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過去のセミナー・イベント情報

2000年09月22日開催

IIDユーザビリティ公開講座「ISO 13407認証の現状 - ドイツのアプローチ」セミナー

講師のThomas Geis氏
講師のThomas Geis氏

2000年9月22日(金)、(株)イード及びTUVアカデミーの共同主催により、「ISO 13407認証の現状 - ドイツのアプローチ」と題した1日セミナーを大手町・KDDIホールにて開催いたしました。

講師はTUV Secure iT社で人間工学アナリスト、ITユーザビリティサービス部門のマネージャーとして活躍しているThomas Geis氏。

Geis氏は、ISO 9241、ISO 13407の開発に携わるISO委員会のメンバーであり、また、ISO規格認証手順の開発に関しては、DEKITZ(ITおよび電気通信の認証に関するドイツの認定機関)でユーザビリティ専門家合同チームのマネージャーも勤めるなど、ドイツではこの分野における中心的役割を担う人物。講演は氏の流暢な英語と同時通訳によって、非常にスムーズに進行しました。

セミナー概要

日時 2000年09月22日(金) 10:00~17:00
会場 大手町・KDDIホール 
主催 株式会社イード・TUVアカデミー

プログラム

  • ユーザビリティ関連ISO規格及び適用可能な適合手順
  • 製品設計のための人間工学設計の原則
  • 製品評価-プロセス審査への第一歩
  • ISO 13407の内容とその適用
  • ISO 13407認証-最新の状況
  • ISO 9000-3、CMM及びISO 15504に基づくISO 13407認証手順

セミナーレポート

ユーザ中心設計プロセスとは?

午前の部では、まず用語の定義と、関連規格相互の関係を明らかにした後、「ユーザ中心設計」の手順についてくわしい説明がなされました。

このパートで特に氏が強調していたのは、「100%のユーザビリティなど存在しない」ということ。究極的な理想としてはすばらしいテーマだが、現実には、ユーザの利用状況(context of use)を洗い出し、これをひとつひとつ満足させていくことを通じて、少しずつ前進する以外ないと言います。

利用状況の定義においては、シナリオ技法の優位性を強調。誰が読んでも理解できる平易な言葉で利用状況を描写することで、開発初期の段階からユーザによるチェックを受けられるメリットを指摘しました。

ISOにもとづいた認証活動の実際

午後の部では、各規格に対応して実際の認証活動がどのように行われているか、ドイツでの現状を元に詳細な解説がなされました。

ISO 9241-10および9241-11にもとづいたユーザビリティ適合テストに関しては、ドイツではDEKITZが具体的な手順書をまとめており、2000年春にはその改訂版Ver.2.0が発行された。現在この手順書の英訳作業が進んでおり、完成次第、Webサイトなどを通じて公開されるとのことです。

注目のISO 13407認証については、ソフトウェア開発プロセスの成熟度を測るためにアメリカのCarnegie Mellon大学で開発されたCMM(Capability Maturity Model)の考え方を応用して、やはりDEKITZが審査カテゴリーの形にまとめていて、人間中心の設計プロセスが計画段階、実施段階でどの程度実践されているかを3段階で評価するシステムとなっています。

認証の対象は製品でなくプロセス

ひととおりのカリキュラムが終了した後、改めて質疑応答の時間が設けられたが、なかでもISO 13407の認証対象が製品なのか、企業なのか、はっきりさせてほしい、という声が多く聞かれました。

これに対するGeis氏の解答は、認証の対象になるのは「製品タイプ」であり、ユーザの要求仕様が共通である限り、同種の製品はひとまとめで認証されるというものでした。もしも、ある企業が製品を1種類しか出していなければ、事実上、その「企業」が認証を得たのと同じことになるわけです。製品個別の認証ではなく、その製品を生み出す「プロセス」への認証である点、理解が得にくいようでした。

初の認証事例は年内に

とはいえ、ISO認証に関して先進的なドイツでも、現時点では具体的な認証事例がまだ出ていません。現在、ドイツ系大手ソフトウェアメーカー数社が申請を出していますが、実際の認証が下りるのは早くても2000年末になるだろうとのこと。また、このセミナーで紹介した手順も、あくまでもドイツ国内での認証手順であり、同一のISO規格にもとづいた認証であっても、国によっては異なった手順が適用される可能性もあるということです。

Geis氏によれば、ヨーロッパでは、ISO 13407を始めとしたプロセス認証への注目が近年ますます高まっているとのことです。製品単位の認証よりも永続性があり、具体的な成果が上がりやすいからだといいます。特にユーザビリティのような「終わりのない」テーマに関しては、継続的な実践を組織のプロセスに組み込んでいくという地道な活動以外に、王道はありえないのでしょう。

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