価値や思いやり・おもてなし、 コミュニティ文化についての発見もある訳です。 つまりそれらを提供する事こそが、日本の強みを活かしたビジネス創出に繋がっていくということです。

実際にクラウドサービスの進化はエクスペリエンスデザインの強化が非常に大切なキーになるということでした。

※富士通デザインで行った一連の取り組みを紹介するWebサイトが期間限定で公開予定です。 公開時には本サイトでもご案内させていだきます(追記:【VOTE for your FUTURE!ミライに投票!】として公開されました。

参考情報:

※【 VOTE for your FUTURE!ミライに投票! 】 → http://www.votefuture.net/

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プロダクトから企業まで:新たなアプローチ、ストラテジックデザイン

デザイナー ジョゼフ・フォラキス氏

フォラキス氏からはまず、ご自身の自己紹介と今までに手がけてきた事例の数々のご紹介、そしてストラテジックデザインという手法について詳しくご講演いただきました。

ジョゼフ・フォラキス氏 氏の仕事には二つの柱があって、一つはイタリアのインテリア系中小企業とのコラボレーションによる 照明や家具などのデザインであり、もう一つが新しいテクノロジーを扱う多国籍な大企業とのコラボレーション であるそうです。

文化色の強いミラノにデザインスタジオを構えながら、これらハイテク企業とも多く仕事をすることで、 ハブとしての役割を果たすことができ、双方の利点をそれぞれのお客様にクロスさせながら提供できることが、 氏の強みということでした。

様々なコラボレーション事例をご紹介していただいた後に、フォラキス氏が考えるストラテジック デザインについて説明がありました。それは、戦略的に企業の本質の部分を打ち出し、 その企業に合ったイノベーションし続けていくことが大事なことだそうです。 そのためにはその企業の強みと弱みを分析し、他の競合の企業との差別化できる点を見つけることが重要です。

フォラキス氏が新しいプロジェクトに取り組む際にまず行うことは、企業文化を深く理解するために、 過去の成功事例や歴史、キーパーソンに話を聞いたりすることにより、その組織の強み・ 独自性は何かを把握することです。

一方で、市場で何が起きているかをより深く知るために顧客を一般的なリサーチで知るだけでなく、 エスノグラフィーを用いたり、文化的な動向・社会的な動向を探って本質を見極め、将来の傾向は 何なのかを探ります。同様に、新しい素材や新技術について正確に抑えておくことが必要であり、 また、将来的に直接的・間接的にも競合となりうる技術について、正確に把握しておくことが重要なのです。

つまり、前出の企業文化と市場の潜在性が重なるところに企業のコアバリューが存在し、 その部分こそが各企業における独自性を持って力を発揮できる場所であるため、 イノベーションをする意味がある場所であると言えます。そうすることによりブランドをより深く、 他社とは違う方向に展開することが出来るのです。

コアバリューを伝えるためには、まずプロダクトやプロダクトを使って得られる体験と、 それを提供する仕掛けを作ることが重要です。

とかくイノベーションと聞くと、最新の技術を搭載したプロダクトであったり、 インタラクションやパッケージなど、プロダクトそのものを思い浮かべます。これらを 「ハードイノベーション」とフォラキス氏は呼んでいます。

ただし、このハードイノベーションだけでは本当のコアバリューを伝えるイノベーションとしては不十分です。 広告やマーケティング、お店での体験など、コミュニケーションの仕掛け、プロダクトを取り巻く環境そのものを デザインする必要があります。

これを「ソフトイノベーション」と呼んでおり、これらの「ハードイノベーション」と「ソフトイノベーション」 両方が連動してコアバリューを支える本当のイノベーションになります。 これをフォラキス氏は『ブランドエコシステム』と呼んでいます。 この『ブランドエコシステム』を上手に利用している企業として、アップルを挙げられていました。

また、フォラキス氏と富士通デザインとのコラボレーションで行ったNEXDという プロジェクト(※2)についてのご紹介がありました。このコラボレーションでは、 新しい経験を提供・新しいビジネスプロポジションを提供する場面においても、 今まで説明していただいた戦略的思考が役に立つことを証明できるそうです。

参考情報:

※フォラキス氏 WEBSITE →  http://www.forakis.com/

「moonlinx」にフォラキス氏のロングインタビューが掲載されました。 また、イタリアのデザイン雑誌「INTERNI(インテルニ)」594号はDesign thinkingの特別号になっています。 そこでも、フォラキス氏のお仕事が紹介されています(P.86)。

(※2)このコラボレーションの取り組みを紹介するWebサイトが期間限定で公開予定です。 公開時には本サイトでもご案内させていだきます。(追記:【VOTE for your FUTURE!ミライに投票!】として公開されました。

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キッザニアの価値

株式会社キッズシティージャパン 企画部 部長 油井元太郎 氏

油井氏からは、キッザニアが子供たちに提供する価値について、ビデオの上映も交えてご紹介していただきました。

キッザニアが重視しているものとして、EntertainmentとEducationの造語であるEdutainmentと呼ばれる物があります。これは、子供たちに楽しさを伝えることで学びに繋がるという考え方です。

コンセプトは、

  • 油井元太郎 氏 ロールプレイ(ごっこ遊び)をすることで大人になりきり、五感を使ったインタラクティブな体験を提供。 こうすることで楽しさを提供することにより、体験を通じて役割を知る等仕事や社会を学ぶ経験が得られる。
  • 子供サイズで作られた町並みやそこで展開されるコンテンツを、各企業にスポンサーについていただくこと によりリアルに提供することができる。
  • 独自通貨キッゾにより経済の体験を提供できる。
というものです。

各企業にパビリオンに出展していただく際には、その企業らしさとは何かを協議した上で出展することにより社会貢献として提供できること、ブランディングの戦略として提供できることがあります。

またこども議会という組織をつくり、子供が主役の街づくりをするためのチェック機関として、コンテンツの確認を行っています。

まとめとして、Get Ready for a Better World(より良い世界の為に)というヴィジョン(体験を通じ「生きる力」を育ませるというコンセプト)のもと、スポンサーとコラボレーションをすることによりリアリティを持たせ、こども議会によるシミュレーションをし、人と人とのコミュニケーションによって体験を提供することが、キッザニアの独自性があるとのことでした。

このような独自性の高い価値に着眼し、確かなクオリティで体験を提供するというこの戦略が子供たちに高い支持を継続的に持たれるための秘訣なのではないでしょうか。

参考情報:

※株式会社キッズシティージャパン WEBSITE → http://www.kidzania.jp/

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