2002年11月07日開催

Webサイトや製品の利用品質として、「ユーザビリティ」の重要性が増しています。そして、実際にusableなシステムを開発するための効果的な手法として「ユーザー中心設計」が注目されています。ユーザー中心設計はWebサイトだけでなく、ソフトウェア、携帯コンテンツ、オフィス機器、家電など、幅広い分野で応用可能な手法です。
2002年11月7日(木)、東京・六本木にある(社)日本マーケティング協会 アカデミーホールにて、IIDユーザビリティ公開講座『ユーザ中心設計とISO13407』を開催いたしました。当日は様々な企業のプロダクトデザインやウェブ制作、さらにマーケティング部署などから85名の方々の参加をいただき、セミナー会場は活気に溢れました。
セミナー概要
| 日時 | 2002年11月7日(木) |
|---|---|
| 会場 | (社)日本マーケティング協会 アカデミーホール |
| 主催 | 株式会社イード |
プログラム
- 第1部「ユーザビリティとユーザ中心設計」
- 第3部「FAQと質疑応答」
- 第2部「ISO13407:インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス」
セミナーレポート
第1部「ユーザビリティとユーザ中心設計」
プレゼンテータ: 株式会社イード ユーザビリティエンジニア 樽本 徹也
ISO9241ではユーザビリティを「特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、特定の目標を達成するために用いられる際の、効果、効率、ユーザの満足度の度合い」と定義しています。特に「利用状況(Context of use)」を理解することが重要です。
ユーザインターフェース設計が失敗する原因として、ユーザ定義が曖昧であったり、ユーザの体験を考慮していないことが挙げられます。ユーザインターフェースの設計では、重要な経路上の問題をすべて発見できるような新たなアプローチが必要です。
設計プロセス全体を通じて絶えずユーザと「対話」しながら、ユーザビリティが高いインターフェースを設計する手法が「ユーザ中心設計(UCD)」です。
ユーザ中心設計は「ユーザデータ収集」「ユーザデータ分析」「プロトタイピング」「ユーザビリティ評価」の4つのプロセスに分けられます。4つのプロセスは初め、順を追って直線的に推移しますが、ユーザビリティ評価の後、もう1度上流工程に戻り、それを繰り返します。これを「反復デザイン」と呼び、ユーザ中心設計のキーコンセプトとなります。

樽本 徹也によるプレゼンテーション
ユーザ中心設計で用いられるユーザビリティエンジニアリングの代表的手法には「師匠と弟子」方式のインタビュー、シナリオを使ったデータ分析、ペーパープロトタイプ、そしてユーザテストなどがあります。
ユーザビリティはガイドラインを遵守したり、優秀なデザイナに依存するだけでは実現できません。ユーザ中心設計を既存の設計プロセスに統合して、新たなプロセスを構築する必要があります。
第2部「ISO13407:インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス」
プレゼンテータ: 株式会社イード チーフコンサルタント 山口 優
SO13407はインタラクティブ(対話型)システムを対象とした国際規格であり、ユーザ中心設計の集大成と言えます。この規格は開発プロセスのみを定義しており、個々のプロセスで用いる具体的な方法や技法については書かれていません。第1条から第8条で構成されており、中でも第5条から第7条がメインコンテンツとなっています。
- 第5条:人間中心設計の原則
-
- ユーザの積極的な参加、およびユーザならびに仕事の要求の明解な理解
- ユーザと技術に対する適切な機能配分
- 設計による解決の繰り返し
- 多様な職種に基づいた設計
- 第6条:人間中心の設計工程計画
-
- 人間中心設計プロセス活動
- 人間中心設計プロセス活動を他のシステム開発活動と統合するための手順
- 人間中心設計活動に責任を負う個人ならびに組織
- フィードバックならびにコミュニケーションの確立と文書化
- 開発プロセス全体に統合するための適切なチェックポイント
- 反復作業に対応できる適切なスケジュール
- 第7条:人間中心設計活動
-
- 利用状況の把握と明示
- ユーザと組織の要求事項の明示
- 設計による解決案の作成
- 要求事項に対する設計の評価

山口 優によるプレゼンテーション
あるウェブ制作会社では、ユーザビリティを重要な品質要件と位置づけ、全社的にISO13407に取り組んだ結果、ユーザの満足度とともにクライアントの満足度も向上させることができました。
また、ブロードバンドを使った家庭用情報提供サービス開発プロジェクトでは、複数の外注先のスタッフが共有できる指針としてISO13407を活用しています。
プレゼンテーション資料
上記プレゼンテーションに関連した資料(PDFファイル)をご覧いただけます。





